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7、旅路
障壁を越えて
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「あんまり自信はないけど」
「殿下は騎射の名手でした。以前に北方で習ったのです。……だいたい、技術的には戻っているはずです。あとは戦場でのカンを取り戻すだけです」
シウリンは籠に入れたジブリールが落ちないように奥に押し込むと、落ち着かせるように撫で、エールライヒを蒼穹に放ってから、馬腹を蹴って走り出した。
見ると、前方に木を組んだ障壁が作られ、数人の騎士が立っていた。
「停まれ! 検問だ! 攻撃されたく無ければーー」
騎士が走ってくる一団に声をかける。
「嬢ちゃん、障壁越せるな?!」
ゾラが振り返って叫ぶのに、アルベラが大声で怒鳴り返す。
「得意中の得意よ!」
「上等だ!」
後からゾーイとシウリンが集団を詰めるように円陣を組み、シウリンが弓を構え、足だけで馬を操りながら、障壁の前に立っていた騎士を狙う。
だが、僅かに迷いがあったのか、矢は外れた。
「殿下! 躊躇ってはなりません! 敵への無駄な情けは、味方の命取りになります!」
ゾーイに叱責されて、シウリンははっとする。
彼らを残せば、死ぬのは我らです! もうあなたは、僧院の見習い僧侶ではない!」
シウリンはしばしゾーイを見つめ、意味を悟ったのかきゅっと唇を噛む。視線を前方に向けると、次の矢をつがえ、一瞬目を閉じて、覚悟を決めて射た。今度は騎士の額を過たず射抜く。その騎士が倒れるのを横目に見ながら、一塊になって障壁に近づく。
障壁の前に二人の騎士が剣を抜いて立ちはだかるのを見据え、ゾラが馬上で剣を抜いて叫ぶ。
「越えるぜ、ついてこいよ!」
ゾラは片手で手綱を操って障壁を飛び越しながら、騎士の首を一刀のもとで切飛ばす。
ばしゅっ。ひらりっ。
血しぶきのアーチをくぐるように、フエルとランパが障壁を越える。障壁を越えようとしたアルベラの前に、別の騎士が撃ちかかろうとするが、横から二人を追い抜いて前に出たトルフィンが、剣を横に薙ぎ払い、騎士は胴を切り裂かれ、崩れ落ちる。トルフィンが先にひらりと障壁を越え、続いてアルベラがタイミングを計り、何とかギリギリで越える。シリルの馬は後ろ脚を僅かに引っ掛けるが、そのすぐ後ろについていたゾーイが、傾いた障壁を力任せに蹴っ飛ばし、シリルも障壁を越えた。シウリンは危なげなく突破し、振り向きざまに矢を射て、背後から狙おうとした騎士を至近距離で射落とす。
ドサっ。
馬から落ち、首があり得ない方向に曲がった騎士から、シウリンは目を離すことができない。ゾーイが声をかける。
「追手がかかった。スピードを上げます」
「先に行って! 数を減らす!」
シウリンは振り返りながら矢を射て、馬で追ってくる騎士に次々と命中させ、射落としていく。これは帝国北方の騎馬民族の技術で、西の騎士たちはおそらく初めて目にする技であった。
「もういいです、殿下。矢がもったいない!」
ゾーイに言われ、シウリンは馬の尻に鞭をあて全力で馬を走らせて前の仲間を追った。
地元民が使う間道を走り抜けながら、シウリンは無言であった。
ゾーイは敢えて声をかけず、周囲に注意を向けながら、ひたすら馬を走らせる。前方のゾラが振り向いて叫ぶ。
「前から来るぜ!……俺たちの馬蹄の音が邪魔で正確にはわかんねぇけど、おそらく三十騎はいる!」
「アルベール、シリル、ついてこれるな?!」
「死んでもついていきます!」
「その言葉忘れるな!……スピードを上げるぞ! 八対三十騎!実質的には六対三十だから、一人五騎だ! 我らが生き残るには皆殺ししかないぞ! 一人も討ち漏らすな!」
ゾーイが並走するシウリンの黒い瞳をじっと見る。シウリンの瞳は凪いだ湖のように静かで、もう迷いはなかった。
彼らの耳にも、前方から近づく馬蹄の音が聞こえ、砂埃が見える。
「東の奴等だ! 捕らえろ! アルベラ姫の行方を知っているかもしれん! かかれぇ!」
先頭の髭面の大柄な騎士が、大剣を振り上げて叫ぶ。
「おいでなすったぜ! フエル、ランパ、おめぇらは嬢ちゃんたちを守れ!」
ゾラが振り返ると、シウリンは弓をつがえ、馬腹を蹴ってスピードを上げ、脚だけで馬を操って、前に出た。
「殿下?」
シウリンは駆けながら矢を射る。凄まじいスピードで飛んだそれは、先頭を走ってきた騎士の、大きく開いた口の中に吸い込まれていく。
もんどりをうって騎士が馬から落ち、並走してきた騎士に激突して落馬させ、さらに隣の騎士をも巻き込み、落馬した騎士達が味方の馬蹄にかかる。
立て続けに二射し、一矢は乱れた馬脚を整えようと叫んでいた騎士の、ネックガードの隙間を正確に射抜き、もう一矢がその後ろの騎士の額の真ん中を貫く。
「突っ込むぜ! トルフィン!」
「おうよ!」
混乱する敵の集団に、ゾラが弾丸のようなスピードで馬を駆け、素早く抜いた剣で切り込む。一合も合わせる間もなく、先陣の騎士の首筋を跳ね上げ、血しぶきが飛び散る。馬が嘶き、暴れる。ついでトルフィンもまた、その隣の騎士に切り込んで、その頸動脈を正確に切り裂いていた。
ゾーイは敵の騎士たちの動きを見て、彼らがほとんど実戦の経験を持たないと見抜くと、若年組に言う。
「奴等の手綱か、馬の腹帯を狙え!こいつら、武装は立派だが素人に毛の生えた程度、おぬしらと変わらぬわ! 自信を持って突っ走れ!」
シウリンは数人、近距離の矢で射落としから、弓を鞍にかけると左手の聖剣を呼び出す。たまたまその瞬間を目にした騎士が青い目を瞠るのを、そのまま袈裟懸けにした。飛び散る血飛沫をほとんど無意識にマントを捌いて防ぎ、次の騎士の前に飛び込んで、今度は首を突く。
(憶えている……僕は、何人も殺してきたんだ、今までも……)
三人目の首筋を薙ぎ払って、その血糊がシウリンの頬に飛ぶ。次に大柄の騎士が憎しみと恐怖に歪んだ表情で、戦斧を振り上げてシウリンに撃ちかかる。
「おのれぇ! 死ね!」
大上段から振り下ろされる戦斧を、聖剣で受ける。普通の剣であれば折れていたかもしれない強烈な打撃。ガン!
シウリンはだが、それを力技で跳ね飛ばし、足だけで馬を操って騎士の脇をすり抜け、上半身を捻ってそのうなじに剣を叩きつける。スローモーションのようにゆっくり崩れ落ちる巨漢の背後で、西の騎士がアルベラとシリルに向かい、ランパとフエルが二人を庇って必死に防ごうとしていた。シウリンは馬腹を蹴り、一気に距離を詰める。
「姫様?!」
アルベラの顔を見て、一瞬、敵の騎士が怯んだ隙に、シウリンは馬を強引に割り込ませ、聖剣を叩きつける。
ガキーン!
「なぜ……姫様が……」
血しぶきをまき散らしながら、ずるりと崩れていく騎士を見て、シウリンがアルベラを振り返る。
「姫様ぁ?」
「殿下、もう一人来ます! 説明は後で!」
フエルの叫びに我に返り、剣を振り上げて走ってくる騎士の、無防備な胴を一閃する。
「あとは俺とゾラで片づける! トルフィンを先導に先にここを抜けろ!」
ゾーイの叫びを聞いて、トルフィンを先頭にして六騎は戦場を離脱した。シウリンは自分の血塗れになった聖剣を左手に仕舞うのが嫌で、ずっと左手に剣を握ったまま走り続けた。
「殿下は騎射の名手でした。以前に北方で習ったのです。……だいたい、技術的には戻っているはずです。あとは戦場でのカンを取り戻すだけです」
シウリンは籠に入れたジブリールが落ちないように奥に押し込むと、落ち着かせるように撫で、エールライヒを蒼穹に放ってから、馬腹を蹴って走り出した。
見ると、前方に木を組んだ障壁が作られ、数人の騎士が立っていた。
「停まれ! 検問だ! 攻撃されたく無ければーー」
騎士が走ってくる一団に声をかける。
「嬢ちゃん、障壁越せるな?!」
ゾラが振り返って叫ぶのに、アルベラが大声で怒鳴り返す。
「得意中の得意よ!」
「上等だ!」
後からゾーイとシウリンが集団を詰めるように円陣を組み、シウリンが弓を構え、足だけで馬を操りながら、障壁の前に立っていた騎士を狙う。
だが、僅かに迷いがあったのか、矢は外れた。
「殿下! 躊躇ってはなりません! 敵への無駄な情けは、味方の命取りになります!」
ゾーイに叱責されて、シウリンははっとする。
彼らを残せば、死ぬのは我らです! もうあなたは、僧院の見習い僧侶ではない!」
シウリンはしばしゾーイを見つめ、意味を悟ったのかきゅっと唇を噛む。視線を前方に向けると、次の矢をつがえ、一瞬目を閉じて、覚悟を決めて射た。今度は騎士の額を過たず射抜く。その騎士が倒れるのを横目に見ながら、一塊になって障壁に近づく。
障壁の前に二人の騎士が剣を抜いて立ちはだかるのを見据え、ゾラが馬上で剣を抜いて叫ぶ。
「越えるぜ、ついてこいよ!」
ゾラは片手で手綱を操って障壁を飛び越しながら、騎士の首を一刀のもとで切飛ばす。
ばしゅっ。ひらりっ。
血しぶきのアーチをくぐるように、フエルとランパが障壁を越える。障壁を越えようとしたアルベラの前に、別の騎士が撃ちかかろうとするが、横から二人を追い抜いて前に出たトルフィンが、剣を横に薙ぎ払い、騎士は胴を切り裂かれ、崩れ落ちる。トルフィンが先にひらりと障壁を越え、続いてアルベラがタイミングを計り、何とかギリギリで越える。シリルの馬は後ろ脚を僅かに引っ掛けるが、そのすぐ後ろについていたゾーイが、傾いた障壁を力任せに蹴っ飛ばし、シリルも障壁を越えた。シウリンは危なげなく突破し、振り向きざまに矢を射て、背後から狙おうとした騎士を至近距離で射落とす。
ドサっ。
馬から落ち、首があり得ない方向に曲がった騎士から、シウリンは目を離すことができない。ゾーイが声をかける。
「追手がかかった。スピードを上げます」
「先に行って! 数を減らす!」
シウリンは振り返りながら矢を射て、馬で追ってくる騎士に次々と命中させ、射落としていく。これは帝国北方の騎馬民族の技術で、西の騎士たちはおそらく初めて目にする技であった。
「もういいです、殿下。矢がもったいない!」
ゾーイに言われ、シウリンは馬の尻に鞭をあて全力で馬を走らせて前の仲間を追った。
地元民が使う間道を走り抜けながら、シウリンは無言であった。
ゾーイは敢えて声をかけず、周囲に注意を向けながら、ひたすら馬を走らせる。前方のゾラが振り向いて叫ぶ。
「前から来るぜ!……俺たちの馬蹄の音が邪魔で正確にはわかんねぇけど、おそらく三十騎はいる!」
「アルベール、シリル、ついてこれるな?!」
「死んでもついていきます!」
「その言葉忘れるな!……スピードを上げるぞ! 八対三十騎!実質的には六対三十だから、一人五騎だ! 我らが生き残るには皆殺ししかないぞ! 一人も討ち漏らすな!」
ゾーイが並走するシウリンの黒い瞳をじっと見る。シウリンの瞳は凪いだ湖のように静かで、もう迷いはなかった。
彼らの耳にも、前方から近づく馬蹄の音が聞こえ、砂埃が見える。
「東の奴等だ! 捕らえろ! アルベラ姫の行方を知っているかもしれん! かかれぇ!」
先頭の髭面の大柄な騎士が、大剣を振り上げて叫ぶ。
「おいでなすったぜ! フエル、ランパ、おめぇらは嬢ちゃんたちを守れ!」
ゾラが振り返ると、シウリンは弓をつがえ、馬腹を蹴ってスピードを上げ、脚だけで馬を操って、前に出た。
「殿下?」
シウリンは駆けながら矢を射る。凄まじいスピードで飛んだそれは、先頭を走ってきた騎士の、大きく開いた口の中に吸い込まれていく。
もんどりをうって騎士が馬から落ち、並走してきた騎士に激突して落馬させ、さらに隣の騎士をも巻き込み、落馬した騎士達が味方の馬蹄にかかる。
立て続けに二射し、一矢は乱れた馬脚を整えようと叫んでいた騎士の、ネックガードの隙間を正確に射抜き、もう一矢がその後ろの騎士の額の真ん中を貫く。
「突っ込むぜ! トルフィン!」
「おうよ!」
混乱する敵の集団に、ゾラが弾丸のようなスピードで馬を駆け、素早く抜いた剣で切り込む。一合も合わせる間もなく、先陣の騎士の首筋を跳ね上げ、血しぶきが飛び散る。馬が嘶き、暴れる。ついでトルフィンもまた、その隣の騎士に切り込んで、その頸動脈を正確に切り裂いていた。
ゾーイは敵の騎士たちの動きを見て、彼らがほとんど実戦の経験を持たないと見抜くと、若年組に言う。
「奴等の手綱か、馬の腹帯を狙え!こいつら、武装は立派だが素人に毛の生えた程度、おぬしらと変わらぬわ! 自信を持って突っ走れ!」
シウリンは数人、近距離の矢で射落としから、弓を鞍にかけると左手の聖剣を呼び出す。たまたまその瞬間を目にした騎士が青い目を瞠るのを、そのまま袈裟懸けにした。飛び散る血飛沫をほとんど無意識にマントを捌いて防ぎ、次の騎士の前に飛び込んで、今度は首を突く。
(憶えている……僕は、何人も殺してきたんだ、今までも……)
三人目の首筋を薙ぎ払って、その血糊がシウリンの頬に飛ぶ。次に大柄の騎士が憎しみと恐怖に歪んだ表情で、戦斧を振り上げてシウリンに撃ちかかる。
「おのれぇ! 死ね!」
大上段から振り下ろされる戦斧を、聖剣で受ける。普通の剣であれば折れていたかもしれない強烈な打撃。ガン!
シウリンはだが、それを力技で跳ね飛ばし、足だけで馬を操って騎士の脇をすり抜け、上半身を捻ってそのうなじに剣を叩きつける。スローモーションのようにゆっくり崩れ落ちる巨漢の背後で、西の騎士がアルベラとシリルに向かい、ランパとフエルが二人を庇って必死に防ごうとしていた。シウリンは馬腹を蹴り、一気に距離を詰める。
「姫様?!」
アルベラの顔を見て、一瞬、敵の騎士が怯んだ隙に、シウリンは馬を強引に割り込ませ、聖剣を叩きつける。
ガキーン!
「なぜ……姫様が……」
血しぶきをまき散らしながら、ずるりと崩れていく騎士を見て、シウリンがアルベラを振り返る。
「姫様ぁ?」
「殿下、もう一人来ます! 説明は後で!」
フエルの叫びに我に返り、剣を振り上げて走ってくる騎士の、無防備な胴を一閃する。
「あとは俺とゾラで片づける! トルフィンを先導に先にここを抜けろ!」
ゾーイの叫びを聞いて、トルフィンを先頭にして六騎は戦場を離脱した。シウリンは自分の血塗れになった聖剣を左手に仕舞うのが嫌で、ずっと左手に剣を握ったまま走り続けた。
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