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強者討伐 失われた武器

252 魔物との攻防 2

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 ミーア達も参戦することで、残っていた魔物はあっけなく討伐される。
 レフリアは中央へ向い、ロイ達子供は用意させていたテントを広げていた。

「怪我をすれば、スミア。貴方に任せるわ。いいわね?」

「は、はい。精一杯がんばります」

「うん、その調子よ。メアリ、後方は今来た所でお願い。索敵をする時はテントまで戻って」

「分かりました。乱戦となった場合、索敵を優先します。よろしいですね」

「もちろんよ」

 パメラが放ったライトアローで、魔物たちが引き寄せられていた。
 通路ということもあり、メアリは先に魔法を放つ。
 放たれた二つの魔法は、一体だけを狙う。その斬撃によって、魔物は塵となって消える。

「ロイ。無理はするなよ」

「ベールに言われるほど、僕は弱くはない」

 メアリが下がると、二人が通路を塞ぐ。
 その後ろには、ミーアとパメラが立っている。
 メアリはすかさず索敵を展開する。しかし、左ではなく正面から、三体の反応が確認できていた。

「正面三体来ます。左の魔物は動いておりません、注意してください」

「左は私が見ているから安心して、ハルト。お願いね」

「ああ。ラン、リア」

「スミア、あなたもこっちに」

「で、でも。メアリさんが……」

 中央に残されたメアリを気にかけていたが、後方に反応がない。そのため少しでも戦力が欲しいレフリアはスミアを呼んでいた。
 メアリに背中を押されたことで、武器をしっかりと握りしめる。



「今はまだ来ていない……」

「メアリ様。こちらは残り一体です。トドメをお願いします」

「はい」

 ロイの言葉にメアリが風魔法を作り出すと、ベールの剣は魔物の足を狙い、上手く転倒させる。
 放たれた魔法で、魔物が塵となり。ほっと胸を撫で下ろしていた。
 ミーア達も息を整えるために、中央に戻って来た。
 今の所なんとかなっているが……こんな事をたった一人で行なう、どれほどの恐怖と戦っていたのだろうかと、ミーアは思い始めていた。

「左来ます。後方からも一体ですので、こちらはわたくしが対処します」

「だったら、姉ちゃんは俺たちが護衛するぜ」

 ベールがメアリの前に立って胸を叩く。
 小さくもその頼もしい姿に、メアリは自然と口元を緩ませている。

「お願いね。ミーア」

「はい」

「来たわね……行くわよ」

 それからというもの魔物との攻防は連戦が続き、二時間の時間が経っていた。
 メアリを優先して休憩させるが、それでも長い時間のんびりとすることは出来ない。
 パメラの魔法で魔物をおびき寄せすぎてしまい、激戦は続くもミーアやスミアの回復魔法のおかげで、大きな負傷もなく戦っていた。

 一方レフリアだけは、他の皆とは違い一人で正面の通路を守っていた。
 魔剣ダインスレイブ。
 その異常過ぎる切れ味にハルトはレフリアと離れ一人で戦っていた。
 メアリが、三十分ほどの休憩をする間もなく魔物は再びレフリアたちの前に現れていた。

「前方より四体」

「全く、やれやれね」

「やるしか無いよ。リアの方こそ無理はしないでね」

「私なら大丈夫……だけど、ありがと」

 ハルトはレフリアの前に立ち、大剣を構える。
 レフリアも剣を取り、肩を並べる。ハルトはちらりと顔を伺うと、首を横に振る。
 せっかくの見せ場を台無しにされるが、それでこそレフリアだと思った。

「左右からも来ます……まさか? 左は七体、右からは三体来ます」

「七体……ミーアいける?」

「そのようですね。レフリア様。左は私達が倒します」

「分かった。気をつけて。アルルは右、ロイ達四人もアルルに続いて。前方は私とハルトで行くわ」

 魔物たちとの攻防を繰り広げる中、レフリアはあれだけの魔物を倒していたのだからと、一歩進んだかに思えたが……ダンジョンで泊まるという難しさを痛感する日となった。

「あの魔晶石さえあれば……」
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