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1、聖なる婚姻
旅立ち
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「おう、もう行くのか?」
青年の声に、巨大な城門の前に立ち、周囲の風景を見下ろしていた若い男が振り返る。
「向こうに行ったら、ダヤンによろしくな。あいつは暇してるだろうから、お前が行ったら喜ぶな。こっちは退屈になりそうだ」
話しかけてきたのは短めに刈りこんだ黒髪に精悍な眉をし、見上げるような長身の偉丈夫だ。年の頃は二十歳を少し過ぎたあたり、ゆったりした服の下であっても、鍛え上げた屈強な身体つきをしていることがはっきりとわかる。
振り返った方の青年は、身長は拳一つほどしか変わらないが身体つきはほっそりしている。だがこちらも十分に鍛えられた強靭な肉体を持ち、誰もが見惚れるほどの清冽な美貌を厚手の黒いフード付きマントの下に隠している。金釦のついた黒い革の上衣に、腰には金の鎖で装飾された黒い剣帯を下げ、実用的な黒い鞘に入った細剣を佩びている。その横に揺れる佩玉には、二匹の龍が絡みあう、皇家の紋章が透かし彫りにされている。彼が皇家に連なる高貴な身分であることを証明する護符であり、通行証でもある。
「そうだな。だが、どうせまた、すぐに戦争だ。お前も呼び出されて三人で戦うことになるさ」
「ユエリン、お前は結婚しに行くのだろう。少しぐらい花嫁といちゃついとけ」
茶化されたと思ったのだろう、ユエリンと呼ばれた青年は、フードの下の美麗な顔を不愉快そうに歪める。帝国では、諱には神聖な力が宿るとされ、とくに皇家の者の名を軽々しく口にすることは許されない。皇帝の御名に至っては、間違って口にすれば処罰されるほどの禁忌である。
よくよく見れば、この二人の容貌には似たところがある。互いに名を呼び合うのは、友人でもあり、近い親族の、気安い間柄だけに許される。――二人は同い年ながら、叔父と甥にあたる。
「その結婚がこの上もなくきな臭いから、戦争になると言っているのだ」
「西のお姫様は絶世の美女の家系、しかも陰の〈王気〉持ちだ。俺たち陽の〈王気〉持ちの心を捉えて離さないこと、折り紙付きだ。羨ましいな、何なら俺が代わるぞ」
数か月前に結婚したばかりの新婚のくせして、にやにや笑いながら言う同い年の甥に対し、旅立ちを控えた若い叔父は、心の中で悪態をつく。
「ここからソリスティアまで、馬で飛ばして三週間だな」
「太陽神殿の転移門を利用する許可が出ている」
大柄な甥の問いに、フードの叔父が答える。転移門は〈混沌〉の闇に覆われる以前の神世より残された施設で、遠方のポイントに瞬時で移動できる。帝国内だけでなく、遠く聖地や西の女王国にも数か所あり、全て神世以来の神殿によって厳重に管理されている。運用に失敗すると間違ったポイントや、下手をすると異界に飛ばされてしまい、便利だが危険な代物だ。
今回、恭親王ユエリンは帝都から真南に馬で半日の距離にある太陽神殿の転移門から、帝国の西方辺境ダルバンダル近郊の太陽神殿の転移門に転移し、そこから約二日の距離を馬で駆けてソリスティアに入る予定だ。もっとも、大人数で転移門を使用する場合には出発地の転移門だけでなく、目的地の転移門にも事前に連絡を入れておかねばならない。転移門の照準合わせ、受け入れ準備に約一日かかる。また夜間は転移門の魔力が不安定になるため使用できないといった制約が多く、恭親王が帝都の転移門をくぐれるのは早くて明後日となろう。ダルバンダル側の受け入れ態勢が整わず、もう一日延びる可能性もある。
ついでに言えば、帝都の正門でもある南の朱雀門は往来が多くて親王の近衛二百騎を集結させるには不向きである。今回は帝都北東の上東門を出て、帝都の東側の街道を回って太陽神殿に入る。だから、こんな帝都の外れの城門まで、友人が見送りに来たことが正直意外であった。
「じゃあ、ソリスティアに着くのは六日後くらいか?」
「ああ。途中、ダルバンダルの大都督府で一泊する」
「ダヤンが手ぐすね引いて待っているだろうな」
彼らの戦友である詒郡王ダヤンはダルバンダルに置かれた西方大都督の地位にある。
「二年ぶりの再会だ。張り切って女でもかき集めているだろう。棺桶に片足を突っ込む前に、羽目を外しておけよ!」
大柄な男がニヤリと笑うのに、恭親王は不快そうにフードの下の秀麗な眉を顰める。
「もういい、エールライヒを回収したら出立する。……じゃあ、グインも元気でな」
そう言い捨てると、恭親王は天に向かって鋭い指笛を吹いた。一度、二度……三度目で天空から影のようなものが落ちてきて、青年の黒革の手袋をした右手に、見事な毛艶をした黒い鷹が止まる。黒革の手袋は右手の手首から甲の部分が特に分厚くなっていて、鷹の鋭い爪から青年の腕を守るのだ。恭親王は腰の袋から出した生肉を鷹にやると、鷹の頭を軽く左手で撫でる。彼が傍らに繋いでいた、やはり漆黒の愛馬へと歩を進めると、鷹は恭親王の右手から飛び上がり、その肩に場所を変えて羽を休める。青年は鷹を右肩に乗せたまま、ひらりと身軽に愛馬に跨った。
口笛を聞いた恭親王の従者たちが、少し離れていた場所から、やはりそれぞれの乗馬に跨って主君に近づく。皆、旅装だ。
「結婚式は呼んでくれないのか」
「残念だが、〈王気〉持ち同士は〈聖婚〉相手以外、対面禁止だ。諦めろ」
青年は友に不機嫌そうな一瞥をくれると、馬腹を蹴って走りだす。周辺で待機していた二百騎の集団がそれにつれて走り始め、中の数人は見送りにきた青年に目礼して走り去った。殿にいた一人が、フードを上げて挨拶した。
「では、廉郡王殿下。いずれまた、戦場でお会いしましょう! 従兄のゲルフィンによろしくお伝えください!」
「おう、トルフィンも元気でな!」
トルフィン、と呼ばれた侍従は、その従兄が廉郡王の下でやはり侍従をしている。彼に伝言を頼んで、トルフィンも仲間を追って走り始めた。
青年――廉郡王グイン皇子が、城門の下で走り去る戦友の一行が見えなくなるまで見送っていた。
**********
親王:皇帝の直系で、三妃以上の母の所生の皇子。皇位継承権あり。
郡王:九嬪以下の母の所生の皇子。もしくは傍系の皇子。
廉郡王グインは皇太子ロウリンの息子なので、皇太子が皇帝即位の暁には、親王になる予定。
「ヤン」「リン」「イン」は輩行(一族の同じ世代の名前に共通する言葉)。
青年の声に、巨大な城門の前に立ち、周囲の風景を見下ろしていた若い男が振り返る。
「向こうに行ったら、ダヤンによろしくな。あいつは暇してるだろうから、お前が行ったら喜ぶな。こっちは退屈になりそうだ」
話しかけてきたのは短めに刈りこんだ黒髪に精悍な眉をし、見上げるような長身の偉丈夫だ。年の頃は二十歳を少し過ぎたあたり、ゆったりした服の下であっても、鍛え上げた屈強な身体つきをしていることがはっきりとわかる。
振り返った方の青年は、身長は拳一つほどしか変わらないが身体つきはほっそりしている。だがこちらも十分に鍛えられた強靭な肉体を持ち、誰もが見惚れるほどの清冽な美貌を厚手の黒いフード付きマントの下に隠している。金釦のついた黒い革の上衣に、腰には金の鎖で装飾された黒い剣帯を下げ、実用的な黒い鞘に入った細剣を佩びている。その横に揺れる佩玉には、二匹の龍が絡みあう、皇家の紋章が透かし彫りにされている。彼が皇家に連なる高貴な身分であることを証明する護符であり、通行証でもある。
「そうだな。だが、どうせまた、すぐに戦争だ。お前も呼び出されて三人で戦うことになるさ」
「ユエリン、お前は結婚しに行くのだろう。少しぐらい花嫁といちゃついとけ」
茶化されたと思ったのだろう、ユエリンと呼ばれた青年は、フードの下の美麗な顔を不愉快そうに歪める。帝国では、諱には神聖な力が宿るとされ、とくに皇家の者の名を軽々しく口にすることは許されない。皇帝の御名に至っては、間違って口にすれば処罰されるほどの禁忌である。
よくよく見れば、この二人の容貌には似たところがある。互いに名を呼び合うのは、友人でもあり、近い親族の、気安い間柄だけに許される。――二人は同い年ながら、叔父と甥にあたる。
「その結婚がこの上もなくきな臭いから、戦争になると言っているのだ」
「西のお姫様は絶世の美女の家系、しかも陰の〈王気〉持ちだ。俺たち陽の〈王気〉持ちの心を捉えて離さないこと、折り紙付きだ。羨ましいな、何なら俺が代わるぞ」
数か月前に結婚したばかりの新婚のくせして、にやにや笑いながら言う同い年の甥に対し、旅立ちを控えた若い叔父は、心の中で悪態をつく。
「ここからソリスティアまで、馬で飛ばして三週間だな」
「太陽神殿の転移門を利用する許可が出ている」
大柄な甥の問いに、フードの叔父が答える。転移門は〈混沌〉の闇に覆われる以前の神世より残された施設で、遠方のポイントに瞬時で移動できる。帝国内だけでなく、遠く聖地や西の女王国にも数か所あり、全て神世以来の神殿によって厳重に管理されている。運用に失敗すると間違ったポイントや、下手をすると異界に飛ばされてしまい、便利だが危険な代物だ。
今回、恭親王ユエリンは帝都から真南に馬で半日の距離にある太陽神殿の転移門から、帝国の西方辺境ダルバンダル近郊の太陽神殿の転移門に転移し、そこから約二日の距離を馬で駆けてソリスティアに入る予定だ。もっとも、大人数で転移門を使用する場合には出発地の転移門だけでなく、目的地の転移門にも事前に連絡を入れておかねばならない。転移門の照準合わせ、受け入れ準備に約一日かかる。また夜間は転移門の魔力が不安定になるため使用できないといった制約が多く、恭親王が帝都の転移門をくぐれるのは早くて明後日となろう。ダルバンダル側の受け入れ態勢が整わず、もう一日延びる可能性もある。
ついでに言えば、帝都の正門でもある南の朱雀門は往来が多くて親王の近衛二百騎を集結させるには不向きである。今回は帝都北東の上東門を出て、帝都の東側の街道を回って太陽神殿に入る。だから、こんな帝都の外れの城門まで、友人が見送りに来たことが正直意外であった。
「じゃあ、ソリスティアに着くのは六日後くらいか?」
「ああ。途中、ダルバンダルの大都督府で一泊する」
「ダヤンが手ぐすね引いて待っているだろうな」
彼らの戦友である詒郡王ダヤンはダルバンダルに置かれた西方大都督の地位にある。
「二年ぶりの再会だ。張り切って女でもかき集めているだろう。棺桶に片足を突っ込む前に、羽目を外しておけよ!」
大柄な男がニヤリと笑うのに、恭親王は不快そうにフードの下の秀麗な眉を顰める。
「もういい、エールライヒを回収したら出立する。……じゃあ、グインも元気でな」
そう言い捨てると、恭親王は天に向かって鋭い指笛を吹いた。一度、二度……三度目で天空から影のようなものが落ちてきて、青年の黒革の手袋をした右手に、見事な毛艶をした黒い鷹が止まる。黒革の手袋は右手の手首から甲の部分が特に分厚くなっていて、鷹の鋭い爪から青年の腕を守るのだ。恭親王は腰の袋から出した生肉を鷹にやると、鷹の頭を軽く左手で撫でる。彼が傍らに繋いでいた、やはり漆黒の愛馬へと歩を進めると、鷹は恭親王の右手から飛び上がり、その肩に場所を変えて羽を休める。青年は鷹を右肩に乗せたまま、ひらりと身軽に愛馬に跨った。
口笛を聞いた恭親王の従者たちが、少し離れていた場所から、やはりそれぞれの乗馬に跨って主君に近づく。皆、旅装だ。
「結婚式は呼んでくれないのか」
「残念だが、〈王気〉持ち同士は〈聖婚〉相手以外、対面禁止だ。諦めろ」
青年は友に不機嫌そうな一瞥をくれると、馬腹を蹴って走りだす。周辺で待機していた二百騎の集団がそれにつれて走り始め、中の数人は見送りにきた青年に目礼して走り去った。殿にいた一人が、フードを上げて挨拶した。
「では、廉郡王殿下。いずれまた、戦場でお会いしましょう! 従兄のゲルフィンによろしくお伝えください!」
「おう、トルフィンも元気でな!」
トルフィン、と呼ばれた侍従は、その従兄が廉郡王の下でやはり侍従をしている。彼に伝言を頼んで、トルフィンも仲間を追って走り始めた。
青年――廉郡王グイン皇子が、城門の下で走り去る戦友の一行が見えなくなるまで見送っていた。
**********
親王:皇帝の直系で、三妃以上の母の所生の皇子。皇位継承権あり。
郡王:九嬪以下の母の所生の皇子。もしくは傍系の皇子。
廉郡王グインは皇太子ロウリンの息子なので、皇太子が皇帝即位の暁には、親王になる予定。
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