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お隣さんは知ってる子でした!

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私は次の日また庭を散策していた。

そんなに広くないのだけど、それぐらいしかすることがないのだ。

お父様もお母様も仕事で忙しく、こっちに来てから朝食時にしか会えていない。

近々王国でパーティーが行われるそうで、それの準備にエマはとても忙しくしている。

それには私も出ないといけないみたいで、とりあえずダンスの練習やマナーの練習をたっぷりさせられているが、あまり無理をしてはいけないということと一通りは一応エマからお墨付きをもらったので自由な時間が出来ている。

ルディは私の護衛なので基本近くに居てくれてるのだが、それでも何か色々呼び出されることもあるみたいで、私の傍に常にいる訳では無い。

なので、暇な私は庭に出てウロウロすることしかやることがないのだ。

なので今日も庭をウロウロして、少し疲れたので庭の中央にあるテーブルとイスがある所で一休みしていた。

その一休みに気づいた屋敷のメイドは直ぐにお茶を用意してくれて、それをゆっくり飲んでいた。

そうして過ごしていると、なにやら隣の家から賑やかな声が聞こえた。

「…、た!!ヤバい!!!」
「ち…!!……と…ダメ!!!」

その声に疑問に思って声がした方向を見ると気づいたら顔の上にボールが来ていて、顔面に直撃した。

その勢いのまま私はイスごと後ろに倒れた。

「いったーーー!!!」

あまりのボールの直撃の痛みとイスごと倒れて少し頭を打ったのでとにかく顔が痛かった。

地面に柔らかな芝生が生えてて助かった。

そうじゃないと私はきっと後頭部が血まみれに…。

そう思ってうずくまっていると隣の家との間に生えていた木と木の隙間から私とあまり変わらない歳の男の子と女の子がこっそり現れた。

私はコケたままその登場に痛みも忘れてポカンとしていると、その子たちもまさか私に当たったとは思っていなかったみたいで、コケている私を見て2人とも顔がどんどんと青ざめていった。

そのまま3人とも沈黙の状態だった。
私もイスからコケたまま、その2人も現れたまま固まっていると、私の叫んだ声に気づいたのか、偶然仕事が終わったのか分からないがルディが現れた。

「どうかされましたか!?ルイーズ様!!」

そう叫んだあと、固まった私たちを見てなんとなく状況を把握したのか、ルディは一気に冷たい顔になり、倒れた私に近づいてお姫様抱っこをされた。

ルディにはよくされていたので、もう恥ずかしさも無かった。

「お嬢様、お怪我はありませんか?どこか痛いところは?」
「え?あ、えっと…。」

言ったらこの子達が絶対に怒られる気がしたので少し戸惑っていると冷たい表情で立っている2人を見た。
その表情が怖かったのか、より2人は顔が青ざめた気がする。

「あ、あの、わざとじゃなくて…。」
「あの、俺が悪いんで…その…。」

ルディの表情に怖がりながらも振り絞った声で話したが、ルディはそのまま私を運ぶ為に後ろを振り返った。

「とにかく今回の件はご主人様にご報告させていただきます。それまで2人はご自宅にお帰りなさい。今回の件はまた詳しく聞くことになると思いますから、それまで大人しく家で待っておくことです。」

冷たい声でそう言うとそのまま歩きだし、私を部屋まで運んでベッドに寝かせてくれた。

「ルディ。」
「はい、なんでしょう?」

笑ってはくれたがまだ怒ってる顔だった。

「わざとではないと思うわ?」
「ですが、お嬢様!」
「んと、正直に言うと私の顔にボールが当たってそのまま後ろに倒れたの。でもそのボールあの2人の背よりも高い木なのよ?狙って当てるのは難しいわ。」
「ですが!」
「それに、あんなに怯えていたもの。自分たちがしたことが大変なことだっていうのは分かってるはずよ。確かに顔と頭の後ろは痛いけど、でもそれだけよ?だからそんなに怒らないであげて?私はルディの笑顔が好きよ?」
「お嬢様…。」
「それに、お嬢様呼びに変わってるわ。」
「少し頭に血が上るっていました。申し訳ございません、ルイーズ様。」
「大丈夫よ。というかあの2人のこと知ってる?」
「えぇ、知ってますよ。全て把握済みです。」
「じゃぁどんな子達なのかも知ってるんでしょ?ちなみにどこの誰?」
「あの少年はブラック侯爵様もご子息である、ローレンス様。あの少女はラズウェル侯爵様もご息女である、シャーリーン様です。お二人共お嬢様と同じ歳の方です。」

(待ってください…。その2人ってまさかの…。ローズマリアに出てくるキャラクターじゃない!!!)
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