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ハンターとの遭遇
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「忘れ物はないわね? 赤ずきん」
ママから受け取ったバスケット。広げたハンカチの下にあるのは、朝に焼いたばかりのパンと上質の赤ワインが二本。
新しく仕立ててもらったばかりの林檎色のマントを身につけた赤ずきんは持ち物を確認すると満足そうに微笑み、くるりと回ってみせました。
赤いフードの下からは、腰よりも下まで伸びた明るい金色の三つ編みがふたつこぼれ、軽やかに跳ねます。先端をたばねているリボンもマントと同じ真紅です。
「赤ずきん、気をつけていってらっしゃい」
「大丈夫ですわ。おばあさまはきっと喜んでくれますもの」
知恵と魔力にあふれた古き森はうっそうと生い茂り、土が踏み固められただけの細い道は獣道に近いほど荒れ果てています。
ごつごつしたこぶを持った太い木々や、棘のある下生えとそれに絡まった蔦が、人の足を阻もうとしているかのようでした。
道沿いの切り株で休んでいた若い男が、森の奥へと分け入ってきた赤ずきんを見ていぶかしげに首をかしげ、立ち上がりました。
男は背が高く、小柄な赤ずきんからだと見上げることしかできません。筋肉がよくのったたくましい体躯を持ち、髭を生やした整った顔立ちに、狩人ならではの闇色の服がとても似合っています。
「可愛らしいお嬢さん。ここから先は、恐ろしい化け物がたくさんいるよ」
「あら。心配してくれてありがとう、ハンサムなハンターさん」
「――それとも君が魔物かな?」
大きな猟銃が赤ずきんの柔らかな乳房に押し当てられました。
どこから取り出したのかも分からないほど素早い抜き打ちです。もしかすると彼が魔法で錬成したのかもしれません。
彼が腰掛けていた切り株の傍らには、大きな角やひとつ目を持った化け物の死骸がいくつも転がっています。魔物の体からは希少な薬や宝石が採れるので、高値で売れるのです。
そんな森に現れたこの美しい少女は、真っ赤な長いマントの下には、膝上までの革のブーツしか身につけてません。透き通るように白い肌も、手には余るほどの乳房もその先端の鴇色の果実も、すらりとした足とその付け根の茂みも、すべて無防備にさらけ出されていました。
赤ずきんは少し困った顔をして、片手にさげた籐のバスケットを握りなおして小首をかしげました。
「わたしは魔物ではないわ。この森に住んでいるおばあさまのところに行くのよ」
「女王陛下の孫か……。なるほどね」
赤ずきんの全身を舐めるように観察していたハンターはニヤリと笑い、焼きたてのパンのように白くふっくらとした赤ずきんの胸を、冷たい銃口でこねくりまわしました。
「……っ」
赤ずきんは逃げませんでした。彼はかなり強いハンターです。逃げ出したりへたな抵抗をすればすぐさま撃ち殺されてしまうでしょう。
黄金をつむいだような長い髪に、森の若葉の瞳。彼女の長いまつげが柔らかな頬に影を落とし、初潮を迎えて成熟しつつある赤ずきんの若い身体が震え、眉が寄せられます。
太くて黒光りする銃身はそのまま、彼女のなめらかな腹から愛らしいへその周りを撫でながらゆっくりと下がっていき、幼さが残る蜜色の柔らかな下生えを掻き分けて茂みをこすり上げました。
ハンターは、愛らしい少女の上気してゆく肌から目が離せません。
「魔女は魔物とヤルっていうのは本当か?」
赤ずきんは甘い吐息を漏らします。
ほっそりとした足と足の間を押し上げるかのように、太い銃身がゆるゆると少女の秘密のスリットを愛撫し続けていました。
「……使い魔との契約のこと?」
「あんたみたいな可愛い女の子を抱けるなら、使い魔になってもいいな。……いや、俺が君を使い魔にしてやろうか、鎖で縛って、もっと気持ちよくしてやるぜ」
「そうねぇ――――」
魔女は、果実のように艶やかな唇をチロリと舐めました。喉の奥から嬌声のような小さな歌声が流れ出します。その意味を聞き取ろうとするハンターの眉が不審そうに寄せられました。
艶めいたそれは、小さなコルクを踊らせるためだけの魔法の歌だったからです。
少女のほっそりとした指先が黒鉄の銃身を男根のようにしごき、先端にある小さく尖った照星のくびれをカリのように擦ります。ハンターの目が思わずそちらに惹きつけられたところで、
「――お断り、よ」
もう片手には赤ワインのボトル。
踊るコルクがバスケットの中へ外れ落ちたところでした。
「! しまっ!」
バスケットが地面に落ちた時には、ボトルから飛び出した真っ赤な液体が身構えかけたハンターを飲み込み、ふたたびボトルへと渦巻きながら戻っていくところでした。
ママから受け取ったバスケット。広げたハンカチの下にあるのは、朝に焼いたばかりのパンと上質の赤ワインが二本。
新しく仕立ててもらったばかりの林檎色のマントを身につけた赤ずきんは持ち物を確認すると満足そうに微笑み、くるりと回ってみせました。
赤いフードの下からは、腰よりも下まで伸びた明るい金色の三つ編みがふたつこぼれ、軽やかに跳ねます。先端をたばねているリボンもマントと同じ真紅です。
「赤ずきん、気をつけていってらっしゃい」
「大丈夫ですわ。おばあさまはきっと喜んでくれますもの」
知恵と魔力にあふれた古き森はうっそうと生い茂り、土が踏み固められただけの細い道は獣道に近いほど荒れ果てています。
ごつごつしたこぶを持った太い木々や、棘のある下生えとそれに絡まった蔦が、人の足を阻もうとしているかのようでした。
道沿いの切り株で休んでいた若い男が、森の奥へと分け入ってきた赤ずきんを見ていぶかしげに首をかしげ、立ち上がりました。
男は背が高く、小柄な赤ずきんからだと見上げることしかできません。筋肉がよくのったたくましい体躯を持ち、髭を生やした整った顔立ちに、狩人ならではの闇色の服がとても似合っています。
「可愛らしいお嬢さん。ここから先は、恐ろしい化け物がたくさんいるよ」
「あら。心配してくれてありがとう、ハンサムなハンターさん」
「――それとも君が魔物かな?」
大きな猟銃が赤ずきんの柔らかな乳房に押し当てられました。
どこから取り出したのかも分からないほど素早い抜き打ちです。もしかすると彼が魔法で錬成したのかもしれません。
彼が腰掛けていた切り株の傍らには、大きな角やひとつ目を持った化け物の死骸がいくつも転がっています。魔物の体からは希少な薬や宝石が採れるので、高値で売れるのです。
そんな森に現れたこの美しい少女は、真っ赤な長いマントの下には、膝上までの革のブーツしか身につけてません。透き通るように白い肌も、手には余るほどの乳房もその先端の鴇色の果実も、すらりとした足とその付け根の茂みも、すべて無防備にさらけ出されていました。
赤ずきんは少し困った顔をして、片手にさげた籐のバスケットを握りなおして小首をかしげました。
「わたしは魔物ではないわ。この森に住んでいるおばあさまのところに行くのよ」
「女王陛下の孫か……。なるほどね」
赤ずきんの全身を舐めるように観察していたハンターはニヤリと笑い、焼きたてのパンのように白くふっくらとした赤ずきんの胸を、冷たい銃口でこねくりまわしました。
「……っ」
赤ずきんは逃げませんでした。彼はかなり強いハンターです。逃げ出したりへたな抵抗をすればすぐさま撃ち殺されてしまうでしょう。
黄金をつむいだような長い髪に、森の若葉の瞳。彼女の長いまつげが柔らかな頬に影を落とし、初潮を迎えて成熟しつつある赤ずきんの若い身体が震え、眉が寄せられます。
太くて黒光りする銃身はそのまま、彼女のなめらかな腹から愛らしいへその周りを撫でながらゆっくりと下がっていき、幼さが残る蜜色の柔らかな下生えを掻き分けて茂みをこすり上げました。
ハンターは、愛らしい少女の上気してゆく肌から目が離せません。
「魔女は魔物とヤルっていうのは本当か?」
赤ずきんは甘い吐息を漏らします。
ほっそりとした足と足の間を押し上げるかのように、太い銃身がゆるゆると少女の秘密のスリットを愛撫し続けていました。
「……使い魔との契約のこと?」
「あんたみたいな可愛い女の子を抱けるなら、使い魔になってもいいな。……いや、俺が君を使い魔にしてやろうか、鎖で縛って、もっと気持ちよくしてやるぜ」
「そうねぇ――――」
魔女は、果実のように艶やかな唇をチロリと舐めました。喉の奥から嬌声のような小さな歌声が流れ出します。その意味を聞き取ろうとするハンターの眉が不審そうに寄せられました。
艶めいたそれは、小さなコルクを踊らせるためだけの魔法の歌だったからです。
少女のほっそりとした指先が黒鉄の銃身を男根のようにしごき、先端にある小さく尖った照星のくびれをカリのように擦ります。ハンターの目が思わずそちらに惹きつけられたところで、
「――お断り、よ」
もう片手には赤ワインのボトル。
踊るコルクがバスケットの中へ外れ落ちたところでした。
「! しまっ!」
バスケットが地面に落ちた時には、ボトルから飛び出した真っ赤な液体が身構えかけたハンターを飲み込み、ふたたびボトルへと渦巻きながら戻っていくところでした。
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