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後編

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 大きな陰茎が、わたくしの性器に当てられました。温かい……。嬉しさと期待で、全身に快感が走ります。
 ぐちゅっ
 ぐちゅっ
 入り口でぬるぬると滑って、なかなか入ってきません。
 凶悪な牡ですが、いつもわたくしに安心感をくれます。これからこの大好きな人とひとつになれるのです。
「アルぅ、はやく、来てぇ」
 慣らさなくても大丈夫。もう、トロトロです。

 アルは荒い息で「誘うなよ、我慢できないだろ」と、わたくしを熱い杭で貫いてくれました。子宮の奥に届くほど突き込まれて、わたくしは足の指先まで震えました。
「……はっ、あんっ」
 ぐんぐん揺さぶられます。
 彼が動くごとに、恥ずかしい濡れた音がぐちゃぐちゃと寝室に響きました。お腹の中の善いところが、たくましい牡でコスられます。
 アルはちゃんとわたくしのおっぱいを舐めてくれます。とても愛おしそうに撫でてくれます。
「あっ、あんっ!」
 気持ちいい……。
 どんどん空に連れて行かれそうです。
 お腹の中にアルの熱い精子がぶちまけられて、わたくしは震えて達しました。
「あーーー」



 ――ほとんど気絶しかかっていました。
 荒い息をついて横たわるわたくしの髪を、アルが撫でてくれています。
「で、俺がミアのおっぱいに不満があるって、誰が言ってたの?」
 ……終わった話題ではなかったようです。
 わたくしの中に収まったままの陰茎が、ふたたびちからを取り戻してきています。正気を取り戻させようというつもりか、ぐんっ、と突き込まれました。
「……ふ、あ?」
「俺のミアにケチつけたの、どいつ?」
「ち、……ちがうの……あんっ」
 ゆるゆると動かされて、わたくしはあえぐしか出来ませんでした。
「ちゃんと教えて。今日の午前中かな? 誰かに何かを言われたんだよね? なんて言われたの?」
「……ええっと、あの……。大したことじゃないの、……あんっ、わたくしが、気にしてしまった、あっ、だけで……」
 いまイッたばかりなのに、もう快感に溺れてしまいそうです。でも、名前なんて出せません。国際問題になってしまいますから。
「誰に、何て、言われたの? ミア」
 頬に何度もキスをされました。
「……何も、何も……」
 だけどアルは許してくれません。
「そうか、もっと気持ち良くならないと、話してくれないのかな。こないだ試した魔法道具、またやってみようね?」
「えっ」
 彼が目の前で手を握って、開きます。手のひらの上に、小さなクラゲに似た固まりがあらわれました。半透明の青で、白い模様が入っています。
「やっ、それだめ……おかしくなっちゃうっ」
「うわ、ミアのヴァギナが、俺のちんちんをきゅんきゅん締め付けているよ。そんなにこれ、気持ち良かった?」
 あっ、だめ。
 いやいやして、手で遠ざけようとしているのに、奥から熱いのがあふれちゃう……。
 わたくしの抵抗なんて簡単にあしらわれて、その魔法道具は簡単にクリトリスに吸いついてきました。
「あんっ」
 もちろん、ますます熱くたぎる牡はわたくしの中を貫いたままです。
「大丈夫、弱くしてあげるよ……」
 興奮を隠しきれてないアルのささやきとともに、魔法道具が振動しはじめました。
「ふあっ!」
 気持ちいいっ。
 つま先まで引き吊りながら、わたくしは快感を貪りました。
 魔法道具は振動するだけではなく、わたくしのいちばん弱いところをぎゅんぎゅん締め付けてきます。あっ、またイッちゃうっ。
「うっわ、ミアの締め付け……すごいな……」
 アルも気持ちよさそうです。
 クリトリスに細かい刺激を入れたまま、アルはふたたび腰を動かしてゆさぶってきます。水音とともに、膣の中が気持ち良くかき混ぜられます。彼はおっぱいを揉んで、乳首を下から上へとすこし乱暴に舐めてくれます。
「あんっ、あんっ、ああんっ」
 気持ちいいっ、
「気持ちいいよぅ」
 女の子の弱いところが、ぜんぶ攻められています。中から愛液があふれて、あふれて、止まりません。ぐちゃぐちゃに濡らされています。
 大好き、大好き!
「ミア……」
「アルぅ」
「なんて、言われたんだ? この、おっばいに誰がケチ付けたんだ?」
 胸を強く揉まれて、わたくしは細い悲鳴をあげました。
「ああんっ、ああっ」
 気持ち良くて、もう我慢ができません。限界を超える音が聞こえました。
「あ、あ、アルぅ。ち、小さくて可哀想だってぇ、……そんな大きさじゃ、満足させられないわねっ、てぇ……」
 くやしくて泣いているのか、気持ち良すぎて泣いているのか、自分でもよく分かりません。目が熱いです。わたくしは彼のからだに、さらに強くしがみつきます。
 どこもかしこも洪水のようです。

 アルは舌打ちをしました。
「そんなわけあるか」
 より激しく腰を振ります。
「ミアのことで不満なところなんて、一カ所も無い。身体も顔も、性格も能力も、すべて大好きなんだから……」
「あ、わたくしも、わたくしもアルのぜんぶが大好きなのぅ」
 お腹の中にまた、赤ちゃんの種が注がれます。
 わたくしは何度も達しながら、気を失いました。



  ◆ ◆ ◆



 翌日。
 隣国の王女が、お着きの者たちとともにいきなり帰国したそうです。

「な、なぜ?」
「あの女だろ? ミアにケチつけたのは」
 アルヴィン陛下は、こともなげに答えました。……正解ですけど……。
「……どうして」
 快感にぐちゃぐちゃにされながらも、名前は言わなかったはずなのですが……。

「この城の奴が、俺が溺愛しているミアに喧嘩を売るわけはないからな。十一年かけて、やっと手に入れたんだ。ミアを泣かせたら剣で首をはねて魔法で燃やしてやるさ」
「……冗談」
「に、見えるか?」
 ——見えません。
「そして、あの女は元は俺に求婚に来ていたうちの一人だ。俺の魔法が目当てなんだろう」
 こんなに素敵な人なのだから、魔法が強くなくても求婚者は多かったと思いますが……。
「というわけで、やらかしそうな奴は何人かいたが、その中でいちばん胸が大きくて頭が空っぽなのが、あの女だった。
 本人に問いただしたら、自慢げに自供して自分に乗り換えろだなんだ馬鹿を言い出したんで、速攻でお帰り願った」

「……ええっと、国際問題になりませんか?」
 だからわたくしは我慢したのですけれど。
 そう聞きながらも、胸の奥が喜びで浮き立ってしまうのが押さえられませんでした。大好きな陛下が、わたくしのために動いてくれた……。
 でも同じぐらい心配する気持ちもあったのに、陛下はあっさり肩をすくめました。
「まあ、大丈夫だろう。ならないように手を打っといたから。――だから、ひとりで抱え込むな? ちゃんと俺に頼れよ?」

 抱きしめられて、抱きしめ返して、うなずきます。
「はい。……ごめんなさい」
 大好きなアルヴィン陛下。
 助けられるばかりではなくて、わたくしが助けられるようになろう。
 決意を胸に、ぎゅっと、腕にちからを込めたのでした。


               おしまい
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