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◆白百合のヒロイン◆
2 ※
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一歩あるくごとに足のあいだからぬるりとした液体がこぼれて、下着をさらに濡らしていく。ココナッツミルクのような甘い匂いが立ちのぼる。
羞恥に頬を染めたローザは、足の間を引き締めるようにして慎重に浴室へと向かっていく。
寮と浴室や食堂がある棟は渡り廊下でつながっていて、この時間はさすがにひとけは無い。
「マリーは部屋に下がらせてありますよ」
自分付きのメイドの名に、ローザは感謝した。こんな醜態を見せるわけにはいかない。
「ありがとう、リリィ」
王族だと判明してからは城では「リリィ様」と呼んでいるが、リリィ本人に懇願されて学園では呼び捨てのままだった。そのわりにあちらからは様を付けているのは、本人曰く「そういうもの」らしい。
貴族しか使えない個室風呂のうち、いちばん狭い部屋に予約札が下がっていた。脱衣所に入ってきたリリィは自分も脱ぎはじめた。色白で細身の綺麗な裸体が露わになる。彼女は手際よく自分の銀髪をヘアゴムで束ね上げた。戸惑うローザに身を寄せて耳打ちをしてくる。
「髪を洗わないとなりませんよ。彼らの“匂い”がしますもの。御自分ひとりでは洗えませんでしょう?」
「……おねがいしますわ」
なんの匂いか気付いて、耳まで熱い。
◆ ◆ ◆
「卒業まであと一年もあるのに、ローザさまに赤ちゃんが出来ちゃったらどうするんでしょう」
「……あ、や、リリィっ」
水音に紛れて、ぐちゅぐちゅと濡れた音がする。白濁した液体が、リリィの細い指で掻き出されていき、浴室の低い椅子に腰掛けたローザは指先まで伸びた足で床を掻いた。
向かい合わせのリリィに必死でしがみつく。
「ダメですよ、ちゃんと出さなきゃ」
笑みを含んだリリィの声。
「ほら、奥までたっぷり入ってるんですから」
「……や」
「いったい何回、愛されたんですか?」
「……や、言わないでぇ」
トロリと溢れてくるのは彼らが放った精だけではない。新しい粘液が、我慢できずに奥からこぼれてくるのだ。
陰核のあたりを手のひらで揉まれ、内壁を指先でこすられて、ローザの全身がはねる。
「ほら、ちからを抜いて。卒業前に赤ちゃんが出来たら困りますよね?」
うなずく。
それは困る。
いつかは欲しいけれど、エドアルドやチェリオの赤ちゃんならそれはそれは可愛いだろうけれど、それは今ではない。
まだまだ学びたいことがたくさんあるし、やらなくてはいけないことも多いのだ。
「じゃあ、赤ちゃんの種をみんな外に出して、お薬を塗らないと。ほら、ローザさま、もっと足を広げてください」
「わ、わかったわ……」
彼女にしがみついていた腕を優しく外されて、タイルの壁にもたれかかる。視線を逸らしながら、精一杯足を広げる。荒い息をついて、なるべく何も考えないように……。
なんせ、彼女の実家――王女を拾って育てた養父母は大きな薬問屋なのだ。医学の知識や薬について、この学園でリリィに勝てる者はいない。
ちょっと特殊な薬問屋だけれども。
「よくできました」
頬にキスをされ、視界の端で銀色の髪が下がった。
「あっ、やっ」
足の付け根にある淫唇に舌を感じた。そのまま容赦なくすすられる。ローザはあまりの快感に悲鳴をあげた。
「やん、吸っちゃや」
「逃げちゃダメですよ、ローザさま。まだまだ残ってますよ赤ちゃんの種が」
舌なめずりをしたリリィは、浴室用の椅子から落ちそうになるローザの腰を押さえつけて、その蜜壷を舌でかき回してくる。
「やっ、漏れちゃう、漏れちゃうっ」
「ここはバスルームですから、漏らしても大丈夫ですよ」
「やっ、だめ、いっちゃう」
じゅるじゅると吸われながら達する。
奥からあふれてくる熱い液体が愛液なのかおしっこなのかも分からない。ヒロインの舌と指が、ぐちゅぐちゅに濡れてゆるんだ蜜壷の中を暴れ回る。
湯気の中で、全身が熱い。
快楽の頂上に達してぼんやりと見上げると、リリィは愛おしそうにこちらを見ていた。
なんて美しい女の子なのだろう。
百花園は各キャラクターに花があてられている。ヒロインはもちろん白百合だ。銀色の髪に桃色の瞳、白い肌。整った顔立ち。月の女神のようだ。
「リリィは……婚約しないのですか?」
不思議に思って訊ねる。
ゲームの中では、ヒロインが王女と判明するのも攻略キャラ=婚約が発表されるのも卒業間際の四年生のときだ。しかし普通にプレイしていれば、この三年生の時点でも攻略キャラは絞り込めている。これだけ綺麗で可愛くて優しい女の子は引く手あまたに決まっている。
いったい誰ルートに入っているのだろう。
以前から周囲や本人にそれとなく探ってみているものの、誰を攻略しているのか、いまひとつ分からない。
「あなたのことを大好きな、素敵な男性がいっぱいいると思うのですけれど……」
生徒会のメンバーはすこしだけゲームとは顔ぶれや性格が違っているけれども。――そもそも書記は、自分ではなくリリィのはずだったのに……。
「わたしがいちばん好きなのはローザさまですよ」
石鹸を泡立てながら、リリィは微笑んだ。
その泡を、ローザの全身にすりこんでくる。乳房をぬるぬると撫でて、先端の果実をつままれて、ローザはふたたび甘い悲鳴をあげた。
羞恥に頬を染めたローザは、足の間を引き締めるようにして慎重に浴室へと向かっていく。
寮と浴室や食堂がある棟は渡り廊下でつながっていて、この時間はさすがにひとけは無い。
「マリーは部屋に下がらせてありますよ」
自分付きのメイドの名に、ローザは感謝した。こんな醜態を見せるわけにはいかない。
「ありがとう、リリィ」
王族だと判明してからは城では「リリィ様」と呼んでいるが、リリィ本人に懇願されて学園では呼び捨てのままだった。そのわりにあちらからは様を付けているのは、本人曰く「そういうもの」らしい。
貴族しか使えない個室風呂のうち、いちばん狭い部屋に予約札が下がっていた。脱衣所に入ってきたリリィは自分も脱ぎはじめた。色白で細身の綺麗な裸体が露わになる。彼女は手際よく自分の銀髪をヘアゴムで束ね上げた。戸惑うローザに身を寄せて耳打ちをしてくる。
「髪を洗わないとなりませんよ。彼らの“匂い”がしますもの。御自分ひとりでは洗えませんでしょう?」
「……おねがいしますわ」
なんの匂いか気付いて、耳まで熱い。
◆ ◆ ◆
「卒業まであと一年もあるのに、ローザさまに赤ちゃんが出来ちゃったらどうするんでしょう」
「……あ、や、リリィっ」
水音に紛れて、ぐちゅぐちゅと濡れた音がする。白濁した液体が、リリィの細い指で掻き出されていき、浴室の低い椅子に腰掛けたローザは指先まで伸びた足で床を掻いた。
向かい合わせのリリィに必死でしがみつく。
「ダメですよ、ちゃんと出さなきゃ」
笑みを含んだリリィの声。
「ほら、奥までたっぷり入ってるんですから」
「……や」
「いったい何回、愛されたんですか?」
「……や、言わないでぇ」
トロリと溢れてくるのは彼らが放った精だけではない。新しい粘液が、我慢できずに奥からこぼれてくるのだ。
陰核のあたりを手のひらで揉まれ、内壁を指先でこすられて、ローザの全身がはねる。
「ほら、ちからを抜いて。卒業前に赤ちゃんが出来たら困りますよね?」
うなずく。
それは困る。
いつかは欲しいけれど、エドアルドやチェリオの赤ちゃんならそれはそれは可愛いだろうけれど、それは今ではない。
まだまだ学びたいことがたくさんあるし、やらなくてはいけないことも多いのだ。
「じゃあ、赤ちゃんの種をみんな外に出して、お薬を塗らないと。ほら、ローザさま、もっと足を広げてください」
「わ、わかったわ……」
彼女にしがみついていた腕を優しく外されて、タイルの壁にもたれかかる。視線を逸らしながら、精一杯足を広げる。荒い息をついて、なるべく何も考えないように……。
なんせ、彼女の実家――王女を拾って育てた養父母は大きな薬問屋なのだ。医学の知識や薬について、この学園でリリィに勝てる者はいない。
ちょっと特殊な薬問屋だけれども。
「よくできました」
頬にキスをされ、視界の端で銀色の髪が下がった。
「あっ、やっ」
足の付け根にある淫唇に舌を感じた。そのまま容赦なくすすられる。ローザはあまりの快感に悲鳴をあげた。
「やん、吸っちゃや」
「逃げちゃダメですよ、ローザさま。まだまだ残ってますよ赤ちゃんの種が」
舌なめずりをしたリリィは、浴室用の椅子から落ちそうになるローザの腰を押さえつけて、その蜜壷を舌でかき回してくる。
「やっ、漏れちゃう、漏れちゃうっ」
「ここはバスルームですから、漏らしても大丈夫ですよ」
「やっ、だめ、いっちゃう」
じゅるじゅると吸われながら達する。
奥からあふれてくる熱い液体が愛液なのかおしっこなのかも分からない。ヒロインの舌と指が、ぐちゅぐちゅに濡れてゆるんだ蜜壷の中を暴れ回る。
湯気の中で、全身が熱い。
快楽の頂上に達してぼんやりと見上げると、リリィは愛おしそうにこちらを見ていた。
なんて美しい女の子なのだろう。
百花園は各キャラクターに花があてられている。ヒロインはもちろん白百合だ。銀色の髪に桃色の瞳、白い肌。整った顔立ち。月の女神のようだ。
「リリィは……婚約しないのですか?」
不思議に思って訊ねる。
ゲームの中では、ヒロインが王女と判明するのも攻略キャラ=婚約が発表されるのも卒業間際の四年生のときだ。しかし普通にプレイしていれば、この三年生の時点でも攻略キャラは絞り込めている。これだけ綺麗で可愛くて優しい女の子は引く手あまたに決まっている。
いったい誰ルートに入っているのだろう。
以前から周囲や本人にそれとなく探ってみているものの、誰を攻略しているのか、いまひとつ分からない。
「あなたのことを大好きな、素敵な男性がいっぱいいると思うのですけれど……」
生徒会のメンバーはすこしだけゲームとは顔ぶれや性格が違っているけれども。――そもそも書記は、自分ではなくリリィのはずだったのに……。
「わたしがいちばん好きなのはローザさまですよ」
石鹸を泡立てながら、リリィは微笑んだ。
その泡を、ローザの全身にすりこんでくる。乳房をぬるぬると撫でて、先端の果実をつままれて、ローザはふたたび甘い悲鳴をあげた。
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