19 / 36
ついに王都へ行くのです!?
しおりを挟む
ついにこの日が来ました…。
朝早くから支度が大変でした。
貴族ということと遠い所から向かうということで荷物もおおいのですが、今回私が王都に向かうということでより荷物が増えたのです。
まぁ足りないものはあちらで揃えるとのことなんですが、今は青の月。
だからこそ外は非常に寒い。
最近この領地内でも雪がチラつくこともあった。
私はそんな時期に外に出なければならない。
今まではずっと部屋の中で体力を付けようと歩行訓練したり、社交界で恥をかかないようにヒールで歩く練習や最近ではダンスの練習までしていた。
まぁダンスの練習は程々にしか体力がもたない為しなかったのだが、ダンスを教えてくれた先生曰く筋が良いとのこと。
まぁ人のダンスすら見たことない私にとっては意味がわからないのだけど…。
でも最近では1曲だけならなんとか踊れるようになったのだ。
私も体力がついたと思う。
これで無茶をするとまたエマに叱られるのでしないように心掛けてはいる…。
そんな私でも寒い外には出たことがないのだ。
なのに出なければならない。
なおかつ、馬車による長旅だ。
ルディ以外にもちろん辺境伯家の護衛も付くのだが、なんせ王都まで遠いのだ。
なんと約2週間かかるらしい…。
ずっと馬を走り続けさせられないから途中休憩も挟むのでそれぐらいかかるそうだ。
いやいや、私行くの無理でしょ…。
そう思ってそれとなくエマに伝えてみたが、エマは
「お嬢様、何事も経験なのですよ?」
と笑顔で言われて何も言えなくなった。
そして今日から出発するのだが、今家の門まで連れてきてもらった。
そこまでは今から体力を消耗する訳にはいかないということで、お父様が抱っこして運んでくれた。
いやー、めちゃくちゃ寒い。
顔が痛い。
風で髪が凍ってるんじゃないかというぐらい寒い。
初めての青の月の外出、辛いものとしか考えられない。
お父様に抱っこしてもらっているので幾らかはマシだがそれでも外に出ている部分は寒すぎる。
横でお腹が少し大きくなっていたお母様も歩いているのだが、正直両親ともに全然平気そうだ。
慣れなのか!?と思った。
一応王都に行くにつれて少しずつ寒さはマシになるらしい。
私は両親に比べてめちゃくちゃ重装備で、何枚コートやドレスを着させられるんだろうと思っていたのだが、理由が十分分かりながら門のところで私達が乗る馬車を待っていた。
「はぁ~。」
ついついしんどいと思ってしまいため息が出てしまった。
「大丈夫かい?ルゥ?」
「はい…お父様。」
「どうかした?」
お父様は私の顔を覗き込んでくる。
「いえ、なんでも…」
「何でもないわけないよね?」
「う…」
「ほらどうしたの、ルゥ?」
「うぅ…。」
その様子に気づいたお母様も心配してくれた。
「どうかしたの、ルゥ?調子悪い訳ではなさそうね?」
お母様もお父様の近くに来て顔を覗き込んでくれた。
最近2人とも王都に行く準備で忙しくて3人揃ってご飯を食べることが減っていた。
だからこうして3人揃うことは嬉しい。
「寒くて…。」
「それだけじゃないだろ?」
「うぅ、久々の、3人なのに寒くて何にもお話出来てない…。」
「ルゥ…。」
「これだけ寒いとは思ってなったから、絶対体調崩すと思うの…。多分だけど、王都に着くまでに何度かあると思う…。そうしたらお話出来なくなる…。でも寒くて上手く話せない…。」
そう言うとお父様は私を抱きしめていた腕を強くしてくれた。
「そんなことないよ。それに今回の旅はルゥの為にお父様は一生懸命計画立てたんだよ?」
「そうなの?」
「そうだよ!なかなかルゥは屋敷の外に出ることないだろう?まぁあんまり出ることはルゥが健康であっても許せないんだけど、でもせっかく出るんだからなるべく景色のいい所を見せてあげたいって思って一生懸命父様は計画を練りに練ったんだよ?」
「そうよ~。あなたの父様はルゥの笑顔が見たくて一緒にご飯食べるのも我慢してたんだから。それに今回の旅は母様も楽しみなのよ。どの道を通るのか母様にも教えてくれなかったのだから。だからルゥと一緒でドキドキよ?」
「お母様もドキドキ?」
「えぇ。それに体調は崩しても全然大丈夫よ?馬車の中だけど、家にいるよりあなたのそばに入れるわ。家だと私自身もすることがあるからあなたに付きっきりになりたくても出来ないことが多かったけど、この旅ではずっと父様も母様も一緒よ?」
「わぁ!それは嬉しい!」
「でしょ?私達もなかなか仕事でずっとそばにいてあげられないルイーズのそばに入れて嬉しいのよ。」
そう言って3人で話していると私達が乗る馬車が来た。
馬車は私達3人が乗るもの、使用人たちが乗るもの、荷物を乗せるものと3種類あるのだが、馬車の数は非常に多い。
馬車の周りには馬に乗っている護衛もいたりとほんとに多い。
そして私達が乗る物はどの馬車よりも豪華だった。
「さぁ、ルゥ馬車に乗って王都まで冒険しよう!」
そう言ってお父様に抱っこされながら馬車に乗り込んだ。
馬車自体は既に温められていて、暖かいと感じながら、お父様から離れ椅子に座った。
そうして私たちは王都へ向かった。
朝早くから支度が大変でした。
貴族ということと遠い所から向かうということで荷物もおおいのですが、今回私が王都に向かうということでより荷物が増えたのです。
まぁ足りないものはあちらで揃えるとのことなんですが、今は青の月。
だからこそ外は非常に寒い。
最近この領地内でも雪がチラつくこともあった。
私はそんな時期に外に出なければならない。
今まではずっと部屋の中で体力を付けようと歩行訓練したり、社交界で恥をかかないようにヒールで歩く練習や最近ではダンスの練習までしていた。
まぁダンスの練習は程々にしか体力がもたない為しなかったのだが、ダンスを教えてくれた先生曰く筋が良いとのこと。
まぁ人のダンスすら見たことない私にとっては意味がわからないのだけど…。
でも最近では1曲だけならなんとか踊れるようになったのだ。
私も体力がついたと思う。
これで無茶をするとまたエマに叱られるのでしないように心掛けてはいる…。
そんな私でも寒い外には出たことがないのだ。
なのに出なければならない。
なおかつ、馬車による長旅だ。
ルディ以外にもちろん辺境伯家の護衛も付くのだが、なんせ王都まで遠いのだ。
なんと約2週間かかるらしい…。
ずっと馬を走り続けさせられないから途中休憩も挟むのでそれぐらいかかるそうだ。
いやいや、私行くの無理でしょ…。
そう思ってそれとなくエマに伝えてみたが、エマは
「お嬢様、何事も経験なのですよ?」
と笑顔で言われて何も言えなくなった。
そして今日から出発するのだが、今家の門まで連れてきてもらった。
そこまでは今から体力を消耗する訳にはいかないということで、お父様が抱っこして運んでくれた。
いやー、めちゃくちゃ寒い。
顔が痛い。
風で髪が凍ってるんじゃないかというぐらい寒い。
初めての青の月の外出、辛いものとしか考えられない。
お父様に抱っこしてもらっているので幾らかはマシだがそれでも外に出ている部分は寒すぎる。
横でお腹が少し大きくなっていたお母様も歩いているのだが、正直両親ともに全然平気そうだ。
慣れなのか!?と思った。
一応王都に行くにつれて少しずつ寒さはマシになるらしい。
私は両親に比べてめちゃくちゃ重装備で、何枚コートやドレスを着させられるんだろうと思っていたのだが、理由が十分分かりながら門のところで私達が乗る馬車を待っていた。
「はぁ~。」
ついついしんどいと思ってしまいため息が出てしまった。
「大丈夫かい?ルゥ?」
「はい…お父様。」
「どうかした?」
お父様は私の顔を覗き込んでくる。
「いえ、なんでも…」
「何でもないわけないよね?」
「う…」
「ほらどうしたの、ルゥ?」
「うぅ…。」
その様子に気づいたお母様も心配してくれた。
「どうかしたの、ルゥ?調子悪い訳ではなさそうね?」
お母様もお父様の近くに来て顔を覗き込んでくれた。
最近2人とも王都に行く準備で忙しくて3人揃ってご飯を食べることが減っていた。
だからこうして3人揃うことは嬉しい。
「寒くて…。」
「それだけじゃないだろ?」
「うぅ、久々の、3人なのに寒くて何にもお話出来てない…。」
「ルゥ…。」
「これだけ寒いとは思ってなったから、絶対体調崩すと思うの…。多分だけど、王都に着くまでに何度かあると思う…。そうしたらお話出来なくなる…。でも寒くて上手く話せない…。」
そう言うとお父様は私を抱きしめていた腕を強くしてくれた。
「そんなことないよ。それに今回の旅はルゥの為にお父様は一生懸命計画立てたんだよ?」
「そうなの?」
「そうだよ!なかなかルゥは屋敷の外に出ることないだろう?まぁあんまり出ることはルゥが健康であっても許せないんだけど、でもせっかく出るんだからなるべく景色のいい所を見せてあげたいって思って一生懸命父様は計画を練りに練ったんだよ?」
「そうよ~。あなたの父様はルゥの笑顔が見たくて一緒にご飯食べるのも我慢してたんだから。それに今回の旅は母様も楽しみなのよ。どの道を通るのか母様にも教えてくれなかったのだから。だからルゥと一緒でドキドキよ?」
「お母様もドキドキ?」
「えぇ。それに体調は崩しても全然大丈夫よ?馬車の中だけど、家にいるよりあなたのそばに入れるわ。家だと私自身もすることがあるからあなたに付きっきりになりたくても出来ないことが多かったけど、この旅ではずっと父様も母様も一緒よ?」
「わぁ!それは嬉しい!」
「でしょ?私達もなかなか仕事でずっとそばにいてあげられないルイーズのそばに入れて嬉しいのよ。」
そう言って3人で話していると私達が乗る馬車が来た。
馬車は私達3人が乗るもの、使用人たちが乗るもの、荷物を乗せるものと3種類あるのだが、馬車の数は非常に多い。
馬車の周りには馬に乗っている護衛もいたりとほんとに多い。
そして私達が乗る物はどの馬車よりも豪華だった。
「さぁ、ルゥ馬車に乗って王都まで冒険しよう!」
そう言ってお父様に抱っこされながら馬車に乗り込んだ。
馬車自体は既に温められていて、暖かいと感じながら、お父様から離れ椅子に座った。
そうして私たちは王都へ向かった。
0
お気に入りに追加
143
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】彼女は2回目の令嬢を辞めたい。
杏
恋愛
公爵令嬢シーナは、前世が社長令嬢だったことを18歳の誕生パーティーで思い出す。
「そんな…また令嬢なんて、無理!」
社長令嬢としての煩わしさから解放されたと思ったら今度は公爵令嬢…シーナは絶望した。
シーナはなんとか令嬢から脱却したい。
目指すのはモブ!!平民として穏やかに暮らすの!!
そんなある日、平民の青年ジェーンと出会い、シーナは一目惚れをする。
※設定ゆるいです
※三話で完結です
※色々すっ飛ばして終わります
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】あなたに叶えて欲しい、願いごと
白雨 音
恋愛
熱病から目覚めたシャーリーは、忘れていた十歳の頃の記憶を思い出した。
妖精の女王と契約を交わした事で、自分の命は二十歳で尽きる…と。
残り二年も無い中、シャーリーが望むのは、婚約者との一日も早い結婚だったが、
婚約者は見舞いにも来てくれない…
そんなシャーリーの支えは、家族、親友、妖精の友、話相手になってくれる医師、
そして、誰からか分からないが、送られてくる花だった___
異世界恋愛:前日譚(ラウル)、本編(シャーリー)、後日譚 《完結しました》
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
もしもゲーム通りになってたら?
クラッベ
恋愛
よくある転生もので悪役令嬢はいい子に、ヒロインが逆ハーレム狙いの悪女だったりしますが
もし、転生者がヒロインだけで、悪役令嬢がゲーム通りの悪人だったなら?
全てがゲーム通りに進んだとしたら?
果たしてヒロインは幸せになれるのか
※3/15 思いついたのが出来たので、おまけとして追加しました。
※9/28 また新しく思いつきましたので掲載します。今後も何か思いつきましたら更新しますが、基本的には「完結」とさせていただいてます。9/29も一話更新する予定です。
※2/8 「パターンその6・おまけ」を更新しました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢ってこれでよかったかしら?
砂山一座
恋愛
第二王子の婚約者、テレジアは、悪役令嬢役を任されたようだ。
場に合わせるのが得意な令嬢は、婚約者の王子に、場の流れに、ヒロインの要求に、流されまくっていく。
全11部 完結しました。
サクッと読める悪役令嬢(役)。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄で命拾いした令嬢のお話 ~本当に助かりましたわ~
華音 楓
恋愛
シャルロット・フォン・ヴァーチュレストは婚約披露宴当日、謂れのない咎により結婚破棄を通達された。
突如襲い来る隣国からの8万の侵略軍。
襲撃を受ける元婚約者の領地。
ヴァーチュレスト家もまた存亡の危機に!!
そんな数奇な運命をたどる女性の物語。
いざ開幕!!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる