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3.聖霊神殿へ
先生として
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色々と問題はあるようだが……特に魔王リリアの方にだが、とにかく魔族にもレベルが付与され、その恩恵が顕現する事が分かった。
これで、こちらの戦力は更に増強される事となる。
……まぁ逆に言えば、これで人族が魔族に勝てる要素が消し飛んだって訳だけどな。
もっとも、レベルの上限が人族と魔族では圧倒的に違う。
頑張れば……もしかすれば、魔族と渡り合う力を人族も得る事が出来るかも知れない……んだけどな。まぁ、希望的観測なんだろうけど。
なんせ、人界最強だって言われている勇者である俺でさえ、今のレベルに到達した時点で39歳なんだからなぁ……。
それは兎も角として、魔族はレベルにより更なる強さを得る事が出来るんだ。これを活用しない手はない。
「それじゃあ、俺はメニーナとパルネを連れて『聖霊神殿』へと向かうよ」
魔王リリアならばともかく、彼女と同等かそれに近しい強さを持たない者に「スフェラ神山」を登るのは酷と言うものだ。
だから俺たちは聖霊様にお願いして、そこよりも比較的向かいやすい「テムブルム地方」にあると言う「聖霊神殿」へと2人を連れて行こうと考えていた。
まぁあの山よりも魔物の強さは低いらしいし、山道を行く事も無いんだったら子供でも辿り着きやすいだろう。
「そうか……。気をつけてな」
なんだかしんみり……というかションボリしちまった魔王リリアは、ポツリとそう呟いた。
何だよ……。まるで今生の別れみたいな雰囲気を醸し出すなよぅ。
「ま……またすぐ来るから。それまで、確り鍛えてレベルを少しでも上げておくと良い」
何とも居た堪れない空気を吹き飛ばすように俺が彼女へと告げると。
「そ……そうか? ならば、勇者がどうあっても太刀打ち出来ないほど強くなって待ってるからな!」
なんて、とんでもない事を満面の笑みで返してきやがったんだ。
いやぁ……。これ以上強さに差が出ちまったら、正直な話……凹んじまう。
彼女が強くなることは戦力的に喜ばしい。……喜ばしいのは分かっているんだ!
でも……何というか……勇者として。
……男として、何だかそれだけは納得出来ない部分があったんだ!
……それが……どうしようもない事だとしても……な。
俺は何とか顔に笑みらしきものを浮かべ頷き、そのままその場所から転移したんだ。
魔王リリアと別れて、俺は早速メニーナたちと合流……はしなかった。
本当は、首を長くして待ってるメニーナたちを放っておくことには非常に懸念があったんだ。
でも俺だって、彼女達ばかりに目を向けている訳にもいかない。
魔王リリアに会いに魔界へと向かったのもそうだし、ここへやって来たのもその1つだ。
「先生っ!」
満面の笑みを浮かべて駆け寄って来るのは、俺の教え子の中でもちょー優等生なイルマだ。
彼女が元気にしていると言う事は、今のところ彼らに大きな問題はなさそうだな。
「なんだよ。様子でも見に来たのかよ?」
少し斜に構えて、手を頭の後ろで組んで俺を出迎えたのはこのパーティの「表の」リーダー格、クリークだ。
因みに「裏の」リーダー格は言うまでもなく……イルマだ。
「あんたさぁ。私らの面倒見るんなら、フラフラしてないで頻繁に顔を出しなさいよね」
そしてこの高慢な物言いは、魔法使いであり「魔女」でもあるソルシエ。
この生意気ツートップは、どうやら反抗期バリバリのようだなぁ……。
でも、普通それって自分の親に向かわないか?
何で俺にそんな態度を取るかなぁ……先生なのに。
「せ……先生っ! お待ちしておりましたっ! 色々とお聞きしたいことが!」
で、この殊更に暑苦しいのがダレンだ。
彼は以前から俺の事を「師」と仰いでいる節があったけど、最近では神か何かと勘違いしてるんじゃあないかってくらいに崇めてくる。
いや、敬ってくれるのは年上として有難い訳なんだけど、こうも崇敬されるとなぁ……。
兎も角、このまだまだ問題盛りやんちゃ盛りな少年少女たちが、今俺が面倒を見ている新米冒険者たちだった。
「偉そうな口を利く前にクリーク、ソルシエ。近況報告が先だろう」
「いて!」「痛いわね!」
生意気な2人の頭を軽く小突いて、俺はとにかく年長者としての態度で接したんだ。
そんな俺たちのやり取りを、優等生2人組は苦笑を浮かべて見つめていた。
こんなのは、もう以前から行われている挨拶の様なものなんで、今更俺も腹を立てるって事はしない。
それに、この2人がいつもの調子なんであれば、それはやっぱり今の活動が上手くいっているって証拠でもあるからな。
何よりもイルマの笑顔がその判断材料となる訳なんだが、彼女は兎角俺に心配を掛けまいと振る舞う。それは、ダレンも同様だ。
流石にその表情の裏に隠された感情やら雰囲気を見逃すって事はないけど、俺だって完全じゃないからな。もしかすると、上手く誤魔化されるかも知れない。
それに比べてクリークとソルシエはまぁ……隠し事が出来ない。
すぐに表情に出る。態度に現れる。口数が少なくなったり荒くなったり……。
とにかく、何かを秘密にするって事が出来ないんだ。……まだまだ子供だよなぁ。
だからこそこの2人がいつもの調子なのは、何よりもこのパーティに大きな問題がないって事なんだ。
「俺だって暇じゃないからな。早速、これまでの報告と問題点を」
クリークとソルシエの抗議の声を無視し、ついでに2人の抑え役をダレンに丸投げして、俺はイルマへと顔を向けた。
とにかく感情的になりやすりクリークとソルシエから話を聞くと、それだけでかなりの時間を無駄にしちまう。
ユックリとしてられるなら聞いてやるのも吝かじゃあないが、俺もかなり多忙な身だからな。
「はい」
そんな俺の事情を知ってか知らず、微笑んだイルマは俺の前にゆっくりと進み出て静かに、それでいてよく聞き取れる声音で実に要領よく説明してくれたんだ。
そして俺はクリークたちを引き連れて、例の「シュロス城」までやって来ていた。
「んだよぉ……。何で今更、こんな所に……」
「ほんっと、いつ来ても陰気な所よねぇ……」
2人がブチブチと愚痴っている通り、彼らはもうこの付近でのレベル上げを終えていて、次なる目的地である「オルミガ集落」へと向かう為に準備と情報収集をしていた処だったんだからな。不平不満が出てくるのも分かる話だ。
でも俺にはその前に、どうしても確認しておかなければならない事があったんだ。
それは、以前にイルマより相談を持ち掛けられ、クリークたちのトラウマにもなり兼ねない怪物をちゃんと倒せるか……と言う事だった。
「ここに来た目的は、言わなくても分かるだろ?」
不満たらたらなクリークとソルシエに向けた台詞だったが、これはイルマやダレンにも言える事だった。
こいつ等は、4人で1つのパーティだ。
その内で2人も苦手としているモンスターをそのままにして先へと進めば、きっと更に問題が大きくなって圧し掛かる事だろう。
荒療治ともいえるんだが、嫌いな事は早々に取り組み解決しておく。これは何に対しても有効な対処手段だ。
俺が問い掛けると、4人からはピリッとした空気が発せられた。
ここでの戦いを切り上げたと言う事は、以前に手痛い目にあわされたモンスター、ヴァンパイアの下位眷属である「ブラッド・サッカー」を既に倒せていると言う事でもある。
まぁ、そうでなければ先に進むなんて許さないけどな。
それを確認する為にも、俺はこの目でこいつ等が難敵を倒す場面を目撃しなけりゃならない。
「分かってるよぉ、そんな事ぉ!」
「……はい」
「もう……。疑り深いのねぇ」
「分かっています、先生!」
俺の質問にクリークはぶっきら棒に、イルマはキュッと口を引き結び真剣な眼差しで、ソルシエはわざとらしく大きな溜息を吐きつつ、そしてダレンは暑苦しく返答して来た。
少し……いや、かなり過保護かもしれないが、俺はこいつ等に関わり「先生」と呼ばれる立場になっちまってるからな。今更、適当に放っておく訳にもいかないってもんだ。
「……よし。なら、標的だけを俺が引き連れてくるから、お前たちはそいつを倒すんだ。……いいな?」
俺はそれだけを言い残して、城の奥へと1人で向かって行ったんだ。
これで、こちらの戦力は更に増強される事となる。
……まぁ逆に言えば、これで人族が魔族に勝てる要素が消し飛んだって訳だけどな。
もっとも、レベルの上限が人族と魔族では圧倒的に違う。
頑張れば……もしかすれば、魔族と渡り合う力を人族も得る事が出来るかも知れない……んだけどな。まぁ、希望的観測なんだろうけど。
なんせ、人界最強だって言われている勇者である俺でさえ、今のレベルに到達した時点で39歳なんだからなぁ……。
それは兎も角として、魔族はレベルにより更なる強さを得る事が出来るんだ。これを活用しない手はない。
「それじゃあ、俺はメニーナとパルネを連れて『聖霊神殿』へと向かうよ」
魔王リリアならばともかく、彼女と同等かそれに近しい強さを持たない者に「スフェラ神山」を登るのは酷と言うものだ。
だから俺たちは聖霊様にお願いして、そこよりも比較的向かいやすい「テムブルム地方」にあると言う「聖霊神殿」へと2人を連れて行こうと考えていた。
まぁあの山よりも魔物の強さは低いらしいし、山道を行く事も無いんだったら子供でも辿り着きやすいだろう。
「そうか……。気をつけてな」
なんだかしんみり……というかションボリしちまった魔王リリアは、ポツリとそう呟いた。
何だよ……。まるで今生の別れみたいな雰囲気を醸し出すなよぅ。
「ま……またすぐ来るから。それまで、確り鍛えてレベルを少しでも上げておくと良い」
何とも居た堪れない空気を吹き飛ばすように俺が彼女へと告げると。
「そ……そうか? ならば、勇者がどうあっても太刀打ち出来ないほど強くなって待ってるからな!」
なんて、とんでもない事を満面の笑みで返してきやがったんだ。
いやぁ……。これ以上強さに差が出ちまったら、正直な話……凹んじまう。
彼女が強くなることは戦力的に喜ばしい。……喜ばしいのは分かっているんだ!
でも……何というか……勇者として。
……男として、何だかそれだけは納得出来ない部分があったんだ!
……それが……どうしようもない事だとしても……な。
俺は何とか顔に笑みらしきものを浮かべ頷き、そのままその場所から転移したんだ。
魔王リリアと別れて、俺は早速メニーナたちと合流……はしなかった。
本当は、首を長くして待ってるメニーナたちを放っておくことには非常に懸念があったんだ。
でも俺だって、彼女達ばかりに目を向けている訳にもいかない。
魔王リリアに会いに魔界へと向かったのもそうだし、ここへやって来たのもその1つだ。
「先生っ!」
満面の笑みを浮かべて駆け寄って来るのは、俺の教え子の中でもちょー優等生なイルマだ。
彼女が元気にしていると言う事は、今のところ彼らに大きな問題はなさそうだな。
「なんだよ。様子でも見に来たのかよ?」
少し斜に構えて、手を頭の後ろで組んで俺を出迎えたのはこのパーティの「表の」リーダー格、クリークだ。
因みに「裏の」リーダー格は言うまでもなく……イルマだ。
「あんたさぁ。私らの面倒見るんなら、フラフラしてないで頻繁に顔を出しなさいよね」
そしてこの高慢な物言いは、魔法使いであり「魔女」でもあるソルシエ。
この生意気ツートップは、どうやら反抗期バリバリのようだなぁ……。
でも、普通それって自分の親に向かわないか?
何で俺にそんな態度を取るかなぁ……先生なのに。
「せ……先生っ! お待ちしておりましたっ! 色々とお聞きしたいことが!」
で、この殊更に暑苦しいのがダレンだ。
彼は以前から俺の事を「師」と仰いでいる節があったけど、最近では神か何かと勘違いしてるんじゃあないかってくらいに崇めてくる。
いや、敬ってくれるのは年上として有難い訳なんだけど、こうも崇敬されるとなぁ……。
兎も角、このまだまだ問題盛りやんちゃ盛りな少年少女たちが、今俺が面倒を見ている新米冒険者たちだった。
「偉そうな口を利く前にクリーク、ソルシエ。近況報告が先だろう」
「いて!」「痛いわね!」
生意気な2人の頭を軽く小突いて、俺はとにかく年長者としての態度で接したんだ。
そんな俺たちのやり取りを、優等生2人組は苦笑を浮かべて見つめていた。
こんなのは、もう以前から行われている挨拶の様なものなんで、今更俺も腹を立てるって事はしない。
それに、この2人がいつもの調子なんであれば、それはやっぱり今の活動が上手くいっているって証拠でもあるからな。
何よりもイルマの笑顔がその判断材料となる訳なんだが、彼女は兎角俺に心配を掛けまいと振る舞う。それは、ダレンも同様だ。
流石にその表情の裏に隠された感情やら雰囲気を見逃すって事はないけど、俺だって完全じゃないからな。もしかすると、上手く誤魔化されるかも知れない。
それに比べてクリークとソルシエはまぁ……隠し事が出来ない。
すぐに表情に出る。態度に現れる。口数が少なくなったり荒くなったり……。
とにかく、何かを秘密にするって事が出来ないんだ。……まだまだ子供だよなぁ。
だからこそこの2人がいつもの調子なのは、何よりもこのパーティに大きな問題がないって事なんだ。
「俺だって暇じゃないからな。早速、これまでの報告と問題点を」
クリークとソルシエの抗議の声を無視し、ついでに2人の抑え役をダレンに丸投げして、俺はイルマへと顔を向けた。
とにかく感情的になりやすりクリークとソルシエから話を聞くと、それだけでかなりの時間を無駄にしちまう。
ユックリとしてられるなら聞いてやるのも吝かじゃあないが、俺もかなり多忙な身だからな。
「はい」
そんな俺の事情を知ってか知らず、微笑んだイルマは俺の前にゆっくりと進み出て静かに、それでいてよく聞き取れる声音で実に要領よく説明してくれたんだ。
そして俺はクリークたちを引き連れて、例の「シュロス城」までやって来ていた。
「んだよぉ……。何で今更、こんな所に……」
「ほんっと、いつ来ても陰気な所よねぇ……」
2人がブチブチと愚痴っている通り、彼らはもうこの付近でのレベル上げを終えていて、次なる目的地である「オルミガ集落」へと向かう為に準備と情報収集をしていた処だったんだからな。不平不満が出てくるのも分かる話だ。
でも俺にはその前に、どうしても確認しておかなければならない事があったんだ。
それは、以前にイルマより相談を持ち掛けられ、クリークたちのトラウマにもなり兼ねない怪物をちゃんと倒せるか……と言う事だった。
「ここに来た目的は、言わなくても分かるだろ?」
不満たらたらなクリークとソルシエに向けた台詞だったが、これはイルマやダレンにも言える事だった。
こいつ等は、4人で1つのパーティだ。
その内で2人も苦手としているモンスターをそのままにして先へと進めば、きっと更に問題が大きくなって圧し掛かる事だろう。
荒療治ともいえるんだが、嫌いな事は早々に取り組み解決しておく。これは何に対しても有効な対処手段だ。
俺が問い掛けると、4人からはピリッとした空気が発せられた。
ここでの戦いを切り上げたと言う事は、以前に手痛い目にあわされたモンスター、ヴァンパイアの下位眷属である「ブラッド・サッカー」を既に倒せていると言う事でもある。
まぁ、そうでなければ先に進むなんて許さないけどな。
それを確認する為にも、俺はこの目でこいつ等が難敵を倒す場面を目撃しなけりゃならない。
「分かってるよぉ、そんな事ぉ!」
「……はい」
「もう……。疑り深いのねぇ」
「分かっています、先生!」
俺の質問にクリークはぶっきら棒に、イルマはキュッと口を引き結び真剣な眼差しで、ソルシエはわざとらしく大きな溜息を吐きつつ、そしてダレンは暑苦しく返答して来た。
少し……いや、かなり過保護かもしれないが、俺はこいつ等に関わり「先生」と呼ばれる立場になっちまってるからな。今更、適当に放っておく訳にもいかないってもんだ。
「……よし。なら、標的だけを俺が引き連れてくるから、お前たちはそいつを倒すんだ。……いいな?」
俺はそれだけを言い残して、城の奥へと1人で向かって行ったんだ。
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