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天使編
神殿での出来事。7
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やってしまった、という気持ちもある。否寧ろ80%位やっぱりやめたいと思っている。
だけど、確かにハジスさんは苦渋99%をも何とかできる能力を授けると言った。
だからこそ、この挙手は私にとっても悪い話じゃ無いはずだ。
ざわつきは一度静まったが、何処からともなく拍手が上がり、ハジスさんを含む監督官たちは、「あの天使番号4444、また災難を引き受けましたね」とか聞こえたが、無視だ無視。
「ほんとにMだよな、お前」
「誰がMじゃ誰がっ!」
思わず突っ込んでしまったが、ほんとに誰?
くるりと振りかえると、あの不良天使とその親友がいた。
「ぁ、不良と親友だ」
「あぁ!?んだと、自滅バカ」
「あはは、相変わらずだね、トームちゃん」
彼は私のことをトームと呼ぶ。意味は、天使番号が4444、つまり4×4=16、十六... 後、性格が男みたいだかららしい。... だったらちゃん付けなんかするなよって話なんだが。
紳士的なのか単なる嫌味なのかさっぱりわからない。
「お前、ここまで来たらマジで呪われてんじゃね?」
「かもね、ていうかわざわざそれ言いに来たの?律儀だねえ」
「あ?冷やかしに来たに決まってんだろ?バカじゃねえの?」
「うっ」
「あはは、こいつがほんとゴメンね」
とか言いつつ止める様子がないので、こいつは少なくとも味方ではない。だったらせめてそのまま傍観に徹してくれ、2対1だと流石に分が悪い。
「でもさ、ほんとに良いの?苦渋99%の人生なんて、いくら特典があっても辛いと思うけど」
「元はといえば俺とあの女子の口論から始まったんだ、近づかなけりゃ巻き込まれずに済んだろ?何で... 」
首を突っ込むな、と何度も言われた。私は結構な野次馬根性があるらしい。
トラブルをこの目で一度捉えてしまえば、決して見逃せない。自分に何か出来るなら、とついつい手伝い、結局最後に全ての責任を押しつけられて泥を被る。
この悪癖は、天使になる前から、... 前世から続いている。
だから、
「これが私の運命だから」
「そ、そうかよ」
「ふふっ」
居たたまれない様子でそっぽを向く不良。本心の見えない腹黒。彼らのお陰で、後悔値が35%程度になった。まぁここまで下がれば十分だ。
だが、もうひとつ大事なことを忘れてはいけない。
--- そう、苦渋99%に対する特典だ。
だけど、確かにハジスさんは苦渋99%をも何とかできる能力を授けると言った。
だからこそ、この挙手は私にとっても悪い話じゃ無いはずだ。
ざわつきは一度静まったが、何処からともなく拍手が上がり、ハジスさんを含む監督官たちは、「あの天使番号4444、また災難を引き受けましたね」とか聞こえたが、無視だ無視。
「ほんとにMだよな、お前」
「誰がMじゃ誰がっ!」
思わず突っ込んでしまったが、ほんとに誰?
くるりと振りかえると、あの不良天使とその親友がいた。
「ぁ、不良と親友だ」
「あぁ!?んだと、自滅バカ」
「あはは、相変わらずだね、トームちゃん」
彼は私のことをトームと呼ぶ。意味は、天使番号が4444、つまり4×4=16、十六... 後、性格が男みたいだかららしい。... だったらちゃん付けなんかするなよって話なんだが。
紳士的なのか単なる嫌味なのかさっぱりわからない。
「お前、ここまで来たらマジで呪われてんじゃね?」
「かもね、ていうかわざわざそれ言いに来たの?律儀だねえ」
「あ?冷やかしに来たに決まってんだろ?バカじゃねえの?」
「うっ」
「あはは、こいつがほんとゴメンね」
とか言いつつ止める様子がないので、こいつは少なくとも味方ではない。だったらせめてそのまま傍観に徹してくれ、2対1だと流石に分が悪い。
「でもさ、ほんとに良いの?苦渋99%の人生なんて、いくら特典があっても辛いと思うけど」
「元はといえば俺とあの女子の口論から始まったんだ、近づかなけりゃ巻き込まれずに済んだろ?何で... 」
首を突っ込むな、と何度も言われた。私は結構な野次馬根性があるらしい。
トラブルをこの目で一度捉えてしまえば、決して見逃せない。自分に何か出来るなら、とついつい手伝い、結局最後に全ての責任を押しつけられて泥を被る。
この悪癖は、天使になる前から、... 前世から続いている。
だから、
「これが私の運命だから」
「そ、そうかよ」
「ふふっ」
居たたまれない様子でそっぽを向く不良。本心の見えない腹黒。彼らのお陰で、後悔値が35%程度になった。まぁここまで下がれば十分だ。
だが、もうひとつ大事なことを忘れてはいけない。
--- そう、苦渋99%に対する特典だ。
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