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第3章 学園編
78 ?視点:全ては婚約破棄のために ⑤
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ライアンと街へ出かけた日。
街でルーシーと会った。
金魚のふんみたいなやつもいたが、それはどうでもいい。
その時はまるで偶然かのように装ったが、全然偶然じゃない。
リアムにルーシーがどこいるのか、リアルタイムで報告を受けながら、街を散策していた。
だから、会うのは当たり前。
当たり前なんだけど。
ルーシーと会うと、僕は彼女に一緒に街を見て回らないか提案した。
それにはライアンも賛同してくれ(金魚のふんはひたすらに首を横に振っていたが)、ルーシーも縦に首を振ってくれた。
これでルーシーと一緒に過ごせる、と思った瞬間。
――――黒月の魔女が現れた。
だけど、現れた時はルーシーから離れていて、僕はクレープを買いに行こうとしていた。
人の悲鳴が遠くで聞こえてはいた。
でも、ルーシーの悲鳴じゃなかったから、気にも留めていなかった。
あの時、さっさとルーシーの所に戻っておけばよかったと思う。
一時して、ダッシュで駆け抜けていくリリーを見て、僕も引き返した。
ルーシーの近くにはあの世界が恐れる黒月の魔女が。
僕は警戒し、腰に忍ばせていた杖を取り出す。
しかし、黒月の魔女は攻撃してくることもなく、ルーシーをまじまじと見つめていた。
そして――――。
「この子、聖女だわ!」
と嬉しそうに声を上げた。
「あなた、月の聖女よ」
そう話す黒月の魔女はルーシーが月の聖女であることを確信しているようで。
そのことを王国側が認知しているか尋ねられた時、ライアンもなぜかルーシーが月の聖女であることを知っていた。
それに僕は引っかかった。
まさかライアンも、僕と同じルーシー推しの転生者?
なんて考えていると、魔女から殺気を感じた。
それはリリーも同じようで、彼女からサインを受ける。
「ラザフォード家のお嬢さん、月の聖女であるあなたには死んでもらいましょう!」
何としてでも、ルーシーを守らないと。
「さようなら! テーネブラモルス!」
果敢にも、リリーはルーシーの前に出て、即死魔法を受けようとする。
僕は即死魔法に対応できる防御魔法をリリーに放つ。
しかし、ルーシーがリリーを押して、紫の雷を受けてしまう。
「くっ!」
「ルーシー!」
だめ!
ルーシーが死ぬのはダメ!
僕はルーシーのところに行こうとする。
が、ルーシーは倒れない。多少ふらつきはあったものの、死ぬことはなかった。
見ると、彼女の手には身代わり魔石があった。魔石は壊れ、ぽろぽろと手元から落ちていく。
ルーシー、魔石を持っていたのか!
あ! そういや、さっき買ったって言ったけ!
魔石、グッジョブ!
そこから、僕らは黒月の魔女に向かって猛攻撃。
リリーと息を合わせて、黒月の魔女に攻撃をしかける。
しかし、魔女は自身の体を泥へと変え、攻撃を回避。
僕が放つ光魔法をまともに食らわせることができず、打つ手がないと悩んでいると。
魔法を避ける泥の間から、赤い光がきらりと輝く。
あれは……魔石か?
最近見た赤い石。
アースが自動人形作りで使用している魔石と同じものだとすぐに分かった。
「リリーさん! 胸に何かがあります! 左胸です! 心臓付近!」
そう叫ぶと、リリーは即座に動いてくれた。
彼女はお得意の魔法で薔薇の蔓を心臓の方へ伸ばす。
が、魔女はさらりと逃げる。
しかし、リリーはすかさず持っていたレイピアで左胸を刺した。
その瞬間、魔女は爆散。
泥が周囲に飛び散り、僕は腕で顔を覆う。
魔女の人形が壊れたと分かると、僕は残骸の方へ近づく。
残骸の中にあったのは粉々になった魔石。
隣のリリーはそれをじっと観察していた。
「魔女は人外だったの……?」
「いえ、これは魔女本体ではなく、魔女が操作していたものでしょう」
「なるほど……ステラさん、よく操り人形って気づきましたね」
「光魔法を放った時にコアが見えたんですよ」
僕は魔石の掛けを手に取る。
やはりその魔石にも魔法陣のようなものが描かれていた。
「魔女本体なら、コアなんてない。もしかしたら、と思いまして。確信はなかったんですけど、予想が当たってよかったです」
「そうですね……それとあと、操り人形は魔石がコアになることをよく知っていましたね」
「ええ。知人がこいうものを趣味で作っていましたので、少し知っていたんです。まぁ、知人はこんなに動かすことはできていなかったですけど」
アースはまだ魔法陣を出来ていない段階。
一方、黒月の魔女は魔法陣をもう完成させて、戦闘ができるまでになっている。
これはまずい。非常にまずい。
黒月の魔女が自分の軍隊を作りかねない。
しかも、今回ルーシーを殺そうとしてきた。
今後、またこんなことが起きるのかもしれない。
僕は魔石のひとかけらをポケットに入れた。
★☽★☽★☽★☽
リリーとともに黒月の魔女の人形を倒した僕。
泥まみれになったため、寮で着替えて、学園の廊下を歩いていた。
「一緒にお風呂に入ろうだなんて……」
黒月の魔女の人形を倒した後。
僕はルーシーからお風呂に誘われた。
でも、あれは不意打ち過ぎた。
だって、急に推しからお風呂に入ろうって言われるんだぞ?
驚きしかない。
その時、変な想像しちゃったから、鼻血がでちゃったもん。
でも、僕はこの世界では女の子。
別に誘われてもおかしくないもんな。
僕は誘いを受けルーシーと銭湯に行くことも考えた。
しかし、断った。
…………そのなんかね。
ルーシーが僕が本当は男であることを知らずに、それを利用して一緒にお風呂入るのは、なんか、フェアじゃないというか。
後から罪悪感を感じそうで、止めておいた。
それに、すぐにあいつに会わないといけないと思っていた。
今回、騎士団長の娘であるリリーがいてくれたから、黒月の魔女と対等に戦えた。
僕はそれなりに強い方だとは思うが、1人では少し難しかったかもしれない。下手をすれば、ルーシーは殺されていたのかもしれない。
でも、ゲームのシナリオのことを考えると、今回の出来事は違和感がある。
この時期で黒月の魔女が現れるなんて、ゲームではありえない。
無印では黒月の魔女なんて名前しかでないし、続編でもそうそう出番はない。
まさか女神の仕業か?
と考えたが――――まぁ、ありえないか。
魔王側と女神側は仲が悪いから、女神が黒月の魔女を動かせるとは思えない。
でも、こうなることは、あいつにも分かっていたはずだ。
黒月の魔女の出現なんて災害レベルで危険なんだから。
そう思った僕は彼の研究室へと向かった。
彼は相変わらず黙々と魔石を片手に作業をしていた。
「アース」
「…………なーに? そんなに怒って」
「お前、黒月の魔女が僕らの前に現れるって分かってただろ?」
「まーさか」
「うそだ」
「いや、うそじゃないよー」
僕は彼を睨みをかける。
こいつは絶対分かっていたはずだ。
一時して、アースはハァと深い溜息をついた。
「確かに黒月の魔女が現れることは知っていた……でも」
やっぱりな。
「……でも?」
「『君たちの前に現れる』ことは分からなかった。見えなかった。僕が見ていた未来なら、本当なら、別の街に現れるはずだったんだよ」
「…………」
「でも、違った。なぜか君たちの前に現れた」
アースはいつになく真剣。
深刻そうに話していた。
「予想外のことは僕を楽しませてくれるから好きだけど……でも、こんな風になるのは違う」
確かに、アースは王子で、予知能力もあって、魔法技術もある――色んな最強に近い人間だ。
でも、結局は人間。僕らと一緒。
人間であるのならエラーはつきもの。
ヒューマンエラーというぐらいだしな。
僕はアースの肩にぽんと手を乗せる。
「まぁ、お前も人間だから、完璧にできるわけじゃないだろ」
「…………え? それって慰め?」
「お前がそう思うのなら」
「アハッ、ありがとー」
また、こんなことが起きるかもしれない。
アースの力を頼り過ぎないようにしないとな。
寮に戻ろうと、ドアの方に向かう。
しかし、僕は途中で足を止め、アースの方を見た。
「アース」
「なーに?」
「これ、お前に渡そうと思って」
僕はさきほど取った、魔石のかけらをアースに投げる。
「これ……あの魔女が作ってたのー?」
「ああ、そうだ。もしかしたら、お前の人形作りに参考になると思って、取ってきた」
アースはじっと魔石のかけらを見つめる。何か考え込んでいるようだった。
やはりアースもまずいと感じたか。
「……そっか。ありがとー」
「いいえ……あと、その……さっきは感情的になってお前に当たって悪かった。ごめん」
そう謝罪すると、アースはきょとんと不意打ちをくらったような顔を浮かべる。
が、すぐに笑顔に変わり。
「いいよーん。君も人間だからね、間違いはあるさー」
と僕の謝罪を受け入れてくれた。
街でルーシーと会った。
金魚のふんみたいなやつもいたが、それはどうでもいい。
その時はまるで偶然かのように装ったが、全然偶然じゃない。
リアムにルーシーがどこいるのか、リアルタイムで報告を受けながら、街を散策していた。
だから、会うのは当たり前。
当たり前なんだけど。
ルーシーと会うと、僕は彼女に一緒に街を見て回らないか提案した。
それにはライアンも賛同してくれ(金魚のふんはひたすらに首を横に振っていたが)、ルーシーも縦に首を振ってくれた。
これでルーシーと一緒に過ごせる、と思った瞬間。
――――黒月の魔女が現れた。
だけど、現れた時はルーシーから離れていて、僕はクレープを買いに行こうとしていた。
人の悲鳴が遠くで聞こえてはいた。
でも、ルーシーの悲鳴じゃなかったから、気にも留めていなかった。
あの時、さっさとルーシーの所に戻っておけばよかったと思う。
一時して、ダッシュで駆け抜けていくリリーを見て、僕も引き返した。
ルーシーの近くにはあの世界が恐れる黒月の魔女が。
僕は警戒し、腰に忍ばせていた杖を取り出す。
しかし、黒月の魔女は攻撃してくることもなく、ルーシーをまじまじと見つめていた。
そして――――。
「この子、聖女だわ!」
と嬉しそうに声を上げた。
「あなた、月の聖女よ」
そう話す黒月の魔女はルーシーが月の聖女であることを確信しているようで。
そのことを王国側が認知しているか尋ねられた時、ライアンもなぜかルーシーが月の聖女であることを知っていた。
それに僕は引っかかった。
まさかライアンも、僕と同じルーシー推しの転生者?
なんて考えていると、魔女から殺気を感じた。
それはリリーも同じようで、彼女からサインを受ける。
「ラザフォード家のお嬢さん、月の聖女であるあなたには死んでもらいましょう!」
何としてでも、ルーシーを守らないと。
「さようなら! テーネブラモルス!」
果敢にも、リリーはルーシーの前に出て、即死魔法を受けようとする。
僕は即死魔法に対応できる防御魔法をリリーに放つ。
しかし、ルーシーがリリーを押して、紫の雷を受けてしまう。
「くっ!」
「ルーシー!」
だめ!
ルーシーが死ぬのはダメ!
僕はルーシーのところに行こうとする。
が、ルーシーは倒れない。多少ふらつきはあったものの、死ぬことはなかった。
見ると、彼女の手には身代わり魔石があった。魔石は壊れ、ぽろぽろと手元から落ちていく。
ルーシー、魔石を持っていたのか!
あ! そういや、さっき買ったって言ったけ!
魔石、グッジョブ!
そこから、僕らは黒月の魔女に向かって猛攻撃。
リリーと息を合わせて、黒月の魔女に攻撃をしかける。
しかし、魔女は自身の体を泥へと変え、攻撃を回避。
僕が放つ光魔法をまともに食らわせることができず、打つ手がないと悩んでいると。
魔法を避ける泥の間から、赤い光がきらりと輝く。
あれは……魔石か?
最近見た赤い石。
アースが自動人形作りで使用している魔石と同じものだとすぐに分かった。
「リリーさん! 胸に何かがあります! 左胸です! 心臓付近!」
そう叫ぶと、リリーは即座に動いてくれた。
彼女はお得意の魔法で薔薇の蔓を心臓の方へ伸ばす。
が、魔女はさらりと逃げる。
しかし、リリーはすかさず持っていたレイピアで左胸を刺した。
その瞬間、魔女は爆散。
泥が周囲に飛び散り、僕は腕で顔を覆う。
魔女の人形が壊れたと分かると、僕は残骸の方へ近づく。
残骸の中にあったのは粉々になった魔石。
隣のリリーはそれをじっと観察していた。
「魔女は人外だったの……?」
「いえ、これは魔女本体ではなく、魔女が操作していたものでしょう」
「なるほど……ステラさん、よく操り人形って気づきましたね」
「光魔法を放った時にコアが見えたんですよ」
僕は魔石の掛けを手に取る。
やはりその魔石にも魔法陣のようなものが描かれていた。
「魔女本体なら、コアなんてない。もしかしたら、と思いまして。確信はなかったんですけど、予想が当たってよかったです」
「そうですね……それとあと、操り人形は魔石がコアになることをよく知っていましたね」
「ええ。知人がこいうものを趣味で作っていましたので、少し知っていたんです。まぁ、知人はこんなに動かすことはできていなかったですけど」
アースはまだ魔法陣を出来ていない段階。
一方、黒月の魔女は魔法陣をもう完成させて、戦闘ができるまでになっている。
これはまずい。非常にまずい。
黒月の魔女が自分の軍隊を作りかねない。
しかも、今回ルーシーを殺そうとしてきた。
今後、またこんなことが起きるのかもしれない。
僕は魔石のひとかけらをポケットに入れた。
★☽★☽★☽★☽
リリーとともに黒月の魔女の人形を倒した僕。
泥まみれになったため、寮で着替えて、学園の廊下を歩いていた。
「一緒にお風呂に入ろうだなんて……」
黒月の魔女の人形を倒した後。
僕はルーシーからお風呂に誘われた。
でも、あれは不意打ち過ぎた。
だって、急に推しからお風呂に入ろうって言われるんだぞ?
驚きしかない。
その時、変な想像しちゃったから、鼻血がでちゃったもん。
でも、僕はこの世界では女の子。
別に誘われてもおかしくないもんな。
僕は誘いを受けルーシーと銭湯に行くことも考えた。
しかし、断った。
…………そのなんかね。
ルーシーが僕が本当は男であることを知らずに、それを利用して一緒にお風呂入るのは、なんか、フェアじゃないというか。
後から罪悪感を感じそうで、止めておいた。
それに、すぐにあいつに会わないといけないと思っていた。
今回、騎士団長の娘であるリリーがいてくれたから、黒月の魔女と対等に戦えた。
僕はそれなりに強い方だとは思うが、1人では少し難しかったかもしれない。下手をすれば、ルーシーは殺されていたのかもしれない。
でも、ゲームのシナリオのことを考えると、今回の出来事は違和感がある。
この時期で黒月の魔女が現れるなんて、ゲームではありえない。
無印では黒月の魔女なんて名前しかでないし、続編でもそうそう出番はない。
まさか女神の仕業か?
と考えたが――――まぁ、ありえないか。
魔王側と女神側は仲が悪いから、女神が黒月の魔女を動かせるとは思えない。
でも、こうなることは、あいつにも分かっていたはずだ。
黒月の魔女の出現なんて災害レベルで危険なんだから。
そう思った僕は彼の研究室へと向かった。
彼は相変わらず黙々と魔石を片手に作業をしていた。
「アース」
「…………なーに? そんなに怒って」
「お前、黒月の魔女が僕らの前に現れるって分かってただろ?」
「まーさか」
「うそだ」
「いや、うそじゃないよー」
僕は彼を睨みをかける。
こいつは絶対分かっていたはずだ。
一時して、アースはハァと深い溜息をついた。
「確かに黒月の魔女が現れることは知っていた……でも」
やっぱりな。
「……でも?」
「『君たちの前に現れる』ことは分からなかった。見えなかった。僕が見ていた未来なら、本当なら、別の街に現れるはずだったんだよ」
「…………」
「でも、違った。なぜか君たちの前に現れた」
アースはいつになく真剣。
深刻そうに話していた。
「予想外のことは僕を楽しませてくれるから好きだけど……でも、こんな風になるのは違う」
確かに、アースは王子で、予知能力もあって、魔法技術もある――色んな最強に近い人間だ。
でも、結局は人間。僕らと一緒。
人間であるのならエラーはつきもの。
ヒューマンエラーというぐらいだしな。
僕はアースの肩にぽんと手を乗せる。
「まぁ、お前も人間だから、完璧にできるわけじゃないだろ」
「…………え? それって慰め?」
「お前がそう思うのなら」
「アハッ、ありがとー」
また、こんなことが起きるかもしれない。
アースの力を頼り過ぎないようにしないとな。
寮に戻ろうと、ドアの方に向かう。
しかし、僕は途中で足を止め、アースの方を見た。
「アース」
「なーに?」
「これ、お前に渡そうと思って」
僕はさきほど取った、魔石のかけらをアースに投げる。
「これ……あの魔女が作ってたのー?」
「ああ、そうだ。もしかしたら、お前の人形作りに参考になると思って、取ってきた」
アースはじっと魔石のかけらを見つめる。何か考え込んでいるようだった。
やはりアースもまずいと感じたか。
「……そっか。ありがとー」
「いいえ……あと、その……さっきは感情的になってお前に当たって悪かった。ごめん」
そう謝罪すると、アースはきょとんと不意打ちをくらったような顔を浮かべる。
が、すぐに笑顔に変わり。
「いいよーん。君も人間だからね、間違いはあるさー」
と僕の謝罪を受け入れてくれた。
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