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10、皇帝親征
テレイオスの願い
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「――誰?」
「わたし……アルベラです」
「ああ、もう、起きたんだね」
すぐに老婆が近づいて、皺だらけの手を額にあてる。熱はない、と判断したのか、盆の上から楽飲みを取って水を飲ませ、ついでドロドロに煮た白粥を持ってきた。そしてその椀をアルベラに手渡し、食べさせろ、と手真似で指示する。
「え、わたしが?」
アルベラがさすがにぎょっとする。病人に食べさせたことなんて、ない。しかたなく木の匙で白粥をぐるりと混ぜる。山盛りに掬ってテレイオスの口元に運ぼうとすると、老婆が腕を掴んで止め、首を振る。
「え、ダメなの?……どうして?」
戸惑うアルベラの腕を掴み、匙を揺すって匙に乗った粥を減らす。
「……一度にたくさんは食べられない、ってこと?」
老婆が頷く。粥はかなり冷めていて、火傷することはなさそうだ。アルベラはほんの申し訳程度、粥の乗った匙を、恐る恐るテレイオスの口元に運ぶ。テレイオスの形のよい唇がわずかに開き、粥を啜る。二口、三口を飲み込んだだけで、テレイオスはそっと首を振る。
「もう、食べられない。ありがとう……」
「え……でも……」
こんな小鳥の餌のような量で、足りるのか。アルベラがちらりと老婆を伺う。老婆の表情はフードに隠されて見えないが、これはいくら何でも少なすぎると思っているんじゃないか、とアルベラは勝手に推測する。
「……じゃあ、とりあえず休んで、また少ししたら食べてみましょう。少しずつなら、食べられるかも」
アルベラの言葉に、老婆が頷く。テレイオスが薄っすら微笑えんでアルベラの方に顔を向けた。
「優しいね、アルベラ……しばらく、どこにいたの」
「え……それは、その……家出です」
「家出?」
「うん……まあその……反抗期かな」
テレイオスがくすりと笑う。
「家出して、どこにいたの」
「家出して……旅をしてました。ナキアから西街道を南下して、ホーヘルミアの月神殿から東街道を北上して……レイジアから……」
「すごいね、大旅行じゃないか」
確かにそうだ。普通なら絶対しないような、すごい旅行。ずっと馬に乗って、男装して、山中で野宿して。時々は宿にも泊まった。ゾーイらはアルベラのために、浴室付きの部屋を取ってくれた。ものすごく、気を使ってくれたのだと思う。
アルベラとシリルがいなければ、彼らはもっと早くシルルッサに着いていた。あんなに、苦戦しないで西の騎士たちを振り切ったに違いない。彼らの中で一番弱いランパでさえ、西の騎士より強いのだ。きっと今頃はシルルッサから、ソリスティアに戻っているかもしれない。そしてアデライードと再会して――。
アルベラがふっと、かつての仲間たちに思いを馳せたのを、鋭敏なテレイオスが気づいたらしい。
「一人じゃあ、なかったんだ」
「うん。――一人なら、到底無理よ」
「旅の話を聞かせてよ」
「旅の?――うーん……そうねえ。ずっと山道を旅してて……一人、すごく料理の上手な人がいたの。紐みたいなので石を投げて、空を飛んでる鳥を打ち落として、それをいろいろに料理してくれるんだけど……」
アルベラの話に、テレイオスが翡翠色の瞳を少し見開く。
「そんなことができるの?それは、男の人?」
「うん。今、二十三歳って言ったかな。十二歳まで、見習いの僧侶をしていたんですって。羊飼いの仕事の途中で、そうやって鳥を捕まえて食べてたって」
「僕と同じ歳だ」
テレイオスの翡翠色の瞳が、少し煌めく。
「羨ましいなあ。僕もそんな風に、旅をしてみたかった。鳥を捕まえたり」
「あれは、彼しかできなかったわ。料理もすごく上手なの。お肉が少ししかないときは、挽肉にして野菜や燕麦を足して、量を増やしてお団子にしたり。河で魚を採ってきたり……ああ、内臓を抜いた鳥のお腹に野菜やら香草を詰めて、丸ごと土に埋めて蒸し焼きにしたこともあるわ。すっごく美味しかった!」
その料理は時間の余裕のある時に限られたけれど、でも飛び切りの美味だった。シウリンが山中で見つけてくる、新鮮な香草が肉の臭みを消し、芳醇な山の幸の香りが口中に広がる。……思い出すだけで口の中に涎が溜まってきて、アルベラはつい、唾を飲み込んだ。それはテレイオスも同じだったらしく、アルベラに言う。
「不思議だ、そんな話を聞くだけで、お腹が空いてくるよ。今、食べたばかりなのに」
「あんなのは食べたうちに入らないわ。……あと数口でも食べる?」
アルベラが尋ねると、テレイオスが頷いた。それでアルベラはすっかり冷めた白粥を、また数口、テレイオスの口に運んでやる。
「ああ、羨ましいな。僕もそんな食事をしてみたい」
テレイオスが翡翠色の瞳で遠くを見るように言う。……目はどこかぼやけているから、はっきりした像は結んでいないのだろう。
「冬になると、いつも食べるものがなくて大変だったって。……彼のおかげで、山で採れる、見たこともない果物や木の実を食べたわ。アケビでしょ、サルナシでしょ……それから零余子」
「ムカデ?」
「違うわよ、芋の蔓の、地上部分に生る小さな実だって言ってたわ。鍋で炒って、塩をふって食べるの。東の人は米と一緒に炊き込むんですって」
「へえ、そんな食べ物があるんだね。……今まで、花が咲く植物ばかり集めてきたけど、食べられる実のつく植物も集めてもらえばよかったな」
テレイオスが微笑む。昨夜見たよりもずっと生気があって、〈王気〉も少しばかり輝きを増していた。
「ねえ。――それほど長いことではないけれど、しばらく僕の傍にいて。アルベラと過ごすのが、僕の夢だったんだよ」
テレイオスの言葉に、アルベラが目を瞠る。
「君は、僕の存在すら知らなかっただろうけれど、僕はずっと、君の話を父上に強請っていた。いつか、君に会いたいと思っていた。だから――」
彼女をここに連れてきたのは、父ウルバヌスの指示なのだろう。父が何を考えているかわからないが、現在のアルベラには自由はないのだ。父がテレイオスの側についていろ、と言うならば、それに従うしかない。
「わたし、何も説明されずにここに連れてこられたの。急に、またどこかにやられてしまうかもしれないけど――」
「僕がお願いしたんだ。アルベラが見つかったら、僕の側に置いてって。それが、最期のお願いだからって」
アルベラは返答に窮する。父はやはり、この兄(姉?)の願いだけは、全てを枉げても叶えようとするのだろうか。
気になることは他にもいろいろあった。他の兄弟姉妹たちはどうしているのか。とくに、アルベラの逃亡に手を貸したシメオンは――。
この美しい鳥籠のような平和な温室で、穏やかな時を過ごしていいのだろうか。だが、せめて最期の時を、ただ一人の同母妹と過ごしたいと願うテレイオスを、棄てていくことはアルベラにはできそうもない。
テレイオスが差し出す痩せた手を握り締め、アルベラは言う。
「ええ、いいわ。――じゃあ、どんな話をする?」
光の降り注ぐ温室は、まるで時が停まったように、凪いでいた。
「わたし……アルベラです」
「ああ、もう、起きたんだね」
すぐに老婆が近づいて、皺だらけの手を額にあてる。熱はない、と判断したのか、盆の上から楽飲みを取って水を飲ませ、ついでドロドロに煮た白粥を持ってきた。そしてその椀をアルベラに手渡し、食べさせろ、と手真似で指示する。
「え、わたしが?」
アルベラがさすがにぎょっとする。病人に食べさせたことなんて、ない。しかたなく木の匙で白粥をぐるりと混ぜる。山盛りに掬ってテレイオスの口元に運ぼうとすると、老婆が腕を掴んで止め、首を振る。
「え、ダメなの?……どうして?」
戸惑うアルベラの腕を掴み、匙を揺すって匙に乗った粥を減らす。
「……一度にたくさんは食べられない、ってこと?」
老婆が頷く。粥はかなり冷めていて、火傷することはなさそうだ。アルベラはほんの申し訳程度、粥の乗った匙を、恐る恐るテレイオスの口元に運ぶ。テレイオスの形のよい唇がわずかに開き、粥を啜る。二口、三口を飲み込んだだけで、テレイオスはそっと首を振る。
「もう、食べられない。ありがとう……」
「え……でも……」
こんな小鳥の餌のような量で、足りるのか。アルベラがちらりと老婆を伺う。老婆の表情はフードに隠されて見えないが、これはいくら何でも少なすぎると思っているんじゃないか、とアルベラは勝手に推測する。
「……じゃあ、とりあえず休んで、また少ししたら食べてみましょう。少しずつなら、食べられるかも」
アルベラの言葉に、老婆が頷く。テレイオスが薄っすら微笑えんでアルベラの方に顔を向けた。
「優しいね、アルベラ……しばらく、どこにいたの」
「え……それは、その……家出です」
「家出?」
「うん……まあその……反抗期かな」
テレイオスがくすりと笑う。
「家出して、どこにいたの」
「家出して……旅をしてました。ナキアから西街道を南下して、ホーヘルミアの月神殿から東街道を北上して……レイジアから……」
「すごいね、大旅行じゃないか」
確かにそうだ。普通なら絶対しないような、すごい旅行。ずっと馬に乗って、男装して、山中で野宿して。時々は宿にも泊まった。ゾーイらはアルベラのために、浴室付きの部屋を取ってくれた。ものすごく、気を使ってくれたのだと思う。
アルベラとシリルがいなければ、彼らはもっと早くシルルッサに着いていた。あんなに、苦戦しないで西の騎士たちを振り切ったに違いない。彼らの中で一番弱いランパでさえ、西の騎士より強いのだ。きっと今頃はシルルッサから、ソリスティアに戻っているかもしれない。そしてアデライードと再会して――。
アルベラがふっと、かつての仲間たちに思いを馳せたのを、鋭敏なテレイオスが気づいたらしい。
「一人じゃあ、なかったんだ」
「うん。――一人なら、到底無理よ」
「旅の話を聞かせてよ」
「旅の?――うーん……そうねえ。ずっと山道を旅してて……一人、すごく料理の上手な人がいたの。紐みたいなので石を投げて、空を飛んでる鳥を打ち落として、それをいろいろに料理してくれるんだけど……」
アルベラの話に、テレイオスが翡翠色の瞳を少し見開く。
「そんなことができるの?それは、男の人?」
「うん。今、二十三歳って言ったかな。十二歳まで、見習いの僧侶をしていたんですって。羊飼いの仕事の途中で、そうやって鳥を捕まえて食べてたって」
「僕と同じ歳だ」
テレイオスの翡翠色の瞳が、少し煌めく。
「羨ましいなあ。僕もそんな風に、旅をしてみたかった。鳥を捕まえたり」
「あれは、彼しかできなかったわ。料理もすごく上手なの。お肉が少ししかないときは、挽肉にして野菜や燕麦を足して、量を増やしてお団子にしたり。河で魚を採ってきたり……ああ、内臓を抜いた鳥のお腹に野菜やら香草を詰めて、丸ごと土に埋めて蒸し焼きにしたこともあるわ。すっごく美味しかった!」
その料理は時間の余裕のある時に限られたけれど、でも飛び切りの美味だった。シウリンが山中で見つけてくる、新鮮な香草が肉の臭みを消し、芳醇な山の幸の香りが口中に広がる。……思い出すだけで口の中に涎が溜まってきて、アルベラはつい、唾を飲み込んだ。それはテレイオスも同じだったらしく、アルベラに言う。
「不思議だ、そんな話を聞くだけで、お腹が空いてくるよ。今、食べたばかりなのに」
「あんなのは食べたうちに入らないわ。……あと数口でも食べる?」
アルベラが尋ねると、テレイオスが頷いた。それでアルベラはすっかり冷めた白粥を、また数口、テレイオスの口に運んでやる。
「ああ、羨ましいな。僕もそんな食事をしてみたい」
テレイオスが翡翠色の瞳で遠くを見るように言う。……目はどこかぼやけているから、はっきりした像は結んでいないのだろう。
「冬になると、いつも食べるものがなくて大変だったって。……彼のおかげで、山で採れる、見たこともない果物や木の実を食べたわ。アケビでしょ、サルナシでしょ……それから零余子」
「ムカデ?」
「違うわよ、芋の蔓の、地上部分に生る小さな実だって言ってたわ。鍋で炒って、塩をふって食べるの。東の人は米と一緒に炊き込むんですって」
「へえ、そんな食べ物があるんだね。……今まで、花が咲く植物ばかり集めてきたけど、食べられる実のつく植物も集めてもらえばよかったな」
テレイオスが微笑む。昨夜見たよりもずっと生気があって、〈王気〉も少しばかり輝きを増していた。
「ねえ。――それほど長いことではないけれど、しばらく僕の傍にいて。アルベラと過ごすのが、僕の夢だったんだよ」
テレイオスの言葉に、アルベラが目を瞠る。
「君は、僕の存在すら知らなかっただろうけれど、僕はずっと、君の話を父上に強請っていた。いつか、君に会いたいと思っていた。だから――」
彼女をここに連れてきたのは、父ウルバヌスの指示なのだろう。父が何を考えているかわからないが、現在のアルベラには自由はないのだ。父がテレイオスの側についていろ、と言うならば、それに従うしかない。
「わたし、何も説明されずにここに連れてこられたの。急に、またどこかにやられてしまうかもしれないけど――」
「僕がお願いしたんだ。アルベラが見つかったら、僕の側に置いてって。それが、最期のお願いだからって」
アルベラは返答に窮する。父はやはり、この兄(姉?)の願いだけは、全てを枉げても叶えようとするのだろうか。
気になることは他にもいろいろあった。他の兄弟姉妹たちはどうしているのか。とくに、アルベラの逃亡に手を貸したシメオンは――。
この美しい鳥籠のような平和な温室で、穏やかな時を過ごしていいのだろうか。だが、せめて最期の時を、ただ一人の同母妹と過ごしたいと願うテレイオスを、棄てていくことはアルベラにはできそうもない。
テレイオスが差し出す痩せた手を握り締め、アルベラは言う。
「ええ、いいわ。――じゃあ、どんな話をする?」
光の降り注ぐ温室は、まるで時が停まったように、凪いでいた。
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