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一章 ゲーム開始
033 炎王との出会いPart.1
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学園一日目は順調に終わり、俺はそのまま隣国へと転移した。
「さて…お久しぶりです、炎王様」
「俺たちの間だろ?」
「はぁ…いつも言うが、国王と一貴族、それも別国の貴族だ。立場の差を考えてくれ」
「まぁまぁ、良いじゃねぇか!」
この世界の四大大国は王国、帝国、商国、聖国の四種類だ。
王国は勇者が、
帝国は英雄たちが軍事力のために建国、
商国は商人が、
聖国は聖職者が建国したものだが、それ以外にも幾つか国があるが、炎王と呼ばれるこの者の国、焔国は小国の分類ではあるものの、砂漠を牛耳る国であり、国民は殆どが火属性、国王に至っては火神から加護と祝福を得ていて、かつ戦神の加護も持っていて王1人で一騎当千どころか、場合によっては軍事力の高い帝国や王国ですら要警戒する程の戦力の持ち主だ。
なぜ、こんなに俺が好かれているかと言うと、商会長になった後、それとほぼ同時に冒険者にもなったんだが、商会で売る商品を考えて近場の土地を旅していた時、砂漠に住んでいた魔物と対峙し、その際に偶然出会ったのがきっかけだ。
ゲームのストーリーには出てこなかったキャラなため、完全に初見で、情報でしか知らなかったが、日焼けした肌に特徴的な首飾りをしていて、なんとかわかった。
「…はじめまして、炎王様」
「へぇ、初めてあったよな?」
「え?は、はい」
「よくわかったな?俺だって。砂漠じゃ肌が焼けているのなんてそこら中に居るだろ」
「そうですね。今まで会ったもの達は焼けている者が多い様でした。
ですが、砂漠で上裸になれる程余裕そうにしていて、そして炎龍の宝玉と牙を加工したそのネックレス、炎王らしく体内の燃え盛る魔素、正に炎王様の特徴そのものでしたので」
「この首飾りも普通はルビーと思うはずだが」
「私は魔眼を持っていますので、素材に宿る魔素を見ることができます。その中で、龍の持つ魔素はその純度が明らかですので」
「ほぉ、便利な目だな。俺にも欲しいくらいだ」
「嫌ですよ、あげません」
「ところでお前、そんな軽装で砂漠に何の用だ?」
「ああ、私は商会を経営しておりまして、商品になるものを探す旅に出ていました」
「へぇ、商会をねぇ…今はどんな商品があるんだ?」
「洗髪剤や魔道具、装備類やポーション等の消耗品など、幅広く扱っております」
「ふーん…なら、俺の要望どおりの魔道具を作ってくれよ。貴族さん」
「かしこまりました。どのような魔道具でしょうか?それと、ここではせめて商会長とお呼びください」
「レオンハルト公爵家だったか?」
「はい。私はリーフェル・レオンハルトと申します」
「商会長って言ってたが…ここ数年できた商会の中じゃあ…確か、架縁っつったか?」
「よくご存知ですね」
「あの商会のもんだったか。そりゃいい。他の属性を使える魔道具なんかはあるか?」
「一応ありますが、その殆どは使い捨ての爆弾のようなものや、数回で壊れてしまうものが殆どです」
「そりゃダメだな。長期的に使うものはねぇのか?」
「生活で使うものはありますが、砂漠で使うとなると、炎の魔素が邪魔して上手く作動できません」
「それをどうにかしてくれよ」
「…ちなみにですが、それは炎王様が独自に使うものですか?」
「ああ」
「ふぅむ…かしこまりました。それでは、特注として開発させて頂きましょう」
「お、言質は取ったぞ」
「ですが、火の魔素が砂漠よりも強い炎王様専用の魔道具です。相応の対価は頂きます」
「なら、俺の嫁になるか?」
「生憎ですが、私は男色家ではありませんので」
「俺もだぞ」
「?」
「さて…お久しぶりです、炎王様」
「俺たちの間だろ?」
「はぁ…いつも言うが、国王と一貴族、それも別国の貴族だ。立場の差を考えてくれ」
「まぁまぁ、良いじゃねぇか!」
この世界の四大大国は王国、帝国、商国、聖国の四種類だ。
王国は勇者が、
帝国は英雄たちが軍事力のために建国、
商国は商人が、
聖国は聖職者が建国したものだが、それ以外にも幾つか国があるが、炎王と呼ばれるこの者の国、焔国は小国の分類ではあるものの、砂漠を牛耳る国であり、国民は殆どが火属性、国王に至っては火神から加護と祝福を得ていて、かつ戦神の加護も持っていて王1人で一騎当千どころか、場合によっては軍事力の高い帝国や王国ですら要警戒する程の戦力の持ち主だ。
なぜ、こんなに俺が好かれているかと言うと、商会長になった後、それとほぼ同時に冒険者にもなったんだが、商会で売る商品を考えて近場の土地を旅していた時、砂漠に住んでいた魔物と対峙し、その際に偶然出会ったのがきっかけだ。
ゲームのストーリーには出てこなかったキャラなため、完全に初見で、情報でしか知らなかったが、日焼けした肌に特徴的な首飾りをしていて、なんとかわかった。
「…はじめまして、炎王様」
「へぇ、初めてあったよな?」
「え?は、はい」
「よくわかったな?俺だって。砂漠じゃ肌が焼けているのなんてそこら中に居るだろ」
「そうですね。今まで会ったもの達は焼けている者が多い様でした。
ですが、砂漠で上裸になれる程余裕そうにしていて、そして炎龍の宝玉と牙を加工したそのネックレス、炎王らしく体内の燃え盛る魔素、正に炎王様の特徴そのものでしたので」
「この首飾りも普通はルビーと思うはずだが」
「私は魔眼を持っていますので、素材に宿る魔素を見ることができます。その中で、龍の持つ魔素はその純度が明らかですので」
「ほぉ、便利な目だな。俺にも欲しいくらいだ」
「嫌ですよ、あげません」
「ところでお前、そんな軽装で砂漠に何の用だ?」
「ああ、私は商会を経営しておりまして、商品になるものを探す旅に出ていました」
「へぇ、商会をねぇ…今はどんな商品があるんだ?」
「洗髪剤や魔道具、装備類やポーション等の消耗品など、幅広く扱っております」
「ふーん…なら、俺の要望どおりの魔道具を作ってくれよ。貴族さん」
「かしこまりました。どのような魔道具でしょうか?それと、ここではせめて商会長とお呼びください」
「レオンハルト公爵家だったか?」
「はい。私はリーフェル・レオンハルトと申します」
「商会長って言ってたが…ここ数年できた商会の中じゃあ…確か、架縁っつったか?」
「よくご存知ですね」
「あの商会のもんだったか。そりゃいい。他の属性を使える魔道具なんかはあるか?」
「一応ありますが、その殆どは使い捨ての爆弾のようなものや、数回で壊れてしまうものが殆どです」
「そりゃダメだな。長期的に使うものはねぇのか?」
「生活で使うものはありますが、砂漠で使うとなると、炎の魔素が邪魔して上手く作動できません」
「それをどうにかしてくれよ」
「…ちなみにですが、それは炎王様が独自に使うものですか?」
「ああ」
「ふぅむ…かしこまりました。それでは、特注として開発させて頂きましょう」
「お、言質は取ったぞ」
「ですが、火の魔素が砂漠よりも強い炎王様専用の魔道具です。相応の対価は頂きます」
「なら、俺の嫁になるか?」
「生憎ですが、私は男色家ではありませんので」
「俺もだぞ」
「?」
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