上 下
7 / 32

商店街にて

しおりを挟む
 俺はクエスト完了報告をし、クエスト報酬を受け取った後、ギルドから出る。
 ギルドから出て入り口でカムは心配そうな顔をして待っていた。

「ザンサク。大丈夫でしたか?」

「ああ。心配かけたなカム。あ、これは報酬な」

 俺はカムにクエスト報酬の金半分を渡す。

「私勇者様があんな性格が酷いとは思いませんでした!」

「俺もだよ。しかもオサムの周りはそれをなんとも思っていない。普通冒険者ギルドであんなに騒げば迷惑だろうに。そうは思わないかカム」

「私もそう思いますよ。これからはあまり、いや全力で構わないようにしましょう!」

 ぐっと手で握り拳をつくって俺に言うカム。俺は思わず笑ってしまう。

「な、何がおかしいんですか!そんな急に笑い出して」

「おかしいも何も全力で無視するって。そりゃめちゃくちゃ笑えるじゃないか」

「それもそうですねわれながらいいことを言いました!」とカムは笑い、俺たちは2人大爆笑していた。
 数分笑いあった後俺はカムに「これからどうする?」と聞く。

「これからどうする、ですか。そうですね今日はもう休みたいですけど私のもといたパーティーの溜まり場は使えませんしどうしましょう」

「それは俺も同じだ。溜まり場が2人ともないとなるとつくりたいけど溜まり場の申請するのにパーティーメンバー最低4人はいるからなぁ」

 俺が頭をかいて悩んでいると

「それじゃ商店街の宿屋に行きましょう!小さいですけど無料で泊まれるんですよあそこ」

「へー。詳しいな。昔泊まってたとか?」

「はい。2年前に前にいたパーティーに入るまでそこで雨風を凌いだりしていました。冒険者になってからはできるだけ実家に迷惑をかけないようにしていたので」

 カムが俺に言うと俺はカムに聞く。

「実家に迷惑をかけたくないって。前のパーティーの時、剣の刃が欠けてきたら研いでもらってたんだろ?」

「それに関してはちゃんとお金を払っていますし、それに私は鍛治士の父の世話にならないよう。鍛治の依頼は出しませんでしたよ」

 どやぁとした顔をしながらカムは言う。

「まぁとりあえず商店街に向かって、ついでにぶっしょくもするか」

 俺はカムの手を握って商店街に向かう。
 アワステルン王国は大国で四つのエリアに分かれているまず中央エリアにはギルド、そして王城があり、中央から右がパーティー溜まり場エリア、左側が商店街である。
 俺とカムは商店街に着くと俺はカムに聞く

「なぁ。カム。お前防具布の服しかないけどどしたん?」

「ん?あー。私も追い出されるときに剣以外は初期装備で置いて行けって言われたので防具はそこらへんで拾った布の服なんですよ」

 「そうか」と俺は言って、カムの防具を探すことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!

べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

朝起きたら幼女になっていたのでVtuberをやることにした。

夢探しの旅人
ファンタジー
とある青年が朝起きると幼女に!? とりあえずVtuberになって配信します。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

異世界、肺だけ生活

魔万寿
ファンタジー
ある夏の日、 手術で摘出された肺だけが異世界転生!? 見えない。 話せない。 動けない。 何も出来ない。 そんな肺と、 生まれたての女神が繰り広げる異世界生活は チュートリアルから!? チュートリアルを過去最短記録でクリアし、 本番環境でも最短で魔王に挑むことに…… パズルのように切り離された大地に、 それぞれ魔王が降臨していることを知る。 本番環境から数々の出会いを経て、 現実世界の俺とも協力し、 女の子も、異世界も救うことができるのか…… 第1ピース目で肺は夢を叶えられるのか…… 現実世界では植物人間の女の子…… 時と血の呪縛に苦しむ女の子…… 家族が魔王に操られている女の子…… あなたの肺なら誰を助けますか……

【完結】なんで転移なんか…。 ~白昼夢を見せられチート使いの元クラスメイト達と戦います~

三ツ三
ファンタジー
 "刻越 藍"は修学旅行でとある遺跡に訪れていた。  友人達、クラスメイト達とも楽しい修学旅行を満喫していたはずだった。  クラスが選んだ遺跡観光巡り、その最後の集合写真が行われた時、刻越藍含めたクラス全員が見知らぬ場所に転移させられてしまった。  見知らぬ場所、空気、全てがここは自分達が居た世界で無いと戸惑う。  そして考える暇を与えないかのように、一人のクラスメイトが死んだ。転移してきたのは自分達だけでは無く、その世界の化け物、モンスターも一緒だった。  逃げ惑うクラスメイト達、そんな中、藍は襲い掛かるモンスターに対峙した瞬間、頭が真っ白になり白昼夢を見た。  藍は親友の"安堂透"と共に自分が見た白昼夢の情報を使いモンスターを撃退したが、それが引き金になったかのように次々とモンスターが姿を見せ始めて行く。  突然現れたモンスターの攻撃で藍は、致命傷を負うも再び白昼夢を見せられ回復魔法を扱い一命を取り留めた。  絶対絶命に陥った時、親友の透が右腕を光らせ藍を攻撃したモンスターを一撃で撃退した。  自分達は力を授かった。転移者達の反撃が始まる。  そんな中、藍は一人その波に乗れなかった。その理由は、"自分だけ"にはみんなと同じ力が無い事、その印が右腕には無かったからだ。  それでも共に戦おうと奮闘する藍。だが一人の男子が藍に向けて告げた。 「”ニセモノ"」  その言葉で藍は、同じクラスメイト達から無慈悲な暴力を受けるのであった―――。

処理中です...