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2週間の天国と地獄…でした…。その1

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いや、無事に王都にある別邸に着いた。

この約2週間、天国と地獄でした…。

まず天国からお話すると…。

お父様の各地を見るプランとてもとても良かったのだ。

領地自体を見たこともどういう風な感じなのかも見たことなかったので、全てが新鮮でした。

なんと言ってもこの国の綺麗なこと。

お隣の領地を通ったりしたけど、湖があったり森を通ったりした。

何もかもが綺麗だった。

湖の清らかな水は青の月だというのもあってとても冷たかったのだが、エマに飲んでも大丈夫と言われて、飲んでみると本当に美味しかった。
普通の水のはずなのにそう思わせる空気が清からかだった。

森も木々の間から漏れる太陽の光も綺麗だったし、近くをたまに通ったりする動物達も可愛かった。

全く見たことない形や色をしていたが、それはやはり前世とは違う世界に来たのだから当たり前だと思った。

毎回私が綺麗とか可愛いとか楽しいとか言うとお父様とお母様は幸せそうに笑い返してくれた。
お父様も
「父様の作戦大成功だな!」と言っていて、私の反応に大満足みたいだ。

そして何より常にお父様とお母様がそばにいてくれた。
いつも食事の時や体調を崩した時、廊下ですれ違った時ぐらいしか会えない2人に常に一緒に居れることは嬉しいの一言だった。

日頃話せないこととかをたくさん話したし、お父様のお仕事やお母様のお仕事などもどういうことをしているのか簡単に教えてくれたのだ。

お父様は基本領地を管轄はもちろんだが、領地にいる兵たちの訓練をしたり、側近の人と戦略のお話したりしているそうだ。
お父様曰く、まだ隣国が攻めてくることは無いらしいが、いつでも備えておくのが1番重要な仕事だそうだ。

ちなみに私はまだその側近の人と会ってない。

どんな人なのか聞いたところ、
「んーー怖い人だからルゥが泣いちゃうと思うんだ…。ほんとに怖いやつだから…。」
と、遠い目をしたお父様だった。
その側近の人も自分のことをそう言ってるそうで、私に泣かれたくないので、会わないようにしているのだそうだ。
常に家に居るらしいので、絶対に見つけようと思う。

そしてお母様は基本この領地の補佐をしていて、決定をくだすのはお父様なのだが、だいたいの案などはお母様が許さないとお父様までいかないそうだ。

こういう時のお母様はお父様曰く、厳しいらしい。

それと他の貴族を呼ぶのは辺境伯なので、距離的に来てもらうのは厳しいから、行くことが多いらしい。
なんと、いつもおっとりしているお母様だが、めちゃくちゃ馬を乗りこなすらしく、お茶会に行ってくるわと言うと馬でその領地まで駆けるらしい。
なので馬車で準備して行くよりも全然早く行き来出来るらしい。
そして普通にお強いなのだそう…。

お父様はこの国の最強?と呼ばれているらしく、お母様が神秘の華と呼ばれているのだが、お母様はとても剣術と魔術に長けていて、お父様には叶わなくても充分自分の身は自分で守れるらしい。華のように美しく、触ると折れてしまいそうなほど、細いお母様がとてもお強いから誰もなかなか簡単に近づけないので、頭に神秘と付いたらしい。
誰も簡単に触ることの出来ない神秘的な美しい華がお母様ということだ。

そして社交界での立ち振る舞いは完璧なんだそうだ。

これは全部お父様が自慢のように話してくれた。
「ほんとに母様は昔から美しくてね。相手にしてもらうために必死に努力して、元々アタナシア家は俺の上に2人の兄が居たから俺が継ぐ必要はなかったんだけど、とっても強くて美しい母様と結婚する為に頑張ったら何故かこの国最強って言われて、跡継ぎってことになってたんだよね~。まぁジュリアに勝たないと結婚というか付き合ってもらえなかったからね~。」

その言葉に笑ってあの時は大変だったなぁ~という父様と微笑む母様。

いやいや、どれだけこの2人強いんだという話になってくる。

そこは怖くて聞けなかった。

でも実際問題強くないとこのアタナシアの領地を守ることは出来ないのだろうとは思った。

「だからきっとルゥも強いと思うんだ。俺たちの娘だからね。体は今弱いかもしれないけど、きっと色んな意味で強いんじゃないかなぁと思ってるよ。」
「私もお父様やお母様のように強くなれる?」
「もちろんよ。きっと虚弱なのにも意味があると母様は思うわ。まだここまで虚弱なのは原因が分からないからもし、王都に行って調べられたら調べてもらいましょう?なかなか王都の医師や魔術師には私たちの領地に来てもらうのは時間が無かったからね。せっかく少し元気になって王都にこうやって一緒に行けるようになったのだから、せっかくなので見てもらいましょうね。」

その言葉に、私はこの虚弱体質に何か原因があるのかと思ったのだ。あ生まれつき弱いんだなぁとしか思ってなかったのだが、案外原因があるのかもしれない。
まぁあまり期待はしないが、もしその原因が分かったら嬉しいなと思った。
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