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商業大国 グロリアス③
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=== 商業区中枢 グローリア本部前 ===
本部前では1人の女性が手に看板を持ち、受験者への案内をしていた
グローリアの制服らしき深い青色の生地で作られたブレザー着ている彼女
声にはどこか覇気がなく、看板を杖替わりにし気だるそううに立っている
「明日より、試験は2日間に渡り実施されま~す...先に宿の確保をお願いしま~す...」
「えっ、2日間も試験すんの?」
「長いですね」
驚くミカドとディエネ
「おいおい......常識だぞ常識!! まさかお前、冒険者養成学校とかも行ってない感じ?」
ミカド達よりも驚くウィンにミカドがあぁと頷く
「本当に何も知らないんだな...というかそもそもグローリア受けるだけの実力あんのか?
ちなみに自分の推定冒険者ランクとか知ってるか? 初日で足切りあるぞグローリアは」
「いや、なにも知らない」
ミカドが答える
それを見たウィンは手を合わせ、気の毒そうな顔を見せ
ミカド達の試験結果を追悼しはじめた
「ご愁傷様...落ちたな友よ...たまにこういった受験者もいるらしいとは聞いていたが...まぁ可能性はゼロじゃないから色々教えといてやるよ。いいか、グローリアの試験大きく2つだ。これがそれぞれ日を分けて実施される。一つ目は討伐実技、森に放たれた下級魔族を討伐できるかが問われる。ここで討伐できない、すなわち『X<ヴァルト>』の基準を満たさなかった場合ここで足切りになる」
「X<ヴァルト>?」
「...まぁそうだよな知らないよな...全7階級ある冒険者ランクの1つだ」
ウィンは転がっていた石ころで石畳みの床を引っ掻き、何か書き始めた
========
/ :イシュト
X :ヴァルト
* :クロノ
# :ゼルノ
𖤐 :ステラ
𖤐𖤐 :ヴァルトステラ
𖤐𖤐𖤐:クロノステラ
========
「1本の線を引くのに約3~5年かかると言われている。まぁ冒険者の強さの目安になるものだな」
イシュトと書かれた一本線を丸で囲むウィン
「冒険者の卵が、養成学校3年のカリキュラムで戦闘を学び、卒業して初めて1本引かれる程度ってわけ。ヴァルトはその二倍の強さ、クロノは三倍、まぁ簡単に言うとそんな感じだ」
「画数で強さが分かれるわけですね...なるほど」
ディエネは興味深そうにメモしていた
続けて𖤐のマークを囲うウィン
「そして、冒険者の到達点と言われているのがこのステラだ。星付きとも言われるこの冒険者になるのが若者の憧れだな」
ミカドが𖤐𖤐を指さしながらウィンに尋ねる
「ここからは一本ずつじゃないんだな」
ミカドの問いに頷くとウィンは☆と☆☆の間に一本線を引いて表を二分割した
「あぁ、画数でも分かる通りステラより上は別格だ...努力ではどうにもならない画数の向こう側、ヴァルトステラ以上は『画数越え』って呼ばれていたりもするな。あと、あまり知る意味はないかもしれないが、この画数の規格から外れる程の力、神にも等しい強さを持つとされる冒険者は二つ名で呼ばれている。英傑達みたいな感じだな」
𖤐𖤐𖤐の下に『崩黒』と付け足すウィン
「英傑クラスの冒険者が他にもいるのですか?」
「はい、私の知る限りだと各国のギルドマスターや、一部の冒険者に存在します。まぁ雲の上の存在ですよ」
(なんでこいつディエネには敬語なんだ...)
(500年前の我々と同等かそれ以上だと考えると...割と危険因子かもしれませんね)
(確かに...魔王サイドの奴だったら相当厄介だな)
「ちなみに下級魔族を1vs1で倒せる実力になるのがX<ヴァルト>だ。グローリアはこのヴァルト以上しか採用してないんだ」
話ながらウィンはポケットをごそごそと弄り、一枚の紙を取り出すとミカド達に見せてきた
「基本的に養成機関等で模擬診断を受けてからくるもんだぞ。ちなみに俺は*<クロノ>相当だ、すげーだろ」
誇らしげに*<クロノ>と書かれた紙を見せびらかすウィン
いまいちピンと来ていない反応を見せる二人にテンションを戻されたウィンは試験の続きを話し出した
「まぁ、分からんか...んでもって試験の話の続きだが...二日目は試験官との組手だ、ここで𖤐以上の冒険者と組手をして冒険者ランクが採点される。試験官毎に合格基準は異なるらしいが、よほどのことをやらかさない限りは落ちることはないらしい」
「なるほどなぁ...」
「まぁだから、お前が気にするべきはまず一日目な。ディエネさんも」
ポンポンとミカドの肩を叩き、二人の顔を見るウィン
「んじゃ受付しにいくか────ん?なんか人だかりができてるな、大道芸でもやってんのか?」
本部前に人だかりができていることにウィンが気付いた
ざわつく人混みの中から突如としてドゴォーンという石畳が砕けるような鈍い音が鳴り響いた
「喧嘩だ喧嘩ー!」
「へぇ喧嘩だってよ、行ってみようぜミカド!」
「武術家としての血が騒いだのか?」
ミカドとディエネはやれやれといった感じで走っていったウィンの後を追うのだった
本部前では1人の女性が手に看板を持ち、受験者への案内をしていた
グローリアの制服らしき深い青色の生地で作られたブレザー着ている彼女
声にはどこか覇気がなく、看板を杖替わりにし気だるそううに立っている
「明日より、試験は2日間に渡り実施されま~す...先に宿の確保をお願いしま~す...」
「えっ、2日間も試験すんの?」
「長いですね」
驚くミカドとディエネ
「おいおい......常識だぞ常識!! まさかお前、冒険者養成学校とかも行ってない感じ?」
ミカド達よりも驚くウィンにミカドがあぁと頷く
「本当に何も知らないんだな...というかそもそもグローリア受けるだけの実力あんのか?
ちなみに自分の推定冒険者ランクとか知ってるか? 初日で足切りあるぞグローリアは」
「いや、なにも知らない」
ミカドが答える
それを見たウィンは手を合わせ、気の毒そうな顔を見せ
ミカド達の試験結果を追悼しはじめた
「ご愁傷様...落ちたな友よ...たまにこういった受験者もいるらしいとは聞いていたが...まぁ可能性はゼロじゃないから色々教えといてやるよ。いいか、グローリアの試験大きく2つだ。これがそれぞれ日を分けて実施される。一つ目は討伐実技、森に放たれた下級魔族を討伐できるかが問われる。ここで討伐できない、すなわち『X<ヴァルト>』の基準を満たさなかった場合ここで足切りになる」
「X<ヴァルト>?」
「...まぁそうだよな知らないよな...全7階級ある冒険者ランクの1つだ」
ウィンは転がっていた石ころで石畳みの床を引っ掻き、何か書き始めた
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/ :イシュト
X :ヴァルト
* :クロノ
# :ゼルノ
𖤐 :ステラ
𖤐𖤐 :ヴァルトステラ
𖤐𖤐𖤐:クロノステラ
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「1本の線を引くのに約3~5年かかると言われている。まぁ冒険者の強さの目安になるものだな」
イシュトと書かれた一本線を丸で囲むウィン
「冒険者の卵が、養成学校3年のカリキュラムで戦闘を学び、卒業して初めて1本引かれる程度ってわけ。ヴァルトはその二倍の強さ、クロノは三倍、まぁ簡単に言うとそんな感じだ」
「画数で強さが分かれるわけですね...なるほど」
ディエネは興味深そうにメモしていた
続けて𖤐のマークを囲うウィン
「そして、冒険者の到達点と言われているのがこのステラだ。星付きとも言われるこの冒険者になるのが若者の憧れだな」
ミカドが𖤐𖤐を指さしながらウィンに尋ねる
「ここからは一本ずつじゃないんだな」
ミカドの問いに頷くとウィンは☆と☆☆の間に一本線を引いて表を二分割した
「あぁ、画数でも分かる通りステラより上は別格だ...努力ではどうにもならない画数の向こう側、ヴァルトステラ以上は『画数越え』って呼ばれていたりもするな。あと、あまり知る意味はないかもしれないが、この画数の規格から外れる程の力、神にも等しい強さを持つとされる冒険者は二つ名で呼ばれている。英傑達みたいな感じだな」
𖤐𖤐𖤐の下に『崩黒』と付け足すウィン
「英傑クラスの冒険者が他にもいるのですか?」
「はい、私の知る限りだと各国のギルドマスターや、一部の冒険者に存在します。まぁ雲の上の存在ですよ」
(なんでこいつディエネには敬語なんだ...)
(500年前の我々と同等かそれ以上だと考えると...割と危険因子かもしれませんね)
(確かに...魔王サイドの奴だったら相当厄介だな)
「ちなみに下級魔族を1vs1で倒せる実力になるのがX<ヴァルト>だ。グローリアはこのヴァルト以上しか採用してないんだ」
話ながらウィンはポケットをごそごそと弄り、一枚の紙を取り出すとミカド達に見せてきた
「基本的に養成機関等で模擬診断を受けてからくるもんだぞ。ちなみに俺は*<クロノ>相当だ、すげーだろ」
誇らしげに*<クロノ>と書かれた紙を見せびらかすウィン
いまいちピンと来ていない反応を見せる二人にテンションを戻されたウィンは試験の続きを話し出した
「まぁ、分からんか...んでもって試験の話の続きだが...二日目は試験官との組手だ、ここで𖤐以上の冒険者と組手をして冒険者ランクが採点される。試験官毎に合格基準は異なるらしいが、よほどのことをやらかさない限りは落ちることはないらしい」
「なるほどなぁ...」
「まぁだから、お前が気にするべきはまず一日目な。ディエネさんも」
ポンポンとミカドの肩を叩き、二人の顔を見るウィン
「んじゃ受付しにいくか────ん?なんか人だかりができてるな、大道芸でもやってんのか?」
本部前に人だかりができていることにウィンが気付いた
ざわつく人混みの中から突如としてドゴォーンという石畳が砕けるような鈍い音が鳴り響いた
「喧嘩だ喧嘩ー!」
「へぇ喧嘩だってよ、行ってみようぜミカド!」
「武術家としての血が騒いだのか?」
ミカドとディエネはやれやれといった感じで走っていったウィンの後を追うのだった
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