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ラカトリア学園 高等部
31 推しキャラって何? 1
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昨日のこともあってか、頭の中では後悔ばかりが駆け巡っていた。
ミーアには、俺に対しての好感度を下げるためにあんな事を言ったりはしたが、それでも少しきつすぎないかと無駄のことを考えたりしていた。
婚約破棄を目的としているのだから、今更好感度なんてどうでもいいのに……淡い期待を持ってしまっているのも事実。
未練がましく悶ていると、夜はいつの間にか朝焼けへと変わっていた。
眠いままクラスへと入ると、誰かにいきなり後ろから蹴られた。
油断していたわけでもないが、こうなると予想をしていなかったからだ。
「へぶっ」
「おい、豚野郎。お前みたいなのがなんでここにいるんだ」
「ぐっ」
見事までに正面から倒れ込んだが、腹の反発でゴロンと仰向けになった。
蹴った本人を確認すると、その顔に見覚えはあるが、はっきり言ってこんな奴は見たことはない。
登場人物だけがこのクラスの全てでないのも分かっているつもりだ。
俺の知るこいつは、ナルシストぽいイメージもある。しかし、基本的には紳士であり、俺のようなデブだろうとこんなことをするはずがないと思う。
まあ、所詮ゲームでの話だけど……何をどう間違えたのか、長髪から短髪へと変わり、目つきも俺のことを見下すように蔑んでいる。
いくら何でもありえないだろ……こいつはこの国の第二王子でありしかも攻略対象だ。
王子のことを少しだけ知っているのは、プレイ中は王子もパーティーに入れていたからだ。誰に対しても気軽に話をかけるそんな奴だと思っていた。
ところがここに居る王子は、俺様属性備えただけではなく、性格はかなり横暴のようだな……現実は、あまりにも残酷すぎるだろ。姉さんがこんなの見たら発狂しそうだ。
しかし、ここまでキャラ崩壊しているのは一体どういうことだ?
「お前みたいなゴミの実力で、特待生のクラスに何のようだ? それとも何か献上しにきたのか?」
「そう言われても、俺のクラスここだし」
「そんな事は聞いていないだろうが? ふざけているのか!」
いやいや、まるで会話が成り立っていない。何なんだよこれじゃまるで、ただのチンピラじゃねぇか!
王子のヒロインは誰だよ。マジで責任取れよな……ええっと誰だっけ、確か……唯一光魔法を使う、やっぱり思い出せない。
仲間には出来ないし、ラティファと違って会話することもなかった気がする。見たといえばゲームパッケージのセンターに居たということぐらい。
今日は初日だからヒロインよりも、この時期だと婚約者は悪役令嬢のラティファのままだよな?
姉さんが、やたらと喚いていた記憶はあるのだけど。確か、あの銀髪ドリルは……なんで居ないんだ? 銀髪の生徒はなんで三人も居るんだよ。
というか、あの毒舌悪役令嬢に好き好んで声かけるのは、そっち系じゃないからご褒美だとも思えない。
しかし、ドリルが居ないというのは、一体どうなっているんだ?
「何をキョロキョロしてんだよ。誰かが助けてくれるとでも思ってんのか?」
うん。この王子はない。
とりあえず体を起こし、頭をガリガリと掻いていた。
周りの様子からして、この王子様を遠巻きにして眺めている。数人はいくら俺が相手だとしても、怪訝そうに見ている者が数人。
相手がこの王子ということもあってか、誰も止めに入ろうとはしない。
「それで、俺に何の用ですか?」
「まずは這いつくばれ。そして俺に許しを乞うのだ。デブですみませんてな」
「はぁ。わかりました」
本当に理解は出来なかった。いくら太っているというだけで、こいつに許しを請う必要がどこにあると言うんだ?
それでも、こういうのもありだと考え、俺は言われた通り土下座をする。王子は頭を踏み、グリグリと踏みつけてきた。
これが王族でこの国は本当に大丈夫なのか?
「デブですみませんでした」
「ふん。それでいいんだよ。次、俺の前に姿を見せたら、そうやって土下座してりゃいいんだよ」
通り際に蹴りを入れてくるクズっぷり。
こんなのが姉さんの一推しのキャラだというのか?
プレイ中によくキャーキャー言ってたのが、まさかこんな奴に変貌をしているとは……それとも、シナリオによって人格がかわるのか?
少し違うか……俺のようなイレギュラーのせいだと考える可能性もある。
ゲームの物語は高等部から始まるため、本来なら通っていたはずの初等部に俺は行っていない。
初等部で何かがあり、そういった事が積み重なって、何かが歪められことにより王子はああなっているのかもしれない。
それにしても酷い有様だな……たとえ俺の思惑通りに進んだとしても、こんなのが国王にでもなったら内乱が起こるかもしれないよな。
ミーアには、俺に対しての好感度を下げるためにあんな事を言ったりはしたが、それでも少しきつすぎないかと無駄のことを考えたりしていた。
婚約破棄を目的としているのだから、今更好感度なんてどうでもいいのに……淡い期待を持ってしまっているのも事実。
未練がましく悶ていると、夜はいつの間にか朝焼けへと変わっていた。
眠いままクラスへと入ると、誰かにいきなり後ろから蹴られた。
油断していたわけでもないが、こうなると予想をしていなかったからだ。
「へぶっ」
「おい、豚野郎。お前みたいなのがなんでここにいるんだ」
「ぐっ」
見事までに正面から倒れ込んだが、腹の反発でゴロンと仰向けになった。
蹴った本人を確認すると、その顔に見覚えはあるが、はっきり言ってこんな奴は見たことはない。
登場人物だけがこのクラスの全てでないのも分かっているつもりだ。
俺の知るこいつは、ナルシストぽいイメージもある。しかし、基本的には紳士であり、俺のようなデブだろうとこんなことをするはずがないと思う。
まあ、所詮ゲームでの話だけど……何をどう間違えたのか、長髪から短髪へと変わり、目つきも俺のことを見下すように蔑んでいる。
いくら何でもありえないだろ……こいつはこの国の第二王子でありしかも攻略対象だ。
王子のことを少しだけ知っているのは、プレイ中は王子もパーティーに入れていたからだ。誰に対しても気軽に話をかけるそんな奴だと思っていた。
ところがここに居る王子は、俺様属性備えただけではなく、性格はかなり横暴のようだな……現実は、あまりにも残酷すぎるだろ。姉さんがこんなの見たら発狂しそうだ。
しかし、ここまでキャラ崩壊しているのは一体どういうことだ?
「お前みたいなゴミの実力で、特待生のクラスに何のようだ? それとも何か献上しにきたのか?」
「そう言われても、俺のクラスここだし」
「そんな事は聞いていないだろうが? ふざけているのか!」
いやいや、まるで会話が成り立っていない。何なんだよこれじゃまるで、ただのチンピラじゃねぇか!
王子のヒロインは誰だよ。マジで責任取れよな……ええっと誰だっけ、確か……唯一光魔法を使う、やっぱり思い出せない。
仲間には出来ないし、ラティファと違って会話することもなかった気がする。見たといえばゲームパッケージのセンターに居たということぐらい。
今日は初日だからヒロインよりも、この時期だと婚約者は悪役令嬢のラティファのままだよな?
姉さんが、やたらと喚いていた記憶はあるのだけど。確か、あの銀髪ドリルは……なんで居ないんだ? 銀髪の生徒はなんで三人も居るんだよ。
というか、あの毒舌悪役令嬢に好き好んで声かけるのは、そっち系じゃないからご褒美だとも思えない。
しかし、ドリルが居ないというのは、一体どうなっているんだ?
「何をキョロキョロしてんだよ。誰かが助けてくれるとでも思ってんのか?」
うん。この王子はない。
とりあえず体を起こし、頭をガリガリと掻いていた。
周りの様子からして、この王子様を遠巻きにして眺めている。数人はいくら俺が相手だとしても、怪訝そうに見ている者が数人。
相手がこの王子ということもあってか、誰も止めに入ろうとはしない。
「それで、俺に何の用ですか?」
「まずは這いつくばれ。そして俺に許しを乞うのだ。デブですみませんてな」
「はぁ。わかりました」
本当に理解は出来なかった。いくら太っているというだけで、こいつに許しを請う必要がどこにあると言うんだ?
それでも、こういうのもありだと考え、俺は言われた通り土下座をする。王子は頭を踏み、グリグリと踏みつけてきた。
これが王族でこの国は本当に大丈夫なのか?
「デブですみませんでした」
「ふん。それでいいんだよ。次、俺の前に姿を見せたら、そうやって土下座してりゃいいんだよ」
通り際に蹴りを入れてくるクズっぷり。
こんなのが姉さんの一推しのキャラだというのか?
プレイ中によくキャーキャー言ってたのが、まさかこんな奴に変貌をしているとは……それとも、シナリオによって人格がかわるのか?
少し違うか……俺のようなイレギュラーのせいだと考える可能性もある。
ゲームの物語は高等部から始まるため、本来なら通っていたはずの初等部に俺は行っていない。
初等部で何かがあり、そういった事が積み重なって、何かが歪められことにより王子はああなっているのかもしれない。
それにしても酷い有様だな……たとえ俺の思惑通りに進んだとしても、こんなのが国王にでもなったら内乱が起こるかもしれないよな。
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