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終章 ゴーレムの王子は光の妖精の夢を見る
懐かしのリンドホルム城
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マクガーニはこの後、エルシーとともに今夜の夜行に乗り、おばあ様の遺体をリンドホルムに運ぶという。
「葬儀の日程が分かり次第、電報を打つか、電話をします」
「……エルシーを頼んだ。道中の護衛として、ラルフ・シモンズの配下を目立たないように付ける」
マクガーニが俺を見て、少しだけ肩を竦めた。
「メイドも執事も一緒だから、問題ないと思うのですが、妻が体調を崩していて、同行できなくなったのです」
「ジェニファー夫人が?」
マクガーニが頷く。
「エルスペス嬢も気持ちの整理をつけたいでしょうし、一週間ほどはあちらに滞在する予定ですが、予定は不確定ですね。国際寝台車会社の予約は入れてあります。王族専用客車を押さえました。すでにアーデンを出て、ランデリア東駅に向かっているそうです」
俺がタオルで髪を拭きながらロベルトを振り返れば、ロベルトが頷いた。
「国際寝台車会社ご自慢の、超! 超豪華客車っす! 食堂車のシェフは一流ホテルから引き抜いたとかで、夢の豪華列車っすよ!」
そんな風に言われても、俺はそもそも、エルシーがビルツホルンへ同行してくれるとは思えなかった。豪華寝台列車に一人って、一層、わびしくないか?
出発の支度があるからと、足早に去っていくマクガーニを見送り、俺はポツリと呟いた。
「……エルシーは、ビルツホルンに着いてきてくれるだろうか?」
俺の不安を感じ取ったのだろう、ロベルトが肩を竦めた。
「保証はしませんが、実際問題、王都に居場所もないし、リンドホルムも早晩、新聞社に嗅ぎつけられると思います。あんな小さな町では、かえって逃げ場もありませんしね。国外に逃がすにしても、エルスペス嬢一人ってわけにはいかないすよね? 殿下の随行員として国を出て、それから未来のことを考えるしかないと思います」
……また強引に連れ回すのか……。眉を顰める俺の表情を見て、ロベルトが言う。
「情勢は流動的ですし、エルスペス嬢を王都やリンドホルムに一人で残すのはおススメできないです。レコンフィールド公爵や首相が、次にどういう手を打ってくるか、想像もつかないし」
「まだ、何かやらかすって?」
「議会の承認を勝手に取り付けるんですよ? いつの間にか婚姻届けが出されているくらい、やりかねないっすよ」
俺はゾッとした。
「そこまでするか?! 犯罪だろ!」
「酔っぱらってたのはともかく、あの晩餐会をぶっちしたのは、俺はいい選択だと思いますね。ああいう場で、何かにサインしろ、って言われたら、断れないっしょ。それくらい狙ってきそう」
俺はブルブルと首を振る。
「危ないところだった。怒りに任せて余計なサインまでしそうだった!」
「殿下、割と直情径行型っすからね」
俺はもう一度風呂に入り直し、着替えてジェラルドやジョナサンを呼び出した。
エルシーを取り戻すために、俺はできることはすべてやると決めた。
「リンドホルムに行きたいですって? 無茶言わんでください!」
ジェラルドが叫ぶ。
「あなた、飲んだくれていたから知らないでしょうけど、今、王都はたいへんな騒ぎになっているんです! 第三王子のアルバート殿下は、ただでさえ、王都一番の注目男だったのに! その上、婚約が議会を通過したってのに、当の王子は仕事もサボって愛人とドライブに行き、晩餐会もすっぽかし、婚約は自分の意志じゃないと言うし! 新聞社は愛人の正体と行方を捜して大騒ぎなんです! こんな時にリンドホルムなんて田舎の、老婦人の葬儀に顔を出したら、どうなると思いますか!」
「いや、正体を明かしていくつもりはない。というか、婚約は自分の意志じゃない、って新聞社に談話を出したのは俺じゃないだろ――まあその、その通りだけれど」
「まさかおしのびで? この忙しい時に? 正気ですか!」
ジェラルドは怒りのあまりキレそうになっている。
「でも俺は、おば……じゃなくて、レディ・アシュバートンの葬儀にも出たい。マックスの墓参りできていないし。……昔、世話になったんだ。十年以上前だけど」
「でも、無茶ですよ!」
あくまで反対するジェラルドに対し、ずっと黙っていたジョナサンが言った。
「……身分を絶対に明かさないという条件でなら、俺は行かれた方がいいと思います」
「ジョナサン?」
ジェラルドが驚いて彼を見る。ジョナサンは考え深そうな碧色の瞳で、俺をまっすぐに見た。
「僕は、レディ・アシュバートンの臨終には間に合わなかったのでわからないのですが――このままだと、まともな話合いもなく、エルスペス嬢をビルツホルンに連れ出すことになります。僕はその方が気になります」
ジョナサンが続ける。
「エルスペス嬢は殿下との関係も清算し、仕事も辞めると言った。……彼女は、あくまで祖母の入院費を得るために、殿下と付き合っていた。……身分差も、レコンフィールド公爵令嬢の存在も、仕事だからと納得していたのでしょう。でも、祖母は亡くなった。彼女が殿下と付き合う理由もなくなったのです。……彼女にとっては」
俺は唇を噛む。
「でも、殿下はそうじゃない。身分差も、ステファニー嬢のこともすべて乗り越えて、エルスペス嬢と結婚したいと思っている。その気持ちは彼女には通じていなかった。……今この状態で、何の説明もなく、無理にエルスペス嬢をビルツホルン行の長距離列車に乗せるのは、僕は反対です」
「ジョナサン! じゃあ、僕かジョナサンかロベルトが現地に行って、説明をするか、マクガーニ中将に代わりに――」
ジェラルドの言葉をジョナサンが遮る。
「それではダメだよ。エルスペス嬢は王都の騒ぎのことを知れば、きっと頷くだろう。王都にはもう、居場所はないと思っているだろうし、自分の素性が新聞社にバレれば、殿下に迷惑がかかるのを理解するだろう。でも、それじゃあ結局、仕事の延長と同じだ」
それからジョナサンは俺をまっすぐに見た。
「お二人の間でどういう話になっていたのかは存じませんが、エルスペス嬢に、仕事の一環だと言ってしまったのは、殿下の最大の落ち度です。殿下ご自身の口から、きちんと否定すべきことです」
「もちろん、そのつもりだ」
俺が頷けば、ジョナサンは困ったように首を傾げた。
「……正直に言えば、僕は色恋のことはてんでわかりません。実は女性も少し苦手で、彼女たちの気持ちは理解できない。でも、殿下がエルスペス嬢を本気で好きなのだ、というのはわかっていたし、エルスペス嬢にも通じていると思っていた。……別れを告げた彼女の気持ちもわかるような、わからないような……女性は複雑で難しいというのが、僕の印象です」
「でも――」
なおも反対するジェラルドに、ジョナサンは言う。
「僕たち側仕えは、殿下の身の安全を守り、そして殿下が王族としての義務をきちんと果たすよう、導くのが仕事ではある。でも、だからと言って、殿下の行動を頭ごなしに否定し、制約すべきじゃない。護衛に関しては、ラルフがいれば問題ないだろうし、殿下ご自身もかなり強い。王都のことは、数日ならば僕とジェラルドがいれば誤魔化せるだろう。幸い、すべて体調不良で押し通してきたから、あと数日寝込んでも問題ない」
それから、ロベルトにも指示を出す。
「ロベルトと殿下と二人、アルバート王子の代理人、としてリンドホルムに向かってもらう。殿下の偽名……なんだっけ、それで簡易の身分証、間に合うかな?」
「それはもう、リジー・オーランド名義で以前に作成済みです。バッチリ!」
ロベルトが言う。……それは前に、裏オークションに潜入するときに作っておいたやつだ。
「……ニセの身分証も事前に作成済みって、いったいあなたは……」
ジョナサンが一瞬、眉間に指をあててため息をつく。が、ジョナサンはすぐに気を取り直し、ジェラルドに言う。
「ビルツホルンへ向かう準備、外交部との打ち合わせはジェラルドに頼む。軍縮会議の方がひっ迫しているようだから、殿下たちがリンドホルムから戻ったら、その足で東駅に乗り付けて……なんて可能性も考慮しておくべきだ。かなりアクロバティックなことになるぞ?」
ジェラルドはしょうがない、という風に肩を一つ竦めると、了解、と言って下がっていく。
「王宮との折衝と、新聞社、その他、随行員の選定は僕がやります。……今夜の夜行がリンドホルムに着くのは明日の午後。葬儀の日程が確定するのは明日の夜以降というところですね。早ければ明後日の夜行でロベルトと『リジー・オーランド』はリンドホルムに向かい、ラルフも同行する。滞在は三日、というところでしょうか」
「三日後をめどに、姉貴とバーナードの方にも準備しておくように言って起きます。超特急料金、徴収されると思いますけど」
「それは覚悟している。ビルツホルンは外交だから、ドレスコードがあるな、めんどくさいが、頼んだ」
俺が頷くと、ロベルトはドアを出る所で足を止め、振り返った。
「あ、そうそう、豪華客船と新大陸のホテルはキャンセルしておきましたよ! 自分で切符も買ったことない王子様が、箱入り娘と二人っきりで駆け落ちとか、無謀過ぎっす!」
そう言い捨てて出て行ったロベルトを見送り、ジョナサンが呆れたような表情で俺を見た。
「……勘弁してください。実行されていたら、僕ら配下全員、クビどころの騒ぎじゃないですから……」
「すまん……」
俺は小さくなってあやまることしかできなかった。
「葬儀の日程が分かり次第、電報を打つか、電話をします」
「……エルシーを頼んだ。道中の護衛として、ラルフ・シモンズの配下を目立たないように付ける」
マクガーニが俺を見て、少しだけ肩を竦めた。
「メイドも執事も一緒だから、問題ないと思うのですが、妻が体調を崩していて、同行できなくなったのです」
「ジェニファー夫人が?」
マクガーニが頷く。
「エルスペス嬢も気持ちの整理をつけたいでしょうし、一週間ほどはあちらに滞在する予定ですが、予定は不確定ですね。国際寝台車会社の予約は入れてあります。王族専用客車を押さえました。すでにアーデンを出て、ランデリア東駅に向かっているそうです」
俺がタオルで髪を拭きながらロベルトを振り返れば、ロベルトが頷いた。
「国際寝台車会社ご自慢の、超! 超豪華客車っす! 食堂車のシェフは一流ホテルから引き抜いたとかで、夢の豪華列車っすよ!」
そんな風に言われても、俺はそもそも、エルシーがビルツホルンへ同行してくれるとは思えなかった。豪華寝台列車に一人って、一層、わびしくないか?
出発の支度があるからと、足早に去っていくマクガーニを見送り、俺はポツリと呟いた。
「……エルシーは、ビルツホルンに着いてきてくれるだろうか?」
俺の不安を感じ取ったのだろう、ロベルトが肩を竦めた。
「保証はしませんが、実際問題、王都に居場所もないし、リンドホルムも早晩、新聞社に嗅ぎつけられると思います。あんな小さな町では、かえって逃げ場もありませんしね。国外に逃がすにしても、エルスペス嬢一人ってわけにはいかないすよね? 殿下の随行員として国を出て、それから未来のことを考えるしかないと思います」
……また強引に連れ回すのか……。眉を顰める俺の表情を見て、ロベルトが言う。
「情勢は流動的ですし、エルスペス嬢を王都やリンドホルムに一人で残すのはおススメできないです。レコンフィールド公爵や首相が、次にどういう手を打ってくるか、想像もつかないし」
「まだ、何かやらかすって?」
「議会の承認を勝手に取り付けるんですよ? いつの間にか婚姻届けが出されているくらい、やりかねないっすよ」
俺はゾッとした。
「そこまでするか?! 犯罪だろ!」
「酔っぱらってたのはともかく、あの晩餐会をぶっちしたのは、俺はいい選択だと思いますね。ああいう場で、何かにサインしろ、って言われたら、断れないっしょ。それくらい狙ってきそう」
俺はブルブルと首を振る。
「危ないところだった。怒りに任せて余計なサインまでしそうだった!」
「殿下、割と直情径行型っすからね」
俺はもう一度風呂に入り直し、着替えてジェラルドやジョナサンを呼び出した。
エルシーを取り戻すために、俺はできることはすべてやると決めた。
「リンドホルムに行きたいですって? 無茶言わんでください!」
ジェラルドが叫ぶ。
「あなた、飲んだくれていたから知らないでしょうけど、今、王都はたいへんな騒ぎになっているんです! 第三王子のアルバート殿下は、ただでさえ、王都一番の注目男だったのに! その上、婚約が議会を通過したってのに、当の王子は仕事もサボって愛人とドライブに行き、晩餐会もすっぽかし、婚約は自分の意志じゃないと言うし! 新聞社は愛人の正体と行方を捜して大騒ぎなんです! こんな時にリンドホルムなんて田舎の、老婦人の葬儀に顔を出したら、どうなると思いますか!」
「いや、正体を明かしていくつもりはない。というか、婚約は自分の意志じゃない、って新聞社に談話を出したのは俺じゃないだろ――まあその、その通りだけれど」
「まさかおしのびで? この忙しい時に? 正気ですか!」
ジェラルドは怒りのあまりキレそうになっている。
「でも俺は、おば……じゃなくて、レディ・アシュバートンの葬儀にも出たい。マックスの墓参りできていないし。……昔、世話になったんだ。十年以上前だけど」
「でも、無茶ですよ!」
あくまで反対するジェラルドに対し、ずっと黙っていたジョナサンが言った。
「……身分を絶対に明かさないという条件でなら、俺は行かれた方がいいと思います」
「ジョナサン?」
ジェラルドが驚いて彼を見る。ジョナサンは考え深そうな碧色の瞳で、俺をまっすぐに見た。
「僕は、レディ・アシュバートンの臨終には間に合わなかったのでわからないのですが――このままだと、まともな話合いもなく、エルスペス嬢をビルツホルンに連れ出すことになります。僕はその方が気になります」
ジョナサンが続ける。
「エルスペス嬢は殿下との関係も清算し、仕事も辞めると言った。……彼女は、あくまで祖母の入院費を得るために、殿下と付き合っていた。……身分差も、レコンフィールド公爵令嬢の存在も、仕事だからと納得していたのでしょう。でも、祖母は亡くなった。彼女が殿下と付き合う理由もなくなったのです。……彼女にとっては」
俺は唇を噛む。
「でも、殿下はそうじゃない。身分差も、ステファニー嬢のこともすべて乗り越えて、エルスペス嬢と結婚したいと思っている。その気持ちは彼女には通じていなかった。……今この状態で、何の説明もなく、無理にエルスペス嬢をビルツホルン行の長距離列車に乗せるのは、僕は反対です」
「ジョナサン! じゃあ、僕かジョナサンかロベルトが現地に行って、説明をするか、マクガーニ中将に代わりに――」
ジェラルドの言葉をジョナサンが遮る。
「それではダメだよ。エルスペス嬢は王都の騒ぎのことを知れば、きっと頷くだろう。王都にはもう、居場所はないと思っているだろうし、自分の素性が新聞社にバレれば、殿下に迷惑がかかるのを理解するだろう。でも、それじゃあ結局、仕事の延長と同じだ」
それからジョナサンは俺をまっすぐに見た。
「お二人の間でどういう話になっていたのかは存じませんが、エルスペス嬢に、仕事の一環だと言ってしまったのは、殿下の最大の落ち度です。殿下ご自身の口から、きちんと否定すべきことです」
「もちろん、そのつもりだ」
俺が頷けば、ジョナサンは困ったように首を傾げた。
「……正直に言えば、僕は色恋のことはてんでわかりません。実は女性も少し苦手で、彼女たちの気持ちは理解できない。でも、殿下がエルスペス嬢を本気で好きなのだ、というのはわかっていたし、エルスペス嬢にも通じていると思っていた。……別れを告げた彼女の気持ちもわかるような、わからないような……女性は複雑で難しいというのが、僕の印象です」
「でも――」
なおも反対するジェラルドに、ジョナサンは言う。
「僕たち側仕えは、殿下の身の安全を守り、そして殿下が王族としての義務をきちんと果たすよう、導くのが仕事ではある。でも、だからと言って、殿下の行動を頭ごなしに否定し、制約すべきじゃない。護衛に関しては、ラルフがいれば問題ないだろうし、殿下ご自身もかなり強い。王都のことは、数日ならば僕とジェラルドがいれば誤魔化せるだろう。幸い、すべて体調不良で押し通してきたから、あと数日寝込んでも問題ない」
それから、ロベルトにも指示を出す。
「ロベルトと殿下と二人、アルバート王子の代理人、としてリンドホルムに向かってもらう。殿下の偽名……なんだっけ、それで簡易の身分証、間に合うかな?」
「それはもう、リジー・オーランド名義で以前に作成済みです。バッチリ!」
ロベルトが言う。……それは前に、裏オークションに潜入するときに作っておいたやつだ。
「……ニセの身分証も事前に作成済みって、いったいあなたは……」
ジョナサンが一瞬、眉間に指をあててため息をつく。が、ジョナサンはすぐに気を取り直し、ジェラルドに言う。
「ビルツホルンへ向かう準備、外交部との打ち合わせはジェラルドに頼む。軍縮会議の方がひっ迫しているようだから、殿下たちがリンドホルムから戻ったら、その足で東駅に乗り付けて……なんて可能性も考慮しておくべきだ。かなりアクロバティックなことになるぞ?」
ジェラルドはしょうがない、という風に肩を一つ竦めると、了解、と言って下がっていく。
「王宮との折衝と、新聞社、その他、随行員の選定は僕がやります。……今夜の夜行がリンドホルムに着くのは明日の午後。葬儀の日程が確定するのは明日の夜以降というところですね。早ければ明後日の夜行でロベルトと『リジー・オーランド』はリンドホルムに向かい、ラルフも同行する。滞在は三日、というところでしょうか」
「三日後をめどに、姉貴とバーナードの方にも準備しておくように言って起きます。超特急料金、徴収されると思いますけど」
「それは覚悟している。ビルツホルンは外交だから、ドレスコードがあるな、めんどくさいが、頼んだ」
俺が頷くと、ロベルトはドアを出る所で足を止め、振り返った。
「あ、そうそう、豪華客船と新大陸のホテルはキャンセルしておきましたよ! 自分で切符も買ったことない王子様が、箱入り娘と二人っきりで駆け落ちとか、無謀過ぎっす!」
そう言い捨てて出て行ったロベルトを見送り、ジョナサンが呆れたような表情で俺を見た。
「……勘弁してください。実行されていたら、僕ら配下全員、クビどころの騒ぎじゃないですから……」
「すまん……」
俺は小さくなってあやまることしかできなかった。
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