おバカさんって言わないで

珈琲きの子

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番外編

護衛官は見た -後編ー

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「エルちゃん、マジ可愛いよー」

 『エルちゃん』は王妃隊の中では王妃を表わす隠語として使われているのだ! だから俺も王妃の前以外ではエルちゃん呼びを許されている! 何という特権! ぐふふ。

「ハンス、誰そのエルチャン…って」

 おっと心の声が漏れていたか。気を引き締めなければ! 

「ん? ああ、ただの独り言だ。気にするな」

 ぬおおっ! エルちゃんのあの可愛さを知っているのは、この中で俺だけという優越感!
 そうか王妃付きという存在がありながらエルちゃんの可愛さが世に放たれていないのは、この優越感に浸るためか! わかる、わかるぞ、同志たちよ!
 
 レオンハルト様?
 もちろん、美麗なお姿を見れて毎朝感極まっているが、それとこれは別なのだ!
 

 最近、またエルちゃんは懐妊されたようで、とても幸せそうでいらっしゃるのだ。そして、侍医であるセレノア様とのツーショットに俺は内心悶えてのたうち回っている。
 
 しかし、少しでも頬を緩ませようものなら、

『ハンスさん、実は変態だったんですね…!!』
『ひっ捕らえろー!』

 となる可能性がある。

 そう、あの愛らしい絡みを見られるこの職場を離れるわけには行かない! 今、この鉄壁と言われた俺のポーカーフェイスが日の目を見たというわけなのだ!

「王妃付きになったんだろ。ここだけの話、どうなんだよ、王妃様は」

 同期で騎士団に入った仲間が俺の周りに集まってきて、こそこそと声を潜めて話し出した。

 お前たちなどに教えてやるか! あの、あの可愛らしい笑顔を見れるのは俺だけだからな!

「そうだな。お優しい方ではあるな」
「へー」
「んでんで、肝心の顔は?」
「まあ、そこは、ノーコメントで」

 なんだよー、もったいぶんなよー、と仲間は一気に気持ちが萎えたようで、そろって文句を吐いた。
 
「ノーコメントってことは噂通りってことだろ。やっぱりな」
「俺も見て見たいわー」
「顔は関係ないだろ。仕事もやりやすい様に配慮してくださるから、全く不満はないな」
「陛下がベタ惚れって言うんだから、性格はいいんだろうな。王妃様の郷まで追いかけて行ったって話だし」
「陛下もお若い時はかなり荒れてたらしいからな。それを変えたのが王妃様だって」

 そうなのか。
 レオンハルト様の情報が最優先だったから、そこら辺の情報には疎かったな。
 これからはエルちゃんの情報も取り入れていかなければ。 
 

 少しずつ王妃付きの仕事にも慣れ、エルちゃんとも会話を楽しめるようになってきた。調合の手伝いを任され、エルちゃんと二人で部屋にいることも許され、俺の毎日は充実している!

 もちろんエルちゃんを守るために非番の時も訓練も欠かさず行っている。すべてはエルちゃんのため!

 しかしだ、

 懐妊がわかってからというもの、エルちゃんがエロいのだ。どう考えても、朝迎えに行く直前まで、アアアアレをしているとしか思えないほど色気がムンムン。目は潤み、唇はぽってりと赤く色づき、どこかぼんやりとしているのだ。

 俺は何を試されているのだろうか…。
 
 しかも国王陛下のつけておられる香の薫りがエルちゃんから仄かに漂ってくると、色々と想像してしまって、もう息子が…!
 一日に何度も俺はトイレに駆けこむことになるのだ!

 俺は耐える! ただ耐える! エルちゃんの笑顔を守るためにただ耐えるのみ!
 いいか、これは己の精神を鍛えるための訓練なのだ!

 そして、数日間そうして過ごしたのち、俺はエルちゃんの着ているケーブのフードの重要性にやっと気づいたのだった。
 なぜ俺に教えてくれなかったのだ! ディータ隊長! 

 
 エルちゃんのエロモード回避術を覚えた俺は、その時、気を抜いていた。 

 
 今日、エルちゃんは陛下と材料の採取という名目でデートに行っておられる。
 マジで、ラブラブ。
 周囲に誰かいるときは寄り添いながらもエルちゃんは陛下に対して他人行儀だ。しかしお二人だけになると、陛下の胸にギュっとしがみ付き、蕩けるような笑顔を向けているのを俺たちは知っている。知らないのはエルちゃんだけ。
 あの笑顔は陛下だけのものなのだ! 冷たい印象のある陛下の笑みもその時はトロトロのデレデレだ。
 陛下もあの笑顔で癒されながら、日々務めを果たされているのだな!

 
 そう、そんなお二人はデートの真っ只中、なはずだった。
 
 俺は昼食後、王妃専用の調合室に戻り、頼まれていた仕事をしようと、ノックもせずに部屋に入ってしまったのだ。

「……ヴィ、…ン……ふ……ぅ…」

 俺は固まった。

 そこにはどう考えても、見目麗しい両陛下が抱き合い、はげしく、そう、激しく、せ、せ、せ、接吻をしているところだった!

 俺の事に気付いても陛下はやめようとせず、というより、見せつけ始めた。

「んっ…ん……はぁ……ヴィル、んぅ…」

 目を離したい。
 目を離したいけれど、いつもの純粋で可憐な姿からは想像できない、艶めかしい声と横顔に、俺の目は釘付けになってしまった。

「……もぅ、…ふ…んっ…ぅぅっ…ん――っ!」

 エルちゃんの体がビクビクと陛下の腕の中で震え、クタリと力が抜けて、陛下にしなだれるようにもたれかかった。
 力なく開いた口からは忙しなく呼吸音が漏れ、ぼんやりとした目は恍惚としていた。

 ひ、ひ、卑猥すぎる!

 接吻だけだというのに、まるでセセセセックスを見せられたような気分だ。
 
 その紫の目で俺を射るように見つめていた陛下が、エルちゃんの耳元で何かを囁くと、上気した頬を益々赤くさせて小さく頷き、陛下にしがみ付いた。その蕩けた瞳には陛下しか映っていなかった。

「ハンスだったな。これからもエルヴィンの事よろしく」

 意地悪く笑った陛下は、大切なものを扱うようにそっとエルちゃんを抱きかかえ、転移でどこかへ飛んで行ってしまった。

 転移する直前、目をまん丸くしてこちらを振り向いたエルちゃんと目が合った。

 

 いいだろう。
 結論から言おう。
 



 ――勃った。

 

 
 うおおおおおおおおおお!
 この、この昂りをどうやって抑えればいいと言うのか!!!

 ああああ、あれ、きききキスだけで、その、イッっちゃったんだよな……。
 マジか、マジか、マジか!
 国王陛下の技術たけぇ…。それともエルちゃんが敏感――ゲフンゲフンっ、ダメだ想像してはいけない! 天使の聖域に足を踏み込んではならない!

 そんなことを考えている場合ではないのだ!
 そう、それよりもなによりも、この俺の息子がテント張ってるのをどう始末すればいいというのだ!
 
「あれ、どうしたの、ハンス」
「はっ!」

 全く以て空気を読まないディータ隊長の登場に俺は戦慄を覚えた。
 
 ディータ隊長は俺の姿を見て、あー、トイレ行っといで、と肩をポンと叩いて、それ以上は突っ込まないでいてくれた。
 
 俺はトイレに駆け込み用を足した。

 

 七日後―――、



 エルちゃんを配慮したのだろう、やっとエルちゃんに会える雑務が回って来た。
 飛ばされることも辞表を書けとも言われなかったが、ディータ隊長の生暖かい視線が痛くて仕方なかった…。

 俺の顔を見た途端、あ、と顔を赤くしたエルちゃん。

「は、ハンスさん…。その、この前は、すみませんでした…」

 エルちゃんが羞恥に打ち震えていらっしゃる! 俺がしっかりと答えて差し上げなければ!

「いえ! 私こそ、両陛下には不愉快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ありませんでした!」
「そ、そんな。不愉快なんて…。僕こそ気持ちの悪いものを見せてしまって…。――も、もし、気にされてないなら、護衛官を続けてもらいたいんです。お願いしますっ」

 き、気持ち悪いだと!?
 こんな美しく可愛らしいものを気持ち悪いなど思うわけがない!
 
「陛下!」
「は、はいっ」
「私は陛下を気持ち悪いなど一片たりとも思っておりません。私こそ、陛下の護衛官を続けさせていただけるならば、誠心誠意尽くさせていただきます!」
「……ハ、ハンスさん…。ありがとうございます…」

 エルちゃんは目を潤ませながら、嬉しそうに微笑んだ。

「ハンスさんはお仕事もできるし、僕には勿体なくて、本当は嫌なんじゃないかって。それにあんな姿見せて、もうやめてしまうんじゃないかって、心配で…」

 エルちゃんと初めて会った日から、俺はエルちゃんを支え、守り、幸せにすると誓ったのだ!
 あんな姿を見たとしてもその意志は変わらない!
 エルちゃんが国王陛下しか見ていないとしても、俺はエルちゃんを…っ!

 ああ、あんな姿な……、あんな姿…いや、思い出すとな、ちょっとな…。

「いえ、私は陛下をお護りすると心に決めております! 安心してお任せください!」

 前のめりになってるけど、エルちゃん様の目をしっかりと見つめて俺は宣言した!
 そして、素早く礼をして、部屋を出た。

「お疲れ様、ハンス。これで一人前だね」

 ディータ隊長がパチパチパチと拍手と共に俺を迎えた。しかも、レオンハルト様までいらっしゃる!
 なんでどうして!?

「すまないな。少し試させてもらった」
「試す…とは、」
「エルちゃんの事、性欲の対象として見る兵がいてさ。少し前までは大丈夫だったんだけど、エルちゃん最近あか抜けて色気が付いてきちゃってさー。二人になると押し倒そうとするような奴まで出てきたんだよね」
「…それで急遽私が配属になったのですか?」
「そういう事だ。ハンス、お前ならやり遂げると信じていた。まあ…それは見ていないことにしよう」
 
 それって俺のコカンのことですか。
 尊敬するお二人に股間をちらっと見られ、内心羞恥に悶えているが、俺はポーカーフェイスを崩さない!

「この調子でよろしくね、ハンス。エルちゃんもハンスの事気に入ってるから、しっかり忠義を果たしてね」
「国にとって重要なお二人だが、俺たちにとってもかけがえのない大切な二人なんだ。よろしく頼む」

 そうか…!
 憧れのレオンハルト様が大切にされている両陛下を護る、これこそがこれからの俺の目標となるのだ! 
 うおおおおおお! 俄然やる気が出て来たぜ!
 
「燃えるのもいいけど、トイレ行っといでー」

 ディータ隊長の気の抜けた声が廊下に響いた。
 

 
 それから、二十年間、俺はディータ隊長の右腕として、エルヴィン王妃陛下を護り続けた。

 結局、いままで王妃にいい噂はなかった。
 実際は、効力向上のためのレシピ再評価とそれに伴う薬学書の改訂、希少薬草の人工栽培の確立、薬の流通価格の見直しなど、薬学史に名を遺すほどの事を成し遂げられたのだが、それを知るのはその事業に関わったほんの一握り人間のみ。
 晒されることに慣れていないエルちゃんが周囲の環境に左右されず穏やかに過ごすことができるように、陛下は最後までその方針を変えず、腕の中に大切に大切に囲っておられた。

 そして、今日が譲位戴冠式。
 
 新国王にはマルセル殿下が順当に即位されることになり、王都は前夜からお祭り騒ぎで騎士たちはかなりの緊張状態だった。

 王宮内ですでに譲位と戴冠を済ませ、今はある一室にいる。

「……はぁ、僕まで緊張するよ…」

 外ではマルセル新国王陛下とその妻であるイェシカ陛下がこの部屋から続くバルコニーに出て、民衆の歓声を浴びている最中だ。

「御心配には及びません、陛下。私が傍についておりますので」
「うん…、いつもありがとう、ハンス。…今日で最後だなんて、信じられないよ」
「私もです。陛下と共に過ごせた日々は本当に充実したものでした」
「ハンス…。もう、ダメだよ、そんな…」
 
 エルちゃんは感極まって、ジワリと目尻に涙を溜めて、ありがとうと言いながら、困ったように微笑まれた。
 それは初めて会ったころとほとんど変わらない笑顔。龍の血が流れているからか、外見はまだ三十にも行っていないぐらい若々しい。俺の天使。

 そのエルちゃんは今日、初めて公の場でベールを被らない状態で大衆の目に晒される。まあ、王宮のバルコニーから顔を出すだけだし、新国王が主役だから、問題ない。
 
「エル、行こうか」
「…ヴィル!」

 国王陛下の声がして、エルちゃんは嬉しそうに振り返って、陛下に寄り添う。いつ見ても美しいお姿。正装に身を包む陛下に目を輝かせておられる。陛下も賢者だけあって、三十からほとんど姿が変わっていない。
 マルセル殿下と同じぐらいで、並ぶととても不思議な光景になるのだ。しかし最近混血種の人口も増え、王都ではそれほど珍しいものではない。

「ハンス、最後の務め、よろしく」
「御意に」

 お二人に続きバルコニーに出ると、ユリウス陛下がエルちゃんをエスコートし、バルコニーに置かれた壇上に登る。
 しかし、拍手や歓声が前の方から止んでいき、それは後方まで拡がって、静まり返り、そして小さなざわめきとなる。
 
「わ、すごい人……でも、なんか静か…?」
「皆、エルの事見てるんだよ」

 マルセル陛下がいた時とはあまりにも違う状況にエルちゃんは徐々に顔を青くし始めた。
 
「きっとヴィルの隣にいるの誰かって思ってるんだ…。どうしよう、やっぱり僕、出ない方が良かったよね…。大切な日にヴィルにこんな思いをさせるなんて…」

 エルちゃんは自分がいるから民衆の歓声がなくなってしまったと思っているようだ。
 まあ、当たってはいるのだが、それはエルちゃんの思いとは全く反対の意味合いがあることを俺たち護衛官は知っている。
 エルちゃんの容姿を面白おかしく自慢げに語るつもりにしていたのだろう、最前列に陣取った貴族たちが口をあんぐりと開け、立ち尽くしているのだから。気付かないのはやっぱりエルちゃんだけ。

「大丈夫だよ、エル。ほら、皆に手を振ろうか」

 ユリウス陛下が優しくエルちゃんに語り掛けられる。その声に促されて、エルちゃんが恐る恐る手を振ると、一拍置いて地鳴りのような歓声が湧き起こった。ユリウス陛下とエルちゃんが話している内容が聞きとれないほどの轟音。
 それは王都の外まで響き渡っていたという。
  

 その後お二人は旅に出られると言い、王都を去られた。たまに転移で戻ってきては俺の屋敷まで珍しい土産と共に挨拶に来られ、変わらぬ元気な姿を見せて下さる。

 俺はと言えば、王立学園の剣術科顧問に任命され、後生の育成に力を注いでいる。

「王太后って、どんな人だったんですか?」
「譲位戴冠式にいたのって別人ですか?」
「なんで顔隠してたんですか?」

 生徒たちは俺が王妃付きの護衛官をしていたと知ると、興味本位に質問攻めにしてくる。
 俺が黙っていると、生徒のほとんどがこちらに注目し、耳を傾けるのが見て取れた。
 
 しかし、俺はこう心の中で叫ぶのだ。



 ――誰が教えてやるか!



 
 
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