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第1章 出会い編
14 お茶会へ 後編
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くせのある紺色の髪に、鋭い灰色の瞳を持つ少年。
あれは…………まさか第3王子のエドガー王子?
彼に気づくと、私はさっと立ち上がり一礼。
隣のリリーもすぐに礼をしていた。
「お初にお目にかかります、殿下。私はルーシーと申します」
「ああ、お前のことは知ってる。ライアンの婚約者だからな…………リリーもここにいたのか」
リリーはコクリとうなづく。
最近、社交界の情報を耳にしていなかったので、私は思わず首を傾げる。
うそ。彼とリリーは面識済みなの?
「それでお前たちはこんなところで何をしていたんだ?」
「彼女と少しおしゃべりをしていました」
エドガーは「ふーん」と呟く。
そして、彼はベンチに置いた薔薇の方に目を向けた。
「ここの庭の薔薇は春に咲くのだが、その薔薇は?」
「リリー様が魔法で作ってくださったのです」
「ふーん」
すると、エドガーはベンチに座った。
「ルーシーもここに座らないか?」
「へ?」
彼はそんなことを言って、隣をトントンと叩く。
………………なんだ、この馴れ馴れしいエドガーは。
ゲームでのエドガーはもっとこう、ツンツンしていたはず。
そんでもって、たまにヒロインにデレを見せていた。
そう。
ゲームでのエドガーは王道ツンデレ。ツンデレ王子だった。
ヒロインちゃんの対応とは打って変わって、ルーシーに対してはめちゃくちゃ冷たく当たっていたような気がする。
プレイ中は正直彼の対応の仕方にすっきりしていたところがあった。
ルーシー邪魔で仕方がなかったからね。
しかし、目の前のエドガーはどこか妙に馴れ馴れしさを感じた。
子どもだからなのかな?
これからツンツンしてくるのだろうか。
………………あー!
彼、まだ思春期を迎えていないんだわ!
だから、まだ反抗的な態度じゃないのね!
なるほど。これから思春期に突入するんだわ。
なんて考えながら、私が突っ立ったままでいると、まだトントンと隣を叩くエドガー。
まぁ、王子のお願いを断るわけにもいかないよね…………。
「では、失礼します」
私は大人しくエドガーの隣に座った。
「せっかくだし、俺の魔法でも見るか?」
「へ?」
突然そんなことを言いだしたエドガー。
見せびらかしたいのかな?
…………やっぱり子どもね。
エドガーの得意魔法が何か忘れてしまった私。
彼の魔法がどんなものか見たかったので、彼の意見に同意しようとしたのが。
私が話し始める前に、リリーが先に口を開いてた。
「主催者である殿下は早く戻らなくてはならないのでは? 多くのご令嬢がお待ちしているかと思いますよ」
リリーは笑みを浮かべていたのだが、その言葉にはどこか棘があった。
そう言われたエドガーも黙っておらず。
「それを言うのなら、侯爵令嬢の方も待っている方がいるんじゃないのか?」
「アハハ、私を待っている方などいませんよ」
そう言いあって、フフフと笑う2人。
何、この険悪な雰囲気……………………。
2人の間に挟まれた私はどこか落ち着かない雰囲気が感じ取れた。
立っていたリリーは空いていた私の右隣に座る。彼女とはゼロ距離になっていた。
その瞬間、エドガーの舌打ちが聞こえた。
「ルーシー、もっとこっちによって座れ」
「あ、はい」
「いいのですか、殿下。そんなに近づいて。お兄様に怒られません?」
「………………いいんだ。お前に近づけておく方がまずい予感がする」
なんの話をしているのか、私にはさっぱりだった。
かといって、こんな不穏な空気を前に、私はもちろん何も口を挟むことができず、2人の様子を窺うだけ。
隣の2人の目は決して笑っていない。
しかし、険悪な雰囲気のわりには、2人とも相変わらず笑みを浮かべていた。
……………………あ。この2人ってまさかできてるの?
面識していたみたいだったし、ありえる話ではある。
私は一応2人の様子をもう1回確認。
どうやら2人は私のことも見ているようだった。
ほう………………睨まれているのは私だったか。
じゃあ、私を2人のお邪魔虫になってる?
それでさっきから2人は遠回しに私が邪魔だ、と言っていたのかも?
その場を去ろうと、私は立ち上がる。
すると、2人はなぜか首を傾げていた。
「おい?」「え? ルーシー様?」
「お2人がそういう仲だとは知らずに…………大変失礼しました。お邪魔虫ルーシーは退散いたします」
私は2人に一礼をし、背を向け歩き出す。
その瞬間、両腕をグイっと掴まれた。
「ルーシー様! 誤解です!」「違うんだ!」
後ろを見ると、腕を掴んでいたのはリリーとエドガー。
2人は私を必死に呼び止めていた。
え?
なんで2人が私の腕を掴んでいるの?
首を傾げていると、リリーが説明してくれた。
「私はルーシー様とお話したくてここに来たのです。その……私と殿下はルーシー様がお考えなさるような関係ではありません」
「え?」
あれ?
そうなの?
エドガーの方を見ると、彼もうんうんと頷いていた。
なんだ。私、勘違いしてたのか。
睨まれていると思うと、怖かったよ。
「……私、普段お茶会に参加しないのですが、ルーシー様がいらっしゃると思って、参加したのです!」
「お、俺もだ! お前、ライアンのところに全然来ないから……でも一度は会ってみたいと思って、普段しないお茶会をライアンとともに開催したんだ!」
「そうだったのですか……」
確かにリリーは人見知りでお茶会は滅多に出ないと聞いていたし、何もかも諦めた私はライアンと会う気がせず、王城にも足を運ばなかった。
リリーとエドガーは中央を開けるように座る。
「さぁ、座ってくださいませ! ルーシー様! もう少しお話ましょう!」
「奇妙な噂を聞くお前とは少し話してみたかったんだ! 隣に座ってくれ!」
奇妙な噂って……え、何だろう?
それだけはちゃんと聞いておきたいんだけど。
「で、では3人でお話しましょうか」
もしかしたら、あんな人が多い場所でじっとしているよりも、この2人と話している方が面白いかもしれない。そう判断した私は2人の間に座る。
そして、結局私はお茶会が終わるまで、その2人とおしゃべりしていたのだった。
あれは…………まさか第3王子のエドガー王子?
彼に気づくと、私はさっと立ち上がり一礼。
隣のリリーもすぐに礼をしていた。
「お初にお目にかかります、殿下。私はルーシーと申します」
「ああ、お前のことは知ってる。ライアンの婚約者だからな…………リリーもここにいたのか」
リリーはコクリとうなづく。
最近、社交界の情報を耳にしていなかったので、私は思わず首を傾げる。
うそ。彼とリリーは面識済みなの?
「それでお前たちはこんなところで何をしていたんだ?」
「彼女と少しおしゃべりをしていました」
エドガーは「ふーん」と呟く。
そして、彼はベンチに置いた薔薇の方に目を向けた。
「ここの庭の薔薇は春に咲くのだが、その薔薇は?」
「リリー様が魔法で作ってくださったのです」
「ふーん」
すると、エドガーはベンチに座った。
「ルーシーもここに座らないか?」
「へ?」
彼はそんなことを言って、隣をトントンと叩く。
………………なんだ、この馴れ馴れしいエドガーは。
ゲームでのエドガーはもっとこう、ツンツンしていたはず。
そんでもって、たまにヒロインにデレを見せていた。
そう。
ゲームでのエドガーは王道ツンデレ。ツンデレ王子だった。
ヒロインちゃんの対応とは打って変わって、ルーシーに対してはめちゃくちゃ冷たく当たっていたような気がする。
プレイ中は正直彼の対応の仕方にすっきりしていたところがあった。
ルーシー邪魔で仕方がなかったからね。
しかし、目の前のエドガーはどこか妙に馴れ馴れしさを感じた。
子どもだからなのかな?
これからツンツンしてくるのだろうか。
………………あー!
彼、まだ思春期を迎えていないんだわ!
だから、まだ反抗的な態度じゃないのね!
なるほど。これから思春期に突入するんだわ。
なんて考えながら、私が突っ立ったままでいると、まだトントンと隣を叩くエドガー。
まぁ、王子のお願いを断るわけにもいかないよね…………。
「では、失礼します」
私は大人しくエドガーの隣に座った。
「せっかくだし、俺の魔法でも見るか?」
「へ?」
突然そんなことを言いだしたエドガー。
見せびらかしたいのかな?
…………やっぱり子どもね。
エドガーの得意魔法が何か忘れてしまった私。
彼の魔法がどんなものか見たかったので、彼の意見に同意しようとしたのが。
私が話し始める前に、リリーが先に口を開いてた。
「主催者である殿下は早く戻らなくてはならないのでは? 多くのご令嬢がお待ちしているかと思いますよ」
リリーは笑みを浮かべていたのだが、その言葉にはどこか棘があった。
そう言われたエドガーも黙っておらず。
「それを言うのなら、侯爵令嬢の方も待っている方がいるんじゃないのか?」
「アハハ、私を待っている方などいませんよ」
そう言いあって、フフフと笑う2人。
何、この険悪な雰囲気……………………。
2人の間に挟まれた私はどこか落ち着かない雰囲気が感じ取れた。
立っていたリリーは空いていた私の右隣に座る。彼女とはゼロ距離になっていた。
その瞬間、エドガーの舌打ちが聞こえた。
「ルーシー、もっとこっちによって座れ」
「あ、はい」
「いいのですか、殿下。そんなに近づいて。お兄様に怒られません?」
「………………いいんだ。お前に近づけておく方がまずい予感がする」
なんの話をしているのか、私にはさっぱりだった。
かといって、こんな不穏な空気を前に、私はもちろん何も口を挟むことができず、2人の様子を窺うだけ。
隣の2人の目は決して笑っていない。
しかし、険悪な雰囲気のわりには、2人とも相変わらず笑みを浮かべていた。
……………………あ。この2人ってまさかできてるの?
面識していたみたいだったし、ありえる話ではある。
私は一応2人の様子をもう1回確認。
どうやら2人は私のことも見ているようだった。
ほう………………睨まれているのは私だったか。
じゃあ、私を2人のお邪魔虫になってる?
それでさっきから2人は遠回しに私が邪魔だ、と言っていたのかも?
その場を去ろうと、私は立ち上がる。
すると、2人はなぜか首を傾げていた。
「おい?」「え? ルーシー様?」
「お2人がそういう仲だとは知らずに…………大変失礼しました。お邪魔虫ルーシーは退散いたします」
私は2人に一礼をし、背を向け歩き出す。
その瞬間、両腕をグイっと掴まれた。
「ルーシー様! 誤解です!」「違うんだ!」
後ろを見ると、腕を掴んでいたのはリリーとエドガー。
2人は私を必死に呼び止めていた。
え?
なんで2人が私の腕を掴んでいるの?
首を傾げていると、リリーが説明してくれた。
「私はルーシー様とお話したくてここに来たのです。その……私と殿下はルーシー様がお考えなさるような関係ではありません」
「え?」
あれ?
そうなの?
エドガーの方を見ると、彼もうんうんと頷いていた。
なんだ。私、勘違いしてたのか。
睨まれていると思うと、怖かったよ。
「……私、普段お茶会に参加しないのですが、ルーシー様がいらっしゃると思って、参加したのです!」
「お、俺もだ! お前、ライアンのところに全然来ないから……でも一度は会ってみたいと思って、普段しないお茶会をライアンとともに開催したんだ!」
「そうだったのですか……」
確かにリリーは人見知りでお茶会は滅多に出ないと聞いていたし、何もかも諦めた私はライアンと会う気がせず、王城にも足を運ばなかった。
リリーとエドガーは中央を開けるように座る。
「さぁ、座ってくださいませ! ルーシー様! もう少しお話ましょう!」
「奇妙な噂を聞くお前とは少し話してみたかったんだ! 隣に座ってくれ!」
奇妙な噂って……え、何だろう?
それだけはちゃんと聞いておきたいんだけど。
「で、では3人でお話しましょうか」
もしかしたら、あんな人が多い場所でじっとしているよりも、この2人と話している方が面白いかもしれない。そう判断した私は2人の間に座る。
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