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9、間違った方向に
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ローズマリーとマコーレーの関係を知って、僕のなけなしのやる気に火がついた。
ルーカスの話から、治療代と家賃の代償として、ローズマリーの身体を要求しているのだろうと推測し、一人、嫉妬と義憤に身もだえる。
往診にかこつけて愛人を囲うなんて、同じ医者として許しがたい。何よりけち臭いし、中途半端だ。慈善事業なら下町の小汚い家でもいいが、愛人ならもっといい家をあてがえよ、貧乏人が!
あんなくたびれたオッサンが、美しいローズマリーにあんなこともこんなもしているのかと、想像してしまうと嫉妬で何も手につかなくなる。何という不公平。何という不条理。
僕も、かつては往診に託けて人妻と関係していたクズだが、過去の話だ! あのしょぼくれたクソ医者よりはマシだ。何しろ、僕の方が若いし顔もいいし、金もある。僕ならもっと瀟洒な別宅に住まわせてやれるのに!
謎の対抗意識を燃やして、僕がローズマリーを愛人として囲うならと郊外の小洒落た邸宅を探して不動産屋の前で物件を見て、あれこれ妄想を繰り広げる。
……週に一度くらい家族の目を盗んでこっそり通って、セックスしてお小遣い渡せばいいんだろ? なんか娼婦みたいだな? それよりは、月極めのお手当の方がスマート? 愛人なんて囲ったことないから、相場がわからんぞ。メイドと執事と、ルーカスの面倒を見る子守りもつけるとなると、けっこうな物入りじゃないか。僕も遊んでる場合じゃないな。仕事を再開するか……
てとこまで考えて、ふと我に返る。
――僕は独身だ。こっそり通う必要がどこにある。
どうやら僕は、ローズマリーのことになると冷静さを失うようだ。落ち着け、イライアス。
どんな悪事も神は見ている。あのクズ医者がこのままローズマリーと上手くいくなんて、あるわけない。いつか報いを受けるはず。
きっとその時、僕にもチャンスはめぐってくる。そのチャンスを逃さず、どんな小狡い手を使っても、彼女を手に入れるのだ!
ルーカスは僕にすっかり懐き、僕を見つけると路地の向こうからでも駆け寄って、抱き着いてくるようになった。「将を射んとせば、まず馬を射よ」。ルーカスから手懐ける僕の作戦は、きっと間違っていない。
「おじさん、こんにちは!」
「ああ、こんにちは、ルーカス。お母さんは今、大丈夫?」
「今は大丈夫と思うよ!」
ルーカスが快活に言い、僕の手を取って引っ張る。
「早く行こうよ!」
「わかった、わかった、そんなに引っ張るなよ、腕が抜けるじゃないか」
僕がルーカスの頭を撫でて歩きだした所で、ルーカスがつい、と僕の上着の裾引っ張って、つま先立ちで何か言いたそうにした。
「ルーカス、どうしたの?」
僕は足を止め、もっと話をよく聞くためにしゃがんで、彼と目線を合わせる。ルーカスは少しもじもじしてから、思いきったように小さな声で言った。
「あのね、おじさんはお医者なんだよね。……かあさま、最近、具合が悪そうなんだ」
「……貧血?」
「なんかね、ご飯を食べたくないって言って……ときどき、気持ち悪そうにしてる。あと、すごく疲れるのか、すぐ寝ちゃうんだ」
僕は眉を寄せた。
「うーん……思い当たる症状がないわけではないけど、お母さんに直接聞かないとわからないな」
食欲がなく、吐き気がして、疲れやすく眠い。
……患者を見れば妊娠を疑え。ある種の鉄則だが、子供の話だけで決めるのは危険だ。
だが、もし妊娠なら、かなり厄介だ。できればその日のうちにも確かめたかったが、それは叶わなかった。
僕たちが二人の家に近づいた時、路地の向こうから現れた例の医者が、せかせかした足取りで階段を上って行ったからだ。
ルーカスが、僕にギュッとしがみつく。
「僕ね……マコーレー先生、嫌いだ」
ルーカスなりに、何か気づいているのかもしれない。僕はルーカスの小さな肩を抱きしめて、言った。
「ああ、僕も嫌いだ。気が合うね、ルーカス」
ローズマリーとルーカスの所在がわかって、一月。
さすがに、これ以上リントン伯爵に黙っているわけにもいかない。だが、あの短絡的な伯爵が、ルーカスの存在を知ったら、いきなり迎えを寄越したりしかねない。
僕は伯爵家の顧問弁護士と連絡を取った。
アーリングベリから王都に出てきた弁護士のリチャード・アーヴィングは、僕の報告を淡々と聞いていた。
「……では、イライアス卿は、その子は若様――デニス様の子である可能性が高いと、お考えですかな」
「顔はそっくりだし、生まれた時期も矛盾はない。生物学的には間違いはないと思う。だが、法律的にどうなるかは、僕はそのあたり疎いので……」
アーヴィングはしばらく顎に手を当てて考える。
「我が国の法では、嫡出子以外の継承は認められません」
「だよね。……では、ルーカスがデニスの血を引いていたとしても、デニスとローズマリーが結婚していない以上、ルーカスの継承はあり得ない」
「ですが、例外はあります」
「例外?」
アーヴィングが灰色の目を僕に向けて頷く。
「デニス様は戦死です。国事に死んだ場合は、継承に関してはかなりの配慮がなされます」
「ほう……」
「例えば、その少年が坊ちゃまの庶子であることを届け出た上で、若奥様のライラ様の養子となさるのが、一番、確実と存じます」
「……ライラの養子に?」
僕は眉を寄せた。
「ただの養子でも、財産の分与ならば可能です。一定の割合以下になりますが。ですが、家督や爵位の相続となりますと、庶子の届けと王家への請願が必要になりますね」
「ライラの養子にならないと無理なのか?」
――そうか、だからデニスはローズマリー宛ての信託財産を用意したのか。
僕は腑に落ちる。出征の前、デニスは死ぬつもりなどなくて、単純にローズマリーへの贖罪のために、ライラには内緒で信託財産を用意した。
「ライラ様は若様の出征直後に流産なさった」
「ああ、聞いた。そんな彼女になさぬ仲の子を育てさせるのは、いくら何でも、ライラには辛かろう」
アーヴィングも黒い眉を寄せ、頷いた。
「そうですね。……旦那様は正直申し上げて、そういった心遣いのできる方ではありません」
「……しばらく、この話をここで止めておくことはできないか?」
アーヴィングの眉間の皺がさらに深くなる。
「それは難しいかと存じます。ミス・オルコットとその子の捜索状況について、旦那様は常に気にかけておられますので、イライアス卿が私を王都に呼んだことも、当然、把握しておられます」
「厄介だなあ……ローズマリーも、ライラも、そして当のルーカスも、誰もリントン伯爵家をルーカスに継がせたいと思っていないのに……」
「旦那様にとっては、伯爵家の継承はすべてに優先することでございますから――」
リントン伯爵はルーカスの幸せなど考えてはくれないだろう。僕は寄り添いあって生きてきた母子を思う。
なんとかして、二人を引き離さないですむ方法はないものか。
弁護士のアーヴィングとの会見を終えて、僕は馬車を下町に向かわせた。
ルーカスに継承させるならば、ライラの養子にするしかない。――例えば、ライラがリントン伯爵家の籍を抜いて再婚した場合はどうなるのか。
むしろ厄介なことになるんじゃないか?
アーヴィングはライラの存在を前提に考えているけれど、きっと他にも抜け道はあるはずだ。
今日はマクミラン侯爵家の、紋章入りの馬車で来ている。これを下町のゴミゴミしたところに停めておくのは目立ちすぎる。僕はステッキで窓枠を叩き、御者に合図した。
「大通りの適当なところで止めて、待っていてくれ」
「了解しました」
御者が答え、馬車は緩やかにスピードを落とし、路肩に止まる。
「今日はそれほど長くならない。すぐに出発できるよう、待っていてくれ」
「はい、旦那様」
僕はトップハットを被り直し、ウエスト・コートに入れた金時計を確認する。午後の四時。――この時刻なら、マコーレーのクソ医者もいないはず。
僕は時計を戻し、周囲を見回した。この道は下町に一番近い大通りで、ローズマリーが刺繍小物を請け負っている店などもある。
なんとなく道の向こうに目をやれば、向かいの不動産屋の前に見たことあるドレスの後ろ姿が立ち止まって、ショーウインドーを覗いている。と思ったら、なんだかずるずると道に沈んでいく。
「!!」
僕は医者としてのカンで、具合が悪くなったのだと気づいて、即座に通りを横切り、駆け寄った。
「君! 大丈夫か?」
声をかければそれはやはり、ローズマリーだった。
ルーカスの話から、治療代と家賃の代償として、ローズマリーの身体を要求しているのだろうと推測し、一人、嫉妬と義憤に身もだえる。
往診にかこつけて愛人を囲うなんて、同じ医者として許しがたい。何よりけち臭いし、中途半端だ。慈善事業なら下町の小汚い家でもいいが、愛人ならもっといい家をあてがえよ、貧乏人が!
あんなくたびれたオッサンが、美しいローズマリーにあんなこともこんなもしているのかと、想像してしまうと嫉妬で何も手につかなくなる。何という不公平。何という不条理。
僕も、かつては往診に託けて人妻と関係していたクズだが、過去の話だ! あのしょぼくれたクソ医者よりはマシだ。何しろ、僕の方が若いし顔もいいし、金もある。僕ならもっと瀟洒な別宅に住まわせてやれるのに!
謎の対抗意識を燃やして、僕がローズマリーを愛人として囲うならと郊外の小洒落た邸宅を探して不動産屋の前で物件を見て、あれこれ妄想を繰り広げる。
……週に一度くらい家族の目を盗んでこっそり通って、セックスしてお小遣い渡せばいいんだろ? なんか娼婦みたいだな? それよりは、月極めのお手当の方がスマート? 愛人なんて囲ったことないから、相場がわからんぞ。メイドと執事と、ルーカスの面倒を見る子守りもつけるとなると、けっこうな物入りじゃないか。僕も遊んでる場合じゃないな。仕事を再開するか……
てとこまで考えて、ふと我に返る。
――僕は独身だ。こっそり通う必要がどこにある。
どうやら僕は、ローズマリーのことになると冷静さを失うようだ。落ち着け、イライアス。
どんな悪事も神は見ている。あのクズ医者がこのままローズマリーと上手くいくなんて、あるわけない。いつか報いを受けるはず。
きっとその時、僕にもチャンスはめぐってくる。そのチャンスを逃さず、どんな小狡い手を使っても、彼女を手に入れるのだ!
ルーカスは僕にすっかり懐き、僕を見つけると路地の向こうからでも駆け寄って、抱き着いてくるようになった。「将を射んとせば、まず馬を射よ」。ルーカスから手懐ける僕の作戦は、きっと間違っていない。
「おじさん、こんにちは!」
「ああ、こんにちは、ルーカス。お母さんは今、大丈夫?」
「今は大丈夫と思うよ!」
ルーカスが快活に言い、僕の手を取って引っ張る。
「早く行こうよ!」
「わかった、わかった、そんなに引っ張るなよ、腕が抜けるじゃないか」
僕がルーカスの頭を撫でて歩きだした所で、ルーカスがつい、と僕の上着の裾引っ張って、つま先立ちで何か言いたそうにした。
「ルーカス、どうしたの?」
僕は足を止め、もっと話をよく聞くためにしゃがんで、彼と目線を合わせる。ルーカスは少しもじもじしてから、思いきったように小さな声で言った。
「あのね、おじさんはお医者なんだよね。……かあさま、最近、具合が悪そうなんだ」
「……貧血?」
「なんかね、ご飯を食べたくないって言って……ときどき、気持ち悪そうにしてる。あと、すごく疲れるのか、すぐ寝ちゃうんだ」
僕は眉を寄せた。
「うーん……思い当たる症状がないわけではないけど、お母さんに直接聞かないとわからないな」
食欲がなく、吐き気がして、疲れやすく眠い。
……患者を見れば妊娠を疑え。ある種の鉄則だが、子供の話だけで決めるのは危険だ。
だが、もし妊娠なら、かなり厄介だ。できればその日のうちにも確かめたかったが、それは叶わなかった。
僕たちが二人の家に近づいた時、路地の向こうから現れた例の医者が、せかせかした足取りで階段を上って行ったからだ。
ルーカスが、僕にギュッとしがみつく。
「僕ね……マコーレー先生、嫌いだ」
ルーカスなりに、何か気づいているのかもしれない。僕はルーカスの小さな肩を抱きしめて、言った。
「ああ、僕も嫌いだ。気が合うね、ルーカス」
ローズマリーとルーカスの所在がわかって、一月。
さすがに、これ以上リントン伯爵に黙っているわけにもいかない。だが、あの短絡的な伯爵が、ルーカスの存在を知ったら、いきなり迎えを寄越したりしかねない。
僕は伯爵家の顧問弁護士と連絡を取った。
アーリングベリから王都に出てきた弁護士のリチャード・アーヴィングは、僕の報告を淡々と聞いていた。
「……では、イライアス卿は、その子は若様――デニス様の子である可能性が高いと、お考えですかな」
「顔はそっくりだし、生まれた時期も矛盾はない。生物学的には間違いはないと思う。だが、法律的にどうなるかは、僕はそのあたり疎いので……」
アーヴィングはしばらく顎に手を当てて考える。
「我が国の法では、嫡出子以外の継承は認められません」
「だよね。……では、ルーカスがデニスの血を引いていたとしても、デニスとローズマリーが結婚していない以上、ルーカスの継承はあり得ない」
「ですが、例外はあります」
「例外?」
アーヴィングが灰色の目を僕に向けて頷く。
「デニス様は戦死です。国事に死んだ場合は、継承に関してはかなりの配慮がなされます」
「ほう……」
「例えば、その少年が坊ちゃまの庶子であることを届け出た上で、若奥様のライラ様の養子となさるのが、一番、確実と存じます」
「……ライラの養子に?」
僕は眉を寄せた。
「ただの養子でも、財産の分与ならば可能です。一定の割合以下になりますが。ですが、家督や爵位の相続となりますと、庶子の届けと王家への請願が必要になりますね」
「ライラの養子にならないと無理なのか?」
――そうか、だからデニスはローズマリー宛ての信託財産を用意したのか。
僕は腑に落ちる。出征の前、デニスは死ぬつもりなどなくて、単純にローズマリーへの贖罪のために、ライラには内緒で信託財産を用意した。
「ライラ様は若様の出征直後に流産なさった」
「ああ、聞いた。そんな彼女になさぬ仲の子を育てさせるのは、いくら何でも、ライラには辛かろう」
アーヴィングも黒い眉を寄せ、頷いた。
「そうですね。……旦那様は正直申し上げて、そういった心遣いのできる方ではありません」
「……しばらく、この話をここで止めておくことはできないか?」
アーヴィングの眉間の皺がさらに深くなる。
「それは難しいかと存じます。ミス・オルコットとその子の捜索状況について、旦那様は常に気にかけておられますので、イライアス卿が私を王都に呼んだことも、当然、把握しておられます」
「厄介だなあ……ローズマリーも、ライラも、そして当のルーカスも、誰もリントン伯爵家をルーカスに継がせたいと思っていないのに……」
「旦那様にとっては、伯爵家の継承はすべてに優先することでございますから――」
リントン伯爵はルーカスの幸せなど考えてはくれないだろう。僕は寄り添いあって生きてきた母子を思う。
なんとかして、二人を引き離さないですむ方法はないものか。
弁護士のアーヴィングとの会見を終えて、僕は馬車を下町に向かわせた。
ルーカスに継承させるならば、ライラの養子にするしかない。――例えば、ライラがリントン伯爵家の籍を抜いて再婚した場合はどうなるのか。
むしろ厄介なことになるんじゃないか?
アーヴィングはライラの存在を前提に考えているけれど、きっと他にも抜け道はあるはずだ。
今日はマクミラン侯爵家の、紋章入りの馬車で来ている。これを下町のゴミゴミしたところに停めておくのは目立ちすぎる。僕はステッキで窓枠を叩き、御者に合図した。
「大通りの適当なところで止めて、待っていてくれ」
「了解しました」
御者が答え、馬車は緩やかにスピードを落とし、路肩に止まる。
「今日はそれほど長くならない。すぐに出発できるよう、待っていてくれ」
「はい、旦那様」
僕はトップハットを被り直し、ウエスト・コートに入れた金時計を確認する。午後の四時。――この時刻なら、マコーレーのクソ医者もいないはず。
僕は時計を戻し、周囲を見回した。この道は下町に一番近い大通りで、ローズマリーが刺繍小物を請け負っている店などもある。
なんとなく道の向こうに目をやれば、向かいの不動産屋の前に見たことあるドレスの後ろ姿が立ち止まって、ショーウインドーを覗いている。と思ったら、なんだかずるずると道に沈んでいく。
「!!」
僕は医者としてのカンで、具合が悪くなったのだと気づいて、即座に通りを横切り、駆け寄った。
「君! 大丈夫か?」
声をかければそれはやはり、ローズマリーだった。
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