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強者討伐 失われた武器
215 死闘の先に 2
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最初から攻撃していたのにそれでも、塵化まではまだ遠い。
俺の立っている地面を氷へ変えていき、そこから何本もの槍を形成していく。
槍が突き刺されば、ある程度の時間稼ぎになる。
「殺します。殺します」
他のアスタロトにも氷の槍が突き刺さり、動きを封じていく。頭上から狙っていた、アスタロトに対してはクリムゾンブレイドで応戦していた。
風魔法を使い、その一体を遠くまで吹き飛ばしてから、さっき攻撃していた奴へ向けて魔法を打ち込もうにも、他の奴らがまた魔法を使おうとしていた。
攻撃ならこっちのほうが早い。容赦なく、魔法を打ち込むことで相手の魔法を無力化していく。
さっきやられた仕返しではないが、魔法を阻害しつつ攻撃ができるのはエアスラッシュと氷の槍ぐらいなものだ。
串刺しにしていたが、小範囲の衝撃を使われ氷の槍が砕かれてしまう。
そんな事は想定済みで、再度上空からは槍が降り注ぐ。
アイツラに対しての攻略方法は攻撃をさせないことにある。
ベルフェゴルのように、無数の攻撃は反撃している時間がない。
防御の出来ない攻撃はかわす他ない。
だけど、遠距離での攻撃なら魔法を阻害して対応する。
近づけば、遠くまで吹き飛ばす。
そして、氷の槍で時間を稼ぎ、風魔法で一体ずつ仕留めていく。しかし、どれだけ魔法を打ち込もうが一向に塵化が始まる様子がない。
「後どれぐらいで、倒せるんだ? ちっ、またかよ」
謀ったかのように、一斉に氷の槍は砕かれ魔法を使おうとする二体と、こちらへと向かってくる三体と分かれた。
槍を打ち込み三体を止めるが、アイツも何時まででも馬鹿じゃなかったらしい。
途中で散開するが、俺の使う槍はそんな事はお構いもなく突き進み、奥に居る二体を串刺しにする。
地面の氷から作られる槍には当然魔力糸を繋げている。そうすることで、軌道の変更もできるため動かない相手へと標的を変えられる。
壁を背にしているおかげで、背後からの攻撃もなくなんとか凌げている状態だ。
「アイツラが倒れるのが先か、魔力が尽きるのが先かって話か……」
はっきり言えば分が悪い。あれだけの攻撃にも関わらずアイツラはまだ、空中を漂う余裕すらあるのだから……こっちも攻撃させないようにと一歩も動けていない。
このままの状態が何時まで持つとも限らない。
「殺す。ニンゲン」
「へっ、ましはもういいのか?」
アスタロトは一箇所に集まり、何かをしようとしていた。
そんな事を黙って見るはずもなく、槍とエアスラッシュで止めどなく打ち続けるが、周囲に張られたシールドによって全て防がれてしまう。
「ここでシールドかよ」
あの攻撃を弾かれるとなると、アレを無効化にできるのはドゥームブレイドぐらいなものだ。
何もしてこないところを見ると、エクスプロードを使える可能性もあるか?
いや、むしろ今なら逃げれる可能性もある……か?
階段までは、ここからだとまだ遠い。
ここで戦い続けるよりも、あのギミックを利用すれば休憩や、一体の撃破も可能になる。
疲れもあるし怪我をしたまま、アイツとの戦闘も何時まで続けられるかもわからない。
もう一度攻撃を繰り出し、急いで階段へと向かう。
当然のように風魔法は弾かれるが、バーストロンドの爆炎が無くなるというわけでもない
「一時休戦したいところだけど。別にいいよな?」
走り出した俺に対して、アイツラは魔法を打ち出してくる。
俺を真似たのか、その威力は弱く、衝撃に備え氷の壁を作り出していたが、あの魔法は壁を貫くことはなかった。
何故防げたのかは分からなかったが、そのまま走っていく。
だが……俺の向かう先は、巨大な槌によって塞がれる。
「冗談だろ……いい加減にしてくれよ」
もう少しで階段だと言うのに、巨大なアスタロトの姿があった。
どう見ても五体が合わさったようなものではなく、この槌も俺の体の何倍も大きい。
元から分体であってこの姿が本来のアスタロトだったのか。
俺の立っている地面を氷へ変えていき、そこから何本もの槍を形成していく。
槍が突き刺されば、ある程度の時間稼ぎになる。
「殺します。殺します」
他のアスタロトにも氷の槍が突き刺さり、動きを封じていく。頭上から狙っていた、アスタロトに対してはクリムゾンブレイドで応戦していた。
風魔法を使い、その一体を遠くまで吹き飛ばしてから、さっき攻撃していた奴へ向けて魔法を打ち込もうにも、他の奴らがまた魔法を使おうとしていた。
攻撃ならこっちのほうが早い。容赦なく、魔法を打ち込むことで相手の魔法を無力化していく。
さっきやられた仕返しではないが、魔法を阻害しつつ攻撃ができるのはエアスラッシュと氷の槍ぐらいなものだ。
串刺しにしていたが、小範囲の衝撃を使われ氷の槍が砕かれてしまう。
そんな事は想定済みで、再度上空からは槍が降り注ぐ。
アイツラに対しての攻略方法は攻撃をさせないことにある。
ベルフェゴルのように、無数の攻撃は反撃している時間がない。
防御の出来ない攻撃はかわす他ない。
だけど、遠距離での攻撃なら魔法を阻害して対応する。
近づけば、遠くまで吹き飛ばす。
そして、氷の槍で時間を稼ぎ、風魔法で一体ずつ仕留めていく。しかし、どれだけ魔法を打ち込もうが一向に塵化が始まる様子がない。
「後どれぐらいで、倒せるんだ? ちっ、またかよ」
謀ったかのように、一斉に氷の槍は砕かれ魔法を使おうとする二体と、こちらへと向かってくる三体と分かれた。
槍を打ち込み三体を止めるが、アイツも何時まででも馬鹿じゃなかったらしい。
途中で散開するが、俺の使う槍はそんな事はお構いもなく突き進み、奥に居る二体を串刺しにする。
地面の氷から作られる槍には当然魔力糸を繋げている。そうすることで、軌道の変更もできるため動かない相手へと標的を変えられる。
壁を背にしているおかげで、背後からの攻撃もなくなんとか凌げている状態だ。
「アイツラが倒れるのが先か、魔力が尽きるのが先かって話か……」
はっきり言えば分が悪い。あれだけの攻撃にも関わらずアイツラはまだ、空中を漂う余裕すらあるのだから……こっちも攻撃させないようにと一歩も動けていない。
このままの状態が何時まで持つとも限らない。
「殺す。ニンゲン」
「へっ、ましはもういいのか?」
アスタロトは一箇所に集まり、何かをしようとしていた。
そんな事を黙って見るはずもなく、槍とエアスラッシュで止めどなく打ち続けるが、周囲に張られたシールドによって全て防がれてしまう。
「ここでシールドかよ」
あの攻撃を弾かれるとなると、アレを無効化にできるのはドゥームブレイドぐらいなものだ。
何もしてこないところを見ると、エクスプロードを使える可能性もあるか?
いや、むしろ今なら逃げれる可能性もある……か?
階段までは、ここからだとまだ遠い。
ここで戦い続けるよりも、あのギミックを利用すれば休憩や、一体の撃破も可能になる。
疲れもあるし怪我をしたまま、アイツとの戦闘も何時まで続けられるかもわからない。
もう一度攻撃を繰り出し、急いで階段へと向かう。
当然のように風魔法は弾かれるが、バーストロンドの爆炎が無くなるというわけでもない
「一時休戦したいところだけど。別にいいよな?」
走り出した俺に対して、アイツラは魔法を打ち出してくる。
俺を真似たのか、その威力は弱く、衝撃に備え氷の壁を作り出していたが、あの魔法は壁を貫くことはなかった。
何故防げたのかは分からなかったが、そのまま走っていく。
だが……俺の向かう先は、巨大な槌によって塞がれる。
「冗談だろ……いい加減にしてくれよ」
もう少しで階段だと言うのに、巨大なアスタロトの姿があった。
どう見ても五体が合わさったようなものではなく、この槌も俺の体の何倍も大きい。
元から分体であってこの姿が本来のアスタロトだったのか。
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