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45、約束
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ラファエルに嫁ぐにあたり、ジュスティーヌはさまざまな無理難題を彼に突き付けた。
まず、寝室は別にすること。肌を見せないこと。みだりに身体に触れないこと。
その要求を、ラファエルはあっさりと飲んだ。代わりにラファエルから要求されたことは、外出時には護衛を付けること、食事は極力、一緒に摂ること、それから、もしラファエルが彼女の嫌なことをしたら、我慢せずにすぐに言うこと、の三つであった。
「あなたはそれでいいのですか?」
呆れたようにジュスティーヌが尋ねると、ラファエルが頷く。
「俺は鈍いので、言われないとわからないところがあります。我慢されて、突然怒られる方が怖いです。あと、贈り物のセンスは期待しないでください。こういうものが欲しいと、具体的に言ってもらった方がいいです」
女兄弟のいないラファエルは、どうしても女性の服飾や好みに疎かった。幾度かミレイユをがっかりさせている。
「……別に、贈り物など期待はしていませんが……」
「それでも、どうせ貰うなら、自分の好みのものが欲しいでしょう? タダじゃないんですし、職人だって使ってもらった方がいいに決まっている。言わなくても素敵なものが出てくる、そういうタイプの男ではないんです」
乙女の夢を具現化したような外見なのに、ラファエルの中身は要するに朴念仁であった。そしてもともと実際的な性格である。
「でも、そんな要望でいいのですか? 本当にそれだけですか?」
ジュスティーヌが念を押すと、ラファエルが少し、躊躇うようにジュスティーヌを見た。
「その……ないわけではないのですが。みだりに身体に触ってはいけないと言われてしまったので」
「……触りたいのですか?」
心なし低くなったジュスティーヌの声に、ラファエルが大きな肩をびくりと動かす。
「い、いえ、いいのです! 贅沢は言いません。……散歩の時に、手をつなぎたいと思っただけで……」
悄然と肩を落としているラファエルを見て、ジュスティーヌは何だか捨てられた大型犬でも見ているような気分になり、溜息をつく。
「その……その時の気分によっては、少しなら、つないであげないこともありません」
「本当ですかっ!」
ガバリとあげたラファエルの美しい顔が、歓びに輝いている。
「あ、そのついでに……結婚したら、もちろん、結婚してからですけど!……名前を……名前を呼んでも……」
「ああ、それはもちろん、ジュスティーヌとお呼びくださいませ」
「ジュ、ジュス、ジュスティ(がり)」
興奮のあまり舌を噛んだらしく、ラファエルが掌で口元を覆って身悶える。呆れたようにそれを見つめるジュスティーヌの姿を、侍女たちと乳母が少し離れて、心配そうに、そしていくらか微笑ましい気分で眺めていた。
結婚式は王都にある大聖堂で行い、司祭の前で結婚を誓い、結婚証書に署名をする。これで、二人は神の前に夫婦となり、よほどのことがなければ離婚は認められない。前夜は王宮で婚礼祝いの祝宴が開かれ、ラファエルは夜通し飲まされていたが、アホみたいに酒の強い彼は表情も普段と変わらなかった。王や王妃に見送られ、聖堂を出てそのままボーモン伯領の城館に向かう。ジュスティーヌの乗る馬車には侍女と乳母が同乗し、横には騎馬でラファエルが従う。護衛の騎士や嫁入り道具を満載した馬車を幾台も連ねて、何とか夜の帳が下りる前に、城館に着くことができた。ボーモン城はすでに、ラファエルが手配した家令と女中頭により、完璧な支度が為されていた。今宵は食事を摂って休み、翌日、近隣の小領主たちを集めて、結婚の披露目をする予定にしていた。
「姫。家令のヨアヒムと、女中頭のアキテーヌ夫人です」
二人はラファエルの実家、ジロンド伯爵家の縁でこちらに来ているため、ラファエルにとっては気心の知れた相手だ。ラファエルが姫とその乳母、侍女たちに二人を紹介する。
「ご要望があれば何でもお申しつけください。できる限りのことをさせていただきます」
アキテーヌ夫人はぽっちゃりした優しそうな外観の四十過ぎの女性で、騎士だった夫を隣国との戦で亡くしていた。
「ありがとう……わたくし、たくさんの人を差配した経験がなくて……迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします」
「勿体ないお言葉でございます」
それから着替えをして、二人で夕食を摂る。食堂というものはなく、食事は指定の場所に運ばれることになる。夕食はラファエルの指示により、夫婦の居間に準備されていた。テーブルにはクロスを敷き、銀の燭台が並ぶ。二人の席にはそれぞれ受け皿――固くて丸い大きなパン――が置かれている。アキテーヌ夫人が侍女たちを指図して、テーブルの上に料理の皿を並べていく。通常、正餐は昼食で、夕食はやや軽いものとなるが、今日は一日馬車に揺られて昼食が簡素であったこと、そして二人での初めての食事ということもあって、ラファエルは少しだけ豪華に、とあらかじめ指定しておいたのだ。パンと、スパイスを効かせたラム肉の煮込み、魚のパイ、キャベツの酢漬け、チーズと生ハムの入った野菜のサラダなどなど。フィンガー・ボールにはバラの花びらが浮かべられ、清潔な白いリネンが添えられている。とっておきの赤葡萄酒の樽を開き、陶器の水差しから錫のゴブレットに注いで、互いに乾杯をする。
「ご朝食はどうされますか?」
給仕をしながら尋ねるアキテーヌ夫人に、ラファエルがうっと、視線を彷徨わせる。上流階級は通常、一日二食で朝食は摂らない者も多い。騎士として日々、肉体を鍛錬しなければならないラファエルは、軽い朝食を摂るのを習慣にしていた。
「姫は――ご朝食はどうされますか」
「わたくしは普段はいただきません。……お茶だけ」
「なら、俺にはパンとスープ、姫にはお茶だけを」
ラファエルが指示を出すと、アキテーヌ夫人は頷いて、何の悪意も籠らない笑顔でなおも尋ねる。
「では、ご寝室の方にお運びいたしますね」
う、とラファエルは返答に詰まり、ちらりとジュスティーヌを見てから、早口で言う。
「――その、朝になってから、改めて指示する」
「承知いたしました」
アキテーヌ夫人が食べ終えた皿を持って下がるのを見送ると、ラファエルは少しだけ身体をジュスティーヌの方に寄せる。ナイフでラファエルが小さく切りわけた川マスのパイを指で摘まんで、上品に口に運んでいたジュスティーヌは、何事かと目を丸くする。ラファエルはジュスティーヌの耳元に口を近づけると、周囲の侍女たちに聞かれないように声を落とし、言った。
「姫、その、お願いが――。いきなり、約束を破るのは気が引けるのですが、今夜だけはその、寝室に入れていただくことはできませんか。その、誓って何もしませんから!」
ラファエルの要求に、ジュスティーヌは指を口元に置いたまま、ちろりと上目遣いで彼を見る。それからおもむろにフィンガー・ボールで手をすすいで、白いリネンで拭きながら言う。
「それは――でも、いずれはバレてしまうことですわ。変に取り繕わない方が、よろしいんじゃありませんの?」
「それは確かにそうですが――でも、俺にもなけなしの見栄ってものがあるのです!」
さすがに新婚初夜に寝室を追い出されるなど、惨めにもほどがあるというもの。ジュスティーヌも気が咎める部分もあるので、眉間に皺を寄せてしばらく考えてから、ふうとため息をついて言った。
「わかりました。――今夜だけですよ? 本当に、何もしないと約束してくださいますね? 肌を見せたりもいたしませんよ」
「わかっています、姫。俺は寝台の上にすらのぼりません。床の上で十分です」
デザートの愛らしい形に成型されたマジパンと、食後の甘いお酒を運んできたアキテーヌ夫人が、仲睦まじそうに身を寄せ合って何かしゃべっている二人を見て、思わず頬を緩める。
――まさか、睦まじさとは対極にある約束を交わしているなどと、想像もしなかった。
まず、寝室は別にすること。肌を見せないこと。みだりに身体に触れないこと。
その要求を、ラファエルはあっさりと飲んだ。代わりにラファエルから要求されたことは、外出時には護衛を付けること、食事は極力、一緒に摂ること、それから、もしラファエルが彼女の嫌なことをしたら、我慢せずにすぐに言うこと、の三つであった。
「あなたはそれでいいのですか?」
呆れたようにジュスティーヌが尋ねると、ラファエルが頷く。
「俺は鈍いので、言われないとわからないところがあります。我慢されて、突然怒られる方が怖いです。あと、贈り物のセンスは期待しないでください。こういうものが欲しいと、具体的に言ってもらった方がいいです」
女兄弟のいないラファエルは、どうしても女性の服飾や好みに疎かった。幾度かミレイユをがっかりさせている。
「……別に、贈り物など期待はしていませんが……」
「それでも、どうせ貰うなら、自分の好みのものが欲しいでしょう? タダじゃないんですし、職人だって使ってもらった方がいいに決まっている。言わなくても素敵なものが出てくる、そういうタイプの男ではないんです」
乙女の夢を具現化したような外見なのに、ラファエルの中身は要するに朴念仁であった。そしてもともと実際的な性格である。
「でも、そんな要望でいいのですか? 本当にそれだけですか?」
ジュスティーヌが念を押すと、ラファエルが少し、躊躇うようにジュスティーヌを見た。
「その……ないわけではないのですが。みだりに身体に触ってはいけないと言われてしまったので」
「……触りたいのですか?」
心なし低くなったジュスティーヌの声に、ラファエルが大きな肩をびくりと動かす。
「い、いえ、いいのです! 贅沢は言いません。……散歩の時に、手をつなぎたいと思っただけで……」
悄然と肩を落としているラファエルを見て、ジュスティーヌは何だか捨てられた大型犬でも見ているような気分になり、溜息をつく。
「その……その時の気分によっては、少しなら、つないであげないこともありません」
「本当ですかっ!」
ガバリとあげたラファエルの美しい顔が、歓びに輝いている。
「あ、そのついでに……結婚したら、もちろん、結婚してからですけど!……名前を……名前を呼んでも……」
「ああ、それはもちろん、ジュスティーヌとお呼びくださいませ」
「ジュ、ジュス、ジュスティ(がり)」
興奮のあまり舌を噛んだらしく、ラファエルが掌で口元を覆って身悶える。呆れたようにそれを見つめるジュスティーヌの姿を、侍女たちと乳母が少し離れて、心配そうに、そしていくらか微笑ましい気分で眺めていた。
結婚式は王都にある大聖堂で行い、司祭の前で結婚を誓い、結婚証書に署名をする。これで、二人は神の前に夫婦となり、よほどのことがなければ離婚は認められない。前夜は王宮で婚礼祝いの祝宴が開かれ、ラファエルは夜通し飲まされていたが、アホみたいに酒の強い彼は表情も普段と変わらなかった。王や王妃に見送られ、聖堂を出てそのままボーモン伯領の城館に向かう。ジュスティーヌの乗る馬車には侍女と乳母が同乗し、横には騎馬でラファエルが従う。護衛の騎士や嫁入り道具を満載した馬車を幾台も連ねて、何とか夜の帳が下りる前に、城館に着くことができた。ボーモン城はすでに、ラファエルが手配した家令と女中頭により、完璧な支度が為されていた。今宵は食事を摂って休み、翌日、近隣の小領主たちを集めて、結婚の披露目をする予定にしていた。
「姫。家令のヨアヒムと、女中頭のアキテーヌ夫人です」
二人はラファエルの実家、ジロンド伯爵家の縁でこちらに来ているため、ラファエルにとっては気心の知れた相手だ。ラファエルが姫とその乳母、侍女たちに二人を紹介する。
「ご要望があれば何でもお申しつけください。できる限りのことをさせていただきます」
アキテーヌ夫人はぽっちゃりした優しそうな外観の四十過ぎの女性で、騎士だった夫を隣国との戦で亡くしていた。
「ありがとう……わたくし、たくさんの人を差配した経験がなくて……迷惑をかけると思いますが、よろしくお願いします」
「勿体ないお言葉でございます」
それから着替えをして、二人で夕食を摂る。食堂というものはなく、食事は指定の場所に運ばれることになる。夕食はラファエルの指示により、夫婦の居間に準備されていた。テーブルにはクロスを敷き、銀の燭台が並ぶ。二人の席にはそれぞれ受け皿――固くて丸い大きなパン――が置かれている。アキテーヌ夫人が侍女たちを指図して、テーブルの上に料理の皿を並べていく。通常、正餐は昼食で、夕食はやや軽いものとなるが、今日は一日馬車に揺られて昼食が簡素であったこと、そして二人での初めての食事ということもあって、ラファエルは少しだけ豪華に、とあらかじめ指定しておいたのだ。パンと、スパイスを効かせたラム肉の煮込み、魚のパイ、キャベツの酢漬け、チーズと生ハムの入った野菜のサラダなどなど。フィンガー・ボールにはバラの花びらが浮かべられ、清潔な白いリネンが添えられている。とっておきの赤葡萄酒の樽を開き、陶器の水差しから錫のゴブレットに注いで、互いに乾杯をする。
「ご朝食はどうされますか?」
給仕をしながら尋ねるアキテーヌ夫人に、ラファエルがうっと、視線を彷徨わせる。上流階級は通常、一日二食で朝食は摂らない者も多い。騎士として日々、肉体を鍛錬しなければならないラファエルは、軽い朝食を摂るのを習慣にしていた。
「姫は――ご朝食はどうされますか」
「わたくしは普段はいただきません。……お茶だけ」
「なら、俺にはパンとスープ、姫にはお茶だけを」
ラファエルが指示を出すと、アキテーヌ夫人は頷いて、何の悪意も籠らない笑顔でなおも尋ねる。
「では、ご寝室の方にお運びいたしますね」
う、とラファエルは返答に詰まり、ちらりとジュスティーヌを見てから、早口で言う。
「――その、朝になってから、改めて指示する」
「承知いたしました」
アキテーヌ夫人が食べ終えた皿を持って下がるのを見送ると、ラファエルは少しだけ身体をジュスティーヌの方に寄せる。ナイフでラファエルが小さく切りわけた川マスのパイを指で摘まんで、上品に口に運んでいたジュスティーヌは、何事かと目を丸くする。ラファエルはジュスティーヌの耳元に口を近づけると、周囲の侍女たちに聞かれないように声を落とし、言った。
「姫、その、お願いが――。いきなり、約束を破るのは気が引けるのですが、今夜だけはその、寝室に入れていただくことはできませんか。その、誓って何もしませんから!」
ラファエルの要求に、ジュスティーヌは指を口元に置いたまま、ちろりと上目遣いで彼を見る。それからおもむろにフィンガー・ボールで手をすすいで、白いリネンで拭きながら言う。
「それは――でも、いずれはバレてしまうことですわ。変に取り繕わない方が、よろしいんじゃありませんの?」
「それは確かにそうですが――でも、俺にもなけなしの見栄ってものがあるのです!」
さすがに新婚初夜に寝室を追い出されるなど、惨めにもほどがあるというもの。ジュスティーヌも気が咎める部分もあるので、眉間に皺を寄せてしばらく考えてから、ふうとため息をついて言った。
「わかりました。――今夜だけですよ? 本当に、何もしないと約束してくださいますね? 肌を見せたりもいたしませんよ」
「わかっています、姫。俺は寝台の上にすらのぼりません。床の上で十分です」
デザートの愛らしい形に成型されたマジパンと、食後の甘いお酒を運んできたアキテーヌ夫人が、仲睦まじそうに身を寄せ合って何かしゃべっている二人を見て、思わず頬を緩める。
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