40 / 62
第2章
第40話 神王倒し計画
しおりを挟む
「神の子って…………神子ってことか? なら、同じ人間じゃないか。死ぬ概念がないなんてありえないだろ?」
そう話すと、レンは顔をしかめていた。
人間では…………ないのか?
俺は思わず首を傾げる。
「うーん…………その神の子とは違うんだよ」
説明に困ったのか、レンは口を閉じてしまう。
すると、そんなレンをフォローするかのようにベルティアが話し始めた。
「ねぇ、レン。はっきりといった方がいいと思うわ。神の子なんて言っても、この世界でいう神の子と混同させてしまう」
「そうだね。僕は…………僕はこの世界でいう神だ」
しかし、レンがはっきりと言っても、俺とメミは困惑顔を浮かべるしかなかった。
「…………ますます理解できなくなってきた」
「お兄様、私もです。レンが神だなんて…………信じられません」
ただえさえ、身近にガキのような悪魔がいる。なのに、久しぶりに会った親友が神様? わけわからん。
当然俺は信じることなんてできず、訝し気な目でレンを見る。
「まぁ、いいさ。僕が神だったり、ベルティアやコンコルドが天使であることはどうでもいいこと」
「ちょっと、私のことをなにしれっと言ってるのー」
「どうせそのうちバレることだからいいでしょ?」とレン。
はぁ?
ベルティアとコンじいが天使だって…………?
すでにパンクしている頭なのに、さらにわけのわからないことを言ってくる2人。
「まてまてまて! ベルティアが天使? レン、本気で言ってるのか? 悪魔の間違いじゃないのか?」
「誰が悪魔ですって、あんなやつらと同じにしないでもらえない?」
「べ、ベルティアさんが…………てん、しぃ…………」
悪魔と言われ気に食わなかったのか、ベルティアは背中から白い翼をばさりと広げる。その姿を見たメミは驚きのあまり失神しそうになっていた。
仮装している…………わけでもなさそうだ。
本当に天使なんだな。
そういえば、さっき。
『私はこの世界の人間ではないからね』
とか言ってたっけ。なるほど、確かに天使は人間じゃない。
…………。
でも、なんか思ってた天使と違う。
もっとこうおしとやかーというか、気品があるというか。
目の前にいる天使は好戦的。天使って平和を望むもんじゃないの?
あ、もしかして堕天使だったり…………。
「ねぇ、今、私が堕天使じゃないかなんて思ってるでしょう?」
「思ってません…………それでその神様と天使様がなんでこんなところにいるんだ? その様子だと俺に用がある感じだが…………」
神のレンはかなり前からただの人間の俺に接近していた。何かしらの考えがあって、近づいてきた。
だから、俺に何か用があると思うんだが…………。
一体、神が人間に何を望むのだろうか。
「そうだよ。ネル、君に頼みたいことがあったんだ」
レンたちは切り替わったように真剣な面持ちに変わる。
「神王を倒してほしんだ」
「しんおう?」
しんおうって、神様の中の王様ってことか?
そんなやつを…………倒せ?
何を言っているんだ、レンは。
ベルティアの変人っぷりがうつったか?
「神の王のことだよ」
「いや、分かるけど…………なんで俺?」
「まぁ、色々事情があるけれど、簡単に言えばネルが勇者だから、かな?」
「それも知ってるのか」
「だって、僕、神だもん。勇者指定は僕の仕事だからね。いつもなら、8歳超えてから、勇者の印を与えていたけど、ネルには赤ちゃんの頃から、勇者指定していたよ」
マジか。生まれた時点で、俺が勇者確定だったのかよ。嫌なんだけど。
レンに頼めば、アルカイドの勇者を別の人にしてもらうとかできねーかな。
…………いや、今の話はそれじゃなくて。
「…………だいたい神様にどうやって会うのかも知らないのに、神の王を殺す? 無茶なことをいうなよ」
「大丈夫。ネルならあともう少しで神様にケンカを売れるようになるよ」
「…………どういうことだ?」
勇者であっても、人間に変わりはない。
天使であったベルティアと戦っても、ベルティアはまず死ぬことはなかった。
人間VS天使でさえ、最初から結果が目に見えるようなもの。
それなのに、チートな神様に人間がケンカを売る? 自殺行為も同然だ。
「僕が死んだ後、ネルは裏世界に行って、レベル上げしたでしょ? あれね、僕の神王倒し計画の一環だったんだよ。天界でいろいろあって、ネルのレベル上げは部下に任せたけどさ」
「お前の部下? 会った覚えなんてないのだが?」
あの時、裏世界で会ったのはコンじいぐらいで。
コンじいしか会ってなくて。
…………。
いやいや。
あのおじいちゃんが、レンの部下? そんなわけないだろ。
「なぁ、レン」
「何?」
「まさかだとは思うが、コンじいがお前の部下だということはないんだろうな?」
俺が恐る恐る聞くと、レンはアハハと笑っていた。
「そうだよ、コンコルドは僕の部下。天使はみんな神の部下みたいなものさ」
そう話すと、レンは顔をしかめていた。
人間では…………ないのか?
俺は思わず首を傾げる。
「うーん…………その神の子とは違うんだよ」
説明に困ったのか、レンは口を閉じてしまう。
すると、そんなレンをフォローするかのようにベルティアが話し始めた。
「ねぇ、レン。はっきりといった方がいいと思うわ。神の子なんて言っても、この世界でいう神の子と混同させてしまう」
「そうだね。僕は…………僕はこの世界でいう神だ」
しかし、レンがはっきりと言っても、俺とメミは困惑顔を浮かべるしかなかった。
「…………ますます理解できなくなってきた」
「お兄様、私もです。レンが神だなんて…………信じられません」
ただえさえ、身近にガキのような悪魔がいる。なのに、久しぶりに会った親友が神様? わけわからん。
当然俺は信じることなんてできず、訝し気な目でレンを見る。
「まぁ、いいさ。僕が神だったり、ベルティアやコンコルドが天使であることはどうでもいいこと」
「ちょっと、私のことをなにしれっと言ってるのー」
「どうせそのうちバレることだからいいでしょ?」とレン。
はぁ?
ベルティアとコンじいが天使だって…………?
すでにパンクしている頭なのに、さらにわけのわからないことを言ってくる2人。
「まてまてまて! ベルティアが天使? レン、本気で言ってるのか? 悪魔の間違いじゃないのか?」
「誰が悪魔ですって、あんなやつらと同じにしないでもらえない?」
「べ、ベルティアさんが…………てん、しぃ…………」
悪魔と言われ気に食わなかったのか、ベルティアは背中から白い翼をばさりと広げる。その姿を見たメミは驚きのあまり失神しそうになっていた。
仮装している…………わけでもなさそうだ。
本当に天使なんだな。
そういえば、さっき。
『私はこの世界の人間ではないからね』
とか言ってたっけ。なるほど、確かに天使は人間じゃない。
…………。
でも、なんか思ってた天使と違う。
もっとこうおしとやかーというか、気品があるというか。
目の前にいる天使は好戦的。天使って平和を望むもんじゃないの?
あ、もしかして堕天使だったり…………。
「ねぇ、今、私が堕天使じゃないかなんて思ってるでしょう?」
「思ってません…………それでその神様と天使様がなんでこんなところにいるんだ? その様子だと俺に用がある感じだが…………」
神のレンはかなり前からただの人間の俺に接近していた。何かしらの考えがあって、近づいてきた。
だから、俺に何か用があると思うんだが…………。
一体、神が人間に何を望むのだろうか。
「そうだよ。ネル、君に頼みたいことがあったんだ」
レンたちは切り替わったように真剣な面持ちに変わる。
「神王を倒してほしんだ」
「しんおう?」
しんおうって、神様の中の王様ってことか?
そんなやつを…………倒せ?
何を言っているんだ、レンは。
ベルティアの変人っぷりがうつったか?
「神の王のことだよ」
「いや、分かるけど…………なんで俺?」
「まぁ、色々事情があるけれど、簡単に言えばネルが勇者だから、かな?」
「それも知ってるのか」
「だって、僕、神だもん。勇者指定は僕の仕事だからね。いつもなら、8歳超えてから、勇者の印を与えていたけど、ネルには赤ちゃんの頃から、勇者指定していたよ」
マジか。生まれた時点で、俺が勇者確定だったのかよ。嫌なんだけど。
レンに頼めば、アルカイドの勇者を別の人にしてもらうとかできねーかな。
…………いや、今の話はそれじゃなくて。
「…………だいたい神様にどうやって会うのかも知らないのに、神の王を殺す? 無茶なことをいうなよ」
「大丈夫。ネルならあともう少しで神様にケンカを売れるようになるよ」
「…………どういうことだ?」
勇者であっても、人間に変わりはない。
天使であったベルティアと戦っても、ベルティアはまず死ぬことはなかった。
人間VS天使でさえ、最初から結果が目に見えるようなもの。
それなのに、チートな神様に人間がケンカを売る? 自殺行為も同然だ。
「僕が死んだ後、ネルは裏世界に行って、レベル上げしたでしょ? あれね、僕の神王倒し計画の一環だったんだよ。天界でいろいろあって、ネルのレベル上げは部下に任せたけどさ」
「お前の部下? 会った覚えなんてないのだが?」
あの時、裏世界で会ったのはコンじいぐらいで。
コンじいしか会ってなくて。
…………。
いやいや。
あのおじいちゃんが、レンの部下? そんなわけないだろ。
「なぁ、レン」
「何?」
「まさかだとは思うが、コンじいがお前の部下だということはないんだろうな?」
俺が恐る恐る聞くと、レンはアハハと笑っていた。
「そうだよ、コンコルドは僕の部下。天使はみんな神の部下みたいなものさ」
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。

オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる