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第四章 嘘つき王子
ずっと好きな人
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食事を終え、俺がひと風呂浴びて出てくると、エルシーは寝室の暖炉の前で、俺の下手くそな絵を眺めていた。
はっきり言うが抽象画まがいのヘタクソな絵で、それを後生大事に飾っていたのかと、嬉しい反面、黒歴史を見せられるようで恥ずかしくてたまらない。
「またその、素人のヘタクソな絵を見ているのか。審美眼がおかしくなるぞ」
俺が照れかくしに悪態をつけば、エルシーはムッとした表情で俺をにらむ。
「放っておいてください」
「……その絵を描いた男のことは覚えているのか?」
「さあ。……殿下には関係ないことですから」
俺だよ。関係ないわけないだろうが。
「そこまで大事にする絵なんだから、作者だって気になるだろう」
俺は絵を眺めているエルシーを背後から抱きしめ、こめかみにキスを落とす。甘い髪の香りと柔らかな身体に、俺は一気に欲情して、エルシーの体のラインを掌でなぞった。折れそうに細い腰、平らな腹、柔らかな胸――。
「やめてください、そんな毎晩……」
逃れようと身を捩る動きに、俺はますます体を密着させる。
「したい……毎晩でも足りない」
「だめ……」
十二年分だぞ。どれだけ俺が恋焦がれたと思ってる。俺は強引にエルシーの体の向きを変え、唇を奪う。
「んんっ……」
俺の分身はすでに臨戦態勢に入っているから、俺は片腕を細腰に回して下半身をエルシーに擦り付け、もう片方の手でうなじを押さえつけ、唇を蹂躙する。エルシーの両手が俺のタオル地のバスローブを掴み、逃げようとしているのか、縋り付いているのか、わからなくなるくらい抱きしめる。呼吸の苦しさでぼうっとしたエルシーが力を抜いた瞬間を狙いすまし、素早く膝の裏に腕を回し、軽々と抱き上げた。
「だめ……」
「だめじゃない」
俺はエルシーの反論を無視して、ベッドにエルシーを運びこむ。
「婚約間近なくせに、他の女と遊びに行くなんて、最低です」
俺がいつ、他の女と?と、一瞬、エルシーの言う意味がわからなかったが、婚約間近な女がステファニーで、他の女がエルシーだと気づき、俺はさすがに呆れた。
「婚約する気はないと、俺は何度も言っているんだ。俺が誰と寝ようが俺の勝手だろ」
「でも――」
俺の腕に抱かれてエルシーが至近距離から俺をにらんだ。
「ずっと殿下のことが好きで、ほとんど婚約者のつもりだったのでしょう。裏切られたように思っていらっしゃるわ」
エルシーはステファニーという婚約者がいながら、エルシーと関係した俺を詰っているのだ。いやいや、おかしいだろう。
「お前、俺の恋人のくせに、あの女の肩を持つのか?」
俺が言えば、エルシーは俺から目を逸らして、言った。
「わたしはただの秘書官ですもの――」
エルシーはまだ、俺が浮気してアクセサリーにしていると思っているのか――。
俺はベッドにエルシーを横たえると、室内履きを脱いでエルシーに圧し掛かるようにして、言った。
「俺はただの秘書官とこんなことはしない」
エルシーを抱いたのは愛しているからだ。なのに――。
俺の口づけを、エルシーは顔を背けて拒んだ。
「いや……不実な方は嫌い」
嫌い。
その一言が俺の胸を抉る。いや、ちょっとまて、エルシー。
「俺は少なくとも、お前に不実なことはしていないぞ?」
少なくとも浮気はしていない。……いろいろと、言えないことはあるし、卑怯だとは思うけれど。
俺がベッドについた両手に檻のように閉じ込められたエルシーが、俺を見上げて睨む。
「だって……なんで殿下がわたしのことを抱こうとするのか、わかりません」
そんなのお前のことが好きだからだ――そう、言おうと思う俺の言葉を遮るように、エルシーが言う。
「わたしが処女で、都合がよかったから? たまたま祖母が病気で、お金を出せば言うことを聞きそうだったから?」
なんでそんなことになっているのかわからなくて、俺が反論もできずに言葉に詰まっていると、なおもエルシーは言う。
「他に意中の方がいらっしゃったのじゃないの? だから、レコンフィールド公爵令嬢との婚約を拒んだ。そうなのでしょう?」
「……なんだそれは」
「殿下には戦争前からの恋人がいるはずだと、仰っていたわ」
――戦争前からの、恋人? 俺に?
全く意味がわからなくて、昂っていた俺の息子もすっかり萎えてしまい、俺はエルシーに圧し掛かっていた体を起こし、ベッドの上に座る。……なんだってそんな――。
そう思って、俺はふと、思いついて尋ねる。
「ステファニーが、お前にそう、言ったのか?」
エルシーが寝間着の襟元を整えながら、ベッドの上に起き上がって、頷く。
「ええ。戦争前から好きだった人と結婚したいって、仰ったと」
俺は王都に凱旋したときの記憶をたどる。――そんなようなことを口走った気がする。でもそれは――。
「ステファニー嬢はわたしがそうなのかと疑っていたみたいですけど、わたしは田舎育ちで、殿下にお会いしたのは二か月前ですって、はっきり否定しておきましたけど」
いや、それは間違いなくお前なんだけど――お前が忘れているだけで。
でも真実を語るわけにもいかず、俺は眉根を寄せてエルシーを見る。エルシーはステファニーにはお茶を淹れただけだと言っていたが、全く会話がなかったはずはない。俺はそれを聞いていなかった。
――レコンフィールド公爵は俺の恋人がマックス・アシュバートンの娘だと知っていた。
「ステファニーは、お前に何を言った?」
「殿下に恋人がいるらしいが、噂を聞いたことはないかって。殿下の私生活については知らない、知っていても言えない、って言いましたら、殿下のことじゃなくて、わたしのことが知りたいっておっしゃるから、名前と年齢と、出身地を聞かれました」
「話したのか?」
俺の問いに、エルシーはためらいなくうなずく。
「だって、殿下については守秘義務がありますけど、わたしの名前や出身地に、守秘義務なんてありませんもの。偽名を使うわけにもいきませんし、正直に言いましたよ?」
「……何か言っていたか?」
「別に。……ストラスシャーは遠いのか、と聞かれたので、鉄道で一日かかると答えました。戦前に殿下にお会いしたことはないかって、神に誓えるかっておっしゃるから、もちろんです!って自信をもって誓っておきました」
自信満々で頷くエルシーに、俺は複雑な気分であるが、覚えていないんだから、しょうがない。
「確かに、戦地から戻ってすぐに、俺はステファニーに向かって、結婚したい女がいるって言ったんだ。そうでも言わないと、納得しそうになくて。……ステファニーは俺が心変わりしたと言うから、心変わりじゃなくて、昔から好きな女がいるって答えた」
その時は、エルシーが王都にいることは知っていたが、相続できなかった理由がわからなかった。マックスの詔勅もあるし、すぐになんとかなるのではと、甘く考えていた。だからあの場では、とにかくステファニーと婚約する気はないと、それをはっきり言わなければとそれだけ――。
ステファニーは俺の態度と、王都の噂を聞いて、司令部まで俺に会いにきた。で、お茶を運んできたエルシーを見て、これが俺の恋人だと直感で理解した。それで、もしや戦前から関係があったのかと疑いエルシーの素性を尋ねた。だが、エルシーはずっとストラスシャーにいて王都にはほとんど出てこなかったし、俺との接点もない。アルバート王子とリンドホルム伯爵令嬢は、会ったこともないはずだから。
だから――。
素早く考えていた俺の耳に、エルシーのとんでもない発言が飛び込んできた。
「――その方に失恋したから、わたしを身代わりにしたんですか?」
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「……その絵を描いた男のことは覚えているのか?」
「さあ。……殿下には関係ないことですから」
俺だよ。関係ないわけないだろうが。
「そこまで大事にする絵なんだから、作者だって気になるだろう」
俺は絵を眺めているエルシーを背後から抱きしめ、こめかみにキスを落とす。甘い髪の香りと柔らかな身体に、俺は一気に欲情して、エルシーの体のラインを掌でなぞった。折れそうに細い腰、平らな腹、柔らかな胸――。
「やめてください、そんな毎晩……」
逃れようと身を捩る動きに、俺はますます体を密着させる。
「したい……毎晩でも足りない」
「だめ……」
十二年分だぞ。どれだけ俺が恋焦がれたと思ってる。俺は強引にエルシーの体の向きを変え、唇を奪う。
「んんっ……」
俺の分身はすでに臨戦態勢に入っているから、俺は片腕を細腰に回して下半身をエルシーに擦り付け、もう片方の手でうなじを押さえつけ、唇を蹂躙する。エルシーの両手が俺のタオル地のバスローブを掴み、逃げようとしているのか、縋り付いているのか、わからなくなるくらい抱きしめる。呼吸の苦しさでぼうっとしたエルシーが力を抜いた瞬間を狙いすまし、素早く膝の裏に腕を回し、軽々と抱き上げた。
「だめ……」
「だめじゃない」
俺はエルシーの反論を無視して、ベッドにエルシーを運びこむ。
「婚約間近なくせに、他の女と遊びに行くなんて、最低です」
俺がいつ、他の女と?と、一瞬、エルシーの言う意味がわからなかったが、婚約間近な女がステファニーで、他の女がエルシーだと気づき、俺はさすがに呆れた。
「婚約する気はないと、俺は何度も言っているんだ。俺が誰と寝ようが俺の勝手だろ」
「でも――」
俺の腕に抱かれてエルシーが至近距離から俺をにらんだ。
「ずっと殿下のことが好きで、ほとんど婚約者のつもりだったのでしょう。裏切られたように思っていらっしゃるわ」
エルシーはステファニーという婚約者がいながら、エルシーと関係した俺を詰っているのだ。いやいや、おかしいだろう。
「お前、俺の恋人のくせに、あの女の肩を持つのか?」
俺が言えば、エルシーは俺から目を逸らして、言った。
「わたしはただの秘書官ですもの――」
エルシーはまだ、俺が浮気してアクセサリーにしていると思っているのか――。
俺はベッドにエルシーを横たえると、室内履きを脱いでエルシーに圧し掛かるようにして、言った。
「俺はただの秘書官とこんなことはしない」
エルシーを抱いたのは愛しているからだ。なのに――。
俺の口づけを、エルシーは顔を背けて拒んだ。
「いや……不実な方は嫌い」
嫌い。
その一言が俺の胸を抉る。いや、ちょっとまて、エルシー。
「俺は少なくとも、お前に不実なことはしていないぞ?」
少なくとも浮気はしていない。……いろいろと、言えないことはあるし、卑怯だとは思うけれど。
俺がベッドについた両手に檻のように閉じ込められたエルシーが、俺を見上げて睨む。
「だって……なんで殿下がわたしのことを抱こうとするのか、わかりません」
そんなのお前のことが好きだからだ――そう、言おうと思う俺の言葉を遮るように、エルシーが言う。
「わたしが処女で、都合がよかったから? たまたま祖母が病気で、お金を出せば言うことを聞きそうだったから?」
なんでそんなことになっているのかわからなくて、俺が反論もできずに言葉に詰まっていると、なおもエルシーは言う。
「他に意中の方がいらっしゃったのじゃないの? だから、レコンフィールド公爵令嬢との婚約を拒んだ。そうなのでしょう?」
「……なんだそれは」
「殿下には戦争前からの恋人がいるはずだと、仰っていたわ」
――戦争前からの、恋人? 俺に?
全く意味がわからなくて、昂っていた俺の息子もすっかり萎えてしまい、俺はエルシーに圧し掛かっていた体を起こし、ベッドの上に座る。……なんだってそんな――。
そう思って、俺はふと、思いついて尋ねる。
「ステファニーが、お前にそう、言ったのか?」
エルシーが寝間着の襟元を整えながら、ベッドの上に起き上がって、頷く。
「ええ。戦争前から好きだった人と結婚したいって、仰ったと」
俺は王都に凱旋したときの記憶をたどる。――そんなようなことを口走った気がする。でもそれは――。
「ステファニー嬢はわたしがそうなのかと疑っていたみたいですけど、わたしは田舎育ちで、殿下にお会いしたのは二か月前ですって、はっきり否定しておきましたけど」
いや、それは間違いなくお前なんだけど――お前が忘れているだけで。
でも真実を語るわけにもいかず、俺は眉根を寄せてエルシーを見る。エルシーはステファニーにはお茶を淹れただけだと言っていたが、全く会話がなかったはずはない。俺はそれを聞いていなかった。
――レコンフィールド公爵は俺の恋人がマックス・アシュバートンの娘だと知っていた。
「ステファニーは、お前に何を言った?」
「殿下に恋人がいるらしいが、噂を聞いたことはないかって。殿下の私生活については知らない、知っていても言えない、って言いましたら、殿下のことじゃなくて、わたしのことが知りたいっておっしゃるから、名前と年齢と、出身地を聞かれました」
「話したのか?」
俺の問いに、エルシーはためらいなくうなずく。
「だって、殿下については守秘義務がありますけど、わたしの名前や出身地に、守秘義務なんてありませんもの。偽名を使うわけにもいきませんし、正直に言いましたよ?」
「……何か言っていたか?」
「別に。……ストラスシャーは遠いのか、と聞かれたので、鉄道で一日かかると答えました。戦前に殿下にお会いしたことはないかって、神に誓えるかっておっしゃるから、もちろんです!って自信をもって誓っておきました」
自信満々で頷くエルシーに、俺は複雑な気分であるが、覚えていないんだから、しょうがない。
「確かに、戦地から戻ってすぐに、俺はステファニーに向かって、結婚したい女がいるって言ったんだ。そうでも言わないと、納得しそうになくて。……ステファニーは俺が心変わりしたと言うから、心変わりじゃなくて、昔から好きな女がいるって答えた」
その時は、エルシーが王都にいることは知っていたが、相続できなかった理由がわからなかった。マックスの詔勅もあるし、すぐになんとかなるのではと、甘く考えていた。だからあの場では、とにかくステファニーと婚約する気はないと、それをはっきり言わなければとそれだけ――。
ステファニーは俺の態度と、王都の噂を聞いて、司令部まで俺に会いにきた。で、お茶を運んできたエルシーを見て、これが俺の恋人だと直感で理解した。それで、もしや戦前から関係があったのかと疑いエルシーの素性を尋ねた。だが、エルシーはずっとストラスシャーにいて王都にはほとんど出てこなかったし、俺との接点もない。アルバート王子とリンドホルム伯爵令嬢は、会ったこともないはずだから。
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