呟きの箱

十四年生

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緋色木枯らし

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緋色木枯らし

雪深い弥山
はぐれた小鹿
寒そうに体を震わせて
雲厚い空へ一つ鳴いた
寂しいと心の隙間あいた

吹き降ろす風
髪をなびかせて
雪白くなった息を運ぶ

緋色 木枯らし
泣く風に
あなたを想い涙落ちた

獅子岩の先に
小島の群れ
海水面降りる冬の子ら
雲霞映す鬼神(オニガミ)の息
優しくなれとあたためた

塗り変わる景色
緋色の瞳に
雪白くなった宮を映す

冬 花は咲かぬ
春は遠く
あなたを探し涙落ちた

冬 物悲しき
語り仕舞い
あなたを想い…

緋色 木枯らし
泣く風に
あなたを願い涙落ちた



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