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ラカトリア学園 高等部

60 学園ダンジョン目標達成 1

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 訓練場でひたすら魔法を撃ち続けたことで、ある程度様になりつつある。
 だけど、あのまま打ち続けていても意味がないので、俺達はダンジョンに来ていた。

 二人が使っている魔法は爆裂魔法のバースト。
 その魔法を敵内部で、発動させることで弱い威力ながらも効果的な戦法。
 とはいえ、音も大きいので当然別の魔物を呼び寄せることになる。

「お前達も、休憩するか?」

「アレスさん。こんなところで何やっているんですか? 私達の状況見ながら。一人でお茶しているぐらいなら助けてくださいよ」

「それは、貴方様がやたらと魔法を撃つからです。もう少し音を出さないように工夫をしてください」

 弱い魔物とはいえ、二人にも疲れが出始めている。ここで怯えていたあの頃とはまるで別人のようだ。
 ミーアは武器に魔法の付与をしていないから、魔力が残っているようだな。とは言え余裕があるほど、温存しているようにも見えない。それに引き換えパメラのやつはまだ続けるつもりなのか?
 魔力量で言うと、ミーアよりもかなり多いみたいだな。

「とりあえず魔法を使うな。そうすれば少しぐらい休憩できるだろ」

「でも、実践特訓だし」

「それで大怪我をしていたら意味がないだろ。ミーアの事も少しは考えろ」

「私はまだ、平気です」

 そう言うとレイピアが火を纏っていた。
 無茶してなければ良いのだが……二人共連戦による疲労も溜まっている。
 戦いに集中しているので、俺のことを見ている余裕もなさそうだな。風魔法を使い、今いる魔物と周辺にいる魔物を蹴散らした。二人からは抗議のような視線を受けるが、そんな事は気にしていられない。

「二人共お疲れさん。これでも飲んで少し休め」

「ありがとうございます」

「わざわざすみません」

 ミーアの場合、前衛の戦い方にはゲームと同じように不向きだな。
 それに引き換えパメラの能力の高さに驚くばかりだった。王子と一緒だと、ゲームの難易度も少しだけマシだったかもしれないな。
 アレを良しと思うのならな。そもそもパメラには圧倒的に戦闘力が劣っているから、あの中に入るというだけで無理かもしれない。

「アレスさん? 私がどうかしましたか?」

「何でも無い、気にするな」

 魔力の高さだけが取り柄のようだし、魔法をバンバン撃っていく戦闘だったのかもしれないな。音を気にしないのなら、パメラのほうがミーアよりも戦闘には向いている。

「パメラは状況に応じて魔法を使え、連戦を続けてどうする? ミーアも居たのだからもう少し考えろ」

「はい……」

「ミーアは随分と無理をしていたな。あんなに成るまで戦うな。パメラに辛いからと言えば、あそこまで撃つこともなかっただろ?」

「申し訳ございません」

「今は少し休め、魔物は俺が相手をするから」

 しばらく休憩をして、再戦をするのだが……二人共相変わらずの爆音で、何のための実践かわからないままだった。
 途中からは、俺も参戦してパメラには魔法の指示をしていた。
 ダンジョンから戻る頃には二人はヘトヘトになるまで疲れ果てていた。

 何かと張り合う二人。いつの間にかライバルとしての関係になりつつあるのだが、俺に対してのアプローチだけは勘弁して欲しい。
 レフリアには誂われ、ミーアの行動には思わず我を忘れそうになるが、パメラの横槍でなんとかなってはいるにすぎない。



「皆、さっきの音で魔物が三匹きたよ。アレスはまだ使えそうかい?」

「大丈夫と言いたいが、五分で終わらせろ。連戦続きにならないように、二人は爆裂を使うなよ」

「次は私の番だと思ったのですが……仕方がありません」

 訓練を終えてから、あれから一週間がたった。
 ハルトの剣に氷の大剣を付与して、俺は魔物の注意を引くために、弱い魔法を打ち込んでいく。

「もう少し音をなんとかできればいいのに」

「使うのなら、ライトアローだな。レフリア、そっちに二体頼めるか?」

「だそうよ、ハルト」

「アレスはホント無茶を言うよね」

 先手はミーアの浅い攻撃と、ハルトとレフリアの同時攻撃で魔物を切り離す。
 頭部をアイスニードルで怯ませると、ミーアが続いて攻撃に移る。爆裂を使わないともなると、どうしても大したダメージにならない。
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