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初めて叱られました…
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メイドによってベットに戻された私は少し落ち込んでいた。
(もっと動けると思ったのになぁ…。でもまだチャンスはあるはず!)
と思っていると私をベットに戻したメイドはまだここから去ろうとしなかった。
(あれ?いつもならすぐ席を外すのに?すぐお父さまやお母さまに報告しに行くと思ってたのに?)
不思議に思って顔を見ようとメイドを見上げた。
「お嬢様。」
このメイドは私の身の回りを他の使用人よりも見てくれる。
(確か、名前は…エマだったっけ?)
長めの茶色い髪でそれを常に後ろでひとつにまとめていて綺麗な緑色の瞳を持っている。
身長はメイド達の中でも高い方で、いつもすらっとしていて、きっと仕事がよく出来る美人さんだなぁと思っていた。
というかこの家の使用人達はみんな綺麗な人ばかり。
男女共にだ。
これは私が元々日本人だからなのか…?と思ったりもしたが、いや、絶対顔で選んでるところがあるはず!と思うことにした。
「お嬢様。」
「え、あ、はい。」
そう言えば呼ばれていたんだった。
「どうしてこのようなことになったのですか?」
「え…?」
よく顔を見てみると、
(あれ…?これ、この表情、もしかしてかなりお怒り…?)
「お嬢様。理由を仰って下さい。誰かにこんなことされたのですか?ざっと見た限り誰か外部の人間の侵入は無さそうですが、それともこの家の使用人がしましたか?」
「え?いや、ちがうわ…?だれもなにもしてないわ。」
そう言うとより空気が冷えた気がした。
エマの顔は笑顔なのにだ。
「では、お嬢様ご自身でこのようなことになっていたと…?」
「は、はい…。」
そう言うとエマの笑顔は消えた。
「お嬢様!!何故勝手に動こうとしたのです!高熱からやっと症状も落ち着かれて、少しずつ食欲も増えていって、我々使用人達がどれほどお嬢様の体調を1番に考えているか分かっているのですか!」
「!!!」
エマは激怒した。
「お嬢様はご自分で動きたかったのですか?」
「はい…。」
「それならばそのように言ってくだされば我々も考えます。まだお嬢様はご自分で歩いたのはお生まれになってから数える程しかありません。」
(えぇ!数える程しかないの…?!)
「それなのに誰も見ていないところで動かれるなど、お怪我でもしたらどうするおつもりですか。そうやって無理をされた結果、また高熱になられたら私達使用人はご主人様と奥様にどのような顔をしたら良いのですか。お嬢様の熱は未だ原因が分かっていないのです。だからこそより慎重に我々も動いているのです。もう我々はお嬢様が苦しんでいるところを見たくありません…。」
(あぁ…。私すごく皆に愛されてるんだ…。)
正直言うと、私は寂しかったのだ。
お父さまとお母さまはやはりお仕事が忙しくてなかなか会えず、会えるのは食卓を囲む時だけ。でもそれも私が体調が良く、大丈夫だと皆に判断してもらった時だけで、それ以外ではベットの上での食事。
使用人達も仕事があるからあまり話しかけたりしたらダメかなと思ったりしたので、あんまりコミュニケーションをとってはいなかった。
だからこそ寂しくて、自分でもう色々出来るんだよって見せたかった。
褒められて、皆に構って欲しかったのだ。
(やっぱり私は生まれ変わったけど、3歳なんだわ…。)
でも皆は私のことをすごく考えてくれていて、他の家は知らないけれど、こうやって自分のことのように怒ってくれる人もいる。
私大切にされてるんだって感じないわけが無い。
「ご、ごめん、、ごめ、グスッ、んなさい…。」
その愛情がしっくりきたのもあって私はそのまま泣いてしまった。
「お、お嬢様…!す、すみません!!言い過ぎましたか?!」
私は泣きながら首を横に振った。
「う、ううん…。うぅ、そんな、ことないよ~。ごめんな、さ、い…。うわぁぁぁん…。」
「いえ、いいえ、私も言い過ぎました…。お嬢様、今度から何かする時は私たちに仰ってください。全力で良い方向に考えますので。今回は本当に心配しました…。ですので、どうか泣き止んで下さいませ。」
そう言ってエマは私が泣き止むまで抱きしめてくれた。
お母さまやお父さま以外の人に抱きしめられるのは一瞬動揺したけど、でもエマが暖かくてそのまま泣き疲れて眠ってしまったのだ。
(もっと動けると思ったのになぁ…。でもまだチャンスはあるはず!)
と思っていると私をベットに戻したメイドはまだここから去ろうとしなかった。
(あれ?いつもならすぐ席を外すのに?すぐお父さまやお母さまに報告しに行くと思ってたのに?)
不思議に思って顔を見ようとメイドを見上げた。
「お嬢様。」
このメイドは私の身の回りを他の使用人よりも見てくれる。
(確か、名前は…エマだったっけ?)
長めの茶色い髪でそれを常に後ろでひとつにまとめていて綺麗な緑色の瞳を持っている。
身長はメイド達の中でも高い方で、いつもすらっとしていて、きっと仕事がよく出来る美人さんだなぁと思っていた。
というかこの家の使用人達はみんな綺麗な人ばかり。
男女共にだ。
これは私が元々日本人だからなのか…?と思ったりもしたが、いや、絶対顔で選んでるところがあるはず!と思うことにした。
「お嬢様。」
「え、あ、はい。」
そう言えば呼ばれていたんだった。
「どうしてこのようなことになったのですか?」
「え…?」
よく顔を見てみると、
(あれ…?これ、この表情、もしかしてかなりお怒り…?)
「お嬢様。理由を仰って下さい。誰かにこんなことされたのですか?ざっと見た限り誰か外部の人間の侵入は無さそうですが、それともこの家の使用人がしましたか?」
「え?いや、ちがうわ…?だれもなにもしてないわ。」
そう言うとより空気が冷えた気がした。
エマの顔は笑顔なのにだ。
「では、お嬢様ご自身でこのようなことになっていたと…?」
「は、はい…。」
そう言うとエマの笑顔は消えた。
「お嬢様!!何故勝手に動こうとしたのです!高熱からやっと症状も落ち着かれて、少しずつ食欲も増えていって、我々使用人達がどれほどお嬢様の体調を1番に考えているか分かっているのですか!」
「!!!」
エマは激怒した。
「お嬢様はご自分で動きたかったのですか?」
「はい…。」
「それならばそのように言ってくだされば我々も考えます。まだお嬢様はご自分で歩いたのはお生まれになってから数える程しかありません。」
(えぇ!数える程しかないの…?!)
「それなのに誰も見ていないところで動かれるなど、お怪我でもしたらどうするおつもりですか。そうやって無理をされた結果、また高熱になられたら私達使用人はご主人様と奥様にどのような顔をしたら良いのですか。お嬢様の熱は未だ原因が分かっていないのです。だからこそより慎重に我々も動いているのです。もう我々はお嬢様が苦しんでいるところを見たくありません…。」
(あぁ…。私すごく皆に愛されてるんだ…。)
正直言うと、私は寂しかったのだ。
お父さまとお母さまはやはりお仕事が忙しくてなかなか会えず、会えるのは食卓を囲む時だけ。でもそれも私が体調が良く、大丈夫だと皆に判断してもらった時だけで、それ以外ではベットの上での食事。
使用人達も仕事があるからあまり話しかけたりしたらダメかなと思ったりしたので、あんまりコミュニケーションをとってはいなかった。
だからこそ寂しくて、自分でもう色々出来るんだよって見せたかった。
褒められて、皆に構って欲しかったのだ。
(やっぱり私は生まれ変わったけど、3歳なんだわ…。)
でも皆は私のことをすごく考えてくれていて、他の家は知らないけれど、こうやって自分のことのように怒ってくれる人もいる。
私大切にされてるんだって感じないわけが無い。
「ご、ごめん、、ごめ、グスッ、んなさい…。」
その愛情がしっくりきたのもあって私はそのまま泣いてしまった。
「お、お嬢様…!す、すみません!!言い過ぎましたか?!」
私は泣きながら首を横に振った。
「う、ううん…。うぅ、そんな、ことないよ~。ごめんな、さ、い…。うわぁぁぁん…。」
「いえ、いいえ、私も言い過ぎました…。お嬢様、今度から何かする時は私たちに仰ってください。全力で良い方向に考えますので。今回は本当に心配しました…。ですので、どうか泣き止んで下さいませ。」
そう言ってエマは私が泣き止むまで抱きしめてくれた。
お母さまやお父さま以外の人に抱きしめられるのは一瞬動揺したけど、でもエマが暖かくてそのまま泣き疲れて眠ってしまったのだ。
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