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龍と晴と華夜
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「おばさん、華夜のお兄さんでは行ってきます。絶対華夜を見つけます。」
「龍、晴よろしく頼むわね。会って伝えて、いつでも待ってるって。」
「龍、晴絶対見つけてくれ。頼む。」
「わかりました。絶対華夜ちゃんは私達が見つけますので、安心してください。」
龍と僕は人間の世界に行くことになった。
今回の政策が決まったことで、オニの世界に戻っても良くなった者達に戻れる旨を伝える役割を得た。
それも僕が根回しして二人で行けるようにしたんだけど…。
でもオニの世界中探したけど、華夜は見つからなかった。
華夜ちゃんのおじさんも外に出てたまに人間の世界にいるヒト達に声をかけていたみたいだけど、一切情報が入らなかった。
だけど僕と龍で考えた結果きっと人間の世界にいると思う。
いくら華夜ちゃんが追い詰められて頭がいっぱいいっぱいになっても自分で命を落とす術を選ぶとは思えない。
華夜ちゃんは賢い。
それこそ学生の時誰も華夜ちゃんの成績にかてなかった。
だからこそ自分で考えて誰にも見つからないようにしてるに違いないと思ったのだ。
でも人間の世界に行くには成人していないといけないし、ちゃんとした理由がないと許可がおりない。
華夜ちゃんを探しに行くという理由だけでは許可などおりなかった。
一応華夜ちゃんのおじさんは人間の世界の視察という理由で出ていた。
視察という理由だからこそたくさん出ることも出来ないし、長い間出ることも許されない。
それに華夜ちゃんのおじさんがこの国の重鎮だから言える理由だった。
だからこそ華夜ちゃんのおばさんやお兄さんは出られなかった。
今回は人間の世界に住むヒト達に色々会ってどうするかを聞いたりしないといけない為長期で行くことを許された。
だからこそその間に華夜ちゃんを探すことが出来るのだ。
ここまで来るために僕と龍は死にものぐるいで努力した。
絶対もう一度華夜ちゃんと一緒に過ごすために。
人間の世界に住むヒト達をどうやって探すかというと、ヒトは人間と違って能力が使える為、出しているオーラがある。
人間でも稀にそういう能力を持つ者もいるみたいだが、ほとんどそのオーラを持つ者はオニかヒトだ。
そのオーラが出ているヒト達に声をかけて、リストと照合していく。
そのオーラの出具合で強い者なのかは分かる。
弱ければそのオーラが出ている力は弱く、人間と変わらない。
今回は能力の強い者のみだからこそそういう者達に声をかけていくのだった。
きっと華夜ちゃんのおじさんもそういう探し方をしたのだろう。
僕たちも基本はそういう探し方をしたり、オニの家族と連絡を取っているヒトがいる場合は事前に住所を聞いているので会いにいく方法をとる予定だ。
でも華夜ちゃんだけは違う。
そういう探し方をしても見つからないということはきっと華夜ちゃんの能力の一つである幻惑を使ってそれを隠していると思われる。
それを見破る方法は僕や龍にはないが、華夜ちゃんのおばさんは妖狐でその能力を持つからこそ見破り方が分かるのだと言う。
なので今回それを見破るために僕と龍に華夜ちゃんのおばさんの能力を込めたメガネを作ってもらった。
それをつけるとその幻惑の能力を使う方がより分かるようになるらしい。
でも逆にヒトのオーラが見えなくなるのでずっと使うわけにはいかなかった。
とにかくそれの使い時は人間の世界に行ってから考えるとした。
とりあえず僕と龍は人間の世界に向かった。
結界が張ってあるところから出るだけなのだが、実際許可がないとオニは出られない。
許可をもらうと札がもらえて、それを身につけることで出ることが出来る。
入るときは必要ないが、逆にヒトは入るときは札がないと入れないのだ。
この結界がいつ頃、誰が張ったのかは不明だが、今現在この選択式の結界を張る者などいない。
きっと優秀なオニだったのだろう。
「んじゃ、出るぞ、晴。」
「うん。やっとだね。やっと華夜ちゃんを探しに行けるね。」
「あぁ。やっとだ。この時まで長かったようで一瞬だったよな。」
「うん。でもここからだよ。僕たちがもっと大変なのは…。もし人間の世界でも秘境みたいなところに逃げてたら僕たちでも厳しいよ。」
「晴、勉強したろ?今の人間の世の中にはそんな昔話みたいなもんなんかないんだよ。俺達の所と一緒。いろんなでかいビルが並んでいて、携帯だって持ってる。それは俺達だって使うだろ?だからそんな謎の場所みたいなところはないよ。」
「でも華夜ちゃんだよ?」
「まぁそうだけど…。でも俺は華夜の性格上、人間が多い場所に隠れてると思う。」
「そうかな?僕は田舎とかで全然人間とかもあんまりいない所にいると思うなぁ。昔から華夜ちゃん、自然好きだったし。」
「いや、あいつのことだから俺はなるべく俺たちの世界の結界から離れてはいないと思うんだよ。」
「なんでそう思うの?」
「んー、それは、なんとなく?勘だよ。勘。」
「ふーん。んじゃどっちが先に見つけるか競争でもする?」
「はぁ?大概俺と一緒に行動するじゃないか。それで賭けってあんまり意味なくねぇか?」
「でも華夜ちゃんを探すのはきっと別々に行動するはずだよ?だって今の華夜ちゃんがいるだろうって場所だけでもバラバラな考えだったんだから。」
「まぁそうだけどよ…。」
「だから競争だよ。ぼくと龍、どっちが早く見つけるか。見つけた方が先に華夜ちゃんに説得出来て、説得出来た時に先に告白することが許される。」
「はぁ?」
「龍だって好きでしょ?華夜ちゃんのこと。」
「おまえなぁ。それは今話すことか?」
「今話さなくていつ話すの?僕は好きだよ。僕にとって特別な子だよ、華夜ちゃんは。今までお互いこの時が来るまで一生懸命努力することが第一目標だったからこういうこと話すこともなかったけどさ。」
「晴…。まぁ、とりあえず先に華夜を見つけたらの話だよ。俺は見つけてもきっとおまえを呼ぶぞ。たぶん二人で説得しないと意味ない気がするからな。」
「まぁそれは別にいいよ。でも龍、さっきの言葉は本気だから。一応覚えといて。」
「あぁ。分かったよ。」
そう言って僕たちは結果から外に出た。
華夜ちゃんを絶対に見つけると決めて…。
「龍、晴よろしく頼むわね。会って伝えて、いつでも待ってるって。」
「龍、晴絶対見つけてくれ。頼む。」
「わかりました。絶対華夜ちゃんは私達が見つけますので、安心してください。」
龍と僕は人間の世界に行くことになった。
今回の政策が決まったことで、オニの世界に戻っても良くなった者達に戻れる旨を伝える役割を得た。
それも僕が根回しして二人で行けるようにしたんだけど…。
でもオニの世界中探したけど、華夜は見つからなかった。
華夜ちゃんのおじさんも外に出てたまに人間の世界にいるヒト達に声をかけていたみたいだけど、一切情報が入らなかった。
だけど僕と龍で考えた結果きっと人間の世界にいると思う。
いくら華夜ちゃんが追い詰められて頭がいっぱいいっぱいになっても自分で命を落とす術を選ぶとは思えない。
華夜ちゃんは賢い。
それこそ学生の時誰も華夜ちゃんの成績にかてなかった。
だからこそ自分で考えて誰にも見つからないようにしてるに違いないと思ったのだ。
でも人間の世界に行くには成人していないといけないし、ちゃんとした理由がないと許可がおりない。
華夜ちゃんを探しに行くという理由だけでは許可などおりなかった。
一応華夜ちゃんのおじさんは人間の世界の視察という理由で出ていた。
視察という理由だからこそたくさん出ることも出来ないし、長い間出ることも許されない。
それに華夜ちゃんのおじさんがこの国の重鎮だから言える理由だった。
だからこそ華夜ちゃんのおばさんやお兄さんは出られなかった。
今回は人間の世界に住むヒト達に色々会ってどうするかを聞いたりしないといけない為長期で行くことを許された。
だからこそその間に華夜ちゃんを探すことが出来るのだ。
ここまで来るために僕と龍は死にものぐるいで努力した。
絶対もう一度華夜ちゃんと一緒に過ごすために。
人間の世界に住むヒト達をどうやって探すかというと、ヒトは人間と違って能力が使える為、出しているオーラがある。
人間でも稀にそういう能力を持つ者もいるみたいだが、ほとんどそのオーラを持つ者はオニかヒトだ。
そのオーラが出ているヒト達に声をかけて、リストと照合していく。
そのオーラの出具合で強い者なのかは分かる。
弱ければそのオーラが出ている力は弱く、人間と変わらない。
今回は能力の強い者のみだからこそそういう者達に声をかけていくのだった。
きっと華夜ちゃんのおじさんもそういう探し方をしたのだろう。
僕たちも基本はそういう探し方をしたり、オニの家族と連絡を取っているヒトがいる場合は事前に住所を聞いているので会いにいく方法をとる予定だ。
でも華夜ちゃんだけは違う。
そういう探し方をしても見つからないということはきっと華夜ちゃんの能力の一つである幻惑を使ってそれを隠していると思われる。
それを見破る方法は僕や龍にはないが、華夜ちゃんのおばさんは妖狐でその能力を持つからこそ見破り方が分かるのだと言う。
なので今回それを見破るために僕と龍に華夜ちゃんのおばさんの能力を込めたメガネを作ってもらった。
それをつけるとその幻惑の能力を使う方がより分かるようになるらしい。
でも逆にヒトのオーラが見えなくなるのでずっと使うわけにはいかなかった。
とにかくそれの使い時は人間の世界に行ってから考えるとした。
とりあえず僕と龍は人間の世界に向かった。
結界が張ってあるところから出るだけなのだが、実際許可がないとオニは出られない。
許可をもらうと札がもらえて、それを身につけることで出ることが出来る。
入るときは必要ないが、逆にヒトは入るときは札がないと入れないのだ。
この結界がいつ頃、誰が張ったのかは不明だが、今現在この選択式の結界を張る者などいない。
きっと優秀なオニだったのだろう。
「んじゃ、出るぞ、晴。」
「うん。やっとだね。やっと華夜ちゃんを探しに行けるね。」
「あぁ。やっとだ。この時まで長かったようで一瞬だったよな。」
「うん。でもここからだよ。僕たちがもっと大変なのは…。もし人間の世界でも秘境みたいなところに逃げてたら僕たちでも厳しいよ。」
「晴、勉強したろ?今の人間の世の中にはそんな昔話みたいなもんなんかないんだよ。俺達の所と一緒。いろんなでかいビルが並んでいて、携帯だって持ってる。それは俺達だって使うだろ?だからそんな謎の場所みたいなところはないよ。」
「でも華夜ちゃんだよ?」
「まぁそうだけど…。でも俺は華夜の性格上、人間が多い場所に隠れてると思う。」
「そうかな?僕は田舎とかで全然人間とかもあんまりいない所にいると思うなぁ。昔から華夜ちゃん、自然好きだったし。」
「いや、あいつのことだから俺はなるべく俺たちの世界の結界から離れてはいないと思うんだよ。」
「なんでそう思うの?」
「んー、それは、なんとなく?勘だよ。勘。」
「ふーん。んじゃどっちが先に見つけるか競争でもする?」
「はぁ?大概俺と一緒に行動するじゃないか。それで賭けってあんまり意味なくねぇか?」
「でも華夜ちゃんを探すのはきっと別々に行動するはずだよ?だって今の華夜ちゃんがいるだろうって場所だけでもバラバラな考えだったんだから。」
「まぁそうだけどよ…。」
「だから競争だよ。ぼくと龍、どっちが早く見つけるか。見つけた方が先に華夜ちゃんに説得出来て、説得出来た時に先に告白することが許される。」
「はぁ?」
「龍だって好きでしょ?華夜ちゃんのこと。」
「おまえなぁ。それは今話すことか?」
「今話さなくていつ話すの?僕は好きだよ。僕にとって特別な子だよ、華夜ちゃんは。今までお互いこの時が来るまで一生懸命努力することが第一目標だったからこういうこと話すこともなかったけどさ。」
「晴…。まぁ、とりあえず先に華夜を見つけたらの話だよ。俺は見つけてもきっとおまえを呼ぶぞ。たぶん二人で説得しないと意味ない気がするからな。」
「まぁそれは別にいいよ。でも龍、さっきの言葉は本気だから。一応覚えといて。」
「あぁ。分かったよ。」
そう言って僕たちは結果から外に出た。
華夜ちゃんを絶対に見つけると決めて…。
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