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強者出現

166 決着 1

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 たけど、焦らず進むしか無い。このダンジョンで、寝るのは危険すぎるから帰りの時間のこともある。
 地形の把握、雑魚の駆除とアイツと出会う前の準備も必要だった。

 三階層。アイツの感知はここで終っている。
 四階層に居たにも関わらず、アイツは階段を登ってきたのだ。
 普通の魔物はそんなことはしない。今いる魔物もゲームと同じ様に階段を使うことはなかった。

 何事もないまま六階層にたどり着いた。今の所確認されている階層まで来たが、アイツの反応はない。
 六階層は大きな空洞であり、空間の領域がダンジョンだとは思えないほど明るかった。

 ダンジョンは一階層変わるだけで全く別の空間のように変化する場所もある。
 ここのその類なのだろう。それとも、最下層なのだろうかここは?
 ダークリッチが居た階層も、別次元のように違っていたことから、ここにコアがある可能性は十分ある。

 しかし、ここの問題は、障害物のない空間だということだ。
 上空へと逃げれなくも……最悪だな。
 この階層の確認をしていると、アイツの反応が現れた。

「まさか五階層から来るとは、どうやって現れた?」

「ニンゲン? ハイジョ?」

 アイツは在ろうことか五階層へと続く階段から現れたのだ。
 ここまで反応がなかった階層から現れたのか……その場に出てきたかのどっちかだな。

 それにしても、さすがドゥームブレイドと言ったところか?
 あれからかなりの日数が経つというのに、腕の傷は残っていた。クリムゾンで付けた傷は回復していたが、どうやらこれは特別のようだ。
 最先いい情報をありがとうな。

 上空に居たことで、小手試しのエアスラッシュを放つ。
 攻撃回数を減らし、手数を増やす。三十を超える球体を一斉に投げつける。

「リベンジ開始だ!」

 足止めにもならない魔法を使い、アイツの注意を引きつける。
 距離を取り、周りにいる魔物をあらかた倒して、再度エアスラッシュを放つが、棘や衝撃を使い全て防がれる。

 あれ防ぐのなら、範囲攻撃でとバーストロンドを繰り出す。
 魔法攻撃耐性か? 本当に嫌な相手だよ、お前は!
 傷が一つもなく立っていた。

「受け取れ!!」

 姉上に貰ったロングソード、計二十本。
 そのうちの四本を魔力糸で操り次々と突き刺し、切り刻み、その攻撃は、姉上を真似て連撃を繰り出していく。

 剣術と魔力糸。使う剣もそれほど上質なものではないので、効果も薄い。それでも、少しずつ確実にダメージを与えていく。
 周辺に衝撃を発生させ、剣の糸は切れ四方に飛んでいく。
 魔力糸も切れ回収するのは難しい程、遠い所まで飛ばされていた。

「イタイ? ニンゲン? イタイ? ハイジョ?」

「そりゃ痛いわな。まだこれからだ。貫け!」

 ハルバードを二本取りだし、剣で腕を切り刻み体の真ん中目掛けて槍を放つ。
 槍は深く突き刺さり、同時にヤツは苦しみだしている。

「イタイ? イタイ? ギギッ」

「やっと違う言葉を出したな。これだけで終わりじゃねぇよ」

 ハルバードで次の攻撃に移ると、広範囲に衝撃を巻き上げ、同時に複数の魔物が出現していた。
 ここに居たダンジョンとはまた違う、大型の黒い魔物だった。
 魔物召喚なんてそんなのまで使ってくるのか……。 

「お前には効かないんだろうけど。コイツラはどうなんだ?」

 バーストロンドを連続で放ち、その間に飛ばされていたハルバートを一本回収した。
 爆裂が収まると、アイツの周囲に居た魔物は全て居なくなっていた。
 いくら魔物を呼び出されたとしても、それぞれ大した強さではない。
 上空に逃げていたが、既に俺の場所は特定されていたらしく、無数の棘がこちらに向かってきていた。

「ちっ、あれはかなり厄介だな」

 シールドで防げなくもないが、貫通力が何時上回るのかわからない。
 地上へと急降下して、氷の壁でなんとかやり過ごす。
 一つの壁の厚みを大きくするだけで防げるのなら、この壁を利用して逃げている方がマシだ。

 いくら魔法を撃った所で、アイツに対しての決定打にはならない。
 アイツを仕留めるにはドゥームブレイドで攻撃するしか無いようだな。
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