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第三章
魔性の女
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わたしが王宮での拝謁と舞踏会での衣装について相談すると、アルバート殿下はこともなげに言った。
「それはもう、準備してある。大丈夫だ、ミス・リーンに任せておけばいい」
わたしはギョッとして殿下を見上げた。
「……準備?」
「ミス・リーンにだいぶ前に注文済みだ。最初の採寸をしたあたりで、だいたいのデザインを決めて製作にかかっている」
「……なんで……」
わたしが怪訝な表情をすると、殿下は肩を竦める。
「だって、いずれ父上に紹介するとなったら、王宮に連れていくしかないだろう? マックスが死んだ時はまだ十六だったから、お前はまだデビューしていないだろうと。この二月の会でデビューさせようと思っていた」
「……そんな前から、本気で結婚するつもりだったのですか!」
わたしが呆れて尋ねれば、殿下が金色の目を見開く。
「当たりまえだろう? もう、三年前にマックスの許しはもらっているんだし。ステファニーやレコンフィールド公爵が四の五の言わなかったら、今頃はもう、ちゃんと婚約できていたはずなんだ。エルシーの爵位だって、本来なら関係なかった。エルシーが前の伯爵であるマックスの、嫡出の娘なのは変わらないから。だから、もともと俺の中のタイムスケジュールでは、この二月の王宮舞踏会では、ちゃんと婚約者としてお披露目する予定だった」
いつの間にそんな、無謀なスケジュールを組んでいたのだろうか。
「だから、エスコートも当然、俺がするつもりだったのだが――」
殿下が言い出し、わたしは慌てて首を振る。
「だ、だめです! ステファニー嬢との婚約、まだ有効なんですよね?」
殿下は苦虫をかみつぶしたような表情で言った。
「議会が婚約無効を渋っている。議会の面子を潰すとかなんとか。一旦、婚約を認めた上で、婚約を解消するなら認めると言い出しやがった」
「それではダメなのですか?」
「それだと、俺はステファニーという婚約者がいながらエルシーに心変わりして、俺の有責で婚約を解消することになる。つまり、エルシーが掠奪女だということになってしまう。俺はもともと、ステファニーとは婚約していない、同意もしていないと主張しているんだが……」
殿下が肩を竦める。
「議会にしてみれば、俺の同意なんかはどうでもいいわけだ。国王の裁可が下りていて、俺の婚約が議題にかけられ、問題のない相手だったので承認した。それだけのことだ。俺に継ぐ継承順位を持つマールバラ公爵の不在時ではあるが、もともと、貴族院には定足数もあって無きが如しだから、マールバラ公爵の不在を理由に無効にするのはおかしいと」
それはそれで筋は通っているのだという。
「また、戦前から俺とステファニーが婚約寸前だったのは周知の事実で、出征前に白紙に戻すという政府広報は出たものの、ステファニーは王太子妃の手伝いをして王家の慰問の仕事なんかにも、積極的に関わっていたらしい。だから対外的には正式ではないものの、婚約者であると周囲が考えて当然だと、言い張られている。ステファニーもレコンフィールド公爵も、《そもそも婚約していない》、という、俺の主張を受け入れるつもりはないらしい」
殿下はコンソールに置いてある、煙草入れから紙巻煙草を取って、口に咥え、マッチで火を点ける。ふうっと紫煙を吐き出して、不愉快そうに眉を顰めた。
「俺が、ステファニーの今後のことを考えて、公にしないでやってきたことが、全部、裏目に出たわけだ。ステファニーは、戦前から一貫して、実質的には婚約は継続状態にあった、と言い張っている。少なくとも王都ではそう、認識されていたと言われると、ずっと戦地にいた俺には反論のしようがない」
殿下は長い指で煙草をくゆらせ、わたしを見る。
「でも、俺はエルシー以外と結婚するつもりはない。俺がエルシーと結婚するためには、まず、ステファニーに婚約の解消を申し出なければならない、と……だがその場合、慰謝料を払ったりする程度なら、金で片が付くならそれでもいいけれど、エルシーの評判に関わる問題だから」
「リジー……」
殿下はわたしの左手を取り、サファイアの指輪を自分の口元に近づけ、キスをして、言った。
「俺の評判は勝手だが、エルシーの評判も少しは気にしろと言っただろう?……俺も、婚約者を捨てて心変わりした浮気者だなんて言われたくない。もともと、ステファニーのことは好きじゃなかった。それを、公衆の面前ではっきり宣言するのはステファニーの名誉にかかわると思い、口を噤んできたが、その結果がこれだ。……俺の評判はともかく、エルシーが掠奪女だなんて言われないように、きちんと表明することにした」
「それで、どうなさるの?」
わたしの問いに、殿下が眉尻を下げる。
「レコンフィールド公爵家には婚約の解消を申し出ているが、ステファニーも、公爵も同意しないそうだ」
「……困りましたね」
「ああ……王宮舞踏会までは、意地でも解消しないだろう。俺が出征前と同様の待遇を要求されている」
出征前とは、四年前、つまりステファニー嬢が十七歳でデビューしたときの、王宮舞踏会のことで、つまり、ステファニー嬢のエスコートも、殿下が務めるように、とのことだという。
「それは断っているが、なかなか承諾してくれない。そういう状況で、無理にお前をエスコートすると、議会の心証も悪くしてしまうから……」
「それは、わかります。……エスコート自体は、ブルック中尉が引き受けてくださったので、ご心配なく」
「ジェラルドが?!」
殿下がぐわっと目を見開く。
「まさかジェラルドから口説かれたんじゃあるまいな! あいつは手が早いから――」
「まさか! 殿下にエスコートさせて火に油を注ぐよりはって」
だが、殿下は眉を顰める。
「むー。わかってはいるが、いざ、別の男がエルシーをエスコートするとなると、ものすごくムカつく。……エルシー、エスコートは認めるが、踊るのは禁止だ」
「リジー?」
殿下がわたしの身体を抱き寄せ、こめかみに口づける。
「……ダンスは、俺とだけ。俺もお前以外とは、踊らない」
「わたしは構いませんが……」
ステファニー嬢とは踊らなくていいの? わたしは疑問に思ったけれど、深くは追及しなかった。
翌日、早速ミス・リーンがほぼ出来上がったローブ・デコルテを持って、オーランド邸にやってきた。
そのドレスは純白で、やや低めウエストからオーガンジーのスカートがふわりと広がり、床はギリギリ擦る程度。――踊ることを前提にしているから。昔、見た祖母のドレスは長い長い裳裾を引いていた。
「戦争でね、無駄を控えろってね。いいことよ。ダンスに来たんだか、床の掃除に来たんだか、わかりゃしないものね」
ミス・リーンがわたしの衿ぐりの開きを調整しながら言う。身ごろにはレースと凝ったビーズ刺繍が施され、リボンのような袖が肩をさりげなく覆い、長い白い手袋をする。頭には鳥の羽と、長く白いベール。
「……もう二十歳だし、デビュタントみたいな服装は恥ずかしいのですけど」
「でも初めて王宮に行くのでしょ?」
「……そうですけど……」
デビューに行くんじゃなくて、爵位の継承のために行くのだし。デビュタントのようにしなくても、いいと思っていたのに。
「ブーケは当日までの用意しておくけど……殿下ったら、断固、白薔薇ですって。拘るわねぇ……」
白いストッキングに白い靴。真珠のヘッドドレス。
「その、サファイアの指輪を手袋の上から嵌められるよう、薄地の手袋にしているから。……ちょっと試してみて」
わたされた手袋を嵌め、その上に指輪をする。少しキツイけれど、まあ、何とか入った。
「他は全部白で、そのサファイアだけが青。目立つわよぉ? せいぜい、殿下にもらったのよ、って見せびらかしておやんなさいな、あの迷惑なご令嬢にも」
ステファニー嬢にサロンに乱入されたことを、ミス・リーンはいまだに恨みに思っているらしい。
「王宮に行くのも初めてなら、作法も何もわからないのよ? そんな、他の人を威嚇している余裕なんてなくってよ」
「でもあちらは、バンバン、威嚇してくると思うわよ?」
わたしは溜息をつく。
「知らない人ばっかりだし、静かにしているわ。……田舎者のことは放っておいてくれないかしら」
「今、一番の時の人が何を言っているのかしら。王妃を撃退したときのつもりで、コテンパンにしておやんなさい。大丈夫よ、保証するわ。あんたが一番の美女よ。田舎育ちのダサい事務員だったなんて、誰も思いはしないわ。何しろ《魔性の女》だそうだから」
ミス・リーンに豪快に笑われて、わたしはそっと、鏡を見る。
くすんだ亜麻色の髪はウエーブをつけて纏められ、真珠のヘッドドレスと白い羽、白いベールで飾られる。耳からは真珠のイヤリングが垂れ、胸にはいつもの、真珠のロング・ネックレスを三重に巻いている。
顔は相変わらず無表情で、ブル―グレーの瞳は冷たい印象しかしない。
魔性の女。
親族の男を迷わせ、弟の毒殺に駆り立てた女。王都の噂によれば、わたしには結婚の約束をした陸軍士官の恋人がいたのに、アルバート殿下はわたしの経済的な苦境につけ込んでわたしを無理に奪い、そうしてわたしは愛人に収まったのだそうだ。さらに殿下を動かして、ついに領地と爵位を取り戻した。今、とうとう王子の婚約者を蹴散らして、王子の妃に収まろうとしている――。
「きっとみんながっかりするわ。魔性の女がこんな、無表情な女で」
「あんたは氷人形って言われているのよ。せいぜいツンケンしてらっしゃいな。変に媚びを売って笑ったりしないこと! 自分らしくね!」
ミス・リーンのエールを胸に、わたしは王宮に乗り込むのだ。
そう、わたしはついに、国王陛下に対峙する。
ローズの人生を狂わせ、父から奪い取った人に。
誰よりも愛する、リジーの父親に――。
「それはもう、準備してある。大丈夫だ、ミス・リーンに任せておけばいい」
わたしはギョッとして殿下を見上げた。
「……準備?」
「ミス・リーンにだいぶ前に注文済みだ。最初の採寸をしたあたりで、だいたいのデザインを決めて製作にかかっている」
「……なんで……」
わたしが怪訝な表情をすると、殿下は肩を竦める。
「だって、いずれ父上に紹介するとなったら、王宮に連れていくしかないだろう? マックスが死んだ時はまだ十六だったから、お前はまだデビューしていないだろうと。この二月の会でデビューさせようと思っていた」
「……そんな前から、本気で結婚するつもりだったのですか!」
わたしが呆れて尋ねれば、殿下が金色の目を見開く。
「当たりまえだろう? もう、三年前にマックスの許しはもらっているんだし。ステファニーやレコンフィールド公爵が四の五の言わなかったら、今頃はもう、ちゃんと婚約できていたはずなんだ。エルシーの爵位だって、本来なら関係なかった。エルシーが前の伯爵であるマックスの、嫡出の娘なのは変わらないから。だから、もともと俺の中のタイムスケジュールでは、この二月の王宮舞踏会では、ちゃんと婚約者としてお披露目する予定だった」
いつの間にそんな、無謀なスケジュールを組んでいたのだろうか。
「だから、エスコートも当然、俺がするつもりだったのだが――」
殿下が言い出し、わたしは慌てて首を振る。
「だ、だめです! ステファニー嬢との婚約、まだ有効なんですよね?」
殿下は苦虫をかみつぶしたような表情で言った。
「議会が婚約無効を渋っている。議会の面子を潰すとかなんとか。一旦、婚約を認めた上で、婚約を解消するなら認めると言い出しやがった」
「それではダメなのですか?」
「それだと、俺はステファニーという婚約者がいながらエルシーに心変わりして、俺の有責で婚約を解消することになる。つまり、エルシーが掠奪女だということになってしまう。俺はもともと、ステファニーとは婚約していない、同意もしていないと主張しているんだが……」
殿下が肩を竦める。
「議会にしてみれば、俺の同意なんかはどうでもいいわけだ。国王の裁可が下りていて、俺の婚約が議題にかけられ、問題のない相手だったので承認した。それだけのことだ。俺に継ぐ継承順位を持つマールバラ公爵の不在時ではあるが、もともと、貴族院には定足数もあって無きが如しだから、マールバラ公爵の不在を理由に無効にするのはおかしいと」
それはそれで筋は通っているのだという。
「また、戦前から俺とステファニーが婚約寸前だったのは周知の事実で、出征前に白紙に戻すという政府広報は出たものの、ステファニーは王太子妃の手伝いをして王家の慰問の仕事なんかにも、積極的に関わっていたらしい。だから対外的には正式ではないものの、婚約者であると周囲が考えて当然だと、言い張られている。ステファニーもレコンフィールド公爵も、《そもそも婚約していない》、という、俺の主張を受け入れるつもりはないらしい」
殿下はコンソールに置いてある、煙草入れから紙巻煙草を取って、口に咥え、マッチで火を点ける。ふうっと紫煙を吐き出して、不愉快そうに眉を顰めた。
「俺が、ステファニーの今後のことを考えて、公にしないでやってきたことが、全部、裏目に出たわけだ。ステファニーは、戦前から一貫して、実質的には婚約は継続状態にあった、と言い張っている。少なくとも王都ではそう、認識されていたと言われると、ずっと戦地にいた俺には反論のしようがない」
殿下は長い指で煙草をくゆらせ、わたしを見る。
「でも、俺はエルシー以外と結婚するつもりはない。俺がエルシーと結婚するためには、まず、ステファニーに婚約の解消を申し出なければならない、と……だがその場合、慰謝料を払ったりする程度なら、金で片が付くならそれでもいいけれど、エルシーの評判に関わる問題だから」
「リジー……」
殿下はわたしの左手を取り、サファイアの指輪を自分の口元に近づけ、キスをして、言った。
「俺の評判は勝手だが、エルシーの評判も少しは気にしろと言っただろう?……俺も、婚約者を捨てて心変わりした浮気者だなんて言われたくない。もともと、ステファニーのことは好きじゃなかった。それを、公衆の面前ではっきり宣言するのはステファニーの名誉にかかわると思い、口を噤んできたが、その結果がこれだ。……俺の評判はともかく、エルシーが掠奪女だなんて言われないように、きちんと表明することにした」
「それで、どうなさるの?」
わたしの問いに、殿下が眉尻を下げる。
「レコンフィールド公爵家には婚約の解消を申し出ているが、ステファニーも、公爵も同意しないそうだ」
「……困りましたね」
「ああ……王宮舞踏会までは、意地でも解消しないだろう。俺が出征前と同様の待遇を要求されている」
出征前とは、四年前、つまりステファニー嬢が十七歳でデビューしたときの、王宮舞踏会のことで、つまり、ステファニー嬢のエスコートも、殿下が務めるように、とのことだという。
「それは断っているが、なかなか承諾してくれない。そういう状況で、無理にお前をエスコートすると、議会の心証も悪くしてしまうから……」
「それは、わかります。……エスコート自体は、ブルック中尉が引き受けてくださったので、ご心配なく」
「ジェラルドが?!」
殿下がぐわっと目を見開く。
「まさかジェラルドから口説かれたんじゃあるまいな! あいつは手が早いから――」
「まさか! 殿下にエスコートさせて火に油を注ぐよりはって」
だが、殿下は眉を顰める。
「むー。わかってはいるが、いざ、別の男がエルシーをエスコートするとなると、ものすごくムカつく。……エルシー、エスコートは認めるが、踊るのは禁止だ」
「リジー?」
殿下がわたしの身体を抱き寄せ、こめかみに口づける。
「……ダンスは、俺とだけ。俺もお前以外とは、踊らない」
「わたしは構いませんが……」
ステファニー嬢とは踊らなくていいの? わたしは疑問に思ったけれど、深くは追及しなかった。
翌日、早速ミス・リーンがほぼ出来上がったローブ・デコルテを持って、オーランド邸にやってきた。
そのドレスは純白で、やや低めウエストからオーガンジーのスカートがふわりと広がり、床はギリギリ擦る程度。――踊ることを前提にしているから。昔、見た祖母のドレスは長い長い裳裾を引いていた。
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ミス・リーンがわたしの衿ぐりの開きを調整しながら言う。身ごろにはレースと凝ったビーズ刺繍が施され、リボンのような袖が肩をさりげなく覆い、長い白い手袋をする。頭には鳥の羽と、長く白いベール。
「……もう二十歳だし、デビュタントみたいな服装は恥ずかしいのですけど」
「でも初めて王宮に行くのでしょ?」
「……そうですけど……」
デビューに行くんじゃなくて、爵位の継承のために行くのだし。デビュタントのようにしなくても、いいと思っていたのに。
「ブーケは当日までの用意しておくけど……殿下ったら、断固、白薔薇ですって。拘るわねぇ……」
白いストッキングに白い靴。真珠のヘッドドレス。
「その、サファイアの指輪を手袋の上から嵌められるよう、薄地の手袋にしているから。……ちょっと試してみて」
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「他は全部白で、そのサファイアだけが青。目立つわよぉ? せいぜい、殿下にもらったのよ、って見せびらかしておやんなさいな、あの迷惑なご令嬢にも」
ステファニー嬢にサロンに乱入されたことを、ミス・リーンはいまだに恨みに思っているらしい。
「王宮に行くのも初めてなら、作法も何もわからないのよ? そんな、他の人を威嚇している余裕なんてなくってよ」
「でもあちらは、バンバン、威嚇してくると思うわよ?」
わたしは溜息をつく。
「知らない人ばっかりだし、静かにしているわ。……田舎者のことは放っておいてくれないかしら」
「今、一番の時の人が何を言っているのかしら。王妃を撃退したときのつもりで、コテンパンにしておやんなさい。大丈夫よ、保証するわ。あんたが一番の美女よ。田舎育ちのダサい事務員だったなんて、誰も思いはしないわ。何しろ《魔性の女》だそうだから」
ミス・リーンに豪快に笑われて、わたしはそっと、鏡を見る。
くすんだ亜麻色の髪はウエーブをつけて纏められ、真珠のヘッドドレスと白い羽、白いベールで飾られる。耳からは真珠のイヤリングが垂れ、胸にはいつもの、真珠のロング・ネックレスを三重に巻いている。
顔は相変わらず無表情で、ブル―グレーの瞳は冷たい印象しかしない。
魔性の女。
親族の男を迷わせ、弟の毒殺に駆り立てた女。王都の噂によれば、わたしには結婚の約束をした陸軍士官の恋人がいたのに、アルバート殿下はわたしの経済的な苦境につけ込んでわたしを無理に奪い、そうしてわたしは愛人に収まったのだそうだ。さらに殿下を動かして、ついに領地と爵位を取り戻した。今、とうとう王子の婚約者を蹴散らして、王子の妃に収まろうとしている――。
「きっとみんながっかりするわ。魔性の女がこんな、無表情な女で」
「あんたは氷人形って言われているのよ。せいぜいツンケンしてらっしゃいな。変に媚びを売って笑ったりしないこと! 自分らしくね!」
ミス・リーンのエールを胸に、わたしは王宮に乗り込むのだ。
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