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番外編
侍従官ジョナサン・カーティスの独白①
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大陸を東西に横断する国際寝台列車は、滑るように東へ向かっている。僕が食堂車での打ち合わせを終え、王族専用車両に戻ると、扉の前にいた車掌が僕を中に入れた。
列車の中とは思えないほどの、マホガニーの装飾のある豪華な通廊に足を踏み入れれば、背後で扉が閉まり、ガチャンと鍵のかかる音がする。今、この車両の中には僕の主人であるアルバート殿下の他、同僚の護衛官、ラルフ・シモンズと、従僕のジュリアン・アンダーソン、そして秘書官という名目で殿下の個室に泊まっている、エルスペス・アシュバートン嬢の、五人だけだ。
僕は手前のドアをノックする。
「はい?」
「僕だ」
すぐにドアが開き、ジュリアンが顔を出す。
「すまない、ラルフと少しだけ打ち合わせを」
「どうぞ、狭いですが」
ジュリアンが僕を導き入れ、すでにベッドにしつらえられている二段の寝台の、下の段に僕を薦める。ラルフは下段に腰かけて、ウィスキーを舐めていた。
僕が寝台に腰を下ろすと、ジュリアンは梯子を上って上段に行く。
「どうだった、あのハーケンの野郎、なんとも怪しいだろう? 外交部の親グリージャ派がどさくさに紛れて、よりによって殿下の随行員に紛れ込むなんて」
ラルフにウイスキーを薦められるが、僕は首を振って断る。僕はラルフほど酒に強くないから、酔っぱらってしまうと護衛の任務に差し障るから。
「そう……コールマン一等書記官は中立派でマトモそうなんだけど……今回の殿下の外遊は急に決まったから、外交部の人選した随行員までは精査できなかった」
「まあ、一人じゃあ、何もできまいが……嬢ちゃんの存在は、痛いっちゃあ、痛いなあ……」
ラルフがウイスキーをごくりと飲む。
客観的に言って、王子が愛人連れで外交になんて、醜聞もいいところだ。しかも、数週間前に、公爵令嬢との婚約が議会を通過したばっかりだというのに。
僕は我知らずため息をつく。
……以前の僕ならば、全力で王子を諫め、愛人と手を切らせようとしただろうに。少なくとも外遊に連れ出すなんて、断固反対したに違いない。
ただの愛人だと、殿下が割り切ってくれるのなら、秘書官の名目で連れ出すまではなんとか。……でも、殿下は本気で、エルスペス嬢と結婚するつもりでいる。――爵位も領地も失い、没落して経済的に困窮した、元・伯爵令嬢と。
本気だからこそ、質が悪い。
殿下には戦前から……というよりは、どうもほぼ生まれた時から決まっていたに等しい、婚約者がいた。
王妃の姪で、つまり殿下の従妹であるレコンフィールド公爵令嬢、レディ・ステファニー。
殿下が出征する前に、いったんは白紙に戻った婚約であっても、彼女はずっと殿下の帰りを待ち続けていた。
国民の誰もが知る、純愛ストーリー。戦争が終わり、ようやく結ばれるはずの二人が、ほかならぬ殿下の心変わりで破綻する。……そんなことが、世論の理解を得られるはずはないのに。
でも、殿下はいざとなれば国も継承権も捨てて、愛人のエルスペス嬢と国外に亡命するつもりで、新大陸行の客船まで押さえていた。
恋のために、国も国民もあっさり捨てる気だった殿下を繋ぎとめるには、エルスペス嬢との恋を応援する以外にない。新聞に名前がすっぱ抜かれてしまった彼女を王都の新聞記者たちから守るには、殿下の随行員として出国させる以外の、妙案を思いつけなかった。
さらに、身分を隠して彼女の祖母の葬儀に出たいと言い張る殿下の我儘も認め、王都に戻ったその足でビルツホルン行の長距離列車に乗り換える、なんて、無茶な日程を強行したのは、僕自身にもまた、殿下の無謀な恋を応援したい気持ちがあるからだ。同僚のジェラルド・ブルックは、僕よりも一層、頭の硬い潔癖な男なのに、なんだかんだと文句を言いながら、粛々と殿下の無茶な外遊の準備をした。
エルスペス嬢の父親、マックス・アシュバートン中佐への恩義も、もちろんある。でもたぶん、それだけではなくて――。
僕がそんなことを考えていた時、僕の耳は微かな悲鳴のような声を聞き取って、身構えた。
「……なに? 殿下の個室から?」
僕が内ポケットの短銃を確かめると、ラルフがぶっと噴き出した。
「ああ、あれは、心配ない。下手に踏み込むと大変なことになるからやめとけ」
「でも……!」
「ここまで我慢したみたいだが、辛抱切れたらしい。……エルスペス嬢の夜の特別業務ってやつだ」
「あ……!」
夜の特別業務、と言われて、僕は気まずくなって目を逸らす。その様子を、ラルフがにやにや見ている気配に、いたたまれない気持ちになる。――顔が熱い。きっと、耳まで赤くなっている。年甲斐もないけれど、僕は男女の秘め事がどうも苦手だった。
「……こんなに聞こえるのか……?」
「こっち側がベッドに近いからな。ジョナサンの個室はクローゼット挟んでるから、たぶん聞こえない。ま、俺もジュリアンもこういうのは慣れっこだから」
気にするな、と言われても、耳がどうしても嬌声を拾ってしまい、僕は早々に退散することにした。
明日の朝食の時間だけ確認し、僕は彼らの個室を出て、通廊を通って殿下の個室の反対側の、自分の個室に入って、ようやくホッと息をつく。
僕は寝台に腰を下ろし、タイを外す。
なんとなく殿下の部屋のある方を見て、僕は今頃、中で行われているであろうことを想像してしまい、必死に首を振って妄想を吹き飛ばす。
――彼女は殿下の恋人で、殿下が本気で結婚したいと思っているご令嬢だ。ちょっと声を漏れ聞いただけで動揺するなんて……僕だって童貞ってわけじゃないし――
と、さらに嫌な記憶を思い出し、僕は固めた髪をくしゃりと崩すと、立ち上がって洗面台を開き、顔を洗った。それから洗面台の下の戸棚に常備されているミネラルウォーターの瓶を取り出し、ぬるい中身をグラスに注いで一息で飲み干す。
――女性は苦手だ。何を考えているかわからないし、あっさり掌を返してくる。ステファニー嬢だって、完璧な貴族令嬢の顔の裏側で、殿下とエルスペス嬢の関係について下種な勘繰りをしていた。
僕はグラスを洗面台に置いて、上着を脱いでハンガーにかける。
ガタン、ゴトン……規則正しい汽車の揺れを感じながら、早く眠らなければと思う。明日の朝も早いし、気の抜けない時間が続く。
でも――。
ふと、真っ暗な車窓に映る自分の顔を見て、僕はさらに、自分の思考の海から抜け出せなくなった。
僕は王国の東北部にある、リーデンシャー地方の伯爵家の次男坊だった。羊毛の生産が盛んなド田舎。昔は、紡いだ羊毛を細々と売ったり、自家製のセーターにするくらいで、せいぜい、フェルトに加工する程度の家内工業だったが、蒸気機関の発明によって毛織物の生産が機械化されると、羊毛は一気に重要生産物に躍り出た。羊毛を南部の工業地帯の紡績工場に卸し、やがて自動織機によって大量の毛織物を生産して、世界各地に売りさばく。我が国の重要基幹産業を支える、一大産地に変わったのだ。
産業構造の転換の中、僕の父は羊毛の生産とその販売で莫大な利益を得、ロックウィル伯爵家はそれなりの財産を築いた。だが、父は、羊毛の生産はやがて、安価な植民地からの輸入品に押されていくと予測し、僕と兄は官僚と軍人になるための学校に入れた。今後は羊毛の生産で得た収入を維持しながら、永続的に家と財産を守っていく方向にシフトするためだ。だから僕は、十三歳で故郷を離れ、王都の士官学校に入学した。
長期の休暇には実家のある田舎に帰る。邸は見渡すばかりの緑の放牧地のさなかにある。
僕の兄・クリストファー・カーティスは僕より三歳年上で、王都近郊のスクールから大学に進学し官僚を目指していた。休暇で一緒になることもあったが、社交やらなにやらで忙しいと言って、王都から家に戻らない時もあった。
それでも、家に帰れば九歳も年下の妹ドロシーがいて、たいてい、領地が隣り合うグレンフィリック子爵家のシャーロット・パーマー嬢が遊びに来ていた。ドロシーとシャーロット嬢は誕生日がひと月違いで、幼い時から互いの家を行き来して、双子のように仲が良い。そして、たいていは幼いシャーロットの付き添いのような形で、シャーロットの従姉であるデイジー・ミルドレッド嬢がいた。
兄と同い年のデイジーは、兄の婚約者だった。
列車の中とは思えないほどの、マホガニーの装飾のある豪華な通廊に足を踏み入れれば、背後で扉が閉まり、ガチャンと鍵のかかる音がする。今、この車両の中には僕の主人であるアルバート殿下の他、同僚の護衛官、ラルフ・シモンズと、従僕のジュリアン・アンダーソン、そして秘書官という名目で殿下の個室に泊まっている、エルスペス・アシュバートン嬢の、五人だけだ。
僕は手前のドアをノックする。
「はい?」
「僕だ」
すぐにドアが開き、ジュリアンが顔を出す。
「すまない、ラルフと少しだけ打ち合わせを」
「どうぞ、狭いですが」
ジュリアンが僕を導き入れ、すでにベッドにしつらえられている二段の寝台の、下の段に僕を薦める。ラルフは下段に腰かけて、ウィスキーを舐めていた。
僕が寝台に腰を下ろすと、ジュリアンは梯子を上って上段に行く。
「どうだった、あのハーケンの野郎、なんとも怪しいだろう? 外交部の親グリージャ派がどさくさに紛れて、よりによって殿下の随行員に紛れ込むなんて」
ラルフにウイスキーを薦められるが、僕は首を振って断る。僕はラルフほど酒に強くないから、酔っぱらってしまうと護衛の任務に差し障るから。
「そう……コールマン一等書記官は中立派でマトモそうなんだけど……今回の殿下の外遊は急に決まったから、外交部の人選した随行員までは精査できなかった」
「まあ、一人じゃあ、何もできまいが……嬢ちゃんの存在は、痛いっちゃあ、痛いなあ……」
ラルフがウイスキーをごくりと飲む。
客観的に言って、王子が愛人連れで外交になんて、醜聞もいいところだ。しかも、数週間前に、公爵令嬢との婚約が議会を通過したばっかりだというのに。
僕は我知らずため息をつく。
……以前の僕ならば、全力で王子を諫め、愛人と手を切らせようとしただろうに。少なくとも外遊に連れ出すなんて、断固反対したに違いない。
ただの愛人だと、殿下が割り切ってくれるのなら、秘書官の名目で連れ出すまではなんとか。……でも、殿下は本気で、エルスペス嬢と結婚するつもりでいる。――爵位も領地も失い、没落して経済的に困窮した、元・伯爵令嬢と。
本気だからこそ、質が悪い。
殿下には戦前から……というよりは、どうもほぼ生まれた時から決まっていたに等しい、婚約者がいた。
王妃の姪で、つまり殿下の従妹であるレコンフィールド公爵令嬢、レディ・ステファニー。
殿下が出征する前に、いったんは白紙に戻った婚約であっても、彼女はずっと殿下の帰りを待ち続けていた。
国民の誰もが知る、純愛ストーリー。戦争が終わり、ようやく結ばれるはずの二人が、ほかならぬ殿下の心変わりで破綻する。……そんなことが、世論の理解を得られるはずはないのに。
でも、殿下はいざとなれば国も継承権も捨てて、愛人のエルスペス嬢と国外に亡命するつもりで、新大陸行の客船まで押さえていた。
恋のために、国も国民もあっさり捨てる気だった殿下を繋ぎとめるには、エルスペス嬢との恋を応援する以外にない。新聞に名前がすっぱ抜かれてしまった彼女を王都の新聞記者たちから守るには、殿下の随行員として出国させる以外の、妙案を思いつけなかった。
さらに、身分を隠して彼女の祖母の葬儀に出たいと言い張る殿下の我儘も認め、王都に戻ったその足でビルツホルン行の長距離列車に乗り換える、なんて、無茶な日程を強行したのは、僕自身にもまた、殿下の無謀な恋を応援したい気持ちがあるからだ。同僚のジェラルド・ブルックは、僕よりも一層、頭の硬い潔癖な男なのに、なんだかんだと文句を言いながら、粛々と殿下の無茶な外遊の準備をした。
エルスペス嬢の父親、マックス・アシュバートン中佐への恩義も、もちろんある。でもたぶん、それだけではなくて――。
僕がそんなことを考えていた時、僕の耳は微かな悲鳴のような声を聞き取って、身構えた。
「……なに? 殿下の個室から?」
僕が内ポケットの短銃を確かめると、ラルフがぶっと噴き出した。
「ああ、あれは、心配ない。下手に踏み込むと大変なことになるからやめとけ」
「でも……!」
「ここまで我慢したみたいだが、辛抱切れたらしい。……エルスペス嬢の夜の特別業務ってやつだ」
「あ……!」
夜の特別業務、と言われて、僕は気まずくなって目を逸らす。その様子を、ラルフがにやにや見ている気配に、いたたまれない気持ちになる。――顔が熱い。きっと、耳まで赤くなっている。年甲斐もないけれど、僕は男女の秘め事がどうも苦手だった。
「……こんなに聞こえるのか……?」
「こっち側がベッドに近いからな。ジョナサンの個室はクローゼット挟んでるから、たぶん聞こえない。ま、俺もジュリアンもこういうのは慣れっこだから」
気にするな、と言われても、耳がどうしても嬌声を拾ってしまい、僕は早々に退散することにした。
明日の朝食の時間だけ確認し、僕は彼らの個室を出て、通廊を通って殿下の個室の反対側の、自分の個室に入って、ようやくホッと息をつく。
僕は寝台に腰を下ろし、タイを外す。
なんとなく殿下の部屋のある方を見て、僕は今頃、中で行われているであろうことを想像してしまい、必死に首を振って妄想を吹き飛ばす。
――彼女は殿下の恋人で、殿下が本気で結婚したいと思っているご令嬢だ。ちょっと声を漏れ聞いただけで動揺するなんて……僕だって童貞ってわけじゃないし――
と、さらに嫌な記憶を思い出し、僕は固めた髪をくしゃりと崩すと、立ち上がって洗面台を開き、顔を洗った。それから洗面台の下の戸棚に常備されているミネラルウォーターの瓶を取り出し、ぬるい中身をグラスに注いで一息で飲み干す。
――女性は苦手だ。何を考えているかわからないし、あっさり掌を返してくる。ステファニー嬢だって、完璧な貴族令嬢の顔の裏側で、殿下とエルスペス嬢の関係について下種な勘繰りをしていた。
僕はグラスを洗面台に置いて、上着を脱いでハンガーにかける。
ガタン、ゴトン……規則正しい汽車の揺れを感じながら、早く眠らなければと思う。明日の朝も早いし、気の抜けない時間が続く。
でも――。
ふと、真っ暗な車窓に映る自分の顔を見て、僕はさらに、自分の思考の海から抜け出せなくなった。
僕は王国の東北部にある、リーデンシャー地方の伯爵家の次男坊だった。羊毛の生産が盛んなド田舎。昔は、紡いだ羊毛を細々と売ったり、自家製のセーターにするくらいで、せいぜい、フェルトに加工する程度の家内工業だったが、蒸気機関の発明によって毛織物の生産が機械化されると、羊毛は一気に重要生産物に躍り出た。羊毛を南部の工業地帯の紡績工場に卸し、やがて自動織機によって大量の毛織物を生産して、世界各地に売りさばく。我が国の重要基幹産業を支える、一大産地に変わったのだ。
産業構造の転換の中、僕の父は羊毛の生産とその販売で莫大な利益を得、ロックウィル伯爵家はそれなりの財産を築いた。だが、父は、羊毛の生産はやがて、安価な植民地からの輸入品に押されていくと予測し、僕と兄は官僚と軍人になるための学校に入れた。今後は羊毛の生産で得た収入を維持しながら、永続的に家と財産を守っていく方向にシフトするためだ。だから僕は、十三歳で故郷を離れ、王都の士官学校に入学した。
長期の休暇には実家のある田舎に帰る。邸は見渡すばかりの緑の放牧地のさなかにある。
僕の兄・クリストファー・カーティスは僕より三歳年上で、王都近郊のスクールから大学に進学し官僚を目指していた。休暇で一緒になることもあったが、社交やらなにやらで忙しいと言って、王都から家に戻らない時もあった。
それでも、家に帰れば九歳も年下の妹ドロシーがいて、たいてい、領地が隣り合うグレンフィリック子爵家のシャーロット・パーマー嬢が遊びに来ていた。ドロシーとシャーロット嬢は誕生日がひと月違いで、幼い時から互いの家を行き来して、双子のように仲が良い。そして、たいていは幼いシャーロットの付き添いのような形で、シャーロットの従姉であるデイジー・ミルドレッド嬢がいた。
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