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エルフのお婿さん

おっさんは長(おさ)とお風呂に入りました

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 ────その後、失禁し気絶したルルの下から引きずり出された良夫は、初めてのアナルセックスの余韻を楽しむ間もないまま、レムによって長い廊下を引きずられて行った。

 そして……

 
 どっぱぁんっ!


 また放り投げられて宙を舞ったかと思うと、水しぶきを上げながら暖かいお湯の中に着水した。

「…………ぶくぶくぶく」

 ちなみに、股間周辺はむき出しになっているものの、それ以外は未だ縛られたままである。

 島国育ちとは言え、子供の頃からぽっちゃり気味(自称)で自らの肉体に自信のなかった良夫は、その裸を人に見られたくなかった為プールにも海にも縁のない人生を送ってきた。

 もちろん、泳ぐことなどできはしない。

 だというのに、着衣どころかまるで海賊の処刑法のような姿スタイルで水中に沈められてしまっては、もはやなすすべがなかった。

 すわ、このまま第二の人生も終了か、と良夫が思ったその瞬間────


 ざばぁっ!

 
「ぶはぁっ! はぁっ! はぁっ! はぁっ!」

「……何をしている。キサマ、そんな体をしていながら水に浮かぶこともできんのか?」


 ────絶体絶命の良夫を救い上げたのは、誰あろう良夫を窮地に陥れたレム本人であった。


「ぶふっ、げほっ、げほっ……レ、レム様、あ、ありがとうございます……」

 だがもちろん良夫は、マッチポンプな救出劇に対しても、自分の肉体を馬鹿にされたことに対しても不満など口にせず、ただ感謝の言葉をレムに告げた。

 良夫が長いものには巻かれる主義だから……というだけではない。

 突如として目の前に現れた、レムの巨乳。
 その圧倒的な大きさと美しさに心を奪われ、感謝以外の言葉が頭に浮かんでこなかったのだ。

「ふむ……礼儀を知るオスは嫌いではない。その調子で、これからもわれに尽くすのだな」

「ごほっ、ごふっ……ふぅ、ふぅ……は、はいっ、誠心誠意、お仕えさせていただきますっ」

 良夫のマイ辞書には、美女に対して逆らう言葉など登録されていなかった。
 
 ましてや、相手が女神とも見紛うほどの美貌の持ち主であればなおさらだ。

 良夫は、レムがひざまずけと言うならば喜んで跪き、靴を舐めろというのなら喜んで舐めるだろう。

 ……どうせ舐めるなら、靴よりも生足の方がいいが。

「それでよい。では早速だが……我に奉仕してもらおうか」

「はいっ、喜んでぇ!」

 良夫は『奉仕』と言う単語を聞いた瞬間、頭で考える前に口が反応し、まるで居酒屋店員のような威勢のいい返事を返していた。

 そしてその喜びを体全体で表現するかのように、縄で縛られ片手で吊り下げられた格好のままグネグネと体をよじり、レムに内心(……若干キモいな)と引かれたのだった。




 ◇


「レ、レム様……はぁっ、はぁっ、どうでしょうか、気持ちいいですか?」

「ああ……いいぞヨシオ。……ん、そこは、もっと強くだ」

「はぁっ、はぁっ! はいっ、レム様! こ、こうでしょうか!?」

「うむ……あぁ……いいぞ、ヨシオ。その調子だ」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ! ありがとうございますっ! ありがとうございますっ! 頑張りますっ! …………うっ!」

 もうもうと湯気が立ちこめる、広い風呂場の中。

 良夫の荒い息づかいと、心地よさげなレムの声が響いていた。





 ……べつにセックスしているわけではない。





 縄を解いてもらった良夫が、レムの体を洗っていただけだ。

 良夫が最後に「……うっ!」と呻いていたのも、レムに褒められて感極まったからである。

 だが、良夫の呼吸がここまで荒ぶっているのは、単に良夫の体力がエルフの幼児以下しかない、という理由だけではなかった。

 良夫は今、ヘチマを乾燥させたスポンジのようなもので髪を上に束ねたレムの背中を洗っているのだが、そこから見えるレムのうなじ、背中、脇、横乳、尻肉などのあまりのエロさに、激しく興奮してしまっているのである。

「くくっ……」

 良夫から放たれる、風呂場の熱にも負けないほど熱い吐息を受けながら、レムはほくそ笑んだ。

 全てが、彼女の計画通りに進んでいたからだ。

 ……いや、ルルに安全確認という名目で先を越され、しかもそれがアナルセックスで、そのうえ自分の部屋のベッドを尿でビショビショにされてしまったことを除けば、ではあるが。
 
 ともかく、レムは自らの美貌を見せつけることによって、良夫の興奮を高めることに成功していた。

 そして、このままさらに煽り、焦らし続けることで良夫を昂ぶらせ、チンポが限界までバキバキに勃起したところでセックスになだれ込もう、という算段なのだ。

 普通のエルフであれば、すでに勃起している良夫をこれ以上興奮させる必要などないだろう。

 しかしレムには、ここまでして良夫を奮い立たせなければならない理由・・があった。

(今度こそ……今度こそ我は……)

 クチュリ、とレム自身にしか聞こえない水音が、股間から響いた。

 エルフの長として余裕のある振る舞いをし続けているものの、本当はレムとて今すぐ良夫を押し倒してしまいたいほどに興奮しているのだ。

(まだだ……まだ、我慢だ……でも、もうすぐ……あぁ……っ!)

 良夫に気づかれぬよう、風呂のお湯以外の液体で濡れた自らの秘所にこっそり手を伸ばしたレムは、縦に割れたすじに沿って指を滑らせる。

 それだけで、まるで痺れるような快楽が広がっていき、レムはぶるりと太ももを震わせた。

 これから先のことを想像し、期待することで、いつも以上に感度が高くなっているのだろう。

「……っ、……っ」

「はぁっ! はぁっ! はぁっ! レム様っ、気持ちいいですかっ、レム様っ!」


 ────その後風呂場には、レムの押し殺した官能の呻きと、若干テンションが上がりすぎてウザくなってきた良夫の声が、十分ほども響き続けたのだった。


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