6 / 43
本編
ろく
しおりを挟む
「へ…、な、なんでこっち来るの?」
予想外の事が起きたらしく、ヒノちゃんがちょっと焦ってた。
気にしない気にしない。うまー。
「ちょ、ちょっとアズ…?」
「ん? なに…ひゃっ!」
グラタンに落としてた視線を上げた瞬間、僕は飛び上がった。多分五ミリぐらい。
だって両側から、王子と俺様が顔覗き込んでるんだもん…。
「アズちゃん。今日はグラタン? ふーふーしようか?」
「いや、俺が食べさせてやるからな、梓」
手の中にあるスプーンを甘い笑顔浮かべつつ奪いとる俺様。右に座るリュージ様に先手を取られた万里王子が、グラタン皿を木の敷物ごと持ち上げて、息を吹きかけようとする。
ちょいまち!
「…だめっ」
「「なんで?」」
なんかハモった。
びっくり顔で僕の事見る二人。ちょっとかわいい。
「えっとぉ、僕熱いの好きだし、あーんしてもらうのは好きな人に、って決めてるんだもん」
「好きな人? 俺の事じゃないのか?」
「朝会ったばっかりだし、何とも…」
あ、ガックリなった。だから恋人とか無理って言ったのに。
結構打たれ弱い俺様リュージ様。
「じゃあ僕は?」
「パフェ奢ってくれるいい人、かな?」
「じゃあ、今度またパフェ一緒に食べようね」
「う――」
いかんいかん。パフェ=制裁。思いっきり「うん」って言いかけた。誘導に引っかかるとこだった。万里王子は上手だ。
「ちょっと、二人とも。なんなんですか、その万里以上にチャラチャラしたのは」
向こうの方からインテリ副会長が眉をつり上げながら声をかけてきて、僕を睨みつけた。とんだ巻き添えだよ。僕なんにも悪くないし―。
ちらっとヒノちゃん見たら、また俯いて「ぐふふ」て言ってた。何かにまたツボったらしい。援護ナシってことね。
「そうだよ! そんな誰とでも寝るようなチャラい奴の近くにいたら、龍治君も万里君も穢れるよ!」
え、なにこの人。平凡だと思ってたカツラ君が、ナゼカ、僕に食って掛かって来た。
誰とでも寝るとか、ありえないし。なに、この人、ホント。
ここは逃げた方が良い気がする。でも、なんか聞いたことある声なんだけどな…。
「唯人ゆいとの言う通りです。そんなのを相手にしていたら、家名に傷をつけてしまいますよ」
ゆ、ゆいと…? それって…。
そのカツラ君を凝視していたら、カツラにうまく隠しきれていなかった金色の遊び毛がちらりと見えた。
ヤバ…。
僕がこんな捻くれた性格になった原因の人物――いとこの唯人に違いない。黒カツラ被って黒カラコンまで着けてるけど、多分中身は金髪碧眼。
昔から外見天使だったこいつが泣けば、全部僕の所為にされてきたから、近寄りたくない。留学してるって聞いて、ここ数年ホッとしてたのに!
「ね、それって僕に対する当て付け? 確実に僕の方がアズちゃんより経験人数多いよ?」
万里王子? ちょっと怒ってる…?
ニッコリ細くなってる目が笑ってない。冷たい作り笑いコワイ…。
「そうじゃないよ! 万里君は誰とでもするって聞いて、そんな行為して欲しくないと思って…。だからそんなチャラい奴に関わって欲しくないんだよ」
「……今、初めて会ったよね? 僕の何を知ってるの? それに、君に名前で呼んでいいなんて、許可してないよ?」
「俺もだな。それにな、こんな人の目が集中してる場所で、人を貶めるような発言をする人間こそどうかと思うけどな」
口端を持ち上げたリュージ様、ホント惚れ…――てないよー。あっぶなぁ。
初対面でアズサ呼びされたことには、目を瞑っとくよ。リュージ様。
この二人、外見だけの下半身バカかと思ってたけど、中身もカッコよすぎ。
「そんな…酷い」
眼鏡の奥の目に涙を溜める唯人。
インテリ副会長はその唯人を庇うように、もう一度僕を睨んでから、唯人を連れて食堂を去っていった。
「アズちゃん、ごめんね。あの子のさ、こっちを見る目が気持ち悪くて、アズちゃんところに癒されに来たんだけど、巻き込んじゃったね…」
うん。このイケメンコンビが来たらどうやっても目立つもんねー。
なんで僕なんかに構うのか知らないけど、この人たちのこと結構好きだから、なんか拒否できないんだよね。
「別にヘーキだよぉ。万里王子もリュージ様もいてくれたし」
「そうか? 少しは惚れたか?」
「もー、諦めないねー、リュージ様。好きな人いるって言ってるでしょ?」
「心は移り変わるものだろ。…それにしても、あいつ、梓の事を目の敵にしてたな」
「気のせいだってー。二人に構ってもらえなくて拗ねたんでしょ」
「……ならいいけどねぇ」
う、なんか二人とも疑ってるなー。勘のいいお二人ですこと。
でも、あいつには関わりたくないし、大事にしたくないから言わないけどねー。
「えっと、アズちゃんの友達も騒がせちゃってごめんね」
「またな」
二人は、途中から蚊帳の外にいたワンコと美麗な双子を引き連れて戻って行った。
では、僕も早々に立ち去りまーす。
ぐふぐふ言ってるヒノちゃんの腕を掴んで、僕も食堂から退散した。
◇ ◇ ◇
「アズ、どういう事!? なんであのお二方と仲良くなってるの!?」
「うーん、まぁ、話せば長くなるから、説明はナシね」
「……まぁ、色んな意味で美味しすぎるけどさ。制裁されるんじゃないかって、ちょっと心配…」
ああ、それね、すでにされたみたーい。
机の中、からっぽっぽい。すっごい地味な制裁だねー、ホント。トイレとかに詰まってたら嫌だなぁ。せめて潔く燃やしておいて欲しい。
二人に言ったらチクったみたいでイヤだし、どうするかなぁ。
こんな時に大和先輩に相談できたらいいんだけど、誰かに頼るのってすごい苦手なんだよね…。それも唯人の所為なんだけどさ。
唯人に虐められてるって相談に乗ってもらってた従兄が唯人に靡いて、反対に責められた時から他人に弱みを見せれなくなっちゃって。両親にも、唯人は可愛いのにうちの子は、ってずっと言われてきたからさ。はぁ、嫌なこと思い出しちゃった。あいつが来るとか聞いてないし…。
そんなこともあって、自信が全然ない。外見変えて演技してる今がすっごい楽なんだよね。
「ね、ヒノちゃん。放課後パフェ食べいこっか」
「どうしたの、急に」
「食べなきゃやってられないのー」
「うん。付き合うよ。色々あったの、僕があそこに連れて行った所為だから」
「えー、ヒノちゃんはなーんも悪くないって。気にしない気にしない」
ちょっと肩を落とすヒノちゃんには満面の笑みで対応。
宗ちゃんもこれでコロッといってくれるからねー。
「…アズ。やっぱりかわいいよぉ!」
「むはっ」
ヒノちゃんがタックル&ハグしてきた。僕よりちっちゃいのに結構力強い。なにこの敗北感…。
でも、なんだかまた一人友達ができたような気がした。
ちょっと嬉しい。
予想外の事が起きたらしく、ヒノちゃんがちょっと焦ってた。
気にしない気にしない。うまー。
「ちょ、ちょっとアズ…?」
「ん? なに…ひゃっ!」
グラタンに落としてた視線を上げた瞬間、僕は飛び上がった。多分五ミリぐらい。
だって両側から、王子と俺様が顔覗き込んでるんだもん…。
「アズちゃん。今日はグラタン? ふーふーしようか?」
「いや、俺が食べさせてやるからな、梓」
手の中にあるスプーンを甘い笑顔浮かべつつ奪いとる俺様。右に座るリュージ様に先手を取られた万里王子が、グラタン皿を木の敷物ごと持ち上げて、息を吹きかけようとする。
ちょいまち!
「…だめっ」
「「なんで?」」
なんかハモった。
びっくり顔で僕の事見る二人。ちょっとかわいい。
「えっとぉ、僕熱いの好きだし、あーんしてもらうのは好きな人に、って決めてるんだもん」
「好きな人? 俺の事じゃないのか?」
「朝会ったばっかりだし、何とも…」
あ、ガックリなった。だから恋人とか無理って言ったのに。
結構打たれ弱い俺様リュージ様。
「じゃあ僕は?」
「パフェ奢ってくれるいい人、かな?」
「じゃあ、今度またパフェ一緒に食べようね」
「う――」
いかんいかん。パフェ=制裁。思いっきり「うん」って言いかけた。誘導に引っかかるとこだった。万里王子は上手だ。
「ちょっと、二人とも。なんなんですか、その万里以上にチャラチャラしたのは」
向こうの方からインテリ副会長が眉をつり上げながら声をかけてきて、僕を睨みつけた。とんだ巻き添えだよ。僕なんにも悪くないし―。
ちらっとヒノちゃん見たら、また俯いて「ぐふふ」て言ってた。何かにまたツボったらしい。援護ナシってことね。
「そうだよ! そんな誰とでも寝るようなチャラい奴の近くにいたら、龍治君も万里君も穢れるよ!」
え、なにこの人。平凡だと思ってたカツラ君が、ナゼカ、僕に食って掛かって来た。
誰とでも寝るとか、ありえないし。なに、この人、ホント。
ここは逃げた方が良い気がする。でも、なんか聞いたことある声なんだけどな…。
「唯人ゆいとの言う通りです。そんなのを相手にしていたら、家名に傷をつけてしまいますよ」
ゆ、ゆいと…? それって…。
そのカツラ君を凝視していたら、カツラにうまく隠しきれていなかった金色の遊び毛がちらりと見えた。
ヤバ…。
僕がこんな捻くれた性格になった原因の人物――いとこの唯人に違いない。黒カツラ被って黒カラコンまで着けてるけど、多分中身は金髪碧眼。
昔から外見天使だったこいつが泣けば、全部僕の所為にされてきたから、近寄りたくない。留学してるって聞いて、ここ数年ホッとしてたのに!
「ね、それって僕に対する当て付け? 確実に僕の方がアズちゃんより経験人数多いよ?」
万里王子? ちょっと怒ってる…?
ニッコリ細くなってる目が笑ってない。冷たい作り笑いコワイ…。
「そうじゃないよ! 万里君は誰とでもするって聞いて、そんな行為して欲しくないと思って…。だからそんなチャラい奴に関わって欲しくないんだよ」
「……今、初めて会ったよね? 僕の何を知ってるの? それに、君に名前で呼んでいいなんて、許可してないよ?」
「俺もだな。それにな、こんな人の目が集中してる場所で、人を貶めるような発言をする人間こそどうかと思うけどな」
口端を持ち上げたリュージ様、ホント惚れ…――てないよー。あっぶなぁ。
初対面でアズサ呼びされたことには、目を瞑っとくよ。リュージ様。
この二人、外見だけの下半身バカかと思ってたけど、中身もカッコよすぎ。
「そんな…酷い」
眼鏡の奥の目に涙を溜める唯人。
インテリ副会長はその唯人を庇うように、もう一度僕を睨んでから、唯人を連れて食堂を去っていった。
「アズちゃん、ごめんね。あの子のさ、こっちを見る目が気持ち悪くて、アズちゃんところに癒されに来たんだけど、巻き込んじゃったね…」
うん。このイケメンコンビが来たらどうやっても目立つもんねー。
なんで僕なんかに構うのか知らないけど、この人たちのこと結構好きだから、なんか拒否できないんだよね。
「別にヘーキだよぉ。万里王子もリュージ様もいてくれたし」
「そうか? 少しは惚れたか?」
「もー、諦めないねー、リュージ様。好きな人いるって言ってるでしょ?」
「心は移り変わるものだろ。…それにしても、あいつ、梓の事を目の敵にしてたな」
「気のせいだってー。二人に構ってもらえなくて拗ねたんでしょ」
「……ならいいけどねぇ」
う、なんか二人とも疑ってるなー。勘のいいお二人ですこと。
でも、あいつには関わりたくないし、大事にしたくないから言わないけどねー。
「えっと、アズちゃんの友達も騒がせちゃってごめんね」
「またな」
二人は、途中から蚊帳の外にいたワンコと美麗な双子を引き連れて戻って行った。
では、僕も早々に立ち去りまーす。
ぐふぐふ言ってるヒノちゃんの腕を掴んで、僕も食堂から退散した。
◇ ◇ ◇
「アズ、どういう事!? なんであのお二方と仲良くなってるの!?」
「うーん、まぁ、話せば長くなるから、説明はナシね」
「……まぁ、色んな意味で美味しすぎるけどさ。制裁されるんじゃないかって、ちょっと心配…」
ああ、それね、すでにされたみたーい。
机の中、からっぽっぽい。すっごい地味な制裁だねー、ホント。トイレとかに詰まってたら嫌だなぁ。せめて潔く燃やしておいて欲しい。
二人に言ったらチクったみたいでイヤだし、どうするかなぁ。
こんな時に大和先輩に相談できたらいいんだけど、誰かに頼るのってすごい苦手なんだよね…。それも唯人の所為なんだけどさ。
唯人に虐められてるって相談に乗ってもらってた従兄が唯人に靡いて、反対に責められた時から他人に弱みを見せれなくなっちゃって。両親にも、唯人は可愛いのにうちの子は、ってずっと言われてきたからさ。はぁ、嫌なこと思い出しちゃった。あいつが来るとか聞いてないし…。
そんなこともあって、自信が全然ない。外見変えて演技してる今がすっごい楽なんだよね。
「ね、ヒノちゃん。放課後パフェ食べいこっか」
「どうしたの、急に」
「食べなきゃやってられないのー」
「うん。付き合うよ。色々あったの、僕があそこに連れて行った所為だから」
「えー、ヒノちゃんはなーんも悪くないって。気にしない気にしない」
ちょっと肩を落とすヒノちゃんには満面の笑みで対応。
宗ちゃんもこれでコロッといってくれるからねー。
「…アズ。やっぱりかわいいよぉ!」
「むはっ」
ヒノちゃんがタックル&ハグしてきた。僕よりちっちゃいのに結構力強い。なにこの敗北感…。
でも、なんだかまた一人友達ができたような気がした。
ちょっと嬉しい。
14
お気に入りに追加
726
あなたにおすすめの小説

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

灰かぶり君
渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。
お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。
「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」
「……禿げる」
テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに?
※重複投稿作品※
王道学園なのに会長だけなんか違くない?
ばなな
BL
※更新遅め
この学園。柵野下学園の生徒会はよくある王道的なも
のだった。
…だが会長は違ったーー
この作品は王道の俺様会長では無い面倒くさがりな主人公とその周りの話です。
ちなみに会長総受け…になる予定?です。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで
なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。
10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。
義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。
アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。
義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が…
義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。
そんな海里が本当の幸せを掴むまで…
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる
木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8)
和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。
この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか?
鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。
もうすぐ主人公が転校してくる。
僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。
これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。
片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる