125 / 190
第三章
音楽会
しおりを挟む
マールバラ公爵邸の音楽会。夜七時開始に合わせ、わたしたちは六時半には公爵邸の門をくぐった。
王都の中心部を外れた高級住宅街。先代国王の王弟殿下であった、初代のマールバラ公爵に賜与された邸は、周辺でも随一の豪華さと広さを誇る。十分なスペースがあるはずの車寄せは、しかし、招待客の馬車でごったがえしていた。
夜の第一正装であるテールコートに、冬の寒さを防ぐための毛皮のついたオーバーコートを纏ったアルバート 殿下が馬車を降りれば、すぐに金釦のついたお仕着せを着た従僕が駆け寄ってくる。
従僕の先導で玄関に入り、コートと帽子、ステッキを預けたところに、この家の執事らしきが挨拶に来た。
「これはアルバート殿下、お待ちしておりました」
「オズワルド小父様と、奥方にご挨拶を」
「はい、こちらでございます」
周囲の招待客よりも殿下が優先なのは、本日の客の中で殿下の身分が最も高いから。わたしは殿下のエスコートで、赤い絨毯の上をゆっくりと歩く。今日は黒い東洋の絹に、鴛鴦の刺繍の入ったイブニング。――以前、ビルツホルンの大使館の晩餐会では黒の長手袋を着用したけれど、今日はオーガンジーの、蝶のようなふわりとした袖のボレロを羽織った。左手の薬指の、サファイアの指輪を強調するためだ。殿下も黒い上着の襟元に、父の形見のサファイアのタイピンを刺し、二人の関係をさりげなく示している。
シャンデリアの輝く広い大広間にわたしたちが入っていくと、先に来ていた招待客が一斉に注目した。
アルバート王子と、元のリンドホルム伯爵令嬢。――婚約者のレコンフィールド公爵令嬢を差し置き、爵位すら失った元・伯爵令嬢をエスコートする王子を、皆はどう、思うだろうか。
――ステファニー嬢じゃないのか。
――ほら、あれが愛人の。
――戦争から戻ったら、すっかり心変わりして。
――ステファニー嬢もお気の毒。
そんなヒソヒソ声が耳に届くけれど、わたしは聞こえないふりをして前を向く。
ホールの中央には、立派なグランド・ピアノが置かれ、演奏者用の椅子も数脚、並べられている。音楽をこよなく愛し、芸術の保護者でもあった、故ブラックウェル伯爵エセルバート・クリーヴランド卿を偲んで、毎年彼の誕生日である十二月三十日に、父・マールバラ公爵が音楽を愛でる夜会を開催しているのだ。
マールバラ公爵と令夫人がわたしたちを出迎える。
「やあ、アルバート。よく来てくれた。それからエルスペス嬢も。ビルツホルン以来だね」
「お久しぶり、アルバート殿下。ようこそ、我が家の夜会に。それから、はじめまして、ミス・エルスペス・アシュバートン」
「お招きありがとうございます、公爵閣下、ヴァイオレット夫人」
公爵夫人は銀髪を綺麗にまとめ、瞳と同じ色の濃い紫色のイブニングドレスに、アメジストの首飾り。内心はともかく、王子が連れてきた愛人にもにこやかだ。殿下はヴァイオレット夫人の手の甲に軽くキスをして、親愛の情を示す。
「殿下が無事にお戻りになって本当によかったわ。三年前、報せを聞いた時は、エセルバートの二の舞かと思って」
涙ぐむ夫人に、殿下がわたしを指し示す。
「……マックス・アシュバートン……彼女の父親が、盾になって俺を庇ってくれたのです。その代り、彼は――」
「ええ、アシュバートン卿のことは聞いていましてよ。本当に戦争は辛いわ。もう二度とないことを願うばかり」
「そのための講和条約ですからね。オズワルド小父様の活躍で、無事に締結できました」
給仕がさりげなく運んできた発泡ワインのグラスを、それぞれ手に取り、軽く乾杯する。
「今日はピアノと、チェロのプロの方に来ていただいているの。お素人の演奏も数曲。楽しんでいってね?」
「ええ、楽しみですよ、ヴァイオレットおば様」
わたしたちは案内された席に並んで座り、ワインで喉を潤しながら周囲を観察する。
「盛況な催しですのね。毎年、こんなに?」
「俺はブラックウェル伯爵が戦死した年に来ただけだが、その時はほとんどお通夜のようだった」
戦時中ということもあり、これまではもっと小規模だったらしい。
「今年は次男のゴードンが正式に継嗣として、ブラックウェル伯爵を名乗る、その披露目も兼ねている。後で挨拶に行かないといけないだろうな」
さっきは別の客に挨拶していたせいですれ違いになってしまった、マールバラ公爵の現在の嫡男を、殿下が視線で教えてくれる。少しぽっちゃりとした、人の良さそうな青年だった。
「バイオリンが得意で、玄人はだしだそうだよ。俺も聞いたことはないんだけど」
「……へえ……」
そんな話をしていると、「殿下」と聞き慣れた声がした。振り向けば、ジョナサン・カーティス大尉と婚約者のシャーロット嬢だった。
「ああ、やっと見つかった。いないからどうしたかと思った」
「すみません、車寄せが混雑して、なかなか降りられなくて。……こちらが婚約者のミス・シャーロット・パーマーです」
シャーロット嬢が緊張の面持ちで頭を下げる。シャーロット嬢は茶色い髪を結い、紺のジョーゼットに白いレースと刺繍の花が散らされた、可憐なイブニングドレス。ハイウエストでちょうちん袖に、白いリボンがついている。
「ああ、よろしく。アルバートだ。こちらはミス・エルスペス・アシュバートン」
「以前、お会いしたことがありますの。申し上げましたでしょ?」
「そうだったか? ああ、口の悪い妹がいると言っていたな。今日は妹は留守番か」
「妹はおとなしく音楽を聴いていられる性格ではありませんので」
カーティス大尉が苦笑する。
「それに今日は、シャーロットの、パーマー家の縁での招待なので、カーティス家の者が大挙して押し寄せるわけにまいりません」
グレンフィリック子爵であるパーマー家は、ヴァイオレット夫人の実家、ミドルトン侯爵家の分家筋にあたる。その縁で毎年招待状が来るのだが、普段、この時期は領地で過ごすので、王都に住む未亡人の従姉が出向くだけなのだと言う。
「その従姉がデイジー・フランク、旧姓デイジー・ミルドレッド、シャーロットの父の姉の娘になります」
カーティス大尉がシャーロット嬢の背後に控えていた、妖艶な美女を紹介する。赤い唇の脇のホクロが妙に色っぽい。
「はじめまして、アルバート殿下。デイジー・フランクでございます」
人によっては赤と表現するであろう、鮮やかな金髪に青い瞳。髪は電気ごてで巻いて夜会巻きにして、耳元にダイヤのイヤリングが揺れる。濃いグレイのイブニングドレスの胸元は大胆に開いていて、殿下に向かって会釈すると胸の谷間が強調される。
「ああ、はじめまして」
殿下が素っ気なく挨拶すると、ミセス・デイジーは何とも言えない色を孕んだ目で殿下を見ている。
「感激ですわ。戦争の英雄とこんなところでお逢いできるなんて」
「別に英雄じゃない」
「そちらの方が、噂の恋人? ――従妹のシャーロットがお世話になったそうで」
ミセス・デイジーがわたしに向けて挨拶してきたので、わたしも普通に礼を返す。わたしの左手のサファイアを見て、一瞬、目を見開いた。
「いえ。こちらこそ、いつもカーティス大尉にはお世話になります。百貨店で偶然会っただけですわ」
「シャーロットは引っ込み事案で、いつも緊張のあまり、失敗してしまうのですわ。普段はそんなことないのに。田舎暮らしに慣れてしまって、王都に出てくるのを嫌がるからですわ。ねぇ、シャーロット?」
猫なで声、というのだろうか。甘いのに毒を含んだような声で、呼びかけられたシャーロット嬢が、とたんに緊張して固くなったのがわかる。
「今日も、シャーロットには不慣れな夜会でしょう? 何か失敗をしたらと思うと、居てもたってもいられなくて……ほんと、昔からシャーロットは物慣れない子なんですのよ」
「殿下がこちらに招待を受けたと聞いて、パーマー家に招待状が来ているか問い合わせて、混ぜてもらうことにしたんです。シャーロットと出掛けるいい機会でしたし。デイジーは、ヴァイオレット夫人の親族として、会の裏方にも関わっているんです。今回はシャーロットが心配だと言い張るので、ここまでついてきてもらったのですが」
デイジーの言葉に、カーティス大尉も何気なく相槌をうち、シャーロット嬢は青ざめて、今にも震え出しそうだ。
……まるで呪いみたい、とわたしは思う。この子は緊張のあまり、失敗をする、心配だわ、と言われ続け、いざ失敗すると、ほら、やっぱりと言われる。失敗をするように刷り込まれているようなものだ。でも周囲は、失敗ばかりするシャーロット嬢には、面倒を見てくれるデイジーが必要だと、ますますシャーロット嬢を追い詰めていく。
わたしはカーティス大尉を見た。
――ミセス・デイジーは、カーティス大尉の亡き兄の婚約者だったという。その後、デイジーは王都のフランク氏と結婚したが夫には死に別れ、カーティス大尉はシャーロット嬢と婚約した。
見たところ、ミセス・デイジーはカーティス大尉と同じ年頃か、数歳上くらいだろう。結婚できない年齢差ではない。三十前後になっても輝くように美しく、色香に溢れたデイジーに比べ、年下の従妹のシャーロットはほんの子供で、鼻の頭にはそばかすまで浮いて、はっきり言えば、地味だ。自信のなさが身の内から溢れ出ているし、実際、カチコチに緊張している。
……カーティス大尉は気配りのできる人だと思っていたのに、デイジーとシャーロットの微妙な関係に、どうして気づかないのかしら。
王都の中心部を外れた高級住宅街。先代国王の王弟殿下であった、初代のマールバラ公爵に賜与された邸は、周辺でも随一の豪華さと広さを誇る。十分なスペースがあるはずの車寄せは、しかし、招待客の馬車でごったがえしていた。
夜の第一正装であるテールコートに、冬の寒さを防ぐための毛皮のついたオーバーコートを纏ったアルバート 殿下が馬車を降りれば、すぐに金釦のついたお仕着せを着た従僕が駆け寄ってくる。
従僕の先導で玄関に入り、コートと帽子、ステッキを預けたところに、この家の執事らしきが挨拶に来た。
「これはアルバート殿下、お待ちしておりました」
「オズワルド小父様と、奥方にご挨拶を」
「はい、こちらでございます」
周囲の招待客よりも殿下が優先なのは、本日の客の中で殿下の身分が最も高いから。わたしは殿下のエスコートで、赤い絨毯の上をゆっくりと歩く。今日は黒い東洋の絹に、鴛鴦の刺繍の入ったイブニング。――以前、ビルツホルンの大使館の晩餐会では黒の長手袋を着用したけれど、今日はオーガンジーの、蝶のようなふわりとした袖のボレロを羽織った。左手の薬指の、サファイアの指輪を強調するためだ。殿下も黒い上着の襟元に、父の形見のサファイアのタイピンを刺し、二人の関係をさりげなく示している。
シャンデリアの輝く広い大広間にわたしたちが入っていくと、先に来ていた招待客が一斉に注目した。
アルバート王子と、元のリンドホルム伯爵令嬢。――婚約者のレコンフィールド公爵令嬢を差し置き、爵位すら失った元・伯爵令嬢をエスコートする王子を、皆はどう、思うだろうか。
――ステファニー嬢じゃないのか。
――ほら、あれが愛人の。
――戦争から戻ったら、すっかり心変わりして。
――ステファニー嬢もお気の毒。
そんなヒソヒソ声が耳に届くけれど、わたしは聞こえないふりをして前を向く。
ホールの中央には、立派なグランド・ピアノが置かれ、演奏者用の椅子も数脚、並べられている。音楽をこよなく愛し、芸術の保護者でもあった、故ブラックウェル伯爵エセルバート・クリーヴランド卿を偲んで、毎年彼の誕生日である十二月三十日に、父・マールバラ公爵が音楽を愛でる夜会を開催しているのだ。
マールバラ公爵と令夫人がわたしたちを出迎える。
「やあ、アルバート。よく来てくれた。それからエルスペス嬢も。ビルツホルン以来だね」
「お久しぶり、アルバート殿下。ようこそ、我が家の夜会に。それから、はじめまして、ミス・エルスペス・アシュバートン」
「お招きありがとうございます、公爵閣下、ヴァイオレット夫人」
公爵夫人は銀髪を綺麗にまとめ、瞳と同じ色の濃い紫色のイブニングドレスに、アメジストの首飾り。内心はともかく、王子が連れてきた愛人にもにこやかだ。殿下はヴァイオレット夫人の手の甲に軽くキスをして、親愛の情を示す。
「殿下が無事にお戻りになって本当によかったわ。三年前、報せを聞いた時は、エセルバートの二の舞かと思って」
涙ぐむ夫人に、殿下がわたしを指し示す。
「……マックス・アシュバートン……彼女の父親が、盾になって俺を庇ってくれたのです。その代り、彼は――」
「ええ、アシュバートン卿のことは聞いていましてよ。本当に戦争は辛いわ。もう二度とないことを願うばかり」
「そのための講和条約ですからね。オズワルド小父様の活躍で、無事に締結できました」
給仕がさりげなく運んできた発泡ワインのグラスを、それぞれ手に取り、軽く乾杯する。
「今日はピアノと、チェロのプロの方に来ていただいているの。お素人の演奏も数曲。楽しんでいってね?」
「ええ、楽しみですよ、ヴァイオレットおば様」
わたしたちは案内された席に並んで座り、ワインで喉を潤しながら周囲を観察する。
「盛況な催しですのね。毎年、こんなに?」
「俺はブラックウェル伯爵が戦死した年に来ただけだが、その時はほとんどお通夜のようだった」
戦時中ということもあり、これまではもっと小規模だったらしい。
「今年は次男のゴードンが正式に継嗣として、ブラックウェル伯爵を名乗る、その披露目も兼ねている。後で挨拶に行かないといけないだろうな」
さっきは別の客に挨拶していたせいですれ違いになってしまった、マールバラ公爵の現在の嫡男を、殿下が視線で教えてくれる。少しぽっちゃりとした、人の良さそうな青年だった。
「バイオリンが得意で、玄人はだしだそうだよ。俺も聞いたことはないんだけど」
「……へえ……」
そんな話をしていると、「殿下」と聞き慣れた声がした。振り向けば、ジョナサン・カーティス大尉と婚約者のシャーロット嬢だった。
「ああ、やっと見つかった。いないからどうしたかと思った」
「すみません、車寄せが混雑して、なかなか降りられなくて。……こちらが婚約者のミス・シャーロット・パーマーです」
シャーロット嬢が緊張の面持ちで頭を下げる。シャーロット嬢は茶色い髪を結い、紺のジョーゼットに白いレースと刺繍の花が散らされた、可憐なイブニングドレス。ハイウエストでちょうちん袖に、白いリボンがついている。
「ああ、よろしく。アルバートだ。こちらはミス・エルスペス・アシュバートン」
「以前、お会いしたことがありますの。申し上げましたでしょ?」
「そうだったか? ああ、口の悪い妹がいると言っていたな。今日は妹は留守番か」
「妹はおとなしく音楽を聴いていられる性格ではありませんので」
カーティス大尉が苦笑する。
「それに今日は、シャーロットの、パーマー家の縁での招待なので、カーティス家の者が大挙して押し寄せるわけにまいりません」
グレンフィリック子爵であるパーマー家は、ヴァイオレット夫人の実家、ミドルトン侯爵家の分家筋にあたる。その縁で毎年招待状が来るのだが、普段、この時期は領地で過ごすので、王都に住む未亡人の従姉が出向くだけなのだと言う。
「その従姉がデイジー・フランク、旧姓デイジー・ミルドレッド、シャーロットの父の姉の娘になります」
カーティス大尉がシャーロット嬢の背後に控えていた、妖艶な美女を紹介する。赤い唇の脇のホクロが妙に色っぽい。
「はじめまして、アルバート殿下。デイジー・フランクでございます」
人によっては赤と表現するであろう、鮮やかな金髪に青い瞳。髪は電気ごてで巻いて夜会巻きにして、耳元にダイヤのイヤリングが揺れる。濃いグレイのイブニングドレスの胸元は大胆に開いていて、殿下に向かって会釈すると胸の谷間が強調される。
「ああ、はじめまして」
殿下が素っ気なく挨拶すると、ミセス・デイジーは何とも言えない色を孕んだ目で殿下を見ている。
「感激ですわ。戦争の英雄とこんなところでお逢いできるなんて」
「別に英雄じゃない」
「そちらの方が、噂の恋人? ――従妹のシャーロットがお世話になったそうで」
ミセス・デイジーがわたしに向けて挨拶してきたので、わたしも普通に礼を返す。わたしの左手のサファイアを見て、一瞬、目を見開いた。
「いえ。こちらこそ、いつもカーティス大尉にはお世話になります。百貨店で偶然会っただけですわ」
「シャーロットは引っ込み事案で、いつも緊張のあまり、失敗してしまうのですわ。普段はそんなことないのに。田舎暮らしに慣れてしまって、王都に出てくるのを嫌がるからですわ。ねぇ、シャーロット?」
猫なで声、というのだろうか。甘いのに毒を含んだような声で、呼びかけられたシャーロット嬢が、とたんに緊張して固くなったのがわかる。
「今日も、シャーロットには不慣れな夜会でしょう? 何か失敗をしたらと思うと、居てもたってもいられなくて……ほんと、昔からシャーロットは物慣れない子なんですのよ」
「殿下がこちらに招待を受けたと聞いて、パーマー家に招待状が来ているか問い合わせて、混ぜてもらうことにしたんです。シャーロットと出掛けるいい機会でしたし。デイジーは、ヴァイオレット夫人の親族として、会の裏方にも関わっているんです。今回はシャーロットが心配だと言い張るので、ここまでついてきてもらったのですが」
デイジーの言葉に、カーティス大尉も何気なく相槌をうち、シャーロット嬢は青ざめて、今にも震え出しそうだ。
……まるで呪いみたい、とわたしは思う。この子は緊張のあまり、失敗をする、心配だわ、と言われ続け、いざ失敗すると、ほら、やっぱりと言われる。失敗をするように刷り込まれているようなものだ。でも周囲は、失敗ばかりするシャーロット嬢には、面倒を見てくれるデイジーが必要だと、ますますシャーロット嬢を追い詰めていく。
わたしはカーティス大尉を見た。
――ミセス・デイジーは、カーティス大尉の亡き兄の婚約者だったという。その後、デイジーは王都のフランク氏と結婚したが夫には死に別れ、カーティス大尉はシャーロット嬢と婚約した。
見たところ、ミセス・デイジーはカーティス大尉と同じ年頃か、数歳上くらいだろう。結婚できない年齢差ではない。三十前後になっても輝くように美しく、色香に溢れたデイジーに比べ、年下の従妹のシャーロットはほんの子供で、鼻の頭にはそばかすまで浮いて、はっきり言えば、地味だ。自信のなさが身の内から溢れ出ているし、実際、カチコチに緊張している。
……カーティス大尉は気配りのできる人だと思っていたのに、デイジーとシャーロットの微妙な関係に、どうして気づかないのかしら。
15
お気に入りに追加
3,258
あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる