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強者出現
159 脱出 2
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「こっちから行きます。全く邪魔な奴らだ」
「すごい、あんなに傷だらけなのに」
「私も正直驚いている。あれ程とは……」
階段へ向かうが、こちら側よりもアイツのほうが階段に近い。
どうやら、ある程度なら認識しているようだな。階段で鉢合せるつもりなのか? そんな事になったら守りきれる訳がない。
「次から次へと全く、このまま行ってもダメだな」
階段周辺は一本道だ。あの衝撃が来れば間違いなく防ぎきれない。
反対方向から風魔法を食らわせれば戻るか?
今は考えているよりも実行するしか無いか。
「皆さんはここで待っていてください。魔物は居ないので安心してください」
「わかった」
ある程度近づき、魔法を打ち込むとさっきと同様に撃った場所へと向かっているようだ。
よし、いいぞ。今なら間に合うかもしれない。急いでルフさんの所へと戻る。
魔物たちの反応は近くにない、このまま逃してくれよな。
「皆さん急いで」
「はい」
「ああ」
なんとか三階層へとたどり着いたが、立ち止まっている余裕はない。
少し前に倒していたはずなのに、もうこんなにいるのか……どうなっている?
とはいえ、風魔法はまだまだ撃てるから魔物は問題ない。
二階層へと上がる頃、再度あの反応を感じた。
『ニンゲン? ハイジョ?』
背筋が凍りつく、降りてこなかったのは戻ると知っていたからか?
それとも、ルフさん達が結界の中に居たから?
結界には索敵が効かない。
しかし、アイツは最初から俺やルフさん達も想定していたわけか……だから、ニンゲンというわけか?
そもそも何のために人間を?
「急いでください。アイツがこっちに向かってきています」
「なんだと?」
「ルフ様……もし私達が邪魔でしたら……捨ててください」
何言ってる。
ここまで来て、いまさら捨てられるか。
そもそもそんなくだらない話をしている時間すら無駄だ。
「貴方は、うるさい。ルフさん、少々辛いですが我慢してください。効果はせいぜい一時間。その人を背負ってください」
ルフさんにブレイブオーラをかける。これがあれば背負う程度なら問題はないだろう。
やはり初めてなのだろうか? 自分の体を不思議そうに眺めていた。
「何だこれは」
「強化魔法です。いいですか、絶対に走らないでください。初めてなら感覚がずれるので確実に転びます」
「分かった。行こう」
俺が魔物たちを殲滅し、一階層までたどり着いた。
アイツは二階層で巻けたのか、なんとか逃げ切りダンジョンを出ることが出来た。
流石に魔力が少ないのか、ダメージを受けすぎていたからか、立っているだけでも辛い。
外はまだ雪が降っていた。
「はぁはぁ。エアシールド。すみません寒さまでは凌げなくて」
「それよりも、お前そんなに魔法を使っていて大丈夫なのか?」
「下らないことで議論するつもりはありません。この近くに町はありますか?」
「ああ、私の屋敷がある。そこへ戻ろう、ここからだとそう遠くはない」
「分かりました。ファイアボール。明かりはこれでいいですか?」
アイツを倒すにはどうすればいい?
ドゥームブレイドと剣は効果があった。物理攻撃か……そんなヤツいるのかよ。魔法が効かないと辛いな……。
あれから暫く経つがアイツの反応もない。流石にダンジョンの外に出ることはないみたいだな。
あんなのが出てきたら街なんて一溜まりもないぞ。
アイツがいたということで……あいつと同等かそれ以上の強者。もしかするともっといるのかもしれない。
「大丈夫か?」
フラフラと後ろをついていく俺に、ルフさんが声をかけている。
他人を心配している場合なのかよ……。
「これで、そう見えるのなら、医者に目を見て貰えばいいと思いますよ」
「減らず口を、だがもう少しだ」
それからどれぐらいの時間が経ったのだろうか、意識が朦朧としている。
ルフさんが何かを叫んでいる。なんだろう……聞き取れない。
「すごい、あんなに傷だらけなのに」
「私も正直驚いている。あれ程とは……」
階段へ向かうが、こちら側よりもアイツのほうが階段に近い。
どうやら、ある程度なら認識しているようだな。階段で鉢合せるつもりなのか? そんな事になったら守りきれる訳がない。
「次から次へと全く、このまま行ってもダメだな」
階段周辺は一本道だ。あの衝撃が来れば間違いなく防ぎきれない。
反対方向から風魔法を食らわせれば戻るか?
今は考えているよりも実行するしか無いか。
「皆さんはここで待っていてください。魔物は居ないので安心してください」
「わかった」
ある程度近づき、魔法を打ち込むとさっきと同様に撃った場所へと向かっているようだ。
よし、いいぞ。今なら間に合うかもしれない。急いでルフさんの所へと戻る。
魔物たちの反応は近くにない、このまま逃してくれよな。
「皆さん急いで」
「はい」
「ああ」
なんとか三階層へとたどり着いたが、立ち止まっている余裕はない。
少し前に倒していたはずなのに、もうこんなにいるのか……どうなっている?
とはいえ、風魔法はまだまだ撃てるから魔物は問題ない。
二階層へと上がる頃、再度あの反応を感じた。
『ニンゲン? ハイジョ?』
背筋が凍りつく、降りてこなかったのは戻ると知っていたからか?
それとも、ルフさん達が結界の中に居たから?
結界には索敵が効かない。
しかし、アイツは最初から俺やルフさん達も想定していたわけか……だから、ニンゲンというわけか?
そもそも何のために人間を?
「急いでください。アイツがこっちに向かってきています」
「なんだと?」
「ルフ様……もし私達が邪魔でしたら……捨ててください」
何言ってる。
ここまで来て、いまさら捨てられるか。
そもそもそんなくだらない話をしている時間すら無駄だ。
「貴方は、うるさい。ルフさん、少々辛いですが我慢してください。効果はせいぜい一時間。その人を背負ってください」
ルフさんにブレイブオーラをかける。これがあれば背負う程度なら問題はないだろう。
やはり初めてなのだろうか? 自分の体を不思議そうに眺めていた。
「何だこれは」
「強化魔法です。いいですか、絶対に走らないでください。初めてなら感覚がずれるので確実に転びます」
「分かった。行こう」
俺が魔物たちを殲滅し、一階層までたどり着いた。
アイツは二階層で巻けたのか、なんとか逃げ切りダンジョンを出ることが出来た。
流石に魔力が少ないのか、ダメージを受けすぎていたからか、立っているだけでも辛い。
外はまだ雪が降っていた。
「はぁはぁ。エアシールド。すみません寒さまでは凌げなくて」
「それよりも、お前そんなに魔法を使っていて大丈夫なのか?」
「下らないことで議論するつもりはありません。この近くに町はありますか?」
「ああ、私の屋敷がある。そこへ戻ろう、ここからだとそう遠くはない」
「分かりました。ファイアボール。明かりはこれでいいですか?」
アイツを倒すにはどうすればいい?
ドゥームブレイドと剣は効果があった。物理攻撃か……そんなヤツいるのかよ。魔法が効かないと辛いな……。
あれから暫く経つがアイツの反応もない。流石にダンジョンの外に出ることはないみたいだな。
あんなのが出てきたら街なんて一溜まりもないぞ。
アイツがいたということで……あいつと同等かそれ以上の強者。もしかするともっといるのかもしれない。
「大丈夫か?」
フラフラと後ろをついていく俺に、ルフさんが声をかけている。
他人を心配している場合なのかよ……。
「これで、そう見えるのなら、医者に目を見て貰えばいいと思いますよ」
「減らず口を、だがもう少しだ」
それからどれぐらいの時間が経ったのだろうか、意識が朦朧としている。
ルフさんが何かを叫んでいる。なんだろう……聞き取れない。
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