4 / 62
第1章
第4話 ストレス発散生活
しおりを挟む
リコリスが住んでいる家は、かなり古びた外観のもの、中はいたって普通だった。
木造の家は、外とは違い温かみを感じた。
キッチン、ダイニング、洗面所、リコリスの部屋があり、2つの空いた部屋と簡単に言えば間取りはそんな感じ。
「1つ空いている部屋があるでしょ? そっちを使って」
「ああ。分かった」
俺はドアノブを手にし、回そうしたが、鍵がかかっていた。
「開かないぞ?」
「そっちじゃないって。もう一つ隣の部屋」
「ああ。分かった」
言われた通り隣を開けると、難なく開いた。
部屋にあったのは、ベッドと机。それ以外何もなかった。
俺はダイニングの方にいるリコリスに大声で尋ねる。
「ここには誰かと一緒に住んでいたのか?」
「ううん。でも、私が住む前に誰かが住んでいたみたい」
「へぇ………」
そうして、俺は、広い家で寝て、食事をし、外に出て、魔物をひたすらに倒すという生活を送った。
魔物をひたすら倒し、ストレス発散。今まで使えなかった高度魔法をバンバン使って、魔物を倒していく。
魔法を使うことが楽しくて仕方なかった。
飽きること? ないない。
だって、小等部からずっとしょぼい魔法しか使えなかっただぜ?
今じゃあ、爆発魔法をドカーン、ドカーンと連続で放つことができる。もう楽しくてしかない。
「アハハ! めちゃくちゃ楽しい!」
裏世界ストレス発散生活は思った以上にゆったり。
まぁ、たまに彼女とケンカをすることはあったが。
それは俺が風呂に入ろうとした時だった。風呂場のドアを開けると、そこには裸のリコリス。雪のように白い肌が丸見えだった。
あ、やっちまった………。
女と暮らすということは、こういうハプニングも考えられた。夫婦、ましてやカップルなどでもない俺たちは、この先がどうなるか見えていること。
「バカぁ——!!」
リコリスは顔を真っ赤にさせて、たらいを投げてくる。
俺はドアを閉め、謝りながら逃げたが、次の日になってもリコリスは怒っていた。
事故なんだと説明すると、彼女は口を聞いてくれるようになったものの、その日から彼女の態度が少し変わったような気がする。
そんなリコリスの日常は俺の様子を眺めたり、散歩したりしていた。
リコリスの家の近くには、家などはなく、他の悪魔たちが住んでいる様子はなさそうだった。
本当に暇だったんだな………まぁ、近所に誰もいなんだったら当たり前か。
俺が休憩がてら、たまに氷で月の巨大彫刻を作ってやると、彼女は興味深々に見上げていた。
氷は空の赤によって、巨大レッドムーンのようになっていた。
「氷魔法か………いいわね」
憂いの目を浮かべながら、リコリスは巨大氷彫刻を見ていた。
「お前、闇魔法以外に何ができるんだ?」
「できない。闇魔法しか使えない」
「そうか」
そう答えたリコリスの声はどこか悲しそうだった。
「お前、他の魔法を使ってみないか?」
「え?」
「お前、出会った時、弟子になりたいって言ってただろ? 俺が教えてやるよ」
「ハッ。あの時は冗談で………」
「氷魔法を使ってみたくないか?」
魔法を使えない悔しさは俺が一番知っている。魔法を使う楽しさもだ。
「つ、使ってみたい………」
小さく呟く彼女の紫の瞳はキラキラと輝いていた。
「よしっ。俺が師匠だな」
「調子にのるな」
プクーと頬を膨らませるリコリスに、俺はニコリと笑う。
そうして、俺はリコリスに氷魔法を教えることになった。
次の日から、午前中はリコリスに氷魔法を教え、昼食を取った後は、ひたすら魔物を倒すという生活サイクルになった。
裏世界にやってきて、1年が経とうとしていた時。
俺のレベルは9000に達していた。
木造の家は、外とは違い温かみを感じた。
キッチン、ダイニング、洗面所、リコリスの部屋があり、2つの空いた部屋と簡単に言えば間取りはそんな感じ。
「1つ空いている部屋があるでしょ? そっちを使って」
「ああ。分かった」
俺はドアノブを手にし、回そうしたが、鍵がかかっていた。
「開かないぞ?」
「そっちじゃないって。もう一つ隣の部屋」
「ああ。分かった」
言われた通り隣を開けると、難なく開いた。
部屋にあったのは、ベッドと机。それ以外何もなかった。
俺はダイニングの方にいるリコリスに大声で尋ねる。
「ここには誰かと一緒に住んでいたのか?」
「ううん。でも、私が住む前に誰かが住んでいたみたい」
「へぇ………」
そうして、俺は、広い家で寝て、食事をし、外に出て、魔物をひたすらに倒すという生活を送った。
魔物をひたすら倒し、ストレス発散。今まで使えなかった高度魔法をバンバン使って、魔物を倒していく。
魔法を使うことが楽しくて仕方なかった。
飽きること? ないない。
だって、小等部からずっとしょぼい魔法しか使えなかっただぜ?
今じゃあ、爆発魔法をドカーン、ドカーンと連続で放つことができる。もう楽しくてしかない。
「アハハ! めちゃくちゃ楽しい!」
裏世界ストレス発散生活は思った以上にゆったり。
まぁ、たまに彼女とケンカをすることはあったが。
それは俺が風呂に入ろうとした時だった。風呂場のドアを開けると、そこには裸のリコリス。雪のように白い肌が丸見えだった。
あ、やっちまった………。
女と暮らすということは、こういうハプニングも考えられた。夫婦、ましてやカップルなどでもない俺たちは、この先がどうなるか見えていること。
「バカぁ——!!」
リコリスは顔を真っ赤にさせて、たらいを投げてくる。
俺はドアを閉め、謝りながら逃げたが、次の日になってもリコリスは怒っていた。
事故なんだと説明すると、彼女は口を聞いてくれるようになったものの、その日から彼女の態度が少し変わったような気がする。
そんなリコリスの日常は俺の様子を眺めたり、散歩したりしていた。
リコリスの家の近くには、家などはなく、他の悪魔たちが住んでいる様子はなさそうだった。
本当に暇だったんだな………まぁ、近所に誰もいなんだったら当たり前か。
俺が休憩がてら、たまに氷で月の巨大彫刻を作ってやると、彼女は興味深々に見上げていた。
氷は空の赤によって、巨大レッドムーンのようになっていた。
「氷魔法か………いいわね」
憂いの目を浮かべながら、リコリスは巨大氷彫刻を見ていた。
「お前、闇魔法以外に何ができるんだ?」
「できない。闇魔法しか使えない」
「そうか」
そう答えたリコリスの声はどこか悲しそうだった。
「お前、他の魔法を使ってみないか?」
「え?」
「お前、出会った時、弟子になりたいって言ってただろ? 俺が教えてやるよ」
「ハッ。あの時は冗談で………」
「氷魔法を使ってみたくないか?」
魔法を使えない悔しさは俺が一番知っている。魔法を使う楽しさもだ。
「つ、使ってみたい………」
小さく呟く彼女の紫の瞳はキラキラと輝いていた。
「よしっ。俺が師匠だな」
「調子にのるな」
プクーと頬を膨らませるリコリスに、俺はニコリと笑う。
そうして、俺はリコリスに氷魔法を教えることになった。
次の日から、午前中はリコリスに氷魔法を教え、昼食を取った後は、ひたすら魔物を倒すという生活サイクルになった。
裏世界にやってきて、1年が経とうとしていた時。
俺のレベルは9000に達していた。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。

大国に囲まれた小国の「魔素無し第四王子」戦記(最強部隊を率いて新王国樹立へ)
たぬころまんじゅう
ファンタジー
小国の第四王子アルス。魔素による身体強化が当たり前の時代に、王族で唯一魔素が無い王子として生まれた彼は、蔑まれる毎日だった。
しかしある日、ひょんなことから無限に湧き出る魔素を身体に取り込んでしまった。その日を境に彼の人生は劇的に変わっていく。
士官学校に入り「戦略」「戦術」「武術」を学び、仲間を集めたアルスは隊を結成。アルス隊が功績を挙げ、軍の中で大きな存在になっていくと様々なことに巻き込まれていく。
領地経営、隣国との戦争、反乱、策略、ガーネット教や3大ギルドによる陰謀にちらつく大国の影。様々な経験を経て「最強部隊」と呼ばれたアルス隊は遂に新王国樹立へ。
異能バトル×神算鬼謀の戦略・戦術バトル!
☆史実に基づいた戦史、宗教史、過去から現代の政治や思想、経済を取り入れて書いた大河ドラマをお楽しみください☆

オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので
sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。
早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。
なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。
※魔法と剣の世界です。
※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。

魔喰のゴブリン~最弱から始まる復讐譚~
岡本剛也
ファンタジー
駆け出しの冒険者であるシルヴァ・ベルハイスは、ダンジョン都市フェルミでダンジョン攻略を生業としていた。
順風満帆とはいかないものの、着実に力をつけてシルバーランク昇格。
そしてついに一つの壁とも言われる十階層の突破を成し遂げた。
仲間との絆も深まり、ここから冒険者としての明るい未来が待っていると確信した矢先——とある依頼が舞い込んできた。
その依頼とは勇者パーティの荷物持ちの依頼。
勇者の戦闘を近くで見られることができ、高い報酬ということもあって引き受けたのだが、この一回の依頼がシルヴァを地獄の底に叩き落されることとなった。
ダンジョン内で勇者達からゴミのような扱いを受け、信頼していた仲間にからも見放され……ダンジョンの奥地に放置されたシルヴァは、匂いに釣られてやってきた魔物に襲われた。
魔物に食われながら、シルヴァが心の底から願ったのは勇者への復讐。
そんな願いが叶ったのか、それとも叶わなかったのか。
事実のほどは神のみぞ知るが、シルヴァは記憶を持ったままとある魔物に転生した。
その魔物とは、最弱と名高いゴブリン。
追い打ちをかけるような最悪な状況に常人なら心が折れてもおかしくない中、シルヴァは折れることなく勇者への復讐を掲げた。
これは最弱のゴブリンに転生したシルヴァが、最強である勇者への復讐を果たす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる