25 / 87
第1章 約束と再会編
第25話 「好き」って
しおりを挟む
課外授業を終えた後の休み時間。
私はマナミ様に手を引かれ、図書館に来ていた。
マナミ様が「後で着替えればいいじゃない」と言うので、服は運動着のまま。
私と同じく運動着のマナミ様は、茶色の髪を揺らし、私の手を引いてずかずか廊下を歩いていく。
どうやら、マナミ様は私に渡したいものがあるのだとか。
ペンダントをあげるとかなんとか言われたけど、なぜにペンダントなのだろう?
そんな疑問を持ちながらも、私はマナミ様とともに図書館の階段を上っていく。
そして、4階のやけに分厚い本が多い本棚の前に行くと、マナミ様は1冊の本を手に取った。
だが、それを開いて読むことはなく。
「エレシュキガル、あなたにはこのペンダントをあげるわ」
そう言って、マナミ様がポケットから出し渡してきたのは黒のペンダント。
「ありがとうございます」
私は両手でそっと受け取る。
受け取った黒のペンダントは意外と重みがあり、金属でできているのかひんやりとしていた。
ペンダントの表面には、金で4つの刃がある武器と東の国の花が描かれている。
これが私に渡したかったペンダントなのだろうか……?
「エレシュキガル、そのペンダントをそこのくぼみにはめ込んでみて」
「くぼみ……ですか?」
マナミ様は本をのけた空間を顎で指す。
その奥を覗くと、ペンダントと同じ大きさのくぼみがあった。
ここにペンダントをはめたらいいのかしら。
私は言われた通りペンダントをはめてみる。
すると、ごごぉーと隣から音がした。
隣を見ると、本棚が移動し下へと続く階段が出現。
「この本を取って、渡したペンダントをくぼみにはめこんだら、隣の本棚が動いて階段が出現するの」
「すごい機能ですね。これはマナミ様がお作りに?」
「ええ。もちろん、学園には許可はもらっているわ」
ははぁ……1人でこの仕組みをお作りになれるとは、やはり秀才なお方だ。
「じゃあ、行きましょうか。私の地下室へ」
そうして、マナミ様の案内を受け、私は階段を下りていく。
最下階まで来ると、大きな両開きで白のドアが見えた。
「わぁ……」
そのドアにはペンダントに描かれていたものと同じような東の国の花の金装飾が施されており、私は思わず感嘆の声を漏らしていた。
風が吹いていると錯覚するぐらいに、綺麗に花散る様子が描かれている。
描かれている花は東の国のもの。だが、花に詳しくない私には名前が分からない。
あの花はなんという名前なのだろう。気になるな。
マナミ様がドアノブの装飾の宝石に触れると、その装飾が青く光った。
しかし、装飾部分は光るだけでなく、模様を変えていき、咲き誇った花の木の絵から、流れる水の文様へと変化。
すごい……まさか絵が動くなんて。
魔法術式が組み込まれているのだろうか。
ドアの仕様にワクワクしていると、マナミ様が解説をしてくれた。
「この水模様は私がこの部屋にいるって証拠なの。さっきのお花は私を待っている暇つぶしに見ててほしいと思って作ったのよ」
なるほど、そういう理由で作られていたのか。
マナミ様のおもてなし心はとても素晴らしいものだなぁ。
「あの、マナミ様。先ほどのお花は何というお名前なのでしょうか?」
「サクラよ。綺麗でしょ」
「はい、とっても綺麗です。ずっと見て居たかったです」
そう言うと、ふふふとマナミ様は笑みをこぼす。
「気に入ってもらえてよかったわ。じゃあ、中に入りましょうか」
「はい」
マナミ様に案内されたその部屋には積み重なった分厚い本。
置かれている本の種類はバラバラで、図鑑とか小説とか古びた教科書とかがあった。
マナミ様は積み重なった本たちを器用に避けて、部屋の奥へと向かう。
「エレシュキガルはそこのソファにでも座ってて」
「マナミ様はどちらに?」
「お茶とかお菓子を持ってくるわ」
そう言って、ルンルン気分で、マナミ様は奥の部屋に消えていく。
下手に動くと本の山脈を倒すかもと思い、私は座ってじっと待っていると、一時してマナミ様がお盆を持って戻ってきた。
お盆の上には東の国のティーセットと六角形の入れ物。
ティーカップは私たちの国――グレックスラッド王国のものとは異なり、取っ手がない。ティーポットのデザインも東の国らしいものとなっていた。
マナミ様はそれらを机に置き、私の前に一つのコップと六角形の紙の入れ物を私の前に置いた。
この入れ物はなんだろう……。
「マナミ様、この入れ物は?」
「そこにお菓子が入ってるの。開けてみて」
私は開けてみると、入っていたのは色とりどりの凸凹の突起を持つ球状のもの。
色もピンクや緑、黄色と様々で宝石のように輝いていた。
……これはお菓子なのだろうか? 初めて見たわ。
「マナミ様、これはどういったお菓子ですか? 初めて見ました」
「コンペイトウっていう私の国のお菓子。キャンディみたいなものよ。どうぞ食べてみて」
そう言って、マナミ様は私のコップにお茶を注ぐ。
マナミ様がお茶を入れ終わるのを待とうと思っていたが、彼女が「先に食べちゃって大丈夫よ」と言ってきたので、私はピンク色のコンペイトウを1つ口に入れてみる。
「――――わっ」
その瞬間、口の中で桃の味がふんわりと広がる。
甘くて透明感のあるピーチ。
コンペイトウを口の中で転がすたびに、口に桃が溢れる。
「このコンペイトウ、とっても美味しいです」
「それはよかったわ」
色がついているだけと思っていたけど、ちゃんと味もあるなんて。
他の色のものはどんなフレーバーなのだろう。
そうして、温かいお茶をともに、ほいほいコンペイトウを口に入れていると、気づけば半分ほど食べていた。
マナミ様の分を残しておこうかなと考えていたが、マナミ様が「私は飽きるほど食べてるからエレシュキガルが全部食べちゃって大丈夫よ」と言ってくださったので、言葉に甘えて私は全ていただいた。
うん、コンペイトウ……とても美味だった。
東の国の他のお菓子について詳しく聞きたいところだが、その前に。
「あのマナミ様」
「なに?」
「マナミ様はなぜ私をここに?」
人との関わりを避け、表に滅多に姿を現すことのないマナミ様。
そんな彼女が会ったばかりの私を、自室に入れた。
何か用があるとしか思えないのだけど……。
すると、マナミ様はコップを片手にフッと笑みを漏らした。
「特に用とかはないわ。ただあなたとちゃんと話をしたかったのよ」
「話ですか?」
話ってなんだろう。
と思いつつ、コップを取り、私はお茶を飲む。
「ええ。まぁ、話と言っても、私があなたに聞きたいことがあるだけ……ねぇ、エレシュキガルはアーサーのことをどう思ってるの?」
「ごほっ」
マナミ様の突然の質問に、お茶を飲んでいた私は思わずむせてしまう。
「ど、ど、どうとは?」
「エレシュキガルはアーサーが好き?」
「それは……恋愛的な意味合いでしょうか」
「ええ。あなたにとって、アーサーは恋愛対象にならないのかなと思って」
なぜ急にそんなことを聞いてくるの……。
「……私のような者がアーサー様を恋愛対象として見るのは、大変恐れ多いです」
「でも、アーサーはエレシュキガルのことが好きだって言っているのでしょ?」
「言われましたが、あれは冗談で……」
そう。私をからかっているだけで……。
「アーサーは『本気だ』と言ったのでしょ。それなら、冗談じゃないと思う」
「そうでしょうか?」
「ええ、そうよ。だって、『本気だ』なんて本気な時にしか言わないでしょう。冗談なら、あいつは『本気だ』なんて言わずに冗談だけ言って笑ってるわ」
アーサー様と付き合いの長いマナミ様が言うのなら、きっとそうなのかもしれない……本気で私に「好き」とか「愛してる」とか言ったのかもしれないけど……。
でも、もし、その言葉が本物でアーサー様が私を好いていたとしても、いつそのようなきっかけがあったのだろう?
私と彼が出会って1ヶ月ぐらいしか経っていない。
その短い期間に、私がアーサー様に好かれるような出来事があっただろうか。
私は目をつぶって頑張って過去を振り返るが、ピンとくる出来事はない。
うーん、一体私のどこを好きになったのだろうか。分からないな。
「まぁ、もしエレシュキガルが嫌なら、アーサーにはっきりそう伝えるべきね。『私は友人関係でいたい』って。でも、そうじゃないのなら、彼のこともう少し考えてもいいんじゃない?」
「……私なんかがアーサー様のことを思ってもいいのでしょうか?」
「ええ、いいと思うわよ」
もし、もしだ。
アーサー様が私のことを好いていらして、彼が私を必要とするのなら、彼の命令のままに……。
なんてことを考えていると、マナミ様が。
「あ、でも、一番大切なのは『あなたがどう思っているか』だから。アーサーが好きだって言っているからって流されないように」
と言ってきた。
私がどう思っているか、か。
そういえば、私ってアーサー様をどう思っているの?
優しい人……とは思っているけど、恋愛的な意味での好意があるかどうか分からない。
アーサー様が変なことを言ったり、ちょっかいかけてきたりするから、照れちゃう時もあるけれど、私にアーサー様に対する『好き』という感情があるかどうかが怪しい。
そもそも、恋愛的な『好き』ってなんだろう。
友人に対する好意とは何が違うのだろう。
そのことを考えだした途端、よくわからなくなり、頭がぐるぐる。目もぐるぐる。
「マナミ様。私には難解な気がします……」
「ふふふっ。まぁ、じっくり考えなさいな。アイツはずっと待っていてくれるわ」
私はマナミ様に手を引かれ、図書館に来ていた。
マナミ様が「後で着替えればいいじゃない」と言うので、服は運動着のまま。
私と同じく運動着のマナミ様は、茶色の髪を揺らし、私の手を引いてずかずか廊下を歩いていく。
どうやら、マナミ様は私に渡したいものがあるのだとか。
ペンダントをあげるとかなんとか言われたけど、なぜにペンダントなのだろう?
そんな疑問を持ちながらも、私はマナミ様とともに図書館の階段を上っていく。
そして、4階のやけに分厚い本が多い本棚の前に行くと、マナミ様は1冊の本を手に取った。
だが、それを開いて読むことはなく。
「エレシュキガル、あなたにはこのペンダントをあげるわ」
そう言って、マナミ様がポケットから出し渡してきたのは黒のペンダント。
「ありがとうございます」
私は両手でそっと受け取る。
受け取った黒のペンダントは意外と重みがあり、金属でできているのかひんやりとしていた。
ペンダントの表面には、金で4つの刃がある武器と東の国の花が描かれている。
これが私に渡したかったペンダントなのだろうか……?
「エレシュキガル、そのペンダントをそこのくぼみにはめ込んでみて」
「くぼみ……ですか?」
マナミ様は本をのけた空間を顎で指す。
その奥を覗くと、ペンダントと同じ大きさのくぼみがあった。
ここにペンダントをはめたらいいのかしら。
私は言われた通りペンダントをはめてみる。
すると、ごごぉーと隣から音がした。
隣を見ると、本棚が移動し下へと続く階段が出現。
「この本を取って、渡したペンダントをくぼみにはめこんだら、隣の本棚が動いて階段が出現するの」
「すごい機能ですね。これはマナミ様がお作りに?」
「ええ。もちろん、学園には許可はもらっているわ」
ははぁ……1人でこの仕組みをお作りになれるとは、やはり秀才なお方だ。
「じゃあ、行きましょうか。私の地下室へ」
そうして、マナミ様の案内を受け、私は階段を下りていく。
最下階まで来ると、大きな両開きで白のドアが見えた。
「わぁ……」
そのドアにはペンダントに描かれていたものと同じような東の国の花の金装飾が施されており、私は思わず感嘆の声を漏らしていた。
風が吹いていると錯覚するぐらいに、綺麗に花散る様子が描かれている。
描かれている花は東の国のもの。だが、花に詳しくない私には名前が分からない。
あの花はなんという名前なのだろう。気になるな。
マナミ様がドアノブの装飾の宝石に触れると、その装飾が青く光った。
しかし、装飾部分は光るだけでなく、模様を変えていき、咲き誇った花の木の絵から、流れる水の文様へと変化。
すごい……まさか絵が動くなんて。
魔法術式が組み込まれているのだろうか。
ドアの仕様にワクワクしていると、マナミ様が解説をしてくれた。
「この水模様は私がこの部屋にいるって証拠なの。さっきのお花は私を待っている暇つぶしに見ててほしいと思って作ったのよ」
なるほど、そういう理由で作られていたのか。
マナミ様のおもてなし心はとても素晴らしいものだなぁ。
「あの、マナミ様。先ほどのお花は何というお名前なのでしょうか?」
「サクラよ。綺麗でしょ」
「はい、とっても綺麗です。ずっと見て居たかったです」
そう言うと、ふふふとマナミ様は笑みをこぼす。
「気に入ってもらえてよかったわ。じゃあ、中に入りましょうか」
「はい」
マナミ様に案内されたその部屋には積み重なった分厚い本。
置かれている本の種類はバラバラで、図鑑とか小説とか古びた教科書とかがあった。
マナミ様は積み重なった本たちを器用に避けて、部屋の奥へと向かう。
「エレシュキガルはそこのソファにでも座ってて」
「マナミ様はどちらに?」
「お茶とかお菓子を持ってくるわ」
そう言って、ルンルン気分で、マナミ様は奥の部屋に消えていく。
下手に動くと本の山脈を倒すかもと思い、私は座ってじっと待っていると、一時してマナミ様がお盆を持って戻ってきた。
お盆の上には東の国のティーセットと六角形の入れ物。
ティーカップは私たちの国――グレックスラッド王国のものとは異なり、取っ手がない。ティーポットのデザインも東の国らしいものとなっていた。
マナミ様はそれらを机に置き、私の前に一つのコップと六角形の紙の入れ物を私の前に置いた。
この入れ物はなんだろう……。
「マナミ様、この入れ物は?」
「そこにお菓子が入ってるの。開けてみて」
私は開けてみると、入っていたのは色とりどりの凸凹の突起を持つ球状のもの。
色もピンクや緑、黄色と様々で宝石のように輝いていた。
……これはお菓子なのだろうか? 初めて見たわ。
「マナミ様、これはどういったお菓子ですか? 初めて見ました」
「コンペイトウっていう私の国のお菓子。キャンディみたいなものよ。どうぞ食べてみて」
そう言って、マナミ様は私のコップにお茶を注ぐ。
マナミ様がお茶を入れ終わるのを待とうと思っていたが、彼女が「先に食べちゃって大丈夫よ」と言ってきたので、私はピンク色のコンペイトウを1つ口に入れてみる。
「――――わっ」
その瞬間、口の中で桃の味がふんわりと広がる。
甘くて透明感のあるピーチ。
コンペイトウを口の中で転がすたびに、口に桃が溢れる。
「このコンペイトウ、とっても美味しいです」
「それはよかったわ」
色がついているだけと思っていたけど、ちゃんと味もあるなんて。
他の色のものはどんなフレーバーなのだろう。
そうして、温かいお茶をともに、ほいほいコンペイトウを口に入れていると、気づけば半分ほど食べていた。
マナミ様の分を残しておこうかなと考えていたが、マナミ様が「私は飽きるほど食べてるからエレシュキガルが全部食べちゃって大丈夫よ」と言ってくださったので、言葉に甘えて私は全ていただいた。
うん、コンペイトウ……とても美味だった。
東の国の他のお菓子について詳しく聞きたいところだが、その前に。
「あのマナミ様」
「なに?」
「マナミ様はなぜ私をここに?」
人との関わりを避け、表に滅多に姿を現すことのないマナミ様。
そんな彼女が会ったばかりの私を、自室に入れた。
何か用があるとしか思えないのだけど……。
すると、マナミ様はコップを片手にフッと笑みを漏らした。
「特に用とかはないわ。ただあなたとちゃんと話をしたかったのよ」
「話ですか?」
話ってなんだろう。
と思いつつ、コップを取り、私はお茶を飲む。
「ええ。まぁ、話と言っても、私があなたに聞きたいことがあるだけ……ねぇ、エレシュキガルはアーサーのことをどう思ってるの?」
「ごほっ」
マナミ様の突然の質問に、お茶を飲んでいた私は思わずむせてしまう。
「ど、ど、どうとは?」
「エレシュキガルはアーサーが好き?」
「それは……恋愛的な意味合いでしょうか」
「ええ。あなたにとって、アーサーは恋愛対象にならないのかなと思って」
なぜ急にそんなことを聞いてくるの……。
「……私のような者がアーサー様を恋愛対象として見るのは、大変恐れ多いです」
「でも、アーサーはエレシュキガルのことが好きだって言っているのでしょ?」
「言われましたが、あれは冗談で……」
そう。私をからかっているだけで……。
「アーサーは『本気だ』と言ったのでしょ。それなら、冗談じゃないと思う」
「そうでしょうか?」
「ええ、そうよ。だって、『本気だ』なんて本気な時にしか言わないでしょう。冗談なら、あいつは『本気だ』なんて言わずに冗談だけ言って笑ってるわ」
アーサー様と付き合いの長いマナミ様が言うのなら、きっとそうなのかもしれない……本気で私に「好き」とか「愛してる」とか言ったのかもしれないけど……。
でも、もし、その言葉が本物でアーサー様が私を好いていたとしても、いつそのようなきっかけがあったのだろう?
私と彼が出会って1ヶ月ぐらいしか経っていない。
その短い期間に、私がアーサー様に好かれるような出来事があっただろうか。
私は目をつぶって頑張って過去を振り返るが、ピンとくる出来事はない。
うーん、一体私のどこを好きになったのだろうか。分からないな。
「まぁ、もしエレシュキガルが嫌なら、アーサーにはっきりそう伝えるべきね。『私は友人関係でいたい』って。でも、そうじゃないのなら、彼のこともう少し考えてもいいんじゃない?」
「……私なんかがアーサー様のことを思ってもいいのでしょうか?」
「ええ、いいと思うわよ」
もし、もしだ。
アーサー様が私のことを好いていらして、彼が私を必要とするのなら、彼の命令のままに……。
なんてことを考えていると、マナミ様が。
「あ、でも、一番大切なのは『あなたがどう思っているか』だから。アーサーが好きだって言っているからって流されないように」
と言ってきた。
私がどう思っているか、か。
そういえば、私ってアーサー様をどう思っているの?
優しい人……とは思っているけど、恋愛的な意味での好意があるかどうか分からない。
アーサー様が変なことを言ったり、ちょっかいかけてきたりするから、照れちゃう時もあるけれど、私にアーサー様に対する『好き』という感情があるかどうかが怪しい。
そもそも、恋愛的な『好き』ってなんだろう。
友人に対する好意とは何が違うのだろう。
そのことを考えだした途端、よくわからなくなり、頭がぐるぐる。目もぐるぐる。
「マナミ様。私には難解な気がします……」
「ふふふっ。まぁ、じっくり考えなさいな。アイツはずっと待っていてくれるわ」
0
お気に入りに追加
155
あなたにおすすめの小説
七年間の婚約は今日で終わりを迎えます
hana
恋愛
公爵令嬢エミリアが十歳の時、第三王子であるロイとの婚約が決まった。しかし婚約者としての生活に、エミリアは不満を覚える毎日を過ごしていた。そんな折、エミリアは夜会にて王子から婚約破棄を宣言される。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
婚約破棄されないまま正妃になってしまった令嬢
alunam
恋愛
婚約破棄はされなかった……そんな必要は無かったから。
既に愛情の無くなった結婚をしても相手は王太子。困る事は無かったから……
愛されない正妃なぞ珍しくもない、愛される側妃がいるから……
そして寵愛を受けた側妃が世継ぎを産み、正妃の座に成り代わろうとするのも珍しい事ではない……それが今、この時に訪れただけ……
これは婚約破棄される事のなかった愛されない正妃。元・辺境伯爵シェリオン家令嬢『フィアル・シェリオン』の知らない所で、周りの奴等が勝手に王家の連中に「ざまぁ!」する話。
※あらすじですらシリアスが保たない程度の内容、プロット消失からの練り直し試作品、荒唐無稽でもハッピーエンドならいいんじゃい!的なガバガバ設定
それでもよろしければご一読お願い致します。更によろしければ感想・アドバイスなんかも是非是非。全十三話+オマケ一話、一日二回更新でっす!
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
亡くなった王太子妃
沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。
侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。
王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。
なぜなら彼女は死んでしまったのだから。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【9話完結】お茶会? 茶番の間違いでしょ?『毒を入れるのはやり過ぎです。婚約破棄を言い出す度胸もないなら私から申し上げますね』
西東友一
恋愛
「お姉様もいずれ王妃になるなら、お茶のマナーは大丈夫ですか?」
「ええ、もちろんよ」
「でも、心配ですよね、カイザー王子?」
「ああ」
「じゃあ、お茶会をしましょう。私がお茶を入れますから」
お茶会?
茶番の間違いでしょ?
私は妹と私の婚約者のカイザー第一王子が浮気しているのを知っている。
そして、二人が私を殺そうとしていることも―――
【短編】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ、赤ちゃんが生まれる。
誕生を祝いに、領地から父の辺境伯が訪ねてくるのを心待ちにしているアリシア。
でも、夫と赤髪メイドのメリッサが口づけを交わしているのを見てしまう。
「なぜ、メリッサもお腹に赤ちゃんがいるの!?」
アリシアは夫の愛を疑う。
小説家になろう様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる