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アドベントカレンダー
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11月最後の日に立田からプレゼントをもらった。俺誕生日でもなんでもないんだけど。
え?なんで?
「もしかしてクリスマスプレゼント?」
「違うけど」
クリスマスプレゼントでもないらしい。
まあくれるって言うんならもらっておこう。
箱のサイズはよくあるサイズの段ボールで、家で段ボールを開けたら数字の入った小さい扉がいくつもついてた。
「アドベントカレンダーじゃない!ヒトシ、これ誰にもらったの?」
「立田君」
「へえ、おしゃれなものくれるのね。開けてみなさいよ」
家のリビングで開けたから母親もいた。もらったプレゼントがアドベントカレンダーだと教えてもらい、1と書かれた数字のドアを紙の点線に沿って押し開けていく。
出てきたのはフランクフルトみたいな形をしたショッキングピンクのシリコンの棒だった。
「なんだこれ?」
「うーん。ハニーディッパー?」
ハニーディッパーがなんなのか聞くとハチミツをすくう専用の木の棒だという。何それ。めっちゃオシャレじゃん。
さっそくホットケーキを焼いてもらいピンクの棒ではちみつをすくってかけて食べた。
「ちょうどマヌカハニー買ったのよね~タイミングいいわ~」
「へぇ。マヌカハニーって何?」
「なんか健康にいいらしいわよ」
母親のざっくりした説明に適当な返事をしてホットケーキにかぶりつく。
ホットケーキは当然美味しかった。
何日かしてあのシリコン棒がなんなのか気がついた。
「立田てめー、箱の中身がなんなのかちゃんと言っとけや!!」
うちのキッチンツールにあのシリコン棒馴染んじゃってんだけど!
既に回収不可能なんですけど!
親にバレたら気まずいとかのレベルじゃないんですけど!!
「しーっしずかに!」
体育館には内側の2階にあたる部分にぐるっと一周できる通路が取り付けてある。高いところの窓の開閉用だ。
窓にはボールが当たらないよう全て鉄柵が取り付けてありジャングルジムのように捕まって上り下りできるようになっている。
窓には全て遮光カーテンが用意されていて、今俺達は鉄柵にしがみつき、遮光カーテンとの間に隠れている。
俺達を探している気配に気をつけながら立田が小声で話しかけてきた。
「箱の中には俺の愛を全力で詰め込んでみた」
いや、お前の性欲しか見つからなかったんですけど!
「ホントまじ勘弁。なんだよ指用コンドームって」
「名前の通りじゃん」
うるせーよ。指にはめて見たけど使い方がわからなくて思わずプリントめくったわ!
めちゃくちゃめくりやすかったわ!
「あ、アナルビーズ使ってみた?」
使ったわ!
「健康器具かと思って土踏まずで踏んだわ!」
立田の口が半開きの状態で俺の顔を見つめてきた。
「鈴のついたクリップの使い道なんか全然分からなくてすっごい悩んで下着泥棒避けかと思って今うちのオカンのパンツ干すのに使っとるわ!!」
立田が宇宙ネコの顔になった。
鉄柵に掴まっている手が冷えてかじかんできた。
「そもそもアレの総額すごくない?どうやってかき集めたんだよ」
「去年の福袋。てかなんて?今蜂飼君のお母さんのパンツって聞こえたけど」
そのまんまだよ!
「ね、教えてほしいんだけど、どの辺でエログッズって気がついた?」
「バイブだよ!!」
流石にあの形で気がついた。
そして俺の返事と同じタイミングでバスケットボールが飛んできて俺達にクリーンヒットした。
「ぐわっ!!」
「あっだーーー!!」
「見つけたぞオイ!逃げられると思うなよ!!」
この日、散々逃げ回っていた俺達は、たっちゃんとかいう怖い先輩にとうとう見つかった。
え?なんで?
「もしかしてクリスマスプレゼント?」
「違うけど」
クリスマスプレゼントでもないらしい。
まあくれるって言うんならもらっておこう。
箱のサイズはよくあるサイズの段ボールで、家で段ボールを開けたら数字の入った小さい扉がいくつもついてた。
「アドベントカレンダーじゃない!ヒトシ、これ誰にもらったの?」
「立田君」
「へえ、おしゃれなものくれるのね。開けてみなさいよ」
家のリビングで開けたから母親もいた。もらったプレゼントがアドベントカレンダーだと教えてもらい、1と書かれた数字のドアを紙の点線に沿って押し開けていく。
出てきたのはフランクフルトみたいな形をしたショッキングピンクのシリコンの棒だった。
「なんだこれ?」
「うーん。ハニーディッパー?」
ハニーディッパーがなんなのか聞くとハチミツをすくう専用の木の棒だという。何それ。めっちゃオシャレじゃん。
さっそくホットケーキを焼いてもらいピンクの棒ではちみつをすくってかけて食べた。
「ちょうどマヌカハニー買ったのよね~タイミングいいわ~」
「へぇ。マヌカハニーって何?」
「なんか健康にいいらしいわよ」
母親のざっくりした説明に適当な返事をしてホットケーキにかぶりつく。
ホットケーキは当然美味しかった。
何日かしてあのシリコン棒がなんなのか気がついた。
「立田てめー、箱の中身がなんなのかちゃんと言っとけや!!」
うちのキッチンツールにあのシリコン棒馴染んじゃってんだけど!
既に回収不可能なんですけど!
親にバレたら気まずいとかのレベルじゃないんですけど!!
「しーっしずかに!」
体育館には内側の2階にあたる部分にぐるっと一周できる通路が取り付けてある。高いところの窓の開閉用だ。
窓にはボールが当たらないよう全て鉄柵が取り付けてありジャングルジムのように捕まって上り下りできるようになっている。
窓には全て遮光カーテンが用意されていて、今俺達は鉄柵にしがみつき、遮光カーテンとの間に隠れている。
俺達を探している気配に気をつけながら立田が小声で話しかけてきた。
「箱の中には俺の愛を全力で詰め込んでみた」
いや、お前の性欲しか見つからなかったんですけど!
「ホントまじ勘弁。なんだよ指用コンドームって」
「名前の通りじゃん」
うるせーよ。指にはめて見たけど使い方がわからなくて思わずプリントめくったわ!
めちゃくちゃめくりやすかったわ!
「あ、アナルビーズ使ってみた?」
使ったわ!
「健康器具かと思って土踏まずで踏んだわ!」
立田の口が半開きの状態で俺の顔を見つめてきた。
「鈴のついたクリップの使い道なんか全然分からなくてすっごい悩んで下着泥棒避けかと思って今うちのオカンのパンツ干すのに使っとるわ!!」
立田が宇宙ネコの顔になった。
鉄柵に掴まっている手が冷えてかじかんできた。
「そもそもアレの総額すごくない?どうやってかき集めたんだよ」
「去年の福袋。てかなんて?今蜂飼君のお母さんのパンツって聞こえたけど」
そのまんまだよ!
「ね、教えてほしいんだけど、どの辺でエログッズって気がついた?」
「バイブだよ!!」
流石にあの形で気がついた。
そして俺の返事と同じタイミングでバスケットボールが飛んできて俺達にクリーンヒットした。
「ぐわっ!!」
「あっだーーー!!」
「見つけたぞオイ!逃げられると思うなよ!!」
この日、散々逃げ回っていた俺達は、たっちゃんとかいう怖い先輩にとうとう見つかった。
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