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五竅
33、聞名
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鐘楼から恭親王に割り当てられた館までの道のり、恭親王は角灯(カンテラ)で足元を照らしんがら、槐花(エンジュ)の手を取ってゆっくりと歩いた。槐花は痩せ形で背が高い方だが、恭親王も並んでみると背丈はそこそこあった。まだ十六だから、まだまだ伸びている最中だ。
そんなことを考えながら歩いていて、小石に躓いてバランスを崩す。あっ、と思った時に、横にいた恭親王が自然な動作で支えてくれた。
「大丈夫?」
「あっはい……申し訳ありません」
「そこはお礼を言うべきところだよ」
そう指摘されて、槐花は慌てて礼を言う。
「あ、ありがとうございます」
それからは館に帰りつくまで、ずっと無言であった。夜も遅いということもあって、槐花はすぐに支度をして恭親王の寝所に伺候する。恭親王の寝所は二階にあった。
メイローズが下がって扉が閉まると、いつものように寝台の方に歩きかけ、無人であることに気づく。慌てて周囲を見回すと、珍しく露台の長椅子に座り、外を見下している恭親王の後ろ姿に気づく。
「殿下――」
「ああ、来たの。こっちへおいで。ここで話そう」
恭親王によばれ、槐花も露台に出た。
「後宮は二階建ての建物が珍しいだろう?僕はここが好きなんだ。外がよく見える」
露台からは湖が見渡せた。篝火を焚いた船が一艘、止まっていた。微かに音楽とさざめきが聞こえる。
「兄上たちだよ。まだ騒いでる。よく飽きないね」
恭親王はそう言うと、寝酒なのか、蒸留酒を少しだけ舐めた。
「お前も何か飲む?――と言っても、酒しかないな。お前は飲めるんだっけ?」
「少しなら」
恭親王は返事を聞いて、槐花に蒸留酒を注いでやる。
「強いから、ゆっくり飲めよ」
槐花は北方辺境、玄武州の生まれだ。強い酒でも飲まねば生きていけぬほど、冬は寒い。父祖以来の強い酒精(アルコール)耐性も受け継いでいるので、見かけよりもうんと酒に強かった。
槐花が故郷の酒に負けぬほど強い、芋を原料にするその酒を舐めていると、恭親王が言った。
「それで――どうする?」
「わたくしの心はもう決まっています。殿下の、お側にお仕えしとうございます」
槐花は静かに、だが凛とした声で言い切った。
「僕は、お前を愛することはないよ。――おそらく、未来永劫」
「大丈夫です。わたくしはお慕いしておりますから」
「……なんで?僕は取り立てて、お前に好かれるようなことはしていないと思うけれど」
恭親王が首を傾げるようにして聞いた。切れ長の黒い瞳が美しく煌めく。
「まず、昨年、わたくしを順親王殿下のところからお救いくださいました」
槐花は今は綺麗に治った白い手首を見せて、恭親王に示す。
「順親王殿下はいつも――わたくしを縛りました。ずっと、そういうものだと思っておりましたけれど、肅郡王殿下の宮に参って、それが間違いだと知りました。あのまま、秋成宮にいたら、わたくしは一生、縛られて続けていたのだと思うと、ぞっとします」
「兄上はなぜ、縛るようなことをしたのかな?そういう趣味の人とは思わなかったけれど」
人は見かけによらないな、と恭親王は思う。
「……初めての夜に……話は聞いておりましたけれど、恐ろしさで無意識に逃げようとしてしまい、お怒りを買ったのです。それで……」
槐花の声が震える。それは、彼女にとっては恐怖の記憶なのだろう。
恭親王はデュクトが初めて忍び込んできた夜を思い出す。覚悟はしていても、初めての夜は恐ろしいものだ。それに怯える娘を、無理に縛ってまで事に及ぶというのは、恭親王には信じがたいことであった。
「そうだったの。嫌なことを思い出させたね……悪かった」
「いいえ……」
槐花は目を伏せた。長い睫毛が細面の頬に翳を作る。
「あれは、僕も兄上のやり口が気に入らなかったからだ。別にお前を救うためじゃない。恩に着る必要はないよ」
「いいえ。それだけでなく……わたくしの故郷は北の辺境、玄武州のさらに北、辺境騎士団の砦の近くにございます。冬はいつも、蛮族の略奪に怯えて過ごします。この正月は、故郷や家族のことを思うと夜も眠れませんでした……」
恭親王は目を見開く。槐花の兄は辺境騎士団のミシェル中尉、弟のユーエルも騎士見習いとして騎士団に出仕している。もし、異民族と全面的に戦ということになれば、二人も無傷では済むまい。
「肅郡王殿下のことは、とても悲しいことでした。でも……わたくしの故郷は殿下がたの策と武威によって守られました。そのことに、感謝の申し上げようもございません。わたくしは……」
槐花はそこで黒い瞳をあげ、恭親王をじっと見つめた。
「わたくしはもう、故郷に戻ることはできますまい。後宮に入り、殿下がたの寵を受けたこの身が、今さら北の辺境に帰って田舎の領主に嫁ぐこともできません。でしたら、わたくしはせめて、故郷を守ってくださった方のお側にお仕えし、感謝の気持ちをお捧げいたしとうございます」
恭親王は、息を飲んだ。秀女たちは五年も後宮に仕えれば、御褥下がりと言って恩給を頂戴して後宮を出て、適当な貴族たちの後妻か、側室として嫁ぐ。だが、その選定には後宮が関与し、迂闊な者には縁付けたりはしない。仮にも皇子の寵愛を受けた槐花を、辺境の田舎貴族の元に嫁がせることなどできないのだ。
秀女として入宮する下級貴族の娘たちの多くは、帝都かその周辺か、遠くても拠点都市周辺の出身で、辺境の出身者はほとんどいない。まず秀女候補に上がらないというのもあるが、地方の土着貴族には土着貴族の社会があって、婚姻等もその社会の枠の中で為されるのが普通だからである。
稀に、中央の貴族と婚姻を結ぶ場合も、中央貴族の庶子や訳ありの令嬢が都落ちのように嫁いで来ることこそあれ、辺境出の令嬢が中央貴族に嫁ぐというのはほとんどない。辺境にほとんど縁のないソルバン家の令息が、辺境子爵の令嬢を側室に迎えるなど、相当に異例なことで、それ故にソルバン家は揉めに揉めたのであった。その余波を食った槐花の秀女入宮が異例中の異例であるのは言うまでもない。ユルゲンと順親王の我儘により、槐花は故郷の土着貴族のコミュニティから引き離されたも同然で、たとえ後宮を下がっても、槐花が故郷に帰る日はもう、来ないのだ。
恭親王は絶句する。
ユルゲンと順親王は、どれほど罪深いことをしたのだろう。一人の少女を故郷と家族から引き離し、その人生を捻じ曲げた。槐花だけではない。ヤスミンも、そしてユルゲンの側室のルーナも、その本来の生きる場所と幸福から無理に引き裂いて、その歪みにすら気づかない。
皇家と十二貴嬪家とは、かくも傲慢で、身勝手なものなのか。
恭親王は目を閉じた。怒りと、やるせなさが全身に押し寄せてくる。その忌まわしい血が、彼の身体にも間違いなく流れているのだ。皇家の血ゆえに、彼は聖地に追われ、再び連れ戻された。懐かしく温かだった聖地と周囲の人々から切り離され、冷たい後宮に閉じこめられる。
すべては皇家と十二貴嬪家を頂点とする、帝国の秩序のために――。
彼と、槐花は、同じだ。
ただ、槐花には力がなく、彼にはある。ならば――。
「わかった。お前が僕の側で生涯生きることを許そう。僕はお前をできる限り保護し、守る。幸せにできるかどうかは、保証しないけれど、努力はする。槐花――お前の、〈名前を問う〉」
〈問名〉――名を問う、とは、宮中名しか名乗るのを許されていない秀女にその本名を問い、秀女ではなく貴族令嬢として愛を約するもの。側室として生涯側に置くことを皇子が誓うこと。
「はい。北方玄武州、フランザ子爵フルドが三女、レイナと申します。この身の誠心を以て、殿下に生涯お仕えし、殿下御身お一人に、わたくしの全てをお捧げすることをお誓いいたします」
槐花――レイナはその場を両膝をついて、真っ直ぐに恭親王を見上げた。恭親王はその白い手をとり、その甲に口づけた。
そんなことを考えながら歩いていて、小石に躓いてバランスを崩す。あっ、と思った時に、横にいた恭親王が自然な動作で支えてくれた。
「大丈夫?」
「あっはい……申し訳ありません」
「そこはお礼を言うべきところだよ」
そう指摘されて、槐花は慌てて礼を言う。
「あ、ありがとうございます」
それからは館に帰りつくまで、ずっと無言であった。夜も遅いということもあって、槐花はすぐに支度をして恭親王の寝所に伺候する。恭親王の寝所は二階にあった。
メイローズが下がって扉が閉まると、いつものように寝台の方に歩きかけ、無人であることに気づく。慌てて周囲を見回すと、珍しく露台の長椅子に座り、外を見下している恭親王の後ろ姿に気づく。
「殿下――」
「ああ、来たの。こっちへおいで。ここで話そう」
恭親王によばれ、槐花も露台に出た。
「後宮は二階建ての建物が珍しいだろう?僕はここが好きなんだ。外がよく見える」
露台からは湖が見渡せた。篝火を焚いた船が一艘、止まっていた。微かに音楽とさざめきが聞こえる。
「兄上たちだよ。まだ騒いでる。よく飽きないね」
恭親王はそう言うと、寝酒なのか、蒸留酒を少しだけ舐めた。
「お前も何か飲む?――と言っても、酒しかないな。お前は飲めるんだっけ?」
「少しなら」
恭親王は返事を聞いて、槐花に蒸留酒を注いでやる。
「強いから、ゆっくり飲めよ」
槐花は北方辺境、玄武州の生まれだ。強い酒でも飲まねば生きていけぬほど、冬は寒い。父祖以来の強い酒精(アルコール)耐性も受け継いでいるので、見かけよりもうんと酒に強かった。
槐花が故郷の酒に負けぬほど強い、芋を原料にするその酒を舐めていると、恭親王が言った。
「それで――どうする?」
「わたくしの心はもう決まっています。殿下の、お側にお仕えしとうございます」
槐花は静かに、だが凛とした声で言い切った。
「僕は、お前を愛することはないよ。――おそらく、未来永劫」
「大丈夫です。わたくしはお慕いしておりますから」
「……なんで?僕は取り立てて、お前に好かれるようなことはしていないと思うけれど」
恭親王が首を傾げるようにして聞いた。切れ長の黒い瞳が美しく煌めく。
「まず、昨年、わたくしを順親王殿下のところからお救いくださいました」
槐花は今は綺麗に治った白い手首を見せて、恭親王に示す。
「順親王殿下はいつも――わたくしを縛りました。ずっと、そういうものだと思っておりましたけれど、肅郡王殿下の宮に参って、それが間違いだと知りました。あのまま、秋成宮にいたら、わたくしは一生、縛られて続けていたのだと思うと、ぞっとします」
「兄上はなぜ、縛るようなことをしたのかな?そういう趣味の人とは思わなかったけれど」
人は見かけによらないな、と恭親王は思う。
「……初めての夜に……話は聞いておりましたけれど、恐ろしさで無意識に逃げようとしてしまい、お怒りを買ったのです。それで……」
槐花の声が震える。それは、彼女にとっては恐怖の記憶なのだろう。
恭親王はデュクトが初めて忍び込んできた夜を思い出す。覚悟はしていても、初めての夜は恐ろしいものだ。それに怯える娘を、無理に縛ってまで事に及ぶというのは、恭親王には信じがたいことであった。
「そうだったの。嫌なことを思い出させたね……悪かった」
「いいえ……」
槐花は目を伏せた。長い睫毛が細面の頬に翳を作る。
「あれは、僕も兄上のやり口が気に入らなかったからだ。別にお前を救うためじゃない。恩に着る必要はないよ」
「いいえ。それだけでなく……わたくしの故郷は北の辺境、玄武州のさらに北、辺境騎士団の砦の近くにございます。冬はいつも、蛮族の略奪に怯えて過ごします。この正月は、故郷や家族のことを思うと夜も眠れませんでした……」
恭親王は目を見開く。槐花の兄は辺境騎士団のミシェル中尉、弟のユーエルも騎士見習いとして騎士団に出仕している。もし、異民族と全面的に戦ということになれば、二人も無傷では済むまい。
「肅郡王殿下のことは、とても悲しいことでした。でも……わたくしの故郷は殿下がたの策と武威によって守られました。そのことに、感謝の申し上げようもございません。わたくしは……」
槐花はそこで黒い瞳をあげ、恭親王をじっと見つめた。
「わたくしはもう、故郷に戻ることはできますまい。後宮に入り、殿下がたの寵を受けたこの身が、今さら北の辺境に帰って田舎の領主に嫁ぐこともできません。でしたら、わたくしはせめて、故郷を守ってくださった方のお側にお仕えし、感謝の気持ちをお捧げいたしとうございます」
恭親王は、息を飲んだ。秀女たちは五年も後宮に仕えれば、御褥下がりと言って恩給を頂戴して後宮を出て、適当な貴族たちの後妻か、側室として嫁ぐ。だが、その選定には後宮が関与し、迂闊な者には縁付けたりはしない。仮にも皇子の寵愛を受けた槐花を、辺境の田舎貴族の元に嫁がせることなどできないのだ。
秀女として入宮する下級貴族の娘たちの多くは、帝都かその周辺か、遠くても拠点都市周辺の出身で、辺境の出身者はほとんどいない。まず秀女候補に上がらないというのもあるが、地方の土着貴族には土着貴族の社会があって、婚姻等もその社会の枠の中で為されるのが普通だからである。
稀に、中央の貴族と婚姻を結ぶ場合も、中央貴族の庶子や訳ありの令嬢が都落ちのように嫁いで来ることこそあれ、辺境出の令嬢が中央貴族に嫁ぐというのはほとんどない。辺境にほとんど縁のないソルバン家の令息が、辺境子爵の令嬢を側室に迎えるなど、相当に異例なことで、それ故にソルバン家は揉めに揉めたのであった。その余波を食った槐花の秀女入宮が異例中の異例であるのは言うまでもない。ユルゲンと順親王の我儘により、槐花は故郷の土着貴族のコミュニティから引き離されたも同然で、たとえ後宮を下がっても、槐花が故郷に帰る日はもう、来ないのだ。
恭親王は絶句する。
ユルゲンと順親王は、どれほど罪深いことをしたのだろう。一人の少女を故郷と家族から引き離し、その人生を捻じ曲げた。槐花だけではない。ヤスミンも、そしてユルゲンの側室のルーナも、その本来の生きる場所と幸福から無理に引き裂いて、その歪みにすら気づかない。
皇家と十二貴嬪家とは、かくも傲慢で、身勝手なものなのか。
恭親王は目を閉じた。怒りと、やるせなさが全身に押し寄せてくる。その忌まわしい血が、彼の身体にも間違いなく流れているのだ。皇家の血ゆえに、彼は聖地に追われ、再び連れ戻された。懐かしく温かだった聖地と周囲の人々から切り離され、冷たい後宮に閉じこめられる。
すべては皇家と十二貴嬪家を頂点とする、帝国の秩序のために――。
彼と、槐花は、同じだ。
ただ、槐花には力がなく、彼にはある。ならば――。
「わかった。お前が僕の側で生涯生きることを許そう。僕はお前をできる限り保護し、守る。幸せにできるかどうかは、保証しないけれど、努力はする。槐花――お前の、〈名前を問う〉」
〈問名〉――名を問う、とは、宮中名しか名乗るのを許されていない秀女にその本名を問い、秀女ではなく貴族令嬢として愛を約するもの。側室として生涯側に置くことを皇子が誓うこと。
「はい。北方玄武州、フランザ子爵フルドが三女、レイナと申します。この身の誠心を以て、殿下に生涯お仕えし、殿下御身お一人に、わたくしの全てをお捧げすることをお誓いいたします」
槐花――レイナはその場を両膝をついて、真っ直ぐに恭親王を見上げた。恭親王はその白い手をとり、その甲に口づけた。
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