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終章
大魔術〈世界把握〉
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「……ふぅ」
パタン、と自室の扉を閉めたミゼルは、静かに息を吐き出した。
そして、扉に背を押し付けたまま、崩れ落ちるようにその場に座り込む。
仲間の前では無理をしていたが、本当は立っているのがやっとなほど疲れ果てていたのだ。
肉体的な疲労。
それはもちろんある。
リディアやルナやアレックスとは違い、ミゼルの身体能力は常人と何ら変わりないのだから当然だ。
しかし、彼女を立っているのが困難なほどに蝕んでいるのは、むしろ精神的な疲労のほうであった。
魔術の行使とは精神に負担をかけるものだから、という単純な理由だけではない。
そもそも魔術師として常人を逸した才能の持つミゼルであれば、〈次元転移〉による都市間の連続移動や、スキルである〈戦場把握〉と違って膨大な魔力を消費する〈広域把握〉の連続使用であっても、ここまで精神を削るものではないのだ。
問題なのは、攫われた少年の心配をしながらそれを行わなければならない、ということだった。
魔術とは、内なる魔力を精神の力で制御して形にし、言葉でそれに意味を与えて外に放つことで世界に干渉する術だ。
だが、制御するべき精神が乱れればとうぜん魔力も乱れるため、その乱れた魔力を制御するために更なる精神力を必要とする、という悪循環に陥っていしまう。
無限の魔力を持つ、とまで言われるミゼルであれば尚更、自らの中で荒れ狂う魔力を制御するためには、それ相応に精神をすり減らさざるを得なかったのである。
「……よしっ」
だが、だからといって、彼女が休息を求めることなどはない。
自らの頬が赤くなるほど強く叩いて気合を入れると、ミゼルは震える両脚に力を込め、ヨロヨロとではあるが立ち上がった。
そして、リディアに宣言していた通り、パーティー共有の魔法の鞄から最上位回復薬の入った瓶を取り出すと、それを一息に飲み干した。
「……ぷはっ、まず一本」
続けて二本、三本と、ミゼルは最上位回復薬を空にしていく。
体力は最初の一本で完全に回復しているが、魔力は数本を飲み干した今でも半ばにすら達していなかった。
普通の魔術師であれば────いや、たとえ高位の魔術師であったとしても、ひと口ふた口飲めば魔力が全回復すると言われる最上位回復薬ですら、ミゼルの膨大な魔力を満たすには力不足なのだ。
世界最高性能かつ世界最高額の回復薬が飲料水のように消費されていく様は、世の魔術師が見たなら自信を喪失して魔術を捨てるか、恐ろしさのあまり発狂してしまうような光景だろう。
もしくはその危険度を国に訴えて、ミゼルを討伐するよう働きかけるもしれない。
実際、国や貴族がミゼルの本当の力を知れば、排除する方向に動いてもおかしくはないほどに、彼女に秘められた魔力は膨大なものだった。
これまで問題がなかったのは、無限の魔力を持つなどと噂されても、冒険者はなにかと話を誇張するものだからと、だれも本気でその噂を信じてなどいなかったからだ。
もちろんミゼルも、これまで仲間たち以外の前では本気を出したことがなかった。
────だが今、ミゼルは自らに課したその制約を破るつもりだ。
たとえ人から今以上に恐れられても、たとえ国や貴族を敵に回すことと天秤に掛けても、優先しなければならないことが彼女にはあるからだ。
瓶を勢いよく傾けすぎたせいで豊満な胸元に多少の液体をこぼしながらも(約白金貨1枚相当)、ミゼルはそれを気にすることなく、乾ききった旅人のように次の瓶へと手を伸ばし、口元へ運んでいく。
自らの内に漲っていく、かつては悍ましいとさえ思っていた膨大な魔力を、生まれて初めて頼もしいと感じながら……
◇
「────ミゼル、入るぞ」
十本の最上位回復薬を空け、ようやく全ての魔力を回復させたミゼルの耳に、扉を叩くノックの音と共にリディアの声が届いた。
「ええ、いいわよ」
答えると同時に扉が開く。
「ルナが…………っ」
何かを言いながら中に入ってこようとしたリディアだったが、すぐに足を止め、その言葉を飲み込んだ。
ミゼルの体から発せられる魔力の圧に、部屋から押し出されそうになったからだ。
「ごめんなさい、今は、抑えてないから」
「……いや、こっちこそすまない。久しぶりだから忘れてたよ、お前の本気を」
「いいのよ。それより……」
「ああ、そうだな。これだ」
互いに話は無駄だと言わんばかりの短い会話を交わし、リディアは手に持っていたものをミゼルに渡した。
「ルナが持ってきたものだ。どうだ、それで問題ないか?」
そして、先ほど言いかけて途切れた言葉を続け、問いかける。
「……ええ、大丈夫よ」
ミゼルが渡されたものを確認し、頷きを返した。
それは、一枚の羊皮紙だった。
書かれているのは、簡単な図形と文字。
それだけだ。
だが────
「これが、犯人の魔力……っ」
眉をしかめ、睨むような眼差しで羊皮紙を見つめるミゼルに、リディアが「ああ、そうだ」と答えた。
ルナが養護施設に侵入した際、そこに少年の姿がなかった場合には持ってくるように、とリディアが指示を出しておいたもの。
それが、養護施設に張られていた『人払いの結界』の核となる、この魔法陣の書かれた羊皮紙だったのだ。
「これがあれば、〈世界把握〉で犯人を追えるわ。……いいのよね?」
羊皮紙を睨みつけていたミゼルが、険しい表情のまま正面から強い視線でリディアを見つめ、念を押すように尋ねた。
いや、それは問いかけというよりも、むしろ最終的な確認と言った方がいいだろうか。
ミゼルがこれから行おうとしている〈世界把握〉は、文字通り世界中に魔力探知の網を広げ、目標とする対象を発見する魔術だ。
もちろん、無条件に世界中の誰でも見つけられる、というような便利な魔術ではない。
それができるのならば、少年が攫われ、街にいないとわかった時点で迷うことなく使っていただろう。
この魔術は範囲が大陸全土にも及ぶ大規模なものである為、どうしても探知する『網の目』が広くなってしまうので、探す対象がある程度以上の魔力を持っていることと、その対象の魔力が込められた何らかの触媒が手元にあることが条件になるのだ。
そして、探知のためだけとは言え大陸全土────つまり国家を跨いで魔術を掛ける訳だから、事前にギルドに申請を出して使用許可をとる必要もある。
また、ミゼルはこれまでに二度この魔術を使用したことがあるが、その時はしっかりと準備をして、彼女が個人で行使した魔術だとは分からないように偽装していた。
だが今回は、無許可で、しかも偽装もせずにそれを行おうとしているのだ。
さすがに全ての国、全ての団体、全ての種族が、魔術を行使したのがミゼル個人だと特定し、その行為が自分たちに対する敵対行動だ、と思うようなことはないだろう。
だが、『冒険者ギルド』『天使教』『ティナーク王国』という世界で最も力を持つ三つの集団の内、どれか一つにでもそう判断されたら、それは結局『世界』を敵に回すのと同じことだ。
ミゼルの「いいのよね?」の一言には、それだけ重大な意味が込められていたのである。
「ああ。最初からそのつもりだ…………それに、もしダメだと言ったところで、結局お前一人でやるつもりだろう?」
「当たり前じゃない」
「そうだな、当たり前だ」
二人の口元に、わずかだが、二日ぶりの笑みが浮かんだ。
多くの言葉を交わさずとも、しっかりと心が通じ合っている。
それを再確認することができた、熟練冒険者としての笑みだった。
「それじゃあ、私はすぐに取り掛かるわ。犯人を見つけたら……その後どうするかは、もう決めてるんでしょう? 私はあなたの指示に従うから、思う通りに進めて」
「ああ」
「それと────これをルナに渡しておいて」
「分かった」
ミゼルから渡されたものを詳しく確認することもなく、リディアは頷いた。
なにを渡されたかなど分かっている。
児童養護施設に人払いの結界を張り直すための、魔法陣が書かれた羊皮紙だろう。
どれだけ焦っていても、どれだけ時間がなくても、だからといって罪もない子供を見捨てるほど、彼女たちは落ちぶれてはいない。
「じゃあ、部屋から出て。……〈世界把握〉を発動させるわ」
瞳を閉じ、精神を集中させ始めたミゼルにこれ以上声を掛けることなく、リディアは無言で部屋を出た。
そのまま、足音すら立てずリビングに向かう。
「…………」
「…………」
「…………」
リビングで彼女を出迎えたのは、先ほどのミゼルと同じくらいの強さでリディアを見つめる六つの瞳。
ルナ。
アレックス。
マリアベル。
三人それぞれに視線を合わせ、全員に揺るがぬ覚悟を見て取ったリディアは、一度ゆっくりと呼吸をしたあと、口を開いた。
「……皆に、話がある。これからのことだ。本当は全員で話し合ってから決めるべきことだが、時間がない。決定事項だと思って聞いて欲しい。
納得できなくても、最後まで私の考え聞いた上で即座により良い提案をできないのであれば、黙って従ってくれ。
文句は後で聞く。いいな」
「……わかった」
「おうっ」
「はい」
静かに頷くルナ。
目をギラつかせながら答えるアレックス。
真摯な眼差しを返すマリアベル。
リディアの言葉に対する反応は三者三様であるが、答えは同じだ。
「よし。では、聞いてくれ。特にルナにはやってもらわなければならないことが多いから、後で個別に詳しい話をする。
まずは────」
────こうして、暫くぶりとなるはぐれ者たちの作戦会議は、世界を敵に回すかも知れないというかつてないほど最悪な前提のもとに、開始されたのだった。
パタン、と自室の扉を閉めたミゼルは、静かに息を吐き出した。
そして、扉に背を押し付けたまま、崩れ落ちるようにその場に座り込む。
仲間の前では無理をしていたが、本当は立っているのがやっとなほど疲れ果てていたのだ。
肉体的な疲労。
それはもちろんある。
リディアやルナやアレックスとは違い、ミゼルの身体能力は常人と何ら変わりないのだから当然だ。
しかし、彼女を立っているのが困難なほどに蝕んでいるのは、むしろ精神的な疲労のほうであった。
魔術の行使とは精神に負担をかけるものだから、という単純な理由だけではない。
そもそも魔術師として常人を逸した才能の持つミゼルであれば、〈次元転移〉による都市間の連続移動や、スキルである〈戦場把握〉と違って膨大な魔力を消費する〈広域把握〉の連続使用であっても、ここまで精神を削るものではないのだ。
問題なのは、攫われた少年の心配をしながらそれを行わなければならない、ということだった。
魔術とは、内なる魔力を精神の力で制御して形にし、言葉でそれに意味を与えて外に放つことで世界に干渉する術だ。
だが、制御するべき精神が乱れればとうぜん魔力も乱れるため、その乱れた魔力を制御するために更なる精神力を必要とする、という悪循環に陥っていしまう。
無限の魔力を持つ、とまで言われるミゼルであれば尚更、自らの中で荒れ狂う魔力を制御するためには、それ相応に精神をすり減らさざるを得なかったのである。
「……よしっ」
だが、だからといって、彼女が休息を求めることなどはない。
自らの頬が赤くなるほど強く叩いて気合を入れると、ミゼルは震える両脚に力を込め、ヨロヨロとではあるが立ち上がった。
そして、リディアに宣言していた通り、パーティー共有の魔法の鞄から最上位回復薬の入った瓶を取り出すと、それを一息に飲み干した。
「……ぷはっ、まず一本」
続けて二本、三本と、ミゼルは最上位回復薬を空にしていく。
体力は最初の一本で完全に回復しているが、魔力は数本を飲み干した今でも半ばにすら達していなかった。
普通の魔術師であれば────いや、たとえ高位の魔術師であったとしても、ひと口ふた口飲めば魔力が全回復すると言われる最上位回復薬ですら、ミゼルの膨大な魔力を満たすには力不足なのだ。
世界最高性能かつ世界最高額の回復薬が飲料水のように消費されていく様は、世の魔術師が見たなら自信を喪失して魔術を捨てるか、恐ろしさのあまり発狂してしまうような光景だろう。
もしくはその危険度を国に訴えて、ミゼルを討伐するよう働きかけるもしれない。
実際、国や貴族がミゼルの本当の力を知れば、排除する方向に動いてもおかしくはないほどに、彼女に秘められた魔力は膨大なものだった。
これまで問題がなかったのは、無限の魔力を持つなどと噂されても、冒険者はなにかと話を誇張するものだからと、だれも本気でその噂を信じてなどいなかったからだ。
もちろんミゼルも、これまで仲間たち以外の前では本気を出したことがなかった。
────だが今、ミゼルは自らに課したその制約を破るつもりだ。
たとえ人から今以上に恐れられても、たとえ国や貴族を敵に回すことと天秤に掛けても、優先しなければならないことが彼女にはあるからだ。
瓶を勢いよく傾けすぎたせいで豊満な胸元に多少の液体をこぼしながらも(約白金貨1枚相当)、ミゼルはそれを気にすることなく、乾ききった旅人のように次の瓶へと手を伸ばし、口元へ運んでいく。
自らの内に漲っていく、かつては悍ましいとさえ思っていた膨大な魔力を、生まれて初めて頼もしいと感じながら……
◇
「────ミゼル、入るぞ」
十本の最上位回復薬を空け、ようやく全ての魔力を回復させたミゼルの耳に、扉を叩くノックの音と共にリディアの声が届いた。
「ええ、いいわよ」
答えると同時に扉が開く。
「ルナが…………っ」
何かを言いながら中に入ってこようとしたリディアだったが、すぐに足を止め、その言葉を飲み込んだ。
ミゼルの体から発せられる魔力の圧に、部屋から押し出されそうになったからだ。
「ごめんなさい、今は、抑えてないから」
「……いや、こっちこそすまない。久しぶりだから忘れてたよ、お前の本気を」
「いいのよ。それより……」
「ああ、そうだな。これだ」
互いに話は無駄だと言わんばかりの短い会話を交わし、リディアは手に持っていたものをミゼルに渡した。
「ルナが持ってきたものだ。どうだ、それで問題ないか?」
そして、先ほど言いかけて途切れた言葉を続け、問いかける。
「……ええ、大丈夫よ」
ミゼルが渡されたものを確認し、頷きを返した。
それは、一枚の羊皮紙だった。
書かれているのは、簡単な図形と文字。
それだけだ。
だが────
「これが、犯人の魔力……っ」
眉をしかめ、睨むような眼差しで羊皮紙を見つめるミゼルに、リディアが「ああ、そうだ」と答えた。
ルナが養護施設に侵入した際、そこに少年の姿がなかった場合には持ってくるように、とリディアが指示を出しておいたもの。
それが、養護施設に張られていた『人払いの結界』の核となる、この魔法陣の書かれた羊皮紙だったのだ。
「これがあれば、〈世界把握〉で犯人を追えるわ。……いいのよね?」
羊皮紙を睨みつけていたミゼルが、険しい表情のまま正面から強い視線でリディアを見つめ、念を押すように尋ねた。
いや、それは問いかけというよりも、むしろ最終的な確認と言った方がいいだろうか。
ミゼルがこれから行おうとしている〈世界把握〉は、文字通り世界中に魔力探知の網を広げ、目標とする対象を発見する魔術だ。
もちろん、無条件に世界中の誰でも見つけられる、というような便利な魔術ではない。
それができるのならば、少年が攫われ、街にいないとわかった時点で迷うことなく使っていただろう。
この魔術は範囲が大陸全土にも及ぶ大規模なものである為、どうしても探知する『網の目』が広くなってしまうので、探す対象がある程度以上の魔力を持っていることと、その対象の魔力が込められた何らかの触媒が手元にあることが条件になるのだ。
そして、探知のためだけとは言え大陸全土────つまり国家を跨いで魔術を掛ける訳だから、事前にギルドに申請を出して使用許可をとる必要もある。
また、ミゼルはこれまでに二度この魔術を使用したことがあるが、その時はしっかりと準備をして、彼女が個人で行使した魔術だとは分からないように偽装していた。
だが今回は、無許可で、しかも偽装もせずにそれを行おうとしているのだ。
さすがに全ての国、全ての団体、全ての種族が、魔術を行使したのがミゼル個人だと特定し、その行為が自分たちに対する敵対行動だ、と思うようなことはないだろう。
だが、『冒険者ギルド』『天使教』『ティナーク王国』という世界で最も力を持つ三つの集団の内、どれか一つにでもそう判断されたら、それは結局『世界』を敵に回すのと同じことだ。
ミゼルの「いいのよね?」の一言には、それだけ重大な意味が込められていたのである。
「ああ。最初からそのつもりだ…………それに、もしダメだと言ったところで、結局お前一人でやるつもりだろう?」
「当たり前じゃない」
「そうだな、当たり前だ」
二人の口元に、わずかだが、二日ぶりの笑みが浮かんだ。
多くの言葉を交わさずとも、しっかりと心が通じ合っている。
それを再確認することができた、熟練冒険者としての笑みだった。
「それじゃあ、私はすぐに取り掛かるわ。犯人を見つけたら……その後どうするかは、もう決めてるんでしょう? 私はあなたの指示に従うから、思う通りに進めて」
「ああ」
「それと────これをルナに渡しておいて」
「分かった」
ミゼルから渡されたものを詳しく確認することもなく、リディアは頷いた。
なにを渡されたかなど分かっている。
児童養護施設に人払いの結界を張り直すための、魔法陣が書かれた羊皮紙だろう。
どれだけ焦っていても、どれだけ時間がなくても、だからといって罪もない子供を見捨てるほど、彼女たちは落ちぶれてはいない。
「じゃあ、部屋から出て。……〈世界把握〉を発動させるわ」
瞳を閉じ、精神を集中させ始めたミゼルにこれ以上声を掛けることなく、リディアは無言で部屋を出た。
そのまま、足音すら立てずリビングに向かう。
「…………」
「…………」
「…………」
リビングで彼女を出迎えたのは、先ほどのミゼルと同じくらいの強さでリディアを見つめる六つの瞳。
ルナ。
アレックス。
マリアベル。
三人それぞれに視線を合わせ、全員に揺るがぬ覚悟を見て取ったリディアは、一度ゆっくりと呼吸をしたあと、口を開いた。
「……皆に、話がある。これからのことだ。本当は全員で話し合ってから決めるべきことだが、時間がない。決定事項だと思って聞いて欲しい。
納得できなくても、最後まで私の考え聞いた上で即座により良い提案をできないのであれば、黙って従ってくれ。
文句は後で聞く。いいな」
「……わかった」
「おうっ」
「はい」
静かに頷くルナ。
目をギラつかせながら答えるアレックス。
真摯な眼差しを返すマリアベル。
リディアの言葉に対する反応は三者三様であるが、答えは同じだ。
「よし。では、聞いてくれ。特にルナにはやってもらわなければならないことが多いから、後で個別に詳しい話をする。
まずは────」
────こうして、暫くぶりとなるはぐれ者たちの作戦会議は、世界を敵に回すかも知れないというかつてないほど最悪な前提のもとに、開始されたのだった。
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