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強者討伐 失われた武器
235 アレスの悪行 2
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あの凶器は本棚にようやく戻されると、俺も拷問から開放される。
だからと言って、勝手に椅子に座ろうものなら何をされるかわからない。
「あのままダンジョンへ行かせていたら確実に死ぬことになる。せめて一年ぐらいは訓練を積む必要があると、思います」
「つまり君のように、させるという事かな?」
俺と同じことができる奴が居たら、それはそれでびっくりだと思う。
ここがゲームじゃなければ、俺もそんな事をしないまま学園に行っていただろう。
学園でそれなりに頑張っていたかも知れない。
なんとか死なないよう努力していただろう。
だけど、あの子らにそんな余裕はない。まだ幼い子を助けるために、自分の力量も測れず、簡単に息絶える。
「ここ数日、子供たちといて考えたことがあります」
「いいよ、言ってごらん?」
この話は、俺にとって何も関係がないことだ。
ミーアを救うきっかけにならない。
俺にとっても、ローバン公爵家にもメリットはなく、膨大な出費だけがかさむだけ。
しかし、今後を見据えた場合、恐らく必要なことだと思う。
* * *
「こんな事をしていて、僕たちはアレスに追いつけるのかな?」
「アレスさんはかなり規格外な所もありますからね。追いつくこと自体難しいですね」
レフリアたちは、今後のことについて話し合っていた。
いくら魔物を倒し続けてもアレスと共に戦える気がしない。
下級ダンジョンすら攻略することも出来ず、一方アレスは単身で幾つものダンジョンを攻略しいる。
その快進撃は留まることを知らず、つい数日前にはヘーバイン領にある二個目のダンジョンを攻略したと情報が入ってきた。
「アレスには悪いけど、私達には荷が重いわよ」
「お役に立てるのであれば、気持ちも変わってくるのですが……」
レフリアたちもゆっくりではあるが、強くなっている。
パメラが完全復活したことで、あの頃とは違い下級のダンジョンもアレス無しで、四階層まで進むことが出来ていた。
それにクーバルの助力もあり、ミーアとレフリア以外の武器は新しい物を与えられた。
そのため、主力だったハルトの攻撃力は飛躍的に向上し、防具もより強固な物に変わる。ある意味装備のおかげとも言える。
だからこそ、皆は落胆してしまったのだ。
それはというのも、アレスの装備はどこからどう見ても貧弱。そもそも装備の強さに拘ることを考えていない。
ミーアたちに渡された武器は、当時からすればどれも貴重だった。今になって、なぜアレスは自分の分を用意していなかったのかを思い知らされる。
「アレスは今頃何をしているのかな?」
「どうせ、別のダンジョンにでも居るんじゃないの?」
「アレス様……」
レフリアたちは、ミーアの実家であるシルラーン家に滞在している。
昨日帰ってきたばかりだが、疲労というよりも落胆に打ちひしがれていた。
そんな時、勢いよく扉が開きロイ達がぞろぞろ中へと入って来た。
レフリアたちは慌てて立ち上がり、ハルトは武器を手に取っていた。
「よぅ、久しぶりで良いのか?」
驚かせておきながら、何も悪びれる様子を見せないアレスの姿。
そんなことよりも、目の前にいるアレスにミーアは抱きついていた。
メアリはパメラの手を掴み首を振った。パメラは一度目を伏せて二人を見守っていた。
久しぶりに見せる、ミーアの姿に二人は湧き上がる気持ちをぐっと堪えていた。
「ミーア。元気そうだな、無事で良かった」
俺は頭を何度か撫でて、ミーアを抱きかかえ椅子に降ろした。
これの何が気に入らないのか、服の裾を捕まれ離そうともしない。
「ところでさ、その子達は何なの?」
「良い質問だな。聞いて驚け、コイツラは俺の隠し子だ……待て待て、分かるだろ冗談ぐらい。どう考えても分かるだろ?」
ミーアはお腹の肉を掴み、レフリアは剣を抜き、パメラは矛先を首筋に当てている。
そんな女性陣による鬼の形相を前に、子供たちは怯えだし、ガタガタと震えていた。
「アレス様。そのような冗談、笑えませんわよ?」
うん、そうだね。
というか、それもかなり笑えないぞ? とりあえず、その魔法は消そうか……メアリ。
俺を本気で焼くつもりなのか?
レフリアの一撃だけでなんとか許してくれたものの、即座に殺しにかかるとか普通に考えておかしいよな?
どう見ても分かる話じゃないのか?
子供たちに自己紹介をさせたのだか、俺のセンスのない冗談のせいで、緊張は解れるどころがかなり悪い状態になっていた。
俺に対してかなり打ち解けていたのに、今はさっきの恐怖で顔面蒼白。
この状況で納得してくれるのだろうか?
「俺が悪かった。頼むから機嫌をなおしてくれ」
「自業自得ね」
だからと言って、勝手に椅子に座ろうものなら何をされるかわからない。
「あのままダンジョンへ行かせていたら確実に死ぬことになる。せめて一年ぐらいは訓練を積む必要があると、思います」
「つまり君のように、させるという事かな?」
俺と同じことができる奴が居たら、それはそれでびっくりだと思う。
ここがゲームじゃなければ、俺もそんな事をしないまま学園に行っていただろう。
学園でそれなりに頑張っていたかも知れない。
なんとか死なないよう努力していただろう。
だけど、あの子らにそんな余裕はない。まだ幼い子を助けるために、自分の力量も測れず、簡単に息絶える。
「ここ数日、子供たちといて考えたことがあります」
「いいよ、言ってごらん?」
この話は、俺にとって何も関係がないことだ。
ミーアを救うきっかけにならない。
俺にとっても、ローバン公爵家にもメリットはなく、膨大な出費だけがかさむだけ。
しかし、今後を見据えた場合、恐らく必要なことだと思う。
* * *
「こんな事をしていて、僕たちはアレスに追いつけるのかな?」
「アレスさんはかなり規格外な所もありますからね。追いつくこと自体難しいですね」
レフリアたちは、今後のことについて話し合っていた。
いくら魔物を倒し続けてもアレスと共に戦える気がしない。
下級ダンジョンすら攻略することも出来ず、一方アレスは単身で幾つものダンジョンを攻略しいる。
その快進撃は留まることを知らず、つい数日前にはヘーバイン領にある二個目のダンジョンを攻略したと情報が入ってきた。
「アレスには悪いけど、私達には荷が重いわよ」
「お役に立てるのであれば、気持ちも変わってくるのですが……」
レフリアたちもゆっくりではあるが、強くなっている。
パメラが完全復活したことで、あの頃とは違い下級のダンジョンもアレス無しで、四階層まで進むことが出来ていた。
それにクーバルの助力もあり、ミーアとレフリア以外の武器は新しい物を与えられた。
そのため、主力だったハルトの攻撃力は飛躍的に向上し、防具もより強固な物に変わる。ある意味装備のおかげとも言える。
だからこそ、皆は落胆してしまったのだ。
それはというのも、アレスの装備はどこからどう見ても貧弱。そもそも装備の強さに拘ることを考えていない。
ミーアたちに渡された武器は、当時からすればどれも貴重だった。今になって、なぜアレスは自分の分を用意していなかったのかを思い知らされる。
「アレスは今頃何をしているのかな?」
「どうせ、別のダンジョンにでも居るんじゃないの?」
「アレス様……」
レフリアたちは、ミーアの実家であるシルラーン家に滞在している。
昨日帰ってきたばかりだが、疲労というよりも落胆に打ちひしがれていた。
そんな時、勢いよく扉が開きロイ達がぞろぞろ中へと入って来た。
レフリアたちは慌てて立ち上がり、ハルトは武器を手に取っていた。
「よぅ、久しぶりで良いのか?」
驚かせておきながら、何も悪びれる様子を見せないアレスの姿。
そんなことよりも、目の前にいるアレスにミーアは抱きついていた。
メアリはパメラの手を掴み首を振った。パメラは一度目を伏せて二人を見守っていた。
久しぶりに見せる、ミーアの姿に二人は湧き上がる気持ちをぐっと堪えていた。
「ミーア。元気そうだな、無事で良かった」
俺は頭を何度か撫でて、ミーアを抱きかかえ椅子に降ろした。
これの何が気に入らないのか、服の裾を捕まれ離そうともしない。
「ところでさ、その子達は何なの?」
「良い質問だな。聞いて驚け、コイツラは俺の隠し子だ……待て待て、分かるだろ冗談ぐらい。どう考えても分かるだろ?」
ミーアはお腹の肉を掴み、レフリアは剣を抜き、パメラは矛先を首筋に当てている。
そんな女性陣による鬼の形相を前に、子供たちは怯えだし、ガタガタと震えていた。
「アレス様。そのような冗談、笑えませんわよ?」
うん、そうだね。
というか、それもかなり笑えないぞ? とりあえず、その魔法は消そうか……メアリ。
俺を本気で焼くつもりなのか?
レフリアの一撃だけでなんとか許してくれたものの、即座に殺しにかかるとか普通に考えておかしいよな?
どう見ても分かる話じゃないのか?
子供たちに自己紹介をさせたのだか、俺のセンスのない冗談のせいで、緊張は解れるどころがかなり悪い状態になっていた。
俺に対してかなり打ち解けていたのに、今はさっきの恐怖で顔面蒼白。
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「俺が悪かった。頼むから機嫌をなおしてくれ」
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