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ラカトリア学園 高等部
64 破壊令嬢ラティファ? 1
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現段階でダンジョンへと向かっても、報酬が貰えないので話にならない。
店主にギルド会館の場所を聞き、まずは登録を済ませる必要がある。
魔物は倒せば塵となって消えるが……一体どうやって記録するんだろうな。
酒場のようなものをイメージしていたが、なんというか、役所みたいなところだな。
夜ということもあって、冒険者たちの姿はなかった。
この体型でバカどもによる煽りを覚悟をしていたが、何事もなくて助かる。
「あら? 初めての方ですね」
「そうだよ。ラカトリア学園一年のアレスだ。冒険者登録をお願いしたい」
「え? 一年生? おかしいですね、今は学園ダンジョン期間なはずではないのかしら?」
冒険者ギルドへ登録に来たのだけど、さすが毎年学生が登録しているだけあって、学園の内情もよく知っているようだ。
まだ一週間を残して、この時期に登録を済ませようとする学生は今までに俺ぐらいなものだろう。
「今年は本当珍しいですね。この時期に二人も登録に来るなんて」
「二人? 俺を含めて二人ということか?」
「そうですよ。でも登録だけであれば、これまでにも居ない訳ではないですが。先日登録した方は、ミーカトにもう行ってますので異例ではありますね」
俺よりも早くここに来た生徒?
他の所へ移動するには、あの木管を手に入れる必要がある。
レフリアの番号は二番。一人だけで行動をしている人物。そんなものは、ラティファしか考えられない。
初日に札を取ってからすぐにここに来ていたのなら、時間的にも十分考えられる。能力からしてとんでもない奴だな。
戦力で言えば、俺を除いたメンバー全員ですら足元にも及ばないだろう。悪役令嬢のほうがパメラよりも十分役に立つのかよ。
悪役って言われるぐらいだから、性格の難さえ無ければの話だろうけど……もし、仲間にできるのなら心強いだろうな。ミーアのためにも仲間になって欲しいものだな。
「それは良いとして、登録を済ませてダンジョンに行きたいんだ。登録しないと報酬が貰えないのだろ?」
「そうですね。では、こちらに記入と、こちらの水晶に血を数滴お願いします」
血を使っての登録?
なるほどな、あのブレスレットは他者に利用されないために、何かの情報を書き込んでいるということか。
この水晶は恐らく魔導装置だな。
血か……遺伝子? それとも、魔力の質とかで判断できるのだろう。
オーパーツのような謎すぎるアイテムのようだけど……これで本当に大丈夫か?
「これで登録が終わりました」
「ありがとう。これを腕に着けているだけでいいのか?」
「はい。魔物を討伐したら、塵化がどうとか……ごめんなさい私も詳しくまではわからないの。ですが、腕輪の持ち主かどうかは、こちらですぐに分かりますので不正も出来ないですよ」
ギルド職員としてそれでいいのだろうか……幾つか疑問の残る説明だが、何を聞いたとしても、この人からはこれ以上話をしても無駄のようだ。
渡された腕輪だったが、どう見てもサイズが合うとは思えない。
「あの、もう少し大きめのサイズはないのだろうか?」
「へ? そのまま腕に当てるだけで自動的に収まるはずなのですが」
言われたとおりに、手首に押し当てると締め付けられることもなく綺麗に収まった。
こういう仕組みだとしても事前に説明して欲しいんだけどさ。この職員から何かを聞いた所で、まともな話はできそうにもないな。
振ってもずれることもなく、まるで体の一部になっているかのように付けているという感覚すらない。
「例えばだが、遠くからでも討伐の記録は残るのか?」
「その言っている意味がよくわからないですが、魔法で離れた所からでも問題はないです。気にしないほうが良いですよ」
ここが、十分に気になる話なのだが……俺の戦い方で、もし討伐の記録が残らないとなると、お金が手に入らないだろう。毎度毎度近づく必要があるとか効率が悪くなる。
店主にギルド会館の場所を聞き、まずは登録を済ませる必要がある。
魔物は倒せば塵となって消えるが……一体どうやって記録するんだろうな。
酒場のようなものをイメージしていたが、なんというか、役所みたいなところだな。
夜ということもあって、冒険者たちの姿はなかった。
この体型でバカどもによる煽りを覚悟をしていたが、何事もなくて助かる。
「あら? 初めての方ですね」
「そうだよ。ラカトリア学園一年のアレスだ。冒険者登録をお願いしたい」
「え? 一年生? おかしいですね、今は学園ダンジョン期間なはずではないのかしら?」
冒険者ギルドへ登録に来たのだけど、さすが毎年学生が登録しているだけあって、学園の内情もよく知っているようだ。
まだ一週間を残して、この時期に登録を済ませようとする学生は今までに俺ぐらいなものだろう。
「今年は本当珍しいですね。この時期に二人も登録に来るなんて」
「二人? 俺を含めて二人ということか?」
「そうですよ。でも登録だけであれば、これまでにも居ない訳ではないですが。先日登録した方は、ミーカトにもう行ってますので異例ではありますね」
俺よりも早くここに来た生徒?
他の所へ移動するには、あの木管を手に入れる必要がある。
レフリアの番号は二番。一人だけで行動をしている人物。そんなものは、ラティファしか考えられない。
初日に札を取ってからすぐにここに来ていたのなら、時間的にも十分考えられる。能力からしてとんでもない奴だな。
戦力で言えば、俺を除いたメンバー全員ですら足元にも及ばないだろう。悪役令嬢のほうがパメラよりも十分役に立つのかよ。
悪役って言われるぐらいだから、性格の難さえ無ければの話だろうけど……もし、仲間にできるのなら心強いだろうな。ミーアのためにも仲間になって欲しいものだな。
「それは良いとして、登録を済ませてダンジョンに行きたいんだ。登録しないと報酬が貰えないのだろ?」
「そうですね。では、こちらに記入と、こちらの水晶に血を数滴お願いします」
血を使っての登録?
なるほどな、あのブレスレットは他者に利用されないために、何かの情報を書き込んでいるということか。
この水晶は恐らく魔導装置だな。
血か……遺伝子? それとも、魔力の質とかで判断できるのだろう。
オーパーツのような謎すぎるアイテムのようだけど……これで本当に大丈夫か?
「これで登録が終わりました」
「ありがとう。これを腕に着けているだけでいいのか?」
「はい。魔物を討伐したら、塵化がどうとか……ごめんなさい私も詳しくまではわからないの。ですが、腕輪の持ち主かどうかは、こちらですぐに分かりますので不正も出来ないですよ」
ギルド職員としてそれでいいのだろうか……幾つか疑問の残る説明だが、何を聞いたとしても、この人からはこれ以上話をしても無駄のようだ。
渡された腕輪だったが、どう見てもサイズが合うとは思えない。
「あの、もう少し大きめのサイズはないのだろうか?」
「へ? そのまま腕に当てるだけで自動的に収まるはずなのですが」
言われたとおりに、手首に押し当てると締め付けられることもなく綺麗に収まった。
こういう仕組みだとしても事前に説明して欲しいんだけどさ。この職員から何かを聞いた所で、まともな話はできそうにもないな。
振ってもずれることもなく、まるで体の一部になっているかのように付けているという感覚すらない。
「例えばだが、遠くからでも討伐の記録は残るのか?」
「その言っている意味がよくわからないですが、魔法で離れた所からでも問題はないです。気にしないほうが良いですよ」
ここが、十分に気になる話なのだが……俺の戦い方で、もし討伐の記録が残らないとなると、お金が手に入らないだろう。毎度毎度近づく必要があるとか効率が悪くなる。
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