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一話完結
専用○○(先輩×後輩、愛が少なめ)***
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「ん………んっ……ぅ…っ…ん…」
俺、智広は今トイレの個室に籠ってイケないことをしていた。声が出ないように口にくわえたハンカチを強く噛んで。ひたすら自分のモノを擦った。先輩の汗を垂らして、赤く上気した顔を浮かべながら。
穏やかでいつも優しく微笑んでいる先輩。姿勢の良い長身とすらっと伸びた四肢。凛としているのになぜか艶があって。女っぽいわけではなく男の色気というやつ。
今日の先輩の色気の振りまき方と言ったらそれは半端なくて、俺の股間を直撃した。
いつもよりなぜか白熱した練習試合後、汗を垂らす先輩の薄い唇が赤く染まって、そこから喘ぎ声のような吐息が出ていたのだ。堪ったものじゃない。
「ん、ん、んっ…」
俺は上下させる手を速めて、自分を昂らせた。先輩の中に捩じ込んで、乱れる姿を想像する。それだけで、もうイキそう。
『ピコン』
興奮の最中、あまりにも気の抜けた電子音が鳴った。身体が跳ね上がるほど驚いて、射精まであと一歩というところから一気に体温がマイナスになりそうなほど下がっていく。
嫌な汗が噴出する中、俺はその音がした方を見た。
トイレの壁の上から明らかにスマホがこちらに向けられていて、混乱した状態の頭でも、今の姿を撮られたということだけははっきりと分かった。
やばい。これは本当にやばい。
ダラダラと汗が止まらない。
「この写真ばらまかれたくなかったら、ここ開けろ」
明らかな脅し文句。
でも問題はその声の主だった。それは俺がオカズにしていた先輩のものだった。
なんか低いし、いつもの優しい感じじゃない。というかドスが聞いてないか。
「おい、聞いてんのか」
少し苛立った低めの声に俺は一言も発せられないまま、震える手で急速に萎えた息子をパンツに押し込み、ズボンを上げた。
それから、恐る恐る俺を守る唯一の砦である鍵をスライドさせると、ドアが少し開いたと同時に先輩が押し入って来た。
カチっと音がして先輩が後ろ手に鍵を閉めたけれど、その状況が全く理解できなかった。
今から何されるんだろう、俺。
――ガンッ
「ひっ」
トイレの壁に背中を押し付けられたかと思うと、顔の両脇に壁に穴が開くんじゃないかというほどの勢いで手が叩きつけられる。俺は恐怖から声を漏らした。
切れ長の目と筋の通った高く上品な鼻、そして薄めの美しい形の唇が手が届きそうな、いや鼻が届きそうなところにある。
これって壁ドンだよな。
この状況じゃなければ、涙が出るほど嬉しいのに、今は大量の汗しか出ない。
「最近えらく熱い視線向けてくると思ってたんだよなぁ。なあ、チヒロ、俺で抜いてたんだろ?」
見てたのばれてた。
しかも先輩で抜いてたことすらばれてた。
先輩が俺よりも少し高い位置にある頭を傾げて、形のいい唇の端を上げる。笑っているように見えるのに、目が笑っていない。
「返事は?」
俺はあまりの恐ろしさに声が出せず、カクカクと頷くのが精一杯だった。先輩は俺の耳元に顔を寄せ、ふーっと俺の耳に息を吹きかけてくる。背中にぞぞぞっと電気が走った。
「なぁ、チヒロ。続き、ここでする? それとも俺ん家でする?」
吐息を込めて耳元でいつもの声で優しく囁かれれば、もうその色気に頭はクラクラして、ノーと言えるわけもない。
熱に浮かされながら俺は言った。
「……先輩の、家…」
***
М字に足を開いた状態で、俺はトイレでの続きをやらされていた。
人に見せないような場所を先輩に見られ、肉食獣みたいな目で犯されて、どうしようもない熱が沸き起こってきて、意思に反して手は止まってくれなかった。
「全身真っ赤。恥ずかしいのに、見られて感じて、エロいなぁ、チヒロ?」
俺は裸なのに、先輩は制服のまま。しかもイスに後ろ向きに座って、背もたれに肘をついて。
その不釣合いな格好もなぜか俺を昂らせた。
先輩の舌なめずりした唇と舌がエロ過ぎて、もうそこにしか目が行かない。
あの口に咥えさせたい。
あの舌で舐められたい。
俺は先輩を支配したい欲に駆られながら果てた。
いつもより深い絶頂に体を壁に預けて肩で息するので精いっぱいだった。呼吸を整えていると、先輩が何か投げて寄越した。
「俺の事好きなら、気持ちよくしてくれるよな?」
「き、気持ちよく……?」
先輩が投げたものを手に取るとそれ用のローションだった。
俺が先輩の後ろを解せばいいの?
先輩は服を脱ぐ気もなさそうだし、何が目的なのか。
俺は訴えるような目を先輩に向け、指示を仰いだ。
すると先輩は舌打ちして、わかんない奴だなぁ、と呆れた声と共に溜息を吐いた。
「自分で解せよ。俺、触んねーから」
「え、お、俺?」
「そうだよ。お前のケツの穴だよ」
愕然とした。
俺が突っ込まれる側なことに。
美丈夫な先輩が喘ぐ姿ではなく、この平凡顔な俺が喘ぐことになる。そんなの誰が見たいかよ。
俺が止まったままでいると、先輩はズボンの後ろポケットからスマホを取り出して触りだした。
「えっと、まずは誰に送るか……」
「やります! やります!」
先輩はニタリと笑って、なら早くしろ、というふうに顎でしゃくった。
俺はまたさっきみたいに足を開脚し、掌にローションを垂らした。
もちろん穴に指なんか突っ込んだことない。
先輩に突っ込みたいと思ったことはあるからやり方は知ってる。
これって知らない方が良かったかも?
ローションで濡れた指を一本入れて、入り口を解しながら中に埋め込んでいく。
この姿もばっちり先輩に見られてて、俺は恥ずかしさのあまり目を瞑った。
指を出し入れするとクチクチと粘着質な音が出てしまって、手を止めたい衝動に駆られるけど、それを先輩が許すわけもない。
「チヒロ、すげえヤラシイな。自分で指突っ込んで。そんなに俺に入れてもらいたいのか?」
突っ込みどころ満載の先輩のセリフに、なぜか体がカッと熱を持ち始める。
『ピコン』
聞き覚えのある音に目を開けると、先輩がなんの悪気もなさそうな顔で俺にスマホを向けていた。
「な、なに撮ってるんですか!」
「脅すネタは沢山あった方が良いからな」
「脅すって……」
「ほら、さっさとしろよ。ったくめんどくせえな。一緒にするか」
別人かと思うような言葉遣いに俺が驚いていると、先輩は立ち上がって、俺がいるベッドに上がってくる。
そして、おもむろにベルトを外して前を寛げ、パンツの中から出してきたソレを俺の口の前に突き出した。
それはそれは想像していなかったほどの大層立派なモノで。
「え、」
「勃たせろ」
「ちょ、先輩、待って」
「あ?」
明らかに不機嫌な声で見下ろされてるけど、このでかさは尋常じゃない。先輩の上品な顔とはあまりにも正反対の凶暴なデカさのソレ。
しかもこれまだ反応してない…?
「こ、これ、まだ……」
「お前の租チンとは違うんだよ。怪我したくなきゃちゃんと解せ。おら、早くしろ」
口に押し付けられて、俺は仕方なく口を開いた。
いや、仕方なくじゃない。
だって先輩のを触れるとか咥えれるとかもうなんか俺の夢って感じで、思いっきり食いついた。
フェラなんて初めてだから、とにかく舌を絡めてみる。自分が気持ちいいと思うところを舌先でなぞって、唇で扱いた。
口の中で硬さを増していくものが、今解している穴に入るのかと思うと、ソコが疼いた。増やした指を激しく動かし、先輩が入っているの想像をすると自分が制御できなくなってくる。
もう口に収まらくなったソレの先っぽを飴を舐めるようにしゃぶった。
俺、なんか変。気持ちよくてたまらない。
先輩に入れたかったのに、今はコレを入れられたくて仕方ない。
「そんなに美味いか?」
先輩の声に上目づかいで窺うと、先輩は目を細めて、俺の頭を撫でた。そのまま俺の頭を掴み、口からモノを引き抜く。
俺は名残惜しくて先輩のソレを舌を出して追い掛けた。けれどそれは離れていくばかりで。
口の中が寂しくて、目の前にある猛々しく反り立ったものを見つめた。
「たまんねぇな、チヒロの顔」
どんな顔してたんだろう。
ボンヤリと見上げて先輩の美麗な顔を眺めながら、次の指示を待った。
「そんな顔すんなよ。ちゃんとこっちの口に入れてやるから」
俺の指が収まっているところを指し、俺の手首をつかんで指を引き抜く。
「……ほ、ほんとに入るんですか、こんなの」
「大丈夫だ、チヒロ。初めてはバックが良いらしいけど、チヒロの顔見て入れたいからこのままな」
耳元で優しく言われると、もう逆らう気にならない。足を抱える様に言われ、俺は大人しくそれに従った。
俺の息子は腹に張り付かんばかりに完立だったけど、先輩は全くそれにはまったく触れず。しかも服着たまま、少しズボンをずらしただけ。
口の中で立派に育ったソレに手早くゴムがはめられる。そして穴に宛がわれ、じわりじわりと侵入してくる。
解れているからといって、すんなり入る太さじゃない。入り口を広げる様に細かく出し入れし、拡張しながら入ってくる。
その慣れていそうな動きに俺は複雑な思いを抱いた。
他にもこうやって抱いたことがあるんだろうか。
「他の事考えられるなんて、余裕だな」
先輩はグイっと腰を進めて、一番太い部分を中に捩じ込んだ。
「…はぁっ、すごっ、……入ってる…」
中での存在感と言ったら半端なくて、内臓が広げられるのが分かった。
ゆっくりゆっくりと俺の顔を見ながら挿入しては引くを繰り返してる。先輩と目が合うのが嫌で、ずっと結合部ばかり見ていた。
見たくて見てたわけじゃなくて、下向くとそれしか見えないだけで。
「……っ……あっ、……先輩、そこっ…やめ、……」
「ここか?」
先輩は意地の悪い笑みを浮かべ、多分前立腺だと思われる場所で小刻みに動き出した。そこに押し付けられる形で刺激を与えられ続けて、激しい快感が襲った。
「…あぁっ、だめ、だって、先輩っ……はっ、ああっ……あっ、あぁ、あ、あっ……ぃっ―――んっ」
腰が痙攣し、胸から腹へ精液が飛び散った。そしてそれが伝い落ちる感覚にぶるりと体が震えた。
「チヒロ、感度いいなあ」
先輩は本当に楽しそうに微笑んでいて、俺はその美麗な笑顔を力が抜けてだらしなく口を開けたまま眺めた。
俺に声をかけてから、先輩はまたじわじわと前進してくる。俺の中は狭いらしく、先輩は眉を寄せて、少し息を吐いた。
その伏せ目がちな表情に俺は愛しさを感じまくった。押し入ってくる圧迫感を息を吐いて逃がしながらも、キュンキュンと胸が締め付けられた。
「やっと半分か」
俺はその言葉に戦慄を覚えた。
まだ半分だろ。内臓が限界まで拡げられてるような感覚があるのに、まだ奥まで入るのかよ。
「まじすか……」
「チヒロには全部入るかどうか」
「え…ちょっと、先輩…っ……ぁっ……くぅっ…」
グイっと腰が押し付けられ、そこでまたゆるゆると慣らすように動かされる。馴染んでくると擦られたところからジクジクと快感が湧いてくる。
先輩がニヤニヤと笑いながら動きを止めるけど、俺はもう中を擦って欲しくて腰をくねらせた。
「……おねがい、先輩、動いて…」
先輩は返事をするように目を細めて動き始める。先輩のが太いせいで感じる箇所を必然的に抉ってくるからもう気持ちよすぎる。体にギューッと力が入ってからガクガクと甘い痺れが全身に広がった。
「軽くイッたな。俺の突っ込まれて気持ちいいか?」
「………き、もちいい……はぁ……はっ…」
全部入るまでに何度も繰り返されて、俺は何度も中でイカされた。もう何にも考えられなくて、先輩の動きに合わせてただ腰をくねらせるだけ。
もう口も開きっぱなしで、涎とかすごいことになってるけど、もうどうでもいいぐらい先輩のソレで全身が蕩けた。
「…すげー、入った全部」
先輩はすごく感動して、目を輝かせてるけど、俺は圧迫感に息も絶え絶え。体に力の入らない俺の代わりにいつの間にか俺の脚は先輩が抱えてた。
触んないっていったのに。
「女は痛がるし、男は奥まで入りすぎるせいで、俺ピストンできないから、セックスであんまり気持ちよくなれねーんだよな」
大きい過ぎるのにも悩みがあるんですね、とぼんやりと心の中で俺は思った。
ってか、先輩、彼女も彼氏もいるのかよ…。その彼女彼氏とは本気でできないって事なんだろうけどさ。俺の立場って――
「チヒロは俺専用オナホだな」
なるほど、先輩が楽しめる貴重なオナホになるわけか。本命は他にいると。
先輩は今まで見たことないぐらい上機嫌だけど、俺は胸がチクチクと痛んだ。
俺は裸でぐちょぐちょなのに、先輩はほとんど乱れていない。確かに気持ちいいけど、先輩は性欲処理としか考えてないんだよな。意外にこの現実がつらい。
「なぁ、動いていい?」
「……お好きなように…」
気持ちを悟られたくなくてそっけなく答えると、先輩の色素の薄い瞳で俺の目を覗き込むように見てくる。
それが嫌で目を逸らせた。
「一丁前に焼いてんのか?」
「……先輩の事好きなんですよ。そんなこと言われたら、俺……」
「そんな好き?」
俺は目を逸らしたまま、小さくうなずく。
だからその時先輩がどんな顔してたかなんて俺は知らない。
「じゃあ、ちゃんと気持ちよしてやんねーとな」
中で大きな存在を持っていたそれが一気に引き抜かれる。実際には傘の部分が入り口にかかる所で止まったけど。
先輩は俺の腰をもって、抜かれたそれを一気に突き込んで、奥までぎっちりと満たしてくる。それはものすごい衝撃で、俺は身もだえた。
出し入れされるときにすべてのポイントを隈なく抉ってくる。
訳がわからなくなるほど快感を与えられて、俺は口を開けたまま声を上げ続けた。
「はぁ…お前の顔、たまんねぇ…」
何回も射精して、中イキして、涙と涎で顔はぐちゃぐちゃ。何がたまんないのかわからない。
「中も、すげぇ」
「あ…あ……ぁんっ……」
「もう、俺イキそ」
尻タブに先輩の太ももが当たってるから全部はいってるんだと思う。ちゃんとオナホとして役に立ってるみたい。先輩の赤い唇が薄く開いて、吐息が漏れて、そのエロい顔こそ堪らない。
ほかの奴と違って俺ちゃんと先輩の事気持ちよくしてやれるってことなんだよな。複雑だけど、それだけは嬉しい。
「…せんぱ……イって……っ…」
「……チヒロ…」
「もっと、激しく……して……大丈夫……」
「…たく、お前は…。もう、容赦しねぇからな…」
先輩の目の色が変わる。もうその情欲に燃えた目で見つめられるだけで、ゾクゾクと快感が背筋を駆け抜ける。俺はうっとりとして中にある先輩のモノを締め付つけて、その刺激でまた軽くイッた。
「チヒロ、俺だけ、だからな」
痙攣したままの俺の太ももをもって、膝が俺の胸につくぐらい押し付けると、宣言通り容赦なく奥深くまで突いてくる。打ち付けられるたびに奥が穿たれ、俺は悲鳴に近い喘ぎ声をあげた。
「あああ、もうっ、ぁあっ、イクっ、イクっ……あ―――っ」
訳もわからなくなるほどの快感に腰が浮くぐらい全身がしなってビクンビクンと痙攣する。俺の身体を圧しつけて、先輩は止まることなく激し抽送を繰り返す。
「おら、チヒロまだだ」
「あぁ……だめ、…あ、ぁあ……っ……ああ、ああっ…」
先輩はググッと腰を当て、奥に押し付けてくる。俺は身を捩って逃げようとするけど、がっちり抑え込まれて、体重をかける様に乗ってくる。先輩の顔が近くて、前髪に先輩の吐息が掛かる。
一番奥だと思っていたところよりも、もっと奥に先端が捩じ込まれて、俺は声にならない嬌声を上げた。
「……くっ…」
先輩がぶるりと一度震えて、俺の中でイったのだと感じた。お互いの荒い息遣いだけが部屋に響いて、絶頂の余韻に浸った。俺の腰と太腿は細かく痙攣して当分は収まりそうになかった。
ずるり、と先輩のモノがゆっくりと抜き去られ、俺の役目は終わった。
と思ったのが間違いだった。
ひっくり返されて、腰を持ち上げられたかと思うと後ろから押し当てられる。
え、さっきイったばっかり、だろ…。
「せんぱい、も、むりです!」
体に力が入らず、もう先輩のなすがままだったけれど、声だけは上げてみる。
ちらっと先輩の横に空のゴムのパックが二つ散乱してるのが見えて、新しいゴムに交換済みなことが分かった。
手際よすぎだし、もう硬くなってるってことかよ。なんていう絶倫。
すると先輩は制服を脱いでから、バキバキに割れた美しい腹筋を俺の背中に密着させるように覆いかぶさって、耳元で呟いた。
「なぁ、全然足りない。もっと気持ちよくしてくれるよな、チヒロ」
俺は先輩の艶やかな声に頷くしかなかった。
今までありえない回数イカされたのに、俺、まだイケた。もう精液は出なくなってたけど。
バックでして、また正常位で責められて、何回か俺の意識は軽く飛んでたけど、先輩は水を得た魚のように張り切ってガンガン行こうぜ状態だった。
いつの間にか寝ていたのか、外は少し暗くなっていた。
先輩に風呂に入れてもらって、そのあともう記憶がない。
目を開けると目の前に先輩の整った顔があって、さっきまでの事は夢ではないのだと再確認した。
先輩はそれはそれはご満悦でつやつやとした顔をして俺の横に寝転がっている。
俺はもうげっそり。頭ははっきりしないし、体は怠い。
俺が起きたことに気付いた先輩が、俺の腰を抱き寄せた。
「俺の穴で満足できましたか?」
「最高。なぁ、俺、気が変わった。チヒロと付き合うことにする」
にこにこと穏やかな笑みを浮かべてながら先輩がありえないことを発言した。気の変わりようと自分勝手さに俺は少し呆れた。
それが本気なら俺は嬉しいけど。
「何言ってるんですか。俺、ただのオナホ替わりでしょ」
「最初はそのつもりだったけど気が変わったって言ってんだろ」
「本気で言ってるんですか」
「いいだろ? お前だって俺の事好きなんだし、あれだけ手加減なしでやっても感じてたしよ」
「そ、それはそうですけど」
「俺以外とやってももう感じないだろ」
「う……」
確かに体の相性はいいと思う。というががっちり嵌ってると思う。そういえば初めてだったんだ、って今思い出したぐらい。
あんなの入れられて、初めてで感じれるとか、本当に俺大丈夫かな。
「な、チヒロは俺専用オナホで、俺はチヒロ専用ディルドってことで」
「なんですか、それ……」
この綺麗な形の口から出るべきではないような言葉が出てきて、俺はクラクラする。
もう清いイメージを持っていた頃には戻れない。それに俺は突っ込まれる方で固定ってわけか。先輩の快感に喘いでる顔見たかったな…。
「だから付き合うっていってるだろ」
先輩って何人もセフレとかいそうな感じだよな。この上品そうな顔からは想像できないけど。
セックスの方もかなり肉食系というか。
「……わかりました。でも一つだけ条件があるんですけど」
「ん?」
「絶対、浮気しないで下さい。一回でも―――」
「しないしない。チヒロの顔見ないと俺多分イケないから。お前の感じてる時の顔、まじでクるんだよな」
俺は予想外の反応に目をパチクリさせた。それに先輩があまりにも嬉しそうで俺は気が削がれる。先輩は目を細めて、俺に優しく笑いかけた。
「付き合うってことで、いいよな。…あー、やべ。思い出したら勃ってきた」
「…え、ちょっと、先輩!」
「いいだろ。今度は前戯もたっぷりしてやるから」
先輩の顔が近づいてきて、俺は驚いて仰け反ろうとしたけど、後頭部をがっちりつかまれて、先輩の口で俺のを塞がれる。
先輩の口が触れてるとか、舌が入ってきてるとか考えるだけで、俺もどうしようもなく興奮してしまて、結局先輩に流されてしまった。
その後声も出なくなるほど喘がされて、乳首は言うまでもなく、全身の性感帯を開発されてしまった。
俺、もう入れる方、無理かもしれない。
俺、智広は今トイレの個室に籠ってイケないことをしていた。声が出ないように口にくわえたハンカチを強く噛んで。ひたすら自分のモノを擦った。先輩の汗を垂らして、赤く上気した顔を浮かべながら。
穏やかでいつも優しく微笑んでいる先輩。姿勢の良い長身とすらっと伸びた四肢。凛としているのになぜか艶があって。女っぽいわけではなく男の色気というやつ。
今日の先輩の色気の振りまき方と言ったらそれは半端なくて、俺の股間を直撃した。
いつもよりなぜか白熱した練習試合後、汗を垂らす先輩の薄い唇が赤く染まって、そこから喘ぎ声のような吐息が出ていたのだ。堪ったものじゃない。
「ん、ん、んっ…」
俺は上下させる手を速めて、自分を昂らせた。先輩の中に捩じ込んで、乱れる姿を想像する。それだけで、もうイキそう。
『ピコン』
興奮の最中、あまりにも気の抜けた電子音が鳴った。身体が跳ね上がるほど驚いて、射精まであと一歩というところから一気に体温がマイナスになりそうなほど下がっていく。
嫌な汗が噴出する中、俺はその音がした方を見た。
トイレの壁の上から明らかにスマホがこちらに向けられていて、混乱した状態の頭でも、今の姿を撮られたということだけははっきりと分かった。
やばい。これは本当にやばい。
ダラダラと汗が止まらない。
「この写真ばらまかれたくなかったら、ここ開けろ」
明らかな脅し文句。
でも問題はその声の主だった。それは俺がオカズにしていた先輩のものだった。
なんか低いし、いつもの優しい感じじゃない。というかドスが聞いてないか。
「おい、聞いてんのか」
少し苛立った低めの声に俺は一言も発せられないまま、震える手で急速に萎えた息子をパンツに押し込み、ズボンを上げた。
それから、恐る恐る俺を守る唯一の砦である鍵をスライドさせると、ドアが少し開いたと同時に先輩が押し入って来た。
カチっと音がして先輩が後ろ手に鍵を閉めたけれど、その状況が全く理解できなかった。
今から何されるんだろう、俺。
――ガンッ
「ひっ」
トイレの壁に背中を押し付けられたかと思うと、顔の両脇に壁に穴が開くんじゃないかというほどの勢いで手が叩きつけられる。俺は恐怖から声を漏らした。
切れ長の目と筋の通った高く上品な鼻、そして薄めの美しい形の唇が手が届きそうな、いや鼻が届きそうなところにある。
これって壁ドンだよな。
この状況じゃなければ、涙が出るほど嬉しいのに、今は大量の汗しか出ない。
「最近えらく熱い視線向けてくると思ってたんだよなぁ。なあ、チヒロ、俺で抜いてたんだろ?」
見てたのばれてた。
しかも先輩で抜いてたことすらばれてた。
先輩が俺よりも少し高い位置にある頭を傾げて、形のいい唇の端を上げる。笑っているように見えるのに、目が笑っていない。
「返事は?」
俺はあまりの恐ろしさに声が出せず、カクカクと頷くのが精一杯だった。先輩は俺の耳元に顔を寄せ、ふーっと俺の耳に息を吹きかけてくる。背中にぞぞぞっと電気が走った。
「なぁ、チヒロ。続き、ここでする? それとも俺ん家でする?」
吐息を込めて耳元でいつもの声で優しく囁かれれば、もうその色気に頭はクラクラして、ノーと言えるわけもない。
熱に浮かされながら俺は言った。
「……先輩の、家…」
***
М字に足を開いた状態で、俺はトイレでの続きをやらされていた。
人に見せないような場所を先輩に見られ、肉食獣みたいな目で犯されて、どうしようもない熱が沸き起こってきて、意思に反して手は止まってくれなかった。
「全身真っ赤。恥ずかしいのに、見られて感じて、エロいなぁ、チヒロ?」
俺は裸なのに、先輩は制服のまま。しかもイスに後ろ向きに座って、背もたれに肘をついて。
その不釣合いな格好もなぜか俺を昂らせた。
先輩の舌なめずりした唇と舌がエロ過ぎて、もうそこにしか目が行かない。
あの口に咥えさせたい。
あの舌で舐められたい。
俺は先輩を支配したい欲に駆られながら果てた。
いつもより深い絶頂に体を壁に預けて肩で息するので精いっぱいだった。呼吸を整えていると、先輩が何か投げて寄越した。
「俺の事好きなら、気持ちよくしてくれるよな?」
「き、気持ちよく……?」
先輩が投げたものを手に取るとそれ用のローションだった。
俺が先輩の後ろを解せばいいの?
先輩は服を脱ぐ気もなさそうだし、何が目的なのか。
俺は訴えるような目を先輩に向け、指示を仰いだ。
すると先輩は舌打ちして、わかんない奴だなぁ、と呆れた声と共に溜息を吐いた。
「自分で解せよ。俺、触んねーから」
「え、お、俺?」
「そうだよ。お前のケツの穴だよ」
愕然とした。
俺が突っ込まれる側なことに。
美丈夫な先輩が喘ぐ姿ではなく、この平凡顔な俺が喘ぐことになる。そんなの誰が見たいかよ。
俺が止まったままでいると、先輩はズボンの後ろポケットからスマホを取り出して触りだした。
「えっと、まずは誰に送るか……」
「やります! やります!」
先輩はニタリと笑って、なら早くしろ、というふうに顎でしゃくった。
俺はまたさっきみたいに足を開脚し、掌にローションを垂らした。
もちろん穴に指なんか突っ込んだことない。
先輩に突っ込みたいと思ったことはあるからやり方は知ってる。
これって知らない方が良かったかも?
ローションで濡れた指を一本入れて、入り口を解しながら中に埋め込んでいく。
この姿もばっちり先輩に見られてて、俺は恥ずかしさのあまり目を瞑った。
指を出し入れするとクチクチと粘着質な音が出てしまって、手を止めたい衝動に駆られるけど、それを先輩が許すわけもない。
「チヒロ、すげえヤラシイな。自分で指突っ込んで。そんなに俺に入れてもらいたいのか?」
突っ込みどころ満載の先輩のセリフに、なぜか体がカッと熱を持ち始める。
『ピコン』
聞き覚えのある音に目を開けると、先輩がなんの悪気もなさそうな顔で俺にスマホを向けていた。
「な、なに撮ってるんですか!」
「脅すネタは沢山あった方が良いからな」
「脅すって……」
「ほら、さっさとしろよ。ったくめんどくせえな。一緒にするか」
別人かと思うような言葉遣いに俺が驚いていると、先輩は立ち上がって、俺がいるベッドに上がってくる。
そして、おもむろにベルトを外して前を寛げ、パンツの中から出してきたソレを俺の口の前に突き出した。
それはそれは想像していなかったほどの大層立派なモノで。
「え、」
「勃たせろ」
「ちょ、先輩、待って」
「あ?」
明らかに不機嫌な声で見下ろされてるけど、このでかさは尋常じゃない。先輩の上品な顔とはあまりにも正反対の凶暴なデカさのソレ。
しかもこれまだ反応してない…?
「こ、これ、まだ……」
「お前の租チンとは違うんだよ。怪我したくなきゃちゃんと解せ。おら、早くしろ」
口に押し付けられて、俺は仕方なく口を開いた。
いや、仕方なくじゃない。
だって先輩のを触れるとか咥えれるとかもうなんか俺の夢って感じで、思いっきり食いついた。
フェラなんて初めてだから、とにかく舌を絡めてみる。自分が気持ちいいと思うところを舌先でなぞって、唇で扱いた。
口の中で硬さを増していくものが、今解している穴に入るのかと思うと、ソコが疼いた。増やした指を激しく動かし、先輩が入っているの想像をすると自分が制御できなくなってくる。
もう口に収まらくなったソレの先っぽを飴を舐めるようにしゃぶった。
俺、なんか変。気持ちよくてたまらない。
先輩に入れたかったのに、今はコレを入れられたくて仕方ない。
「そんなに美味いか?」
先輩の声に上目づかいで窺うと、先輩は目を細めて、俺の頭を撫でた。そのまま俺の頭を掴み、口からモノを引き抜く。
俺は名残惜しくて先輩のソレを舌を出して追い掛けた。けれどそれは離れていくばかりで。
口の中が寂しくて、目の前にある猛々しく反り立ったものを見つめた。
「たまんねぇな、チヒロの顔」
どんな顔してたんだろう。
ボンヤリと見上げて先輩の美麗な顔を眺めながら、次の指示を待った。
「そんな顔すんなよ。ちゃんとこっちの口に入れてやるから」
俺の指が収まっているところを指し、俺の手首をつかんで指を引き抜く。
「……ほ、ほんとに入るんですか、こんなの」
「大丈夫だ、チヒロ。初めてはバックが良いらしいけど、チヒロの顔見て入れたいからこのままな」
耳元で優しく言われると、もう逆らう気にならない。足を抱える様に言われ、俺は大人しくそれに従った。
俺の息子は腹に張り付かんばかりに完立だったけど、先輩は全くそれにはまったく触れず。しかも服着たまま、少しズボンをずらしただけ。
口の中で立派に育ったソレに手早くゴムがはめられる。そして穴に宛がわれ、じわりじわりと侵入してくる。
解れているからといって、すんなり入る太さじゃない。入り口を広げる様に細かく出し入れし、拡張しながら入ってくる。
その慣れていそうな動きに俺は複雑な思いを抱いた。
他にもこうやって抱いたことがあるんだろうか。
「他の事考えられるなんて、余裕だな」
先輩はグイっと腰を進めて、一番太い部分を中に捩じ込んだ。
「…はぁっ、すごっ、……入ってる…」
中での存在感と言ったら半端なくて、内臓が広げられるのが分かった。
ゆっくりゆっくりと俺の顔を見ながら挿入しては引くを繰り返してる。先輩と目が合うのが嫌で、ずっと結合部ばかり見ていた。
見たくて見てたわけじゃなくて、下向くとそれしか見えないだけで。
「……っ……あっ、……先輩、そこっ…やめ、……」
「ここか?」
先輩は意地の悪い笑みを浮かべ、多分前立腺だと思われる場所で小刻みに動き出した。そこに押し付けられる形で刺激を与えられ続けて、激しい快感が襲った。
「…あぁっ、だめ、だって、先輩っ……はっ、ああっ……あっ、あぁ、あ、あっ……ぃっ―――んっ」
腰が痙攣し、胸から腹へ精液が飛び散った。そしてそれが伝い落ちる感覚にぶるりと体が震えた。
「チヒロ、感度いいなあ」
先輩は本当に楽しそうに微笑んでいて、俺はその美麗な笑顔を力が抜けてだらしなく口を開けたまま眺めた。
俺に声をかけてから、先輩はまたじわじわと前進してくる。俺の中は狭いらしく、先輩は眉を寄せて、少し息を吐いた。
その伏せ目がちな表情に俺は愛しさを感じまくった。押し入ってくる圧迫感を息を吐いて逃がしながらも、キュンキュンと胸が締め付けられた。
「やっと半分か」
俺はその言葉に戦慄を覚えた。
まだ半分だろ。内臓が限界まで拡げられてるような感覚があるのに、まだ奥まで入るのかよ。
「まじすか……」
「チヒロには全部入るかどうか」
「え…ちょっと、先輩…っ……ぁっ……くぅっ…」
グイっと腰が押し付けられ、そこでまたゆるゆると慣らすように動かされる。馴染んでくると擦られたところからジクジクと快感が湧いてくる。
先輩がニヤニヤと笑いながら動きを止めるけど、俺はもう中を擦って欲しくて腰をくねらせた。
「……おねがい、先輩、動いて…」
先輩は返事をするように目を細めて動き始める。先輩のが太いせいで感じる箇所を必然的に抉ってくるからもう気持ちよすぎる。体にギューッと力が入ってからガクガクと甘い痺れが全身に広がった。
「軽くイッたな。俺の突っ込まれて気持ちいいか?」
「………き、もちいい……はぁ……はっ…」
全部入るまでに何度も繰り返されて、俺は何度も中でイカされた。もう何にも考えられなくて、先輩の動きに合わせてただ腰をくねらせるだけ。
もう口も開きっぱなしで、涎とかすごいことになってるけど、もうどうでもいいぐらい先輩のソレで全身が蕩けた。
「…すげー、入った全部」
先輩はすごく感動して、目を輝かせてるけど、俺は圧迫感に息も絶え絶え。体に力の入らない俺の代わりにいつの間にか俺の脚は先輩が抱えてた。
触んないっていったのに。
「女は痛がるし、男は奥まで入りすぎるせいで、俺ピストンできないから、セックスであんまり気持ちよくなれねーんだよな」
大きい過ぎるのにも悩みがあるんですね、とぼんやりと心の中で俺は思った。
ってか、先輩、彼女も彼氏もいるのかよ…。その彼女彼氏とは本気でできないって事なんだろうけどさ。俺の立場って――
「チヒロは俺専用オナホだな」
なるほど、先輩が楽しめる貴重なオナホになるわけか。本命は他にいると。
先輩は今まで見たことないぐらい上機嫌だけど、俺は胸がチクチクと痛んだ。
俺は裸でぐちょぐちょなのに、先輩はほとんど乱れていない。確かに気持ちいいけど、先輩は性欲処理としか考えてないんだよな。意外にこの現実がつらい。
「なぁ、動いていい?」
「……お好きなように…」
気持ちを悟られたくなくてそっけなく答えると、先輩の色素の薄い瞳で俺の目を覗き込むように見てくる。
それが嫌で目を逸らせた。
「一丁前に焼いてんのか?」
「……先輩の事好きなんですよ。そんなこと言われたら、俺……」
「そんな好き?」
俺は目を逸らしたまま、小さくうなずく。
だからその時先輩がどんな顔してたかなんて俺は知らない。
「じゃあ、ちゃんと気持ちよしてやんねーとな」
中で大きな存在を持っていたそれが一気に引き抜かれる。実際には傘の部分が入り口にかかる所で止まったけど。
先輩は俺の腰をもって、抜かれたそれを一気に突き込んで、奥までぎっちりと満たしてくる。それはものすごい衝撃で、俺は身もだえた。
出し入れされるときにすべてのポイントを隈なく抉ってくる。
訳がわからなくなるほど快感を与えられて、俺は口を開けたまま声を上げ続けた。
「はぁ…お前の顔、たまんねぇ…」
何回も射精して、中イキして、涙と涎で顔はぐちゃぐちゃ。何がたまんないのかわからない。
「中も、すげぇ」
「あ…あ……ぁんっ……」
「もう、俺イキそ」
尻タブに先輩の太ももが当たってるから全部はいってるんだと思う。ちゃんとオナホとして役に立ってるみたい。先輩の赤い唇が薄く開いて、吐息が漏れて、そのエロい顔こそ堪らない。
ほかの奴と違って俺ちゃんと先輩の事気持ちよくしてやれるってことなんだよな。複雑だけど、それだけは嬉しい。
「…せんぱ……イって……っ…」
「……チヒロ…」
「もっと、激しく……して……大丈夫……」
「…たく、お前は…。もう、容赦しねぇからな…」
先輩の目の色が変わる。もうその情欲に燃えた目で見つめられるだけで、ゾクゾクと快感が背筋を駆け抜ける。俺はうっとりとして中にある先輩のモノを締め付つけて、その刺激でまた軽くイッた。
「チヒロ、俺だけ、だからな」
痙攣したままの俺の太ももをもって、膝が俺の胸につくぐらい押し付けると、宣言通り容赦なく奥深くまで突いてくる。打ち付けられるたびに奥が穿たれ、俺は悲鳴に近い喘ぎ声をあげた。
「あああ、もうっ、ぁあっ、イクっ、イクっ……あ―――っ」
訳もわからなくなるほどの快感に腰が浮くぐらい全身がしなってビクンビクンと痙攣する。俺の身体を圧しつけて、先輩は止まることなく激し抽送を繰り返す。
「おら、チヒロまだだ」
「あぁ……だめ、…あ、ぁあ……っ……ああ、ああっ…」
先輩はググッと腰を当て、奥に押し付けてくる。俺は身を捩って逃げようとするけど、がっちり抑え込まれて、体重をかける様に乗ってくる。先輩の顔が近くて、前髪に先輩の吐息が掛かる。
一番奥だと思っていたところよりも、もっと奥に先端が捩じ込まれて、俺は声にならない嬌声を上げた。
「……くっ…」
先輩がぶるりと一度震えて、俺の中でイったのだと感じた。お互いの荒い息遣いだけが部屋に響いて、絶頂の余韻に浸った。俺の腰と太腿は細かく痙攣して当分は収まりそうになかった。
ずるり、と先輩のモノがゆっくりと抜き去られ、俺の役目は終わった。
と思ったのが間違いだった。
ひっくり返されて、腰を持ち上げられたかと思うと後ろから押し当てられる。
え、さっきイったばっかり、だろ…。
「せんぱい、も、むりです!」
体に力が入らず、もう先輩のなすがままだったけれど、声だけは上げてみる。
ちらっと先輩の横に空のゴムのパックが二つ散乱してるのが見えて、新しいゴムに交換済みなことが分かった。
手際よすぎだし、もう硬くなってるってことかよ。なんていう絶倫。
すると先輩は制服を脱いでから、バキバキに割れた美しい腹筋を俺の背中に密着させるように覆いかぶさって、耳元で呟いた。
「なぁ、全然足りない。もっと気持ちよくしてくれるよな、チヒロ」
俺は先輩の艶やかな声に頷くしかなかった。
今までありえない回数イカされたのに、俺、まだイケた。もう精液は出なくなってたけど。
バックでして、また正常位で責められて、何回か俺の意識は軽く飛んでたけど、先輩は水を得た魚のように張り切ってガンガン行こうぜ状態だった。
いつの間にか寝ていたのか、外は少し暗くなっていた。
先輩に風呂に入れてもらって、そのあともう記憶がない。
目を開けると目の前に先輩の整った顔があって、さっきまでの事は夢ではないのだと再確認した。
先輩はそれはそれはご満悦でつやつやとした顔をして俺の横に寝転がっている。
俺はもうげっそり。頭ははっきりしないし、体は怠い。
俺が起きたことに気付いた先輩が、俺の腰を抱き寄せた。
「俺の穴で満足できましたか?」
「最高。なぁ、俺、気が変わった。チヒロと付き合うことにする」
にこにこと穏やかな笑みを浮かべてながら先輩がありえないことを発言した。気の変わりようと自分勝手さに俺は少し呆れた。
それが本気なら俺は嬉しいけど。
「何言ってるんですか。俺、ただのオナホ替わりでしょ」
「最初はそのつもりだったけど気が変わったって言ってんだろ」
「本気で言ってるんですか」
「いいだろ? お前だって俺の事好きなんだし、あれだけ手加減なしでやっても感じてたしよ」
「そ、それはそうですけど」
「俺以外とやってももう感じないだろ」
「う……」
確かに体の相性はいいと思う。というががっちり嵌ってると思う。そういえば初めてだったんだ、って今思い出したぐらい。
あんなの入れられて、初めてで感じれるとか、本当に俺大丈夫かな。
「な、チヒロは俺専用オナホで、俺はチヒロ専用ディルドってことで」
「なんですか、それ……」
この綺麗な形の口から出るべきではないような言葉が出てきて、俺はクラクラする。
もう清いイメージを持っていた頃には戻れない。それに俺は突っ込まれる方で固定ってわけか。先輩の快感に喘いでる顔見たかったな…。
「だから付き合うっていってるだろ」
先輩って何人もセフレとかいそうな感じだよな。この上品そうな顔からは想像できないけど。
セックスの方もかなり肉食系というか。
「……わかりました。でも一つだけ条件があるんですけど」
「ん?」
「絶対、浮気しないで下さい。一回でも―――」
「しないしない。チヒロの顔見ないと俺多分イケないから。お前の感じてる時の顔、まじでクるんだよな」
俺は予想外の反応に目をパチクリさせた。それに先輩があまりにも嬉しそうで俺は気が削がれる。先輩は目を細めて、俺に優しく笑いかけた。
「付き合うってことで、いいよな。…あー、やべ。思い出したら勃ってきた」
「…え、ちょっと、先輩!」
「いいだろ。今度は前戯もたっぷりしてやるから」
先輩の顔が近づいてきて、俺は驚いて仰け反ろうとしたけど、後頭部をがっちりつかまれて、先輩の口で俺のを塞がれる。
先輩の口が触れてるとか、舌が入ってきてるとか考えるだけで、俺もどうしようもなく興奮してしまて、結局先輩に流されてしまった。
その後声も出なくなるほど喘がされて、乳首は言うまでもなく、全身の性感帯を開発されてしまった。
俺、もう入れる方、無理かもしれない。
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