58 / 66
一章 ゲーム開始
058 逸話との接触﹣Part11【暗闇に響く音】
しおりを挟む
「さて…ここならば落ち着いて話せるじゃろう」
「…そうですね。ですがどうやら、ここに人間が来るのは非常に珍しい様子ですね」
「ふむ、若者が気になって着いてきた様じゃな」
ヴァルカンから、今度は静かなオーラが流れ込んできた。
情報にしかなかったが、やはりヴァルカン殿は神聖力ではなく、神力そのものを操っているようだ。先程のは正に審判だったが、今度は静寂そのもの。
扉の先に居る若者達は、静かに身体を振るい、小さな足音を残して立ち去っていった。
「…それでは、改めて一問一答に従い話していきましょう」
「ふむ。では儂から聞こうかの。お主、その力はどこで得たのじゃ」
「いきなりですね。ですが、そうですね。どこで、というのは違います。これは自らの鍛錬によって会得したものです。
具合的に説明した方がよろしいでしょうか?」
「お主、転生者じゃろう。お主の肉体に宿っている痕跡は創造神の物じゃな。ということは、肉体を再構築でもしたようじゃな。
だが、お主に宿ったのはあくまで方向性。創造神もそこが手違いだったのだろうな。お主の肉体に宿る魂は、1つはお主のものじゃな。しかし、もう1つの魂の欠片は善性ではあるが、闇属性の魔素が見える。
創造神はお主が選んだ属性と闇属性を与えて、2つの属性を与えようとしたのじゃろうが…」
「…ふぅむ、そこまで分かっているのか。なら話が早い。魔導も武闘もあくまで適正を示すスキル。与えられたとしてもその後は自身が目指す方向性によって変化する。
だからこそ俺は、武闘を後回しにして魔導を優先して属性をまずは手に入れることにした。
武闘の方は魔導よりもスキルを伸ばしやすいからな。それに、肉体がある程度成長してからの方がやりやすい。
転生者ということが分かるならば話は早いが、俺のいた世界ではその殆どがイメージのしやすいものだった。多少先入観で難しいものもあったが、その殆どはこちらの世界にあるファンタジー小説…こういった世界をイメージして空想上の世界としてその世界を文章や漫画にして表すことがあった。それらを頼りに属性を増やしていく。
そうすることで全属性を速やかに獲得をした。
創造神の過ちは、俺が1つの属性を極めると思ったことだろうな。俺ほど狡猾な人間は居ないと言うのに」
「悪意のないその心だからこそ、神もまるで疑おうとしなかったのだろうな。
だが、悪意のない悪性こそ、まさに恐れるべきものだろうな」
「失敬な、悪性ではなく善性だ」
「世界を敵に回す善性があってたまるか」
「世界が悪性となった可能性を見ぬところは、ヴァルカン殿も衰えが見えますね。それとも、その神力を持ちながらも見て見ぬふりをしているのですかね?それこそ、正に悪性と言えるでしょう」
「…やはり食えぬ小僧だ。一度だけ、神力を使ってやろう。来る時、我が名を呼べ」
「ありがとうございます。では、後半の質問といきましょう」
「む…」
「…そうですね。ですがどうやら、ここに人間が来るのは非常に珍しい様子ですね」
「ふむ、若者が気になって着いてきた様じゃな」
ヴァルカンから、今度は静かなオーラが流れ込んできた。
情報にしかなかったが、やはりヴァルカン殿は神聖力ではなく、神力そのものを操っているようだ。先程のは正に審判だったが、今度は静寂そのもの。
扉の先に居る若者達は、静かに身体を振るい、小さな足音を残して立ち去っていった。
「…それでは、改めて一問一答に従い話していきましょう」
「ふむ。では儂から聞こうかの。お主、その力はどこで得たのじゃ」
「いきなりですね。ですが、そうですね。どこで、というのは違います。これは自らの鍛錬によって会得したものです。
具合的に説明した方がよろしいでしょうか?」
「お主、転生者じゃろう。お主の肉体に宿っている痕跡は創造神の物じゃな。ということは、肉体を再構築でもしたようじゃな。
だが、お主に宿ったのはあくまで方向性。創造神もそこが手違いだったのだろうな。お主の肉体に宿る魂は、1つはお主のものじゃな。しかし、もう1つの魂の欠片は善性ではあるが、闇属性の魔素が見える。
創造神はお主が選んだ属性と闇属性を与えて、2つの属性を与えようとしたのじゃろうが…」
「…ふぅむ、そこまで分かっているのか。なら話が早い。魔導も武闘もあくまで適正を示すスキル。与えられたとしてもその後は自身が目指す方向性によって変化する。
だからこそ俺は、武闘を後回しにして魔導を優先して属性をまずは手に入れることにした。
武闘の方は魔導よりもスキルを伸ばしやすいからな。それに、肉体がある程度成長してからの方がやりやすい。
転生者ということが分かるならば話は早いが、俺のいた世界ではその殆どがイメージのしやすいものだった。多少先入観で難しいものもあったが、その殆どはこちらの世界にあるファンタジー小説…こういった世界をイメージして空想上の世界としてその世界を文章や漫画にして表すことがあった。それらを頼りに属性を増やしていく。
そうすることで全属性を速やかに獲得をした。
創造神の過ちは、俺が1つの属性を極めると思ったことだろうな。俺ほど狡猾な人間は居ないと言うのに」
「悪意のないその心だからこそ、神もまるで疑おうとしなかったのだろうな。
だが、悪意のない悪性こそ、まさに恐れるべきものだろうな」
「失敬な、悪性ではなく善性だ」
「世界を敵に回す善性があってたまるか」
「世界が悪性となった可能性を見ぬところは、ヴァルカン殿も衰えが見えますね。それとも、その神力を持ちながらも見て見ぬふりをしているのですかね?それこそ、正に悪性と言えるでしょう」
「…やはり食えぬ小僧だ。一度だけ、神力を使ってやろう。来る時、我が名を呼べ」
「ありがとうございます。では、後半の質問といきましょう」
「む…」
49
お気に入りに追加
364
あなたにおすすめの小説
おいでませ異世界!アラフォーのオッサンが異世界の主神の気まぐれで異世界へ。
ゴンべえ
ファンタジー
独身生活を謳歌していた井手口孝介は異世界の主神リュシーファの出来心で個人的に恥ずかしい死を遂げた。
全面的な非を認めて謝罪するリュシーファによって異世界転生したエルロンド(井手口孝介)は伯爵家の五男として生まれ変わる。
もちろん負い目を感じるリュシーファに様々な要求を通した上で。
貴族に転生した井手口孝介はエルロンドとして新たな人生を歩み、現代の知識を用いて異世界に様々な改革をもたらす!かもしれない。
思いつきで適当に書いてます。
不定期更新です。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
転生幼女の異世界冒険記〜自重?なにそれおいしいの?〜
MINAMI
ファンタジー
神の喧嘩に巻き込まれて死んでしまった
お詫びということで沢山の
チートをつけてもらってチートの塊になってしまう。
自重を知らない幼女は持ち前のハイスペックさで二度目の人生を謳歌する。
平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
孤児による孤児のための孤児院経営!!! 異世界に転生したけど能力がわかりませんでした
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はフィル
異世界に転生できたんだけど何も能力がないと思っていて7歳まで路上で暮らしてた
なぜか両親の記憶がなくて何とか生きてきたけど、とうとう能力についてわかることになった
孤児として暮らしていたため孤児の苦しみがわかったので孤児院を作ることから始めます
さあ、チートの時間だ
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる