73 / 89
第3章 学園編
73 ?視点:誘拐作戦 後編
しおりを挟む
「まずいよ、ステラ。ババアが動いた」
急に立ち上がり、そう言ったアース。
なぜか、彼は不気味な笑みを浮かべていた。
「ババア? お前のばーちゃんのこと?」
ばーちゃんが動くのは良いことじゃん。
元気な証拠じゃん。まずくないじゃん。
そう思っていたが、アースは首を横に振った。
「違うよー。女神のことだよー。今、リアムの未来を見ていたんだけど、ルーシーが暴走する未来が見えたー」
「ルーシーが暴走? どういうこと?」
「うーん。詳しいことは分からないけど、僕の予測だと、女神がルーシーの聖女の力を暴走させたんじゃないかなと思うー」
確かに女神から邪魔をするとは聞いていた。
でも、まさかルーシーを暴走させて、僕らの計画を頓挫させようとするとは。
「……分かった。ちょっとリアムのところ行ってくる」
僕はいつもの白コートを取り、転移魔法で移動。
急いでリアムのところへ向かう。
しかし、到着した頃には、地下の部屋は。
「は?」
大風が吹いていた。
天井にはぽっかり穴が開いている。
その部屋の中央にはルーシーがいた。
でも、彼女はゲームで見たような姿ではない。
髪は乱れ、白目は黒く、瞳は真っ白。
まるで怪物のよう。
「なんで、あんたがここに……」
実行を任せていたリアムは動揺しているのか、冷静に動けていないようだった。
らしくない。
けど、彼女が暴走するとは思ってなかったから当たり前といえば当たり前か。
「お前ら、さっさと逃げな。ここは僕がなんとかしておくから」
リアムは元々裏で動く人間だ。
素顔が見られたらまずい。
誰か他の人が来る前に退散させておくべきだろう。
リアムたちは僕に礼をすると、出口へと走っていった。
――――さて、どうしようか。
部屋の地面には夜空が広がっている。
綺麗な景色だが、見とれている場合じゃない。
その景色を作り出しているルーシー。
あの様子だと、正気を失っている。
大量の魔力を感じるから、魔力を奪って、暴走を抑えた方がいいか。
「あんた、誰だ?」
そう尋ねてきたのはカイル。
彼は拘束させておいたはずだが、拘束はとけていた。
警戒されているな。
でも、邪魔をしないでほしい。
僕はルーシーの暴走を止めたいだけだから。
「お前、ルーシーを助けたいんだろ?」
「え?」
「だから、どいてくれ」
僕はカイルを退けさせ、ルーシーへと近づく。
「大丈夫だよ、ルーシー。僕がいるから」
僕はルーシーを抱きしめ、そして、彼女の魔力を奪う。
しかし、予想以上に魔力があり、一瞬びっくりしてしまう。
…………うーん。
ルーシー、結構魔力を持ってるな。
奪い切れるかな?
そんな心配があったが、意外と魔力は奪えた。
徐々に地面に広がっていた綺麗な夜空は消えていく。
大風も感じなくなった。
魔力を奪いきると、ルーシーはふらっと意識がなくなる。
僕はその彼女の体を支え、そして、地面にそっと寝かせた。
暴走のせいで、ルーシーの髪は乱れ、服もボロボロ。
ごめんね、ルーシー。
こんなふうにさせちゃって。
「ねぇ、これどういうこと?」
背後から問いかけてきたのはカイル。
彼はかなり苛立っているようだった。
「なぜあんたたちは僕らを攫ったんだ?」
「…………」
それはルーシーをアストレア王国に転送するため。
僕と一緒に暮らして、幸せになってもらうためだよ。
しかし、そんなことを彼に話せない。話すことなんてできない。
黙ったままでいると、遠くの方から声が聞こえてきた。
「あっちから! あっちから! ルーシー様を感じたんです! 私、確かに感じたんです!」
「……なんだ、そのスピリチュアル的な発言は。怪しすぎる占い師みたいだな」
徐々に近づいてくる複数の声。
その声は聞き覚えのあるものだった。
ムーンセイバー王国の王国の兵士……ではないな。
聞いたことがある声だから、攻略対象者だ。
3人ぐらいだから、きっとルーシーの近くにいたあの3人だろう。
「話は戻るけど、さっきの光の魔法って、もしかしてルーシー様を誘拐した犯人だったりしてね……って、あれっ? あなた、カイルじゃない。なんでそんなところにいるの?」
そんな声とともに、その声の主の姿が見えた。
ぽっかり天井に空いた穴から顔を覗き込んでいたのは、リリーにエドガー、そしてキーラン。
「もしかして、さっき放ったのってカイル?」
「いや、違う。ルーシーだよ」
「えっ!? 姉さんがやったの!? てか、姉さんがそこにいるの!?」
ああ。
ごちゃごちゃうるさい。
静かにしてほしい。
ルーシーが眠ってるのだから。
すると、攻略対象者の1人が僕に話しかけてきた。
「ねぇ、そこの人。姉さんから離れてくれない?」
別にいいじゃないか。
君たちはいつだってルーシーの近くにいれるのだから。
僕は今は彼女の近くにはいれない。ずっと一緒には、まだなれない。
すると、多数の足音も聞こえてきた。
…………ああ、騎士団も駆けつけてきたのか。
まぁ、転移魔法を使えるし、逃げるのは容易だから、気にする必要もない。
それよりも。
ルーシーをアストレア王国に連れていけなかった。
しかも暴走なんてさせてしまった。
本当にごめんね。ルーシー。
「お前……何者だ」
誰かがそう尋ねてきた。
だが、僕は答えない。面倒だった。
「ルーシーから離れろ」
そう言われて、僕はようやく立ち上がる。
そして、周囲を確認し、彼を見た。
ルーシーと同じ銀髪の弟、キーラン。
僕が一番変わりたいルーシーの義弟。
ルーシーと同じ家に住んで、毎日顔を合わせて。
最高のポジション。
そんな彼に対し、真っすぐに指をさし。
「お前を恨む」
そう言って、僕はその場を去った。
★☽★☽★☽★☽
アストレア王国に帰って、僕は作戦について振り返っていた。
計画に関しては問題はなく、誘拐するまでは順調だった。
「でも、まさかルーシーが暴走するなんて」
ゲームではこんなことなかった。
少なくとも、無印の方ではなかった。
続編でも、ルーシーが魔法を使うことがあっても暴走なんてない。
『私はあなたたちの邪魔をするわ』
彼女は以前そう言った。
ルーシーが暴走したのは、アースも言ってたように、あの女神のせい。
「アース。ちょっとあのクソ女神に会いにいってくる」
「えー? どうやって会うのさー?」
「寝たら会えるだろ。だから、そこのソファを借りるな」
★★★★★★★★
ソファに寝転がり、目を閉じる。
そして、女神に会えるように念じる。
気づけば、白い世界にいた。
「何? 突然呼び出して」
不満げに女神はそう言った。
いつもなら、立っている彼女。
しかし、今日は地べたに寝転がっている。
そのためか、気品さはない。
どっかの仏像に似ている寝姿だった。
僕は立ち上がり、彼女に問う。
「なぜあんなことをした? なぜルーシーを暴走させた?」
「そんな理由分かるでしょ? 私、言ったはずなんだけど」
寝転がっている女神はうっとおしそうにこちらをみる。
「いや、言ってない」
「いいえ、言った。私は確かに言ったの」
女神はパチンっと指を鳴らす。
すると、白い世界ががらりと変わった。
僕らは空の上にいた。
足元には、ムーンセイバー王国の街が広がっている。
「私の気分次第ではあなたの邪魔をするって、ちゃんと言ったわよ。だから——」
「今回、邪魔したって言うのか」
ルーシーを使って。
「ええ。それが私の仕事だと思うもの」
怒鳴り散らしたくなる思いをぐっとこらえ、女神に問う。
「だからって、ルーシーを使って邪魔することないだろ。僕らに直接邪魔をすればいいじゃないか」
「直接邪魔をしたら、あのアースがちゃんと対処するかもしれないじゃない。あの子だけは私の力関係なしに好き勝手するのよ。だから、ルーシーちゃんの能力をちょっとだけいじったの。それならアースもきっと対処できないだろうと思ったのよ」
だからって、ルーシーを暴走させるなんて。
能力の暴走はかなり体に負担がかかる。
「あんたは僕の邪魔のためなら、何だってするのか」
「ええ。なんだってするわ」
「……なら、場合によっては、あんたの気分次第で僕らは殺されるって言うのか」
「私は殺さないわよーん。そんなことしたって意味がないもの。私の願いが破綻するもの」
「ハッ、あんたみたいなやつにも願い事があるのかよ」
神なんてなんだってできるっていうのに、願い事とか。
全く、どこまで傲慢なんだよ。
僕はいら立ちを隠すことなどできず、歯ぎしりをしてしまう。
「神様みーんな、願い事があるわよ? そのためにこうしているんだもの。まぁ? 私はまだマシな願い事を持つ神様だとは思うけど」
クソ女神は何がおかしいのか、フフフと笑った。
「さっきも言ったけど、私の仕事は邪魔することだと思うから。だから、せいぜい頑張って」
「ルーシーを利用した邪魔をするな。邪魔をするなら僕たちに直接邪魔をしろ」
そう言ったが、女神からの返事はなかった。
急に立ち上がり、そう言ったアース。
なぜか、彼は不気味な笑みを浮かべていた。
「ババア? お前のばーちゃんのこと?」
ばーちゃんが動くのは良いことじゃん。
元気な証拠じゃん。まずくないじゃん。
そう思っていたが、アースは首を横に振った。
「違うよー。女神のことだよー。今、リアムの未来を見ていたんだけど、ルーシーが暴走する未来が見えたー」
「ルーシーが暴走? どういうこと?」
「うーん。詳しいことは分からないけど、僕の予測だと、女神がルーシーの聖女の力を暴走させたんじゃないかなと思うー」
確かに女神から邪魔をするとは聞いていた。
でも、まさかルーシーを暴走させて、僕らの計画を頓挫させようとするとは。
「……分かった。ちょっとリアムのところ行ってくる」
僕はいつもの白コートを取り、転移魔法で移動。
急いでリアムのところへ向かう。
しかし、到着した頃には、地下の部屋は。
「は?」
大風が吹いていた。
天井にはぽっかり穴が開いている。
その部屋の中央にはルーシーがいた。
でも、彼女はゲームで見たような姿ではない。
髪は乱れ、白目は黒く、瞳は真っ白。
まるで怪物のよう。
「なんで、あんたがここに……」
実行を任せていたリアムは動揺しているのか、冷静に動けていないようだった。
らしくない。
けど、彼女が暴走するとは思ってなかったから当たり前といえば当たり前か。
「お前ら、さっさと逃げな。ここは僕がなんとかしておくから」
リアムは元々裏で動く人間だ。
素顔が見られたらまずい。
誰か他の人が来る前に退散させておくべきだろう。
リアムたちは僕に礼をすると、出口へと走っていった。
――――さて、どうしようか。
部屋の地面には夜空が広がっている。
綺麗な景色だが、見とれている場合じゃない。
その景色を作り出しているルーシー。
あの様子だと、正気を失っている。
大量の魔力を感じるから、魔力を奪って、暴走を抑えた方がいいか。
「あんた、誰だ?」
そう尋ねてきたのはカイル。
彼は拘束させておいたはずだが、拘束はとけていた。
警戒されているな。
でも、邪魔をしないでほしい。
僕はルーシーの暴走を止めたいだけだから。
「お前、ルーシーを助けたいんだろ?」
「え?」
「だから、どいてくれ」
僕はカイルを退けさせ、ルーシーへと近づく。
「大丈夫だよ、ルーシー。僕がいるから」
僕はルーシーを抱きしめ、そして、彼女の魔力を奪う。
しかし、予想以上に魔力があり、一瞬びっくりしてしまう。
…………うーん。
ルーシー、結構魔力を持ってるな。
奪い切れるかな?
そんな心配があったが、意外と魔力は奪えた。
徐々に地面に広がっていた綺麗な夜空は消えていく。
大風も感じなくなった。
魔力を奪いきると、ルーシーはふらっと意識がなくなる。
僕はその彼女の体を支え、そして、地面にそっと寝かせた。
暴走のせいで、ルーシーの髪は乱れ、服もボロボロ。
ごめんね、ルーシー。
こんなふうにさせちゃって。
「ねぇ、これどういうこと?」
背後から問いかけてきたのはカイル。
彼はかなり苛立っているようだった。
「なぜあんたたちは僕らを攫ったんだ?」
「…………」
それはルーシーをアストレア王国に転送するため。
僕と一緒に暮らして、幸せになってもらうためだよ。
しかし、そんなことを彼に話せない。話すことなんてできない。
黙ったままでいると、遠くの方から声が聞こえてきた。
「あっちから! あっちから! ルーシー様を感じたんです! 私、確かに感じたんです!」
「……なんだ、そのスピリチュアル的な発言は。怪しすぎる占い師みたいだな」
徐々に近づいてくる複数の声。
その声は聞き覚えのあるものだった。
ムーンセイバー王国の王国の兵士……ではないな。
聞いたことがある声だから、攻略対象者だ。
3人ぐらいだから、きっとルーシーの近くにいたあの3人だろう。
「話は戻るけど、さっきの光の魔法って、もしかしてルーシー様を誘拐した犯人だったりしてね……って、あれっ? あなた、カイルじゃない。なんでそんなところにいるの?」
そんな声とともに、その声の主の姿が見えた。
ぽっかり天井に空いた穴から顔を覗き込んでいたのは、リリーにエドガー、そしてキーラン。
「もしかして、さっき放ったのってカイル?」
「いや、違う。ルーシーだよ」
「えっ!? 姉さんがやったの!? てか、姉さんがそこにいるの!?」
ああ。
ごちゃごちゃうるさい。
静かにしてほしい。
ルーシーが眠ってるのだから。
すると、攻略対象者の1人が僕に話しかけてきた。
「ねぇ、そこの人。姉さんから離れてくれない?」
別にいいじゃないか。
君たちはいつだってルーシーの近くにいれるのだから。
僕は今は彼女の近くにはいれない。ずっと一緒には、まだなれない。
すると、多数の足音も聞こえてきた。
…………ああ、騎士団も駆けつけてきたのか。
まぁ、転移魔法を使えるし、逃げるのは容易だから、気にする必要もない。
それよりも。
ルーシーをアストレア王国に連れていけなかった。
しかも暴走なんてさせてしまった。
本当にごめんね。ルーシー。
「お前……何者だ」
誰かがそう尋ねてきた。
だが、僕は答えない。面倒だった。
「ルーシーから離れろ」
そう言われて、僕はようやく立ち上がる。
そして、周囲を確認し、彼を見た。
ルーシーと同じ銀髪の弟、キーラン。
僕が一番変わりたいルーシーの義弟。
ルーシーと同じ家に住んで、毎日顔を合わせて。
最高のポジション。
そんな彼に対し、真っすぐに指をさし。
「お前を恨む」
そう言って、僕はその場を去った。
★☽★☽★☽★☽
アストレア王国に帰って、僕は作戦について振り返っていた。
計画に関しては問題はなく、誘拐するまでは順調だった。
「でも、まさかルーシーが暴走するなんて」
ゲームではこんなことなかった。
少なくとも、無印の方ではなかった。
続編でも、ルーシーが魔法を使うことがあっても暴走なんてない。
『私はあなたたちの邪魔をするわ』
彼女は以前そう言った。
ルーシーが暴走したのは、アースも言ってたように、あの女神のせい。
「アース。ちょっとあのクソ女神に会いにいってくる」
「えー? どうやって会うのさー?」
「寝たら会えるだろ。だから、そこのソファを借りるな」
★★★★★★★★
ソファに寝転がり、目を閉じる。
そして、女神に会えるように念じる。
気づけば、白い世界にいた。
「何? 突然呼び出して」
不満げに女神はそう言った。
いつもなら、立っている彼女。
しかし、今日は地べたに寝転がっている。
そのためか、気品さはない。
どっかの仏像に似ている寝姿だった。
僕は立ち上がり、彼女に問う。
「なぜあんなことをした? なぜルーシーを暴走させた?」
「そんな理由分かるでしょ? 私、言ったはずなんだけど」
寝転がっている女神はうっとおしそうにこちらをみる。
「いや、言ってない」
「いいえ、言った。私は確かに言ったの」
女神はパチンっと指を鳴らす。
すると、白い世界ががらりと変わった。
僕らは空の上にいた。
足元には、ムーンセイバー王国の街が広がっている。
「私の気分次第ではあなたの邪魔をするって、ちゃんと言ったわよ。だから——」
「今回、邪魔したって言うのか」
ルーシーを使って。
「ええ。それが私の仕事だと思うもの」
怒鳴り散らしたくなる思いをぐっとこらえ、女神に問う。
「だからって、ルーシーを使って邪魔することないだろ。僕らに直接邪魔をすればいいじゃないか」
「直接邪魔をしたら、あのアースがちゃんと対処するかもしれないじゃない。あの子だけは私の力関係なしに好き勝手するのよ。だから、ルーシーちゃんの能力をちょっとだけいじったの。それならアースもきっと対処できないだろうと思ったのよ」
だからって、ルーシーを暴走させるなんて。
能力の暴走はかなり体に負担がかかる。
「あんたは僕の邪魔のためなら、何だってするのか」
「ええ。なんだってするわ」
「……なら、場合によっては、あんたの気分次第で僕らは殺されるって言うのか」
「私は殺さないわよーん。そんなことしたって意味がないもの。私の願いが破綻するもの」
「ハッ、あんたみたいなやつにも願い事があるのかよ」
神なんてなんだってできるっていうのに、願い事とか。
全く、どこまで傲慢なんだよ。
僕はいら立ちを隠すことなどできず、歯ぎしりをしてしまう。
「神様みーんな、願い事があるわよ? そのためにこうしているんだもの。まぁ? 私はまだマシな願い事を持つ神様だとは思うけど」
クソ女神は何がおかしいのか、フフフと笑った。
「さっきも言ったけど、私の仕事は邪魔することだと思うから。だから、せいぜい頑張って」
「ルーシーを利用した邪魔をするな。邪魔をするなら僕たちに直接邪魔をしろ」
そう言ったが、女神からの返事はなかった。
0
お気に入りに追加
151
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる