【R18】溺愛×悪役令嬢 reboot

月極まろん

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◆毒草の王太子◆

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 黄金曜日。
 放課後が近付いた教室の中は、そわそわした空気に満ちている。明日からまた二日間の休日だ。

 ローザは気鬱から溜め息をついた。
 黒板の文字をノートに書き写していると、視界に入ってしまう“罪”。両手の人差し指に巻かれた、赤い糸。
 一週間近くも前に巻かれたもの。
 それはローザへのいましめだった。
 申し訳なさと後悔で、心に重石が入ったような気持ちになる。いや、後悔は……しているのだろうか?


「可愛いローザ。これは君への罰だよ?」
 あの、お日さま曜日、あの図書館で。
 自分たちの話を聞いたエドアルド王子は、優雅にしゃがんで片膝をついた。
 床に座り込んだ婚約者ローザの左手の人差し指に赤い糸を巻き付ける。彼が着ていた礼装のマントから引きちぎった糸だ。
 明るい黄金の髪とアイスブルーの瞳、端正な顔立ちの“完璧な王子さま”は、おだやかに微笑んですらいた。
 あんな――自分の女が、自分たち以外の男と交わる姿を見たというのに。

 彼から糸を受け取って、チェリオもまた右手の人差し指に巻いてきた。彼もまた礼装だ。今日は城で行事があり、学園に帰ってくるのは明日のはずだったのだから。
 こんな状況でなければ、見惚れるほど美しい男性たちだった。

「……ローザ様」
 怒っているかと思った。
 泣くかとも思った。
 しかしオレンジの髪の彼もまた罵倒すらせずに、淡い苦笑めいた笑みを浮かべていた。

「……悪いのは、わたくしなの」
「私だけが悪いと、申し上げております!」

 語尾に重ねるように、カルミネが叫ぶ。
 しかし、彼の牡を慰めることを選んだのは自分だ。
 ブラウスのボタンは留めていたけれど、その下にある乳房は精液でぐちゃぐちゃ。下着もまた愛液と唾液でしとどに濡れている。彼のモノを性器に入れていない“だけ”でしかない。
 この国の第二王子と、貴族の重鎮の息子を裏切ってしまったのだ。きっと、鞭を打たれて国外に追放されるのだろう。
 ゲームの中の『悪役令嬢ローザ』のように。

「そうだね、なんてひどいひとなんだ君は」
 それは初めて王子と結ばれた時に、言われた言葉。まだ一ヶ月ぐらいしか経っていないのに。
「だから、君たちの処遇を決めるのは、次の休日である土の曜日にするよ? それまで君の――自慰行為を禁止する」
「……わたくしの、じいこうい?」

 エドアルドはサディスティックな笑顔で、ローザの耳元に唇を寄せる。
「その赤い糸は戒めだ。君はそれを外されるまでは一切、オナニーしてはいけない。君のその素敵なおっぱいにも、蜜壷や入り口の珊瑚の粒にも、自分で触れてはいけないよ、ローザ。――いい子だ、守れるね?」
 ひたいにキスが落ちる。

 ローザはうなずくしかなかった。
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