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【番外編】家庭教師デイジー・トレヴィス
空回り
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使用人部屋の噂話から、ルーカスの母なる人――ミス・オルコット――がどんな女か、だいたいわかってきた。
男爵令嬢からメイド奉公に上がり、奉公先の嫡男の手がついてルーカス坊ちゃんを産んだ。
――どうやらその嫡男が旦那様の友人で、マクミラン侯爵家とは遠い親族にあたるらしい。
下町で暮らしていた二人を旦那様が見つけ出した。ここまではいいとして。
なぜか、ミス・オルコットは現在、旦那様の子を妊娠中。
流産を起こしかけたのを旦那様が突然、このお屋敷に連れてきたのだという。
どう考えてもまともな女じゃない。
真面目な旦那様はお腹の子供に責任を感じて、そんな女と結婚しようとしている――
そう、旦那様であるイライアス様は、容姿が麗しいだけでなく、真面目で、患者にも評判の名医で、そしてとても思いやり深く、責任感の強い方だ。自分の子どもを孕んだ女性を捨て置くなんて、できやしないだろう。――それがたとえ嘘であっても。
わたくしは旦那様の麗しい姿を思い出し、無意識に唇を噛んだ。
「ミス・トレヴィス? 問題解けたけど?」
ルーカスに話しかけられて、わたくしはハッとする。
「あ、ああ、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていたわ」
「僕、だいぶ字が読めるようになったよ? おじさんにもらった絵本を読めるようになりたい」
嬉しそうに言うルーカスに、わたくしは慌てて笑みをつくる。
「かあさまは字を読むのが得意じゃないんだって、だから絵本をもらってもお話がわからなくて」
「字が読めない?」
貴族なのに?
――まあ、読めない人もいないわけではないけれど。
「でも僕も綴り方は苦手だなあ。長い言葉とか覚えられないよ」
「お花の名前なんかは、長い綴りが多いですからね……そうだ、今日はお庭に出てお花の名前をお勉強しましょうか」
わたくしの提案にルーカスが小躍りして歓ぶ。ドーソン夫人にことわりを言い、ルーカスと二人、サロンから続く温室に向かう。
「先生は温室初めて?」
「ええ、まだ来たことはないの」
パタパタと半ズボンで駆けていくルーカスを追いかけ、ガラス張りの温室に向かえば――
大きなシダ植物や水蓮の鉢の脇にはアイアンのソファが置かれ、そこに一組の男女が寄り添いあって座っていた。後ろ姿だが、金髪の背の高い男にしなだれかかる栗色の髪の女。男の手が女のうなじに伸び、横顔が接近して唇が重なる。
あ、と思ったが、ルーカスはもう、一足先に温室の入り口に足を踏み入れていて、おそらくは植物の影になって二人の姿は見えていない。濃密なキスを交わす二人からわたくしは目を背け、必死にルーカスを追いかけた。
「かあさま! おじさん!」
「ルーカス?」
「……勉強中では? ルーカス?」
ようやく温室に入ったわたくしの耳に、そんなやり取りが聞こえてくる。
「お庭でお花の名前を覚えましょうって、ミス・トレヴィスが」
ルーカスが言うのと、わたくしが息を切らして追いつくのがほぼ、同時だった。
「ルーカス、走ら、ないで、苦し……」
「ミス・トレヴィス!」
隣の美しい人の腰を抱くようにして、旦那様が言った。
栗色の髪に紫色の瞳が印象的な、色白でほっそりした美女。浮き出た鎖骨が色っぽくて、守ってあげたくなる雰囲気がある。
でも服装が――
エンパイア型と言われる、少し前にはやった胸の下で切り替えるドレス。それも薄いモスリン地でヒラヒラして、胸元は大きく開いて、申し訳程度に毛織のショールで隠しているだけで、白いデコルテが眩しい。
旦那様がその女の耳元に顔を近づけて何か囁いてから、わたくしの方を見て微笑んだ。
「ローズ、家庭教師のミス・トレヴィスだよ。まだ、紹介していなかったね。……ミス・トレヴィス、こちらはルーカスの母親、ミズ・ローズマリー・オルコットだ」
「はじめまして」
ミス・オルコットがはにかんで目礼する。明らかにわたくしより若く――六歳の子供がいるようには、とうてい見えない。
「よ、よろしくお願いします。デイジー・トレヴィスと申します」
わたくしが慌てて頭を下げると、旦那様が言った。
「じゃあ、勉強を続けなさい、ルーカス。僕たちは行くから」
そう言ってミス・オルコットを立ち上がらせ、がっちりとその細い腰に腕を回し、旦那様は出て行った。
その後ろ姿が、なぜか脳裏に焼き付いて離れない。
細くて華奢なミス・オルコットの腰に回された、旦那様の腕。
折れそうなか弱い腰つき。やわらかそうな栗色の髪は編みこみにしてゆるく結い上げられ、細いうなじにおくれ毛がかかる。
歩きながら微笑み合う二人の美しい横顔と、ミス・オルコットを見つめる旦那様の蕩けそうに甘いまなざし――
そう、旦那様に恋なんてするつもりはないし、わたくしはただ、美しいものを見て讃えているだけよ。
わたくしみたいな女が愛されるなんて、みじんも期待していないし、望んでもいない。
でも――
確かにミス・オルコットは美しいわ。大きな紫色の瞳は濡れたように潤んで、長い睫毛がくるんと上を向いていて、唇はさくらんぼのように瑞々しくて。
美人ではあるわ。でも、夫でもない男に体を許し、子供まで身籠った売女じゃないの。
旦那様はそんな女を愛して、今度は旦那様の子を――
わたくしが美人だったら。もっと痩せて華奢だったら。こんなゴワゴワの髪じゃなくて、眼鏡もかけていなかったら。
――知識じゃなくて、美しさと媚びを売って生きていければ、だったらわたくしを愛してくださったの?
気づけばわたくしは、そんな思考の沼に陥って、抜けられなくなってしまった。
それからわたくしは、邸内ミス・オルコットの姿を探すようになった。たいてい、庭の温室で何かを編んでいるか、大奥様と刺繍をしたりしている。――わたくしは刺繍や編み物は苦手だったけれど、ミス・オルコットは刺繍や縫物が得意らしい。
温室で旦那様と寄り添い合っていることもある。ふわふわした破廉恥なドレスは、お腹を締め付けないようにとの旦那様の指示らしいけど、寝巻きか下着にしか見えない。
ある時は、窓辺で旦那様と抱き合っていた。……彼女のお部屋は三階で庭に面していて、庭から見上げれば丸見えなのだ。
旦那様の金色の髪が彼女の白い首筋に埋められて――
わたくしは見たくなくて、思わず目を逸らした。
旦那様のお相手がちゃんとしたご令嬢なら、わたくしだって、こんな気持ちにはならない。
未婚の母のくせに旦那様のお心を射止め、ゆくゆくは侯爵夫人になるなんて、許せない。
見かけの美しさを武器に旦那様に体ですり寄って。きっと、他の男にだって同じようなことをしてるに違いないわ。子供だって本当に旦那様の子がどうかわからないじゃない。
そんな風に、どんどん、どす黒い気持ちだけが胸の中で大きくなっていく。
旦那様はきっと騙されている。目を醒まして差し上げないと!
もし、旦那様の目が醒めたら、もしかしたら――
そんな思いが空回りして、わたくしはミス・オルコットのお腹の子の父親が本当に旦那様なのかと、使用人室で尋ねてみたけれど、みな迷惑そうに眉を顰めるだけだった。
旦那様はほぼ毎晩のようにミス・オルコットの部屋で休んでいる。お腹の子どもは旦那様の子以外ありえないと。
ただ一人、従僕のシンプソンが、忠告するようにわたくしに言った。
「……実際、自分の子かどうかなんて、男にはわかんねえんだよ。結局は、その子ごとその母親を愛せるかどうかだ。どっからどう見ても、旦那様はミス・オルコットに夢中だし、大奥様も認めておられる。クビになりたくなかったら、余計なことを口にしない方がいい」
「……旦那様が騙されているのかも――」
なおも言えば、シンプソンが首を振った。
「旦那様は医者だぜ? 医者が自分の子だって言ってんだよ」
たしかに、その通りなのだけど。
でも、許せないの――
結局、わたくしの気持ちは旦那様には通じなくて、わたくしはお屋敷をクビにされてしまった。
男爵令嬢からメイド奉公に上がり、奉公先の嫡男の手がついてルーカス坊ちゃんを産んだ。
――どうやらその嫡男が旦那様の友人で、マクミラン侯爵家とは遠い親族にあたるらしい。
下町で暮らしていた二人を旦那様が見つけ出した。ここまではいいとして。
なぜか、ミス・オルコットは現在、旦那様の子を妊娠中。
流産を起こしかけたのを旦那様が突然、このお屋敷に連れてきたのだという。
どう考えてもまともな女じゃない。
真面目な旦那様はお腹の子供に責任を感じて、そんな女と結婚しようとしている――
そう、旦那様であるイライアス様は、容姿が麗しいだけでなく、真面目で、患者にも評判の名医で、そしてとても思いやり深く、責任感の強い方だ。自分の子どもを孕んだ女性を捨て置くなんて、できやしないだろう。――それがたとえ嘘であっても。
わたくしは旦那様の麗しい姿を思い出し、無意識に唇を噛んだ。
「ミス・トレヴィス? 問題解けたけど?」
ルーカスに話しかけられて、わたくしはハッとする。
「あ、ああ、ごめんなさい。ちょっと考え事をしていたわ」
「僕、だいぶ字が読めるようになったよ? おじさんにもらった絵本を読めるようになりたい」
嬉しそうに言うルーカスに、わたくしは慌てて笑みをつくる。
「かあさまは字を読むのが得意じゃないんだって、だから絵本をもらってもお話がわからなくて」
「字が読めない?」
貴族なのに?
――まあ、読めない人もいないわけではないけれど。
「でも僕も綴り方は苦手だなあ。長い言葉とか覚えられないよ」
「お花の名前なんかは、長い綴りが多いですからね……そうだ、今日はお庭に出てお花の名前をお勉強しましょうか」
わたくしの提案にルーカスが小躍りして歓ぶ。ドーソン夫人にことわりを言い、ルーカスと二人、サロンから続く温室に向かう。
「先生は温室初めて?」
「ええ、まだ来たことはないの」
パタパタと半ズボンで駆けていくルーカスを追いかけ、ガラス張りの温室に向かえば――
大きなシダ植物や水蓮の鉢の脇にはアイアンのソファが置かれ、そこに一組の男女が寄り添いあって座っていた。後ろ姿だが、金髪の背の高い男にしなだれかかる栗色の髪の女。男の手が女のうなじに伸び、横顔が接近して唇が重なる。
あ、と思ったが、ルーカスはもう、一足先に温室の入り口に足を踏み入れていて、おそらくは植物の影になって二人の姿は見えていない。濃密なキスを交わす二人からわたくしは目を背け、必死にルーカスを追いかけた。
「かあさま! おじさん!」
「ルーカス?」
「……勉強中では? ルーカス?」
ようやく温室に入ったわたくしの耳に、そんなやり取りが聞こえてくる。
「お庭でお花の名前を覚えましょうって、ミス・トレヴィスが」
ルーカスが言うのと、わたくしが息を切らして追いつくのがほぼ、同時だった。
「ルーカス、走ら、ないで、苦し……」
「ミス・トレヴィス!」
隣の美しい人の腰を抱くようにして、旦那様が言った。
栗色の髪に紫色の瞳が印象的な、色白でほっそりした美女。浮き出た鎖骨が色っぽくて、守ってあげたくなる雰囲気がある。
でも服装が――
エンパイア型と言われる、少し前にはやった胸の下で切り替えるドレス。それも薄いモスリン地でヒラヒラして、胸元は大きく開いて、申し訳程度に毛織のショールで隠しているだけで、白いデコルテが眩しい。
旦那様がその女の耳元に顔を近づけて何か囁いてから、わたくしの方を見て微笑んだ。
「ローズ、家庭教師のミス・トレヴィスだよ。まだ、紹介していなかったね。……ミス・トレヴィス、こちらはルーカスの母親、ミズ・ローズマリー・オルコットだ」
「はじめまして」
ミス・オルコットがはにかんで目礼する。明らかにわたくしより若く――六歳の子供がいるようには、とうてい見えない。
「よ、よろしくお願いします。デイジー・トレヴィスと申します」
わたくしが慌てて頭を下げると、旦那様が言った。
「じゃあ、勉強を続けなさい、ルーカス。僕たちは行くから」
そう言ってミス・オルコットを立ち上がらせ、がっちりとその細い腰に腕を回し、旦那様は出て行った。
その後ろ姿が、なぜか脳裏に焼き付いて離れない。
細くて華奢なミス・オルコットの腰に回された、旦那様の腕。
折れそうなか弱い腰つき。やわらかそうな栗色の髪は編みこみにしてゆるく結い上げられ、細いうなじにおくれ毛がかかる。
歩きながら微笑み合う二人の美しい横顔と、ミス・オルコットを見つめる旦那様の蕩けそうに甘いまなざし――
そう、旦那様に恋なんてするつもりはないし、わたくしはただ、美しいものを見て讃えているだけよ。
わたくしみたいな女が愛されるなんて、みじんも期待していないし、望んでもいない。
でも――
確かにミス・オルコットは美しいわ。大きな紫色の瞳は濡れたように潤んで、長い睫毛がくるんと上を向いていて、唇はさくらんぼのように瑞々しくて。
美人ではあるわ。でも、夫でもない男に体を許し、子供まで身籠った売女じゃないの。
旦那様はそんな女を愛して、今度は旦那様の子を――
わたくしが美人だったら。もっと痩せて華奢だったら。こんなゴワゴワの髪じゃなくて、眼鏡もかけていなかったら。
――知識じゃなくて、美しさと媚びを売って生きていければ、だったらわたくしを愛してくださったの?
気づけばわたくしは、そんな思考の沼に陥って、抜けられなくなってしまった。
それからわたくしは、邸内ミス・オルコットの姿を探すようになった。たいてい、庭の温室で何かを編んでいるか、大奥様と刺繍をしたりしている。――わたくしは刺繍や編み物は苦手だったけれど、ミス・オルコットは刺繍や縫物が得意らしい。
温室で旦那様と寄り添い合っていることもある。ふわふわした破廉恥なドレスは、お腹を締め付けないようにとの旦那様の指示らしいけど、寝巻きか下着にしか見えない。
ある時は、窓辺で旦那様と抱き合っていた。……彼女のお部屋は三階で庭に面していて、庭から見上げれば丸見えなのだ。
旦那様の金色の髪が彼女の白い首筋に埋められて――
わたくしは見たくなくて、思わず目を逸らした。
旦那様のお相手がちゃんとしたご令嬢なら、わたくしだって、こんな気持ちにはならない。
未婚の母のくせに旦那様のお心を射止め、ゆくゆくは侯爵夫人になるなんて、許せない。
見かけの美しさを武器に旦那様に体ですり寄って。きっと、他の男にだって同じようなことをしてるに違いないわ。子供だって本当に旦那様の子がどうかわからないじゃない。
そんな風に、どんどん、どす黒い気持ちだけが胸の中で大きくなっていく。
旦那様はきっと騙されている。目を醒まして差し上げないと!
もし、旦那様の目が醒めたら、もしかしたら――
そんな思いが空回りして、わたくしはミス・オルコットのお腹の子の父親が本当に旦那様なのかと、使用人室で尋ねてみたけれど、みな迷惑そうに眉を顰めるだけだった。
旦那様はほぼ毎晩のようにミス・オルコットの部屋で休んでいる。お腹の子どもは旦那様の子以外ありえないと。
ただ一人、従僕のシンプソンが、忠告するようにわたくしに言った。
「……実際、自分の子かどうかなんて、男にはわかんねえんだよ。結局は、その子ごとその母親を愛せるかどうかだ。どっからどう見ても、旦那様はミス・オルコットに夢中だし、大奥様も認めておられる。クビになりたくなかったら、余計なことを口にしない方がいい」
「……旦那様が騙されているのかも――」
なおも言えば、シンプソンが首を振った。
「旦那様は医者だぜ? 医者が自分の子だって言ってんだよ」
たしかに、その通りなのだけど。
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結局、わたくしの気持ちは旦那様には通じなくて、わたくしはお屋敷をクビにされてしまった。
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