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ラカトリア学園 高等部
127 指輪はそこじゃないと駄目ですか? 1
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メアリは一体何でここに?
こいつとの出会いを考えていくと、色々とおかしな点が見えてくる。
なぜ一人であんな所に?
なぜダンジョンに行けと父親に言われた?
なぜ……魔物とまともに戦えないのに三階層に居たのか?
考えていても解決することではないだろう。
俺にすがり、街に帰りたいとどうして思わなかった?
一体何から逃げようとしている?
「アレス……様」
寝言でも俺のことを……何で?
俺一人ならともかく、メアリはこのまま来るというのならまだ三日はここにいることになるだろう。
その間に少しでも、話してくれるといいんだけどな。
一晩ゆっくりと出来たのか、俺が起きると既に朝食は準備されている。
彼女の目元は、少し赤くなっていたが何も聞かなかった。
のんびりと過ごしていることも出来ないので、メアリは俺の後ろを付いてくるように言い聞かせ、できるだけ魔物を倒しつつ最下層を目指していく。
ただ歩くだけとは言え、ほぼ休み無くひたすら歩く。ダンジョンという緊張もあって、メアリは疲労が溜まりやすいみたいだ。
あの様子からして、肉体的はもちろんだが精神的な疲労によるものだろうな。
メアリは疲れ果ててしまい、休憩のたびに足を止めたことに対して謝罪をしている。
その程度のことは気にするまでもないが、何も出来ないことと、俺に付いて来たことを後悔しているのかもしれない。
できるだけ気を使わせないように心掛けても、メアリ自身のことだから俺がどうこうできるものでもない。
昨日はあんな事になって、しかもダンジョンで寝るなんて思いもよらなかったことだろう。
ちゃんとした所でゆっくりと休みたいよな。
それから二日が過ぎ、ようやく八階層まで降りると、ボスの扉を発見した。
このダンジョンが思っていたより狭くてよかった。階段が早く見つかったのも大きい。
俺としてはこれ以上あんなのが続くと精神が崩壊する。
あの日からというもの、別々で寝ることは絶対に認められなかったし、かなり距離も近くなっている気がする。
「ここでようやく終わりか」
俺は扉を開けると同時に、バーストロンドを何発も打ち込む。
中からは、何かの雄叫びのようなものが聞こえてくるものの、既に塵化をしていたため何が居たのかすらわからない。
完全にいつもの感覚は取り戻せていた。
メアリは、それをただ見ているだけで、俺と一緒に居たことで慣れているのだろうな。
ここまで来て、ノーリアクションというのもなんだかな……。
「これがダンジョンのコア、なのですか?」
「どれも似たようなものだったぞ。不用意に触るなよ、ダンジョンが魔物だというのならって話を知っているか?」
コアを見つつぐるぐる回りながら観察をしていた。
台座に浮かぶコアは、見た目からしてはただの光るガラス玉程度にしか見えない。
「聞いたことはあります。実際見てみないとわからないものですわね」
「その過程だというのなら、それは魔物の心臓と一緒というわけだ。だから触るなってことだ」
「なるほど、そういうことなのですね」
だからって、俺を盾にする必要はないだろう。
この場合、メアリも強化されるのかわからないが……俺でも分からなかったし本当に微々たるものなんだろうな。
「それを壊せば地上へと返される。そして、ダンジョンは消滅する。怖いのなら俺の服をしっかりと掴んでいろ」
「はい。よろこんで!」
なんでここで居酒屋のノリなんだ?
メアリはいつものように俺の服を、掴むのを感じると氷の大剣を作り出し、コアを両断する。 切り裂かれたコアは粉々に砕け散り、壁から光が溢れ出していく。
その光へと包まれると俺たちは外へと出される。
しかし、雨が降っていたため、俺は慌てて大きな木の下へと避難した。
「こうなるのだけど。生憎の天気だな」
「あの、このような物が落ちておりましたわ」
「指輪か?」
差し出された物は指輪で、ダイヤモンドのような宝石が嵌め込まれていた。
こいつとの出会いを考えていくと、色々とおかしな点が見えてくる。
なぜ一人であんな所に?
なぜダンジョンに行けと父親に言われた?
なぜ……魔物とまともに戦えないのに三階層に居たのか?
考えていても解決することではないだろう。
俺にすがり、街に帰りたいとどうして思わなかった?
一体何から逃げようとしている?
「アレス……様」
寝言でも俺のことを……何で?
俺一人ならともかく、メアリはこのまま来るというのならまだ三日はここにいることになるだろう。
その間に少しでも、話してくれるといいんだけどな。
一晩ゆっくりと出来たのか、俺が起きると既に朝食は準備されている。
彼女の目元は、少し赤くなっていたが何も聞かなかった。
のんびりと過ごしていることも出来ないので、メアリは俺の後ろを付いてくるように言い聞かせ、できるだけ魔物を倒しつつ最下層を目指していく。
ただ歩くだけとは言え、ほぼ休み無くひたすら歩く。ダンジョンという緊張もあって、メアリは疲労が溜まりやすいみたいだ。
あの様子からして、肉体的はもちろんだが精神的な疲労によるものだろうな。
メアリは疲れ果ててしまい、休憩のたびに足を止めたことに対して謝罪をしている。
その程度のことは気にするまでもないが、何も出来ないことと、俺に付いて来たことを後悔しているのかもしれない。
できるだけ気を使わせないように心掛けても、メアリ自身のことだから俺がどうこうできるものでもない。
昨日はあんな事になって、しかもダンジョンで寝るなんて思いもよらなかったことだろう。
ちゃんとした所でゆっくりと休みたいよな。
それから二日が過ぎ、ようやく八階層まで降りると、ボスの扉を発見した。
このダンジョンが思っていたより狭くてよかった。階段が早く見つかったのも大きい。
俺としてはこれ以上あんなのが続くと精神が崩壊する。
あの日からというもの、別々で寝ることは絶対に認められなかったし、かなり距離も近くなっている気がする。
「ここでようやく終わりか」
俺は扉を開けると同時に、バーストロンドを何発も打ち込む。
中からは、何かの雄叫びのようなものが聞こえてくるものの、既に塵化をしていたため何が居たのかすらわからない。
完全にいつもの感覚は取り戻せていた。
メアリは、それをただ見ているだけで、俺と一緒に居たことで慣れているのだろうな。
ここまで来て、ノーリアクションというのもなんだかな……。
「これがダンジョンのコア、なのですか?」
「どれも似たようなものだったぞ。不用意に触るなよ、ダンジョンが魔物だというのならって話を知っているか?」
コアを見つつぐるぐる回りながら観察をしていた。
台座に浮かぶコアは、見た目からしてはただの光るガラス玉程度にしか見えない。
「聞いたことはあります。実際見てみないとわからないものですわね」
「その過程だというのなら、それは魔物の心臓と一緒というわけだ。だから触るなってことだ」
「なるほど、そういうことなのですね」
だからって、俺を盾にする必要はないだろう。
この場合、メアリも強化されるのかわからないが……俺でも分からなかったし本当に微々たるものなんだろうな。
「それを壊せば地上へと返される。そして、ダンジョンは消滅する。怖いのなら俺の服をしっかりと掴んでいろ」
「はい。よろこんで!」
なんでここで居酒屋のノリなんだ?
メアリはいつものように俺の服を、掴むのを感じると氷の大剣を作り出し、コアを両断する。 切り裂かれたコアは粉々に砕け散り、壁から光が溢れ出していく。
その光へと包まれると俺たちは外へと出される。
しかし、雨が降っていたため、俺は慌てて大きな木の下へと避難した。
「こうなるのだけど。生憎の天気だな」
「あの、このような物が落ちておりましたわ」
「指輪か?」
差し出された物は指輪で、ダイヤモンドのような宝石が嵌め込まれていた。
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