やりすぎハイスペックな俺が行く 異世界チートな旅路

とやっき

文字の大きさ
上 下
11 / 89
1章 異世界の魔王 一つ目の危機

10話 顕現したぜ 天使

しおりを挟む


〈それでは憑依を始めます〉


 いやいや、待てい!


 不死の体を持ったサリエルを倒し、一息ついたところでセラファルが変なことを言い出した。

 セラファルは俺のサポートをしてくれている天使だ。

 そんなセラファルが、魂が抜けたサリエルの不死の肉体に憑依すると言うのだ。


「賛成なの! セラファル様がいれば心強いの!」


 この可愛い猫は俺が召喚したモンスターだ。
 セラファルに逆らえないから、こう言っているんだろう。

 にしても敵の魂が消えて、抜け殻になったとはいえ、それに乗り移るってどうかと思うんだがな。

 抵抗ないのか?


〈ご心配には及びません。天使の受肉に耐えられる体なので、便利で都合がいいです。それに、マスターの近くでサポートできますから〉


 天使が降りて来ていいのだろうか。

 神に怒られるんじゃ?


〈ペリッサ様から全て許可をいただいております〉


 神は公認してるのか。
 ちなみに、ペリッサというのは転生神で俺を異世界に送ってくれたやつだ。


 覚悟は決めないとな。

 問題ないならやっていいぞ。


〈有り難きお言葉。早速、憑依いたします〉


「成功しました」


 早っ!?

 死んだはずのサリエルが立ち上がって、駆け寄ってきた。
 しかも、満面の笑みを浮かべながら。

 ギャップが凄いな。
 声もサリエルのままだ。

「まずは声ですか。あ、ああ。声帯をいじりました。これで大丈夫ですか?」

 いつものセラファルの声になった。

 声帯をいじって声を変える天使か。
 シュールだな。

「セラファルの声になったな。えっと、見た目はいじれるのか?」

「はい。あまりにも元の姿からかけ離れたものは無理ですが、多少は変えられます」

 天使って万能だなー。

「翼は白く染めますね。あ、ちゃんと普段は隠しておきます。あと、胸が全然ないので、大きく・・・顔は天使っぽいあどけなさを足してみましょう」

 女性がメイクをするがごとく、顔が変わっていく。

 そして胸。最初はAにも満たない感じだったが、今はEくらいあるんじゃないだろうか。しかも豊胸した後の胸のような違和感はなく、自然な感じで二つの双丘がそびえ立っている。

 うん、素晴らしい。

 翼も純白になり、顔も愛嬌があって可愛らしくなった。

 形容するなら、まさに天使という言葉がふさわしい。
 いや、まあ、天使だけどさ。


「マスターの外見の好みはどんな感じでしょうか? この顔は元の私の顔ですが、マスターの理想に近づくように改造しましょう」

「別にそこまでしなくていいよ。今でもかなりの美人さんだからな」

 するとセラファルの顔が火のついたように赤く染まり、瞬時に下を向いてしまった。

 頭の中で話すだけだったから、こういう反応は新鮮で面白い。

 今回は正直に感想を述べただけだが、次からはもうちょっとオーバーに言ったら面白そうだ。


「もう。からかわないでください!」


 モジモジし始めてしまった。


「ご主人様は女ったらしなの!? エミュも気を付けないといけないの!」


 お前メスなのか。
 まあ話し方から判断するとそうか。

 でもエミュ、さすがに猫に手を出すわけないからな。
 俺を何だと思ってるんだ。


 ・・・あれ? エミュって帰らないのか?


「エミュって戻らないのか? もう戦闘は終わったんだぞ?」

「何を言ってるか分からないの。エミュは死ぬまでご主人様の使い魔なの」

 え?

「モンスター召喚は莫大な魔力を使用する代わりに、モンスターはその命が尽きるまで主人の命令に従います。ちなみにマスターの魔力は上限がありませんから、ご心配なさらず」


 ちょっと待ってくれ。
 エミュを使い魔にするのはいい。

 だが・・・。


「セラファル。もしあの巨人が生きてたら、俺の側にずっといたってことか?」

「あ、えっと、マスター。あの場は緊急事態だったので、先のことを考える余裕がありませんでした。申し訳ありません」


 こいつ、認めやがった。

 巨人と一緒に行動してたら、命がいくつあっても足りない。というか、誰にも近寄れない。

 不謹慎かもしれんが、やられてくれて助かったかもな。

「まあいい。これからよろしく頼むぞ、エミュ」

「よろしくなの! ご主人様!」




「それでは、リーサさんと、ウルリルさんを出しますね」


 リーサはどっかの王国の姫で、魔王城を一緒に脱出した仲だ。
 ウルリルは魔王の娘で、魔王から託されて一緒に行動することになった。

 二人ともサリエルとの戦闘前に、危ないからセラファルに守ってもらっていた。


「そういえば、二人をどこに匿ったんだ?」


「亜空間に放り込みました」


「すぐに出してあげなさい・・・」





しおりを挟む
感想 95

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

処理中です...